JPH04116610U - エンジンのデコンプ装置 - Google Patents
エンジンのデコンプ装置Info
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- JPH04116610U JPH04116610U JP1898391U JP1898391U JPH04116610U JP H04116610 U JPH04116610 U JP H04116610U JP 1898391 U JP1898391 U JP 1898391U JP 1898391 U JP1898391 U JP 1898391U JP H04116610 U JPH04116610 U JP H04116610U
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- Valve Device For Special Equipments (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】正確なタイミングで確実に作動し、耐久性のあ
る、エンジンのデコンプ装置を提供する。 【構成】デコンプシャフト35の基端部を、カムシャフ
ト7の付属部品であるカムドリブンギヤ33の軸受孔4
8に軸支し、デコンプカム45側をジャーナル部46に
て動弁カム16の側面49に軸支することによってデコ
ンプシャフト35を両端支持とした。
る、エンジンのデコンプ装置を提供する。 【構成】デコンプシャフト35の基端部を、カムシャフ
ト7の付属部品であるカムドリブンギヤ33の軸受孔4
8に軸支し、デコンプカム45側をジャーナル部46に
て動弁カム16の側面49に軸支することによってデコ
ンプシャフト35を両端支持とした。
Description
【0001】
〔考案の目的〕
【0002】
本考案はエンジンのデコンプ装置に関する。
【0003】
4サイクルガソリンエンジンなどの始動時に混合気の圧縮圧力を一時的に減圧
させてクランクシャフトの反力を弱め、始動性を良くするデコンプ装置は自動二
輪車のエンジンを始め、広く用いられている。
【0004】
自動二輪車のエンジンに用いられるデコンプ装置の一つに、カムシャフトの動
弁カムのカムベース面にデコンプカムを出没させる形式のものがある。
【0005】
このデコンプ装置は、エンジンの始動時に動弁カムのカムベース面にデコンプ
カムを突出させることによって本来閉じるタイミングにあるバルブ(動弁)を僅
かに開き、混合気を漏出させて圧縮圧力を減圧(デコンプレッション)するもの
である。
【0006】
上記デコンプカムは、例えばカムシャフトに平行に、かつ一体回転可能に設け
られたデコンプシャフトに形成され、デコンプシャフトの回動変位によって動弁
カムのカムベース面に出没するようになっている。
【0007】
従来このようなデコンプ装置では、デコンプシャフトの基端部を、カムシャフ
トに固定されたカムドリブンギヤやブラケット等の付属部品によって片持状態で
軸支し、デコンプシャフトのデコンプカム側を動弁カムに重ねるようにしていた
。
【0008】
しかしながら、上述したデコンプシャフト基端部のみを片持状態でカムシャフ
トに軸支すると、動弁カムに重なっている自由端側のデコンプカムは、バルブを
開く度にカムベース面の接線方向へ強力に押圧されるので定位置から若干ずれ、
デコンプタイミングが変わる恐れがあると共にデコンプシャフトがスムーズに回
動しづらく、作動の確実性に不安があった。
【0009】
またデコンプシャフトが軸支される基端部には、デコンプカム側以上の力が加
わるため、デコンプシャフトの曲がりや偏摩耗を誘発する原因となっていた。
【0010】
本考案は上記問題点を考慮してなされたもので、正確なタイミングで確実に作
動し、耐久性のあるエンジンのデコンプ装置を提供することを目的とする。
〔考案の構成〕
【0011】
上記目的を達成するため、本考案に係るエンジンのデコンプ装置は、カムシャ
フトに平行に、かつ一体回転可能に軸支され、回動変位することによって動弁カ
ムのカムベース面にデンコプカムを出没させるデコンプシャフトの基端部をカム
シャフトの付属部品に軸支し、上記デコンプカム側を動弁カムの側面に軸支する
ことによりデコンプシャフトを両端支持としたものである。
【0012】
エンジンのデコンプ装置をこのように構成することにより、デコンプ装置の作
動時においてデコンプカムに加わる力はデコンプシャフトの両端で受け止められ
る。このため、デコンプカムが定位置からずれることが無くなり、デコンプタイ
ミングが正確になると共に作動性、耐久性が向上する。
【0013】
以下、本考案の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、本考案に係るエンジンのデコンプ装置を備えた自動二輪車1を示して
いる。この自動二輪車1は車体フレーム2の前方寄りにエンジン3を搭載し、チ
ェーン4によって後輪5を駆動するものである。
【0015】
図2は図1に示すエンジン3の縦断面図である。このエンジン3は、シリンダ
ヘッド6内に回転自在に軸支されたカムシャフト7によって吸気バルブ8および
排気バルブ9を開閉させるオーバーヘッドカム型式である。
【0016】
吸、排気バルブ8,9は2重コイル状の強力なバルブスプリング10,11に
よって吸気および排気ポート12,13を常時閉塞する方向にばね付勢して燃焼
室14を密閉している。
【0017】
カムシャフト7には動弁カムである吸気カム15および排気16が所定の角度
を持って一体、あるいは一体的に設けられており、これら吸、排気カム15,1
6の上にはロッカアーム17,18がロッカシャフト19,20を支点として揺
動自在に軸支されている。
【0018】
ロッカアーム17,18の両端部は吸、排気カム15,16と吸、排気バルブ
8,9の上端部にそれぞれ乗っており、図3に示すようにロッカアーム17,1
8が吸、排気カム15,16に当接する部分は滑らかなロッカフロア面21,2
2となっている。
【0019】
一方、ロッカアーム17,18の他端側はタペット部23,24となっており
、この部分のネジ調整によって上記ロッカフロア面21,22は吸、排気カム1
5,16のカムベース面25,26(吸、排気カム15,16の山27,28が
隆起していない面)との間に僅かな間隙(0.1〜0.2mm程度)を与えられて
いる。
【0020】
カムシャフト7は、図示しないチェーン等の伝達手段により、図2中のクラン
クシャフト29に連動回転し、クランクシャフト29の2分の1の回転速度で前
方回転(図中で左回転)する。
【0021】
そしてカムシャフト7が回転すると吸、排気カム15,16の山27,28が
ロッカアーム17,18のロッカフロア面21,22を押圧し、ロッカアーム1
7,18のタペット部23,24が降下して吸、排気バルブ8,9を押し下げ、
吸、排気ポート12,13が燃焼室14に連通する。
【0022】
このようにして吸気バルブ8が開いた時にはピストン30の降下に従って吸気
ポート12よりシリンダ31内に混合気が流入し、排気バルブ9が開いた時には
ピストン30の上昇に伴ってシリンダ31の排気ガスが排気ポート13に排出さ
れるようにクランクシャフト29とカムシャフト7はタイミング付けられている
。
【0023】
図4は図3に示すカムシャフト7のA矢視図であり、図5は図4のB−B線に
沿う断面図である。
【0024】
このカムシャフト7にはデコンプ装置32が備えられている。デコンプ装置3
2は、例えばカムシャフト7の付属部品であり、カムシャフト7を前記クランク
シャフト29に連動回転させるカムドリブンギヤ(あるいはスプロケット)33
の内側面に設置され、例えば排気カム16に面している。
【0025】
デコンプ装置32はデコンプブラケット34、デコンプシャフト35、ピン3
6、遠心レバ38、およびリターンスプリング38などより構成されている(図
4においてリターンスプリング38は省略)。
【0026】
デコンプブラケット34は例えば板金のプレス加工により製作されたもので、
図6にも示すようにU字形状をなすリテーナ部39と2カ所のストッパ40,4
1が内側に曲げられて形成され、さらにアーム42を有している。このデコンプ
ブラケット34は例えば2個のリベット43によってカムドリブンギヤ33にか
しめて固着されている(図4においてリベット43は省略)。
【0027】
デコンプシャフト35は図4、図5、図6に示すような丸棒形状であり、その
片端部は軸線に平行する平面44が設けられ、デコンプカム45が形成されてい
る。また、デコンプカム45の先にはデコンプシャフト35と同心で小径のジャ
ーナル部46が形成されている。
【0028】
カムシャフト7には、排気カム16の厚みCの内、Dだけ切り欠く形状で軸線
に平行するリセス面47が形成されており、このリセス面47に上記デコンプシ
ャフト35が、そのデコンプカム45側を排気カム16に向けて載置されている
。
【0029】
そしてデコンプシャフト35は、その基端部をカムドリブンギヤ33に穿設さ
れた軸受孔48に軸支され、またジャーナル部46を排気カム16の側面49に
挿入されることにより回転自在に両端支持され、回動変位することによって排気
カム16のカムベース面26にデコンプカム45を出没させるようになっている
。尚、デコンプシャフト35の中間部は前記デコンプブラケット34のリテーナ
部39にも保持されている。
【0030】
ピン36は、デコンプシャフト35の軸線に直角に突設されており、デコンプ
シャフト35の回動によってデコンプブラケット34のストッパ40,41に当
接し、デコンプシャフト35の回動範囲を規制している。
【0031】
遠心レバ37は、三日月型の形状を有しており、その基端分は例えばリベット
50によってカムドリブンギヤ33にかしめられ、遠心方向に揺動自在に係止さ
れている。また遠心レバ37の自由端には、かぎ状のフック51が形成されてお
り、前記ピン36が挾持されている。そして遠心レバ37は、デコンプブラケッ
ト34のアーム42との間に懸架されたリターンスプリング38によってカムシ
ャフト7側へ引き寄せられており、フック51に挾持したピン36をストッパ4
0に当接させている。このためデコンプシャフト35は、デコンプカム45を排
気カム16のカムベース面26上に突出させる位置に保たれる。
【0032】
このように構成されたデコンプ装置32は、エンジン3の作動状況に応じて次
のように作用する。
【0033】
まず、エンジン3の始動時において、カムシャフト7は、スタータモータやキ
ックスタータなどの始動用外部動力によって回転されるクランクシャフト29に
連動し、図4および図5に示す矢印Eの方向に回り出す。このときのカムシャフ
ト7の回転速度は低いので、遠心レバ37はピン36をストッパ40に当接させ
た状態を保ち、デコンプカム45は排気カム16のカムベース面26より突出し
ている。
【0034】
そして図4のように排気カム16のカムベース面26を摺動するロッカアーム
18は排気カム16が回転する度にデコンプカム45に乗り上げ、Fだけ押し上
げられる。このため、図2に示す排気バルブ9が燃焼室14内に僅かに開き、圧
縮混合気が一部排気ポート13に漏出するので圧縮圧力が減圧され、クランク2
9の回転反力が大幅に小さくなる。よってクランクシャフト29は非力な始動用
外部動力によってでも充分に速い助走回転速度を与えられ、エンジン3の始動が
非常に容易となる。
【0035】
ここで、ロッカアーム18がデコンプカム45に乗り上げる際、デコンプカム
45はカムベース面26の接線方向へ強力に押圧されるが、デコンプシャフト3
5は排気カム16の側面49および軸受孔48によって確実に両端支持されてい
るため、カムシャフト7との平行がずれることは無く、デコンプカム45はカム
ベース面26上にて定位置を保つことができデコンプタイミングが正確である上
に、デコンプシャフト35はスムーズに回動できるのでデコンプ装置32の作動
が確実となる。また、デコンプシャフト35が曲がったり、偏摩耗を起こす恐れ
も無い。
【0036】
エンジン3の始動後は、カムシャフト7の回転速度が上昇するため、図7およ
び図8に示すように遠心レバ37は遠心力により、リターンスプリング38の力
に反して遠心方向に拡がり、フック51に挾持するピン36をストッパ41に当
接させてデコンプシャフト35を回動させる。このためデコンプカム45はカム
ベース面26下へ没入し、ロッカアーム18は排気カム16のカムベース面26
から押し上げられること無く、排気カム16本来のカムプロフィールに沿って摺
動するので、エンジン3はしかるべき圧縮圧力を取り戻す。
【0037】
以上説明したように、本考案に係るエンジンのデコンプ装置は、カムシャフト
に平行に、かつ一体回転可能に軸支され、回動変位することによって動弁カムの
カムベース面にデコンプカムを出没させるデコンプシャフトの基端部をカムシャ
フトの付属部品に軸支し、上記デコンプカム側を動弁カムの側面に軸支すること
によりデコンプシャフトを両端支持したので、動弁カムのカムベース面上に突出
したデコンプカムは、強い力を受けてもその位置をずらされることが無く、正確
なデコンプタイミングを得ることができる。
【0038】
また、デコンプシャフトの回動がスムーズになり、曲がりや偏摩耗が防止され
るのでエンジンのデコンプ装置の作動性および耐久性が向上する。
【図1】本考案に係るエンジンのデコンプ装置を備えた
自動二輪車の左側面図。
自動二輪車の左側面図。
【図2】図1に示すエンジンの縦断面図。
【図3】図2に示すカムシャフト、吸、排気バルブ、お
よびロッカアームの拡大図。
よびロッカアームの拡大図。
【図4】図3に示すカムシャフトのA矢視であり、本考
案に係るエンジンのデコンプ装置の一実施例を示す正面
図。
案に係るエンジンのデコンプ装置の一実施例を示す正面
図。
【図5】図4のB−B矢視図。
【図6】デコンプシャフト、カムシャフト、およびデコ
ンプブラケットなどの詳細形状を示す斜視図。
ンプブラケットなどの詳細形状を示す斜視図。
【図7】本考案に係るエンジンのデコンプ装置の動作状
態を示す正面図。
態を示す正面図。
【図8】図7のG−G矢視図。
7 カムシャフト
16 動弁カム
26 カムベース面
32 デコンプ装置
33 カムドリブンギヤ
35 デコンプシャフト
45 デコンプカム
46 平面
48 軸受孔
49 側面
Claims (1)
- 【請求項1】 カムシャフトに平行に、かつ一体回転可
能に軸支され、回動変位することによって動弁カムのカ
ムベース面にデンコプカムを出没させるデコンプシャフ
トの基端部をカムシャフトの付属部品に軸支し、上記デ
コンプカム側を動弁カムの側面に軸支することによりデ
コンプシャフトを両端支持としたことを特徴とするエン
ジンのデコンプ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1898391U JPH04116610U (ja) | 1991-03-27 | 1991-03-27 | エンジンのデコンプ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1898391U JPH04116610U (ja) | 1991-03-27 | 1991-03-27 | エンジンのデコンプ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04116610U true JPH04116610U (ja) | 1992-10-19 |
Family
ID=31905352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1898391U Pending JPH04116610U (ja) | 1991-03-27 | 1991-03-27 | エンジンのデコンプ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04116610U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4759534B2 (ja) * | 2007-04-27 | 2011-08-31 | 本田技研工業株式会社 | デコンプ装置を備える内燃機関および該内燃機関が搭載された自動二輪車 |
-
1991
- 1991-03-27 JP JP1898391U patent/JPH04116610U/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4759534B2 (ja) * | 2007-04-27 | 2011-08-31 | 本田技研工業株式会社 | デコンプ装置を備える内燃機関および該内燃機関が搭載された自動二輪車 |
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