JPH04104430A - 直流型放電表示管および放電表示管用酸化物陰極の製造方法 - Google Patents

直流型放電表示管および放電表示管用酸化物陰極の製造方法

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JPH04104430A JP21894790A JP21894790A JPH04104430A JP H04104430 A JPH04104430 A JP H04104430A JP 21894790 A JP21894790 A JP 21894790A JP 21894790 A JP21894790 A JP 21894790A JP H04104430 A JPH04104430 A JP H04104430A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 し産業上の利用分野コ 本発明は直流型放電表示管、並びに放電表示管用陰極の
製造方法に関し、さらにイしくけ陰極形成材料として導
電性酸化物を使用した放電表示管、並びに酸化物陰極の
製造方法に関する。
[従来の技術および発明か解決しようとする課題]一般
に、放電表示管(プラスマディスプレイパネル:rPD
PJ)を分類すると、電極を放電空間に露出させ、直流
電圧を印加して動作させる直流型放電表示管と、電極の
表面を誘電体で被覆し、交流電圧を印加して動作させる
交流型放電表示管とに大別される。
このうち、直流型放電表示管は、発光効率が低く、また
ほかの螢光表示管、液晶、発光ダイオード等の表示素子
に比べて動作電圧が高い(約150〜200V)という
欠点かある。
そのため、直流型放電表示管用の陰極形成材料に関して
様々な提案が成されているが、いまだに満足なものは得
られておらず、更なる改善が必要である。
この直流型放電表示管用陰極形成材料に要求される条件
としては以下のようなことが挙げられる。
すなわち、 ■仕事関数が低く、二次電子放射効率(「γ」)が高い
こと、 ■イオン衝撃に強く、飛散しにくいこと、■電気導電性
であること、 ■放電ガス吸蔵が少ないこと、 ■製造が容易であること、 ■構造が複雑にならないこと、 笠である。
これらの条件の内■以降を満足する陰極形成利料として
は金属が使用し得るが、金属は通常イオン衝・撃に弱い
ので管内封入ガス(放電ガス)に水銀を混入してこれを
防止する必要があった。しかしながら、このようにして
Fe族あるいはこれらの合金等の金属を陰極形成利料と
して使用しても、条件■に関しては充分なものではなか
った。そのため、金属を用いた従来の直流型放電表示管
の動作電圧は上述のように高いものであった。
この問題を解決するために従来様々な方法が試みられて
きた。
例えば、金属等の導電性材料を低仕事関数材料、例えば
M g OSB a OSCa 01SrO等で被覆す
る方法がある。しかしこの方法には次のような欠点があ
り、実用化には至っていない。すなわち、上記絶縁物を
使用する場合にはトンネル現象を利用するので、その膜
厚は100人程変色薄く均一でなければならない。この
様な膜形成は容易ではなく、多くの電流を流すことも難
しい。また、充分な輝度を得るべく多くの電流を流すと
絶縁破壊で膜を損傷する恐れがあり、さらにイオン衝撃
に関しても膜が薄いので充分とはいえなかった。
また、他の方法としては、希土類元素やアルカリ土類金
属の硼化物、窒化物、炭化物等の高融点導電性化合物で
かつ低仕事関数材料であるものを使用する方法がある。
しかし、これらは高融点であることから一般に陰極形成
が容易ではなく、さらに、その形成の際に酸化性雰囲気
を使用できないものが多い。また、これらの内で耐酸化
性の強い硼化物、特にLaB6、CeB6等を用いて容
易に陰極形成する方法も提案されている(特開昭60−
221926〜60−221928号公報等)。しかし
、これら非酸化物導電性材料による陰極は次のような欠
点を有することが判明した。すなわち、一般に放電表示
管の動作電圧を低下する方法としてペニングガスが使用
されるが、上記非酸化物陰極は放電を継続するとガスを
吸蔵し、放電ガス組成が変動してしまい、ペニング効果
が減少して動作電圧が上昇する。なお、単独ガス組成の
ものを用いればこのような欠点は生じないか、ペニング
ガスに比べて動作電圧は相当高くなってしまう。
従って、従来の陰極形成材料においては、充分低い動作
電圧を安定して印加させることは困難であるのが現状で
あった。
本発明はこれら従来技術の問題点に鑑みてなされたもの
で、直流型放電表示管の陰極形成材料にガス吸蔵が少な
く、低仕事関数で、二次電子放射効率が高く、イオン衝
撃に強い導電性物質を使用して、動作電圧の低減化およ
び安定化、高輝度化、色純度の向上を可能とし、かつ形
成の容易な酸化物陰極放電表示管、並びに酸化物陰極の
製造方法を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、上記した従来技術の問題点を解決すべく
鋭意検討した結果、陰極形成材料として元素周期表のI
a、Ua、IIIa族から選ばれる少なくとも1種の元
素の酸化物を含む導電性酸化物を使用することにより、
上記目的が達成されることを見出し本発明を完成するに
至った。
すなわち本発明は、直流型放電表示管であって、元素周
期表のIa、Ila、ma族から選ばれる少なくとも1
種の元素の酸化物を含有する導電性酸化物を該放電表示
管の陰極形成材料とすることを特徴とする酸化物陰極放
電表示管である。
以下、本発明の直流型放電表示管についてさらに詳しく
説明する。
本発明の直流型放電表示管においては、陰極形成材料と
して、元素周期表のIa族、na族、ma族から選ばれ
る少なくとも1種の元素の酸化物を含む導電性酸化物を
使用する。
ここて、元素周期表のIa族元素はリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、ルビジウム、センラム、フランンウム、
■a族元素はへツリウム、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム、ノ1リウム、ラジウム;■a族元索は
スカンジウム、イツトリウム、ランタン、セリウム、プ
ラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユ
ウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウ
ム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウ
ム、ルテチウム、アクチニウム、トリウム、プロトアク
チニウム、ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメ
リシウム、キュリウム、バークリウム、カリポルニウム
、アインスタイニウム、フェルミウム、メンデレビウム
、ノーベリウム、ロレンンウムである。
本発明において使用する導電性酸化物は、上記元素周期
表のI a、Ha、ma族から選ばれる少なくとも1種
の元素の酸化物を含み、かつ導電性を有する酸化物であ
ればよい。上述のIa、Uas■a族から選ばれる少な
くともコ種の元素を含有しないと、低仕事関数および高
二次電子放射効率が得られず、動作電圧の低減か達成さ
れないので、上記元素は本発明において必須である。本
発明に係る導電性酸化物は、上述のI a ’−II 
a s III a族から選ばれる少なくとも1種の元
素を含む複合酸化物か、それらの混合物が好ましい。ま
た、低仕事関数および高二次電子放射効率を達成する点
に関しては、I a、na、IIIa族元素のモル分率
の大きな導電性酸化物を用いると一般に有利である。
また、本発明に係る導電性酸化物の結晶構造は特に制限
されず、広汎なものか適用可能である。
例えば、スピネル型、ReO3型、ペロブスカイト型、
ルチル型、K 2 N L F 4型、パイロクロア型
、これらと類似の型、あるいは急冷等で非晶質化したも
のが適用できる。
本発明の酸化物陰極放電表示管にあっては、上記導電性
酸化物を陰極形成材料とすること以外は特に制限されず
、他の構造は従来公知の直流型放電表示管と同様であっ
てもよい。例えば、下面に陽極を有する陽極基体(例え
ば前面ガラス)と、上面に陰極を有する陰極基体(例え
ば背面ガラス)と、両基体の間を封止して両極の間に放
電セルを形成するための隔壁とを具備し、かつ該放電セ
ルにペニングガス等のガスを封入した直流型放電表示管
等が挙げられる。
本発明の放電表示管の陰極は、」二記導電性酸化物を陰
極形成材料として含有するものであればよく、本発明の
効果に悪影響を及ぼさない範囲で粘結性成分等地の成分
を含有してもよい。また、本発明に係る陰極の形状は任
意であり、膜状、テープ状等適宜選択される。
さらに、例えば複数の放電セルが共通の陰極で連結され
る場合、陰極の抵抗値が高いと両端での放電特性やエー
ジング特性に差があって都合か悪い。このような場合、
比抵抗の小さな導電性酸化物を選択するか陰極の厚さを
大きくすることが好ましい。
また、陰極の抵抗値か高い場合、本発明においては上記
陰極の下に金属膜を形成しても有効である。放電特性は
主に表面で決定されるので下地金属は任意のものが選択
でき、また金属は充分低抵抗であるので上にのる導電性
酸化物の抵抗は厚み方向のみを考えれば良くなる。従っ
て、比抵抗か100Ω・cm(1300°K)程度の導
電性酸化物でも充分使用可能である。この方法の他の利
点としては、陰極を外部回路と接続する場合、金属膜を
用いれば通常のハンダ性、ボンディング性、メツキ性等
に問題がないことである。
また、本発明の酸化物陰極放電表示管にあっては、陰極
がイオン衝撃に強いことから管内封入ガスに有毒な水銀
を含ませる必要がなく、従って水銀を含有しない封入ガ
スを使用することが好ましい。
次に、本発明の放電表示管用酸化物陰極の製造方法につ
いて説明する。
通常の直流型放電表示管においては陰極は膜状で表示パ
ターンに合わせたパターン形状に形成されるので、以後
これに沿って説明する。
本発明に係る導電性酸化物、すなわちIa、Ua、ma
族から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を含有す
る導電性酸化物はいわゆる酸化物セラミックであるので
、通常のセラミック成形方法、例えば溶融、焼結、溶射
、スパッタ、蒸着、ゾル−ゲル等の各種方法が容易に適
用できる。また、膜のパターニングは、通常の厚膜、薄
膜の各種技術が容易に適用できる。なお、前述のIa、
Ua、ma族から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化
物が固溶体を形成するものである場合は、導電性酸化物
の原料粉体を作成する場合、あるいは膜形成後に固溶化
させる場合、ベースとなる導電性酸化物表面からIa、
Ua、IIIa族元素を拡散させ、表面の該元素濃度を
高める方法も有効である。
ところで、一般に直流型放電表示管はフラット型に形成
する場合、その陰極は低コストのガラス板(基体)上に
形成される。低コストのガラスは耐熱性が低く、適用で
きる温度は600℃位である。
従って本発明に係る導電性酸化物の融点が低いものでも
その膜を温度のみによって固着することは困難である。
この場合、スパッタや蒸着が一般に適用されるが、これ
らの装置は高価なものが多く量産性に優れたものとはい
いがたい。成膜されたものをエツチング等でパターニン
グする方法も同様である。抵抗を下げるために膜厚を大
きくすれば更に高コストになる。
そこで本発明者等は通常の厚膜技術で使用される印刷技
術を適用することによって本発明に係る] 1 陰極形成材料を用いて陰極を容易に形成できることを知
見した。
すなわち、本発明の放電表示管用酸化物陰極の製造方法
は、元素周期表のIa、Ira、IIIa族から選ばれ
る少なくとも1種の元素の酸化物を含有する導電性酸化
物を粉体化し、該粉体と液体ビヒクルと粘結性成分とを
混練してペースト状とした後に、印刷により該ペースト
からなる陰極パターンを基体上に形成することを特徴と
する方法である。
」二記の粉体作成方法は一般のセラミック粉体の作成方
法と同様でよい。例えば、原料を溶融あるいは同相反応
させたものを粉砕するか、あるいは溶液中で原料を反応
させて所望の粉体を沈殿させる方法が一般的に使用され
る。粉体粒度は0.1〜10μ(直径)のものが好まし
い。
この粉体に印刷性を付与するため、粉体を液体ビヒクル
と混練してペーストを作成する。液体ビヒクルは樹脂を
溶剤に溶解させたものが一般的で、樹脂としてはエチル
セルロース、ニトロセルロース、アクリルの各樹脂が、
一方溶剤としては各種セロソルブ、エステル類、パイン
オイル等か好ましい。
また、上記ペーストには、加熱工程等において前述の溶
剤や樹脂が飛散した後でも陰極形成材料の粉体を基体に
被着しておくための粘結成分が添加される。当該分野で
各種の粘結成分が知られており、これを粉体として添加
するのが一般的な手法である・。一般的な粘結成分とし
てはガラスか例示され、例えばSiO2B 203  
B a O系、S i O2B 203  P b O
系、B20’3ZnO系等、またこれらに各種の添加成
分を付加したガラス組成が例示できる。また、他の粘結
成分として8203等の低温で融解する結晶性のものも
利用できる。もちろん、陰極形成材料自身に粘結性があ
る場合は、粘結成分を別に添加する必要はない。
作成されたペーストはペースト粘度1〜40万セン≠ポ
イズのものが良好に使用でき、これらペストを構成する
諸成分の比率は各種の特性に基づいて適宜筒中な実験に
よ−って良好な値か設定される。
なお、上記例示したちの以外でも当該分野における既知
の技術か広汎に利用できることはもちろんである。
本発明の製造り法においては、このようにして作成され
た陰極形成材料ペーストを用いて基体上に印刷によって
陰極パターンを形成し、粘結成分あるいは陰極形成+3
料自身で固着した陰極形成材料粉体の膜(陰極)か形成
される。本発明において陰極パターンを形成する印刷法
は特に限定されず、厚膜技術において従来から使用され
ている公知の印刷技術等でよい。
また、」二記陰極パターンを形成した後にこれを乾燥、
焼成すると好ましい。その際の焼成温度は基体等により
選択され、例えば基体にソーダライムガラスを使用する
場合は600℃か上限である。
これより高温ではカラス基体の変形か大きくなる。
なお、このような焼成温度では一般に本発明に係る陰極
形成材料粉体の大部分は充分に焼結しない。
従って、剛性の大きいセラミック粉体である陰極形成祠
料は各粉体同士の接触のみて連結され、たとえ粉体の比
抵抗か小さくても、パターン形成された膜の抵抗は非常
に大きくなり、多数セルの均放電が困難となる傾向にあ
る。そこで、」二連した如く、基体」二に金属膜のパタ
ーンを形成しておき、この金属パターン上に前記陰極パ
ターンを形成することか好ましい。さらに、この金属バ
タン」−に陰極パターンを形成する際、放電面に対して
全金属膜を陰極形成材料で覆うと有効である。
このようにすると金属のスパッタを考慮する必要かなく
なり、例えばAg、Au、Aノ、Cu。
Ni等の任意の金属を封入ガスに水銀を添加することな
く使用できる。上記金属パターンの形成については、通
常の厚膜、薄膜技術等か適用できる。
上述のごとく構成することによって多数セルの放電を均
一に起こさせることが可能となる。
ところで、前述の陰極形成材料粉体の接触のみては放電
々流は充分に人定に流れないはすである。
しかし、上記本発明によって製造された酸化物陰極にあ
っては、放電エネルギー、すなわちイオン衝撃や放電々
流によるジュール加熱により陰極形成材料粉体膜か充分
焼結されることが判明した。
従って、本発明においては放電により陰極形成材料粉体
を焼結させることか好ましい。例えば、L a B 6
の如き融点か2000°Cを越えるものでも充分焼結さ
せることか可能である。このとき、陰極形成祠料より低
融点であるか、陰極形成材料と反応して低融点物質を生
成させる焼結助剤を添加する方法も利用できる。また、
通電を補うため微量の金属を陰極中に添加することも有
効であり、本発明の範功に入るものである。このように
放電により、陰極形成材料粉体を焼結させるには、その
放電初期において通常の動作電圧以上の電圧が一般に必
要である。かかる状態は短時間で終了するのであるか、
このまま一定電圧を付加すると過剰な電流か流れて、ス
パッタ量が過大になって好ましくない。従って、時間と
共に順次電圧を降下させることか望ましい。あるいは定
電流電源にて放電を生起させるのも有効な方法である。
これら−連の操作は、通常の金属陰極の場合にエージン
グ処理で行なわれる操作と類似したものであり、特に煩
雑なものではない。
なお、上述の本発明の製造方法は、本発明に係る酸化物
陰極の好ましい製造方法であるか、特にこの方法に制限
されるものではない。
[作 用] 一般に酸化物は、酸素イオンか大きいので表向は酸素で
覆われることになる。従って、Ia。
IIa、IIIa族元素を含む複合酸化物においても表
面はIa、IIa、IIIa族酸化物に由来の構成か表
面に均一に形成されると考えられ、これが本発明に係る
導電性酸化物の仕事関数を低く、かつ二次電子放射効率
を高くする理由と思考される。
また、ガス吸蔵に関しては以下のように考えられる。
導電性非酸素化物陰極においては放電ガスを吸蔵しペニ
ングガスの効果を利用できない。この現象はペニングガ
スを使用して放電を継続した場合、動作電圧か時間と共
に増加し最終的には単独ガスの動作電圧になってしまう
ことである。更に直接的には、放電時間と共に吸蔵ガス
による発光スペクトル強度が弱くなることで判明する。
この場合、水銀を同時に封入することによってガス吸蔵
を防ぐことができるか、動作電圧が上昇してしまう。
また、水銀の可視発光スペクトルにより色純度の低下も
おこる。しかるに本発明に係る導電性酸化物陰極におい
ては水銀を封入しなくてもガス吸蔵が発生しないか、発
生してもそれは非常に少ない。
この原因は明らかではないが次のように考えることがで
きる。すなわち、酸化物は大きな酸素イオンが密につま
っているので隙間が小さく、それによりガス吸蔵が起こ
り難いか、あるいは何らかの現象、例えば極く表面の融
解層ができ、ガス吸蔵が起こっても同程度以上のガス放
出がなされるといった保護作用がある可能性かある。ま
た、通常使用される希ガスとの親和力が小さいとも考え
られる。いずれにしても本発明に係るの導電性酸化物陰
極はペニングガスを水銀封入なしで有効に使用し得る。
次にイオン衝撃性について説明する。
一般に直流型放電表示管の陰極はイオン衝撃によってス
パッタされる。スパッタによって飛散される物質により
、蛍光体が汚染されたり、ガラスの光透過率が低減した
り、電極間の絶縁性を低下させる。このスパッタを低減
するための簡単な方法は、高融点物質を使用して緻密な
陰極を構成することであり、導電性非酸化物の適用はこ
の点ては成功している。他方、金属、例えばNiにおい
てはスパッタの緩衝層を水銀封入することにより形成し
てスパッタを防いている。
本発明に係る導電性酸化物においてはNiの融点に比し
てそれ程高くないものや低いものもあるが、充分な耐ス
パツタ性を有する。例えば、5000時間の放電を経た
後の輝度低下や電極間の絶縁性の低下も問題とならない
量である。この原因の一つは動作電圧の低下によるイオ
ンエネルギーの低下である。また、明らかではないが、
陰極の極く表面の融解等による緩衝作用があるとも考え
られる。
従って、本発明に係る酸化物陰極は、多数セルの放電に
際して均一にかつ安定に動作させることかできるもので
あり、従来の陰極形成材料に対してはるかに動作電圧が
低いものである。また、本発明に係る酸化物陰極はガス
吸蔵が少ないので、ペニングガスの使用も可能である。
さらに、イオン衝撃に強いことから、有毒である水銀を
封入する必要がない。そのため、安全性に優れ、かつコ
スト的に安価であるばかりでなく、水銀の可視発光スペ
クトルがないのでカラー放電表示管においては色純度も
良好となるのである。
[実施例] 以下、本発明を実施例および比較例に基づいてさらに詳
しく説明する。
実施例1〜20および比較例1〜5 比較例]においては市販のN1ペースト(デュポン社製
、商品No、9535 )を、比較例4においては市販
のRuO2ペースト(デュポン社製、商品No、883
0 )を用い、その他は各々下記の方法で得たペースト
用いた。すなわち、第2表に記載の陰極形成材料を先ず
5μ以下の粒度に粉砕し、平均粒径1〜3μとなるよう
に整粒した。次に、得られた陰極形成材料粉末 100
容量部に対してS 1o2−B20.−PbO系低融点
ガラス粉体(ノリタケカンパニーリミテト社製、商品N
o、NP−7903)を6容量部混合し、さらにエチル
セルロスをブチルカルピトールアセテートに溶解した液
体ビヒクルと共に混練して、粘度が10〜20万センチ
ポイズのペーストを作成した。
続いて、上記各ペーストを、ガラス板上に形成された下
地金属上に焼成後の膜厚が約10μとなるように印刷し
て陰極パターンを形成し、乾燥後、空気中あるいは窒素
中で580℃で焼成して陰極を得た。その際、上部陰極
形成材料で下地金属パターンの放電部が被覆されるよう
にパターニングした。陰極パターンの下地金属としては
、比較例1のみNiペーストを用い、他は市販のAgペ
ースト(デュポン社製、商品No、7713 )を基体
上に印刷して形成した。
このようにして作成した陰極が形成されたガラス板と、
別に作成した陽極か形成されたガラス板とを組み合わせ
、直流型放電表示管を作成した。
作成した直流型放電表示管の主な仕様を第1表に示す。
第1表 陽極材料 ITO(インジウム−錫酸化物)放電ガス:
Ne−Ar(0,5%) 350 Torr(比較例1
と2は水銀封入) 電極間距離: 0.15 mm (ガス吸蔵性) 1000時間放電後、動作電圧の変動か20%以内のも
のを○、それ以上変動したものを×と評価した。
(耐スパツタ性) 1000時間放電後、同一電流値での輝度測定により初
期輝度からの劣化か10%以内のものを○、それより多
いものを×とした。
このようにして作成した直流型放電表示管の動作電圧、
ガス吸蔵性、耐スパツタ性をそれぞれ下記の方法で測定
し、結果を第2表に示す。
(動作電圧) 各々について150−300V 、 12〜24 hr
sの条件でエージングを行ない、充分安定した時の測定
とした。なお、ここでいう動作電圧とは、放電をおこし
たセルを電圧を降下させて放電を停止I−させる直前の
電圧とする。
第2表に示された結果から明らかなように、ペニングガ
スを使用しかつ水銀を封入しない直流型放電表示管にお
いて、本発明に係る陰極形成材料を用いた実施例1〜2
0の放電表示管は、従来のNi陰極を用いかつ放電ガス
に水銀を封入した比較例1、LaB6陰極を用いかつ放
電ガスに水銀を封入した比較例2、Rub、陰極を用い
た比較例4、AJ203を0.5wL%トープしたZ 
n O陰極を用いた比較例5よりもはるかに動作電圧の
低減化か可能であり、しかも他の放電特性も良好であっ
た。また、動作電圧が低いことから、本発明に係る実施
例1〜20の導電性酸化物は仕事関数か低く、かつ二次
型f放射効率か高いものであることが示された。
また、放電ガスに水銀を封入せすにL a B 6陰極
を用いた比較例3の直流型放電表示管は、動作電圧は低
いものの、ガス吸蔵性および耐スパツタ性に劣るもので
あった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の酸化物陰極放電表示管に
よれば以下のような効果が奏される。
■動作電圧を従来のものより低減可能であり、それによ
って駆動回路のコストが低減でき、また発光効率の向上
が可能となるので高輝度化が図れ、さらに消費電力の低
減か可能となる。
■放電ガスに水銀を封入する必要がなくなり、従って環
境衛生上好ましく、コストも低減でき、さらにカラー放
電表示管においては水銀の可視発光スペクトルがないの
で色純度が向上する。
■本発明の酸化物陰極放電表示管は厚膜技術等、従来公
知の技術を利用して容易に作成可能であり、新規なコス
ト増加および新規の設備投資は特に必要ではない。
また、本発明の放電表示管用酸化物陰極の製造方法によ
ると、上記本発明に係る酸化物陰極を簡便かつ安価に製
造することか可能となり、従って本発明の製造方法は上
記酸化物陰極を製造する際に好適に採用される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、直流型放電表示管であって、元素周期表の I a、
    IIa、IIIa族から選ばれる少なくとも1種の元素の酸
    化物を含有する導電性酸化物を該放電表示管の陰極形成
    材料とすることを特徴とする酸化物陰極放電表示管。 2、前記導電性酸化物を陰極形成材料としてなる膜状の
    陰極の下に金属膜を形成する、請求項1に記載の酸化物
    陰極放電表示管。 3、前記放電表示管における管内封入ガスが水銀を含ま
    ないものである、請求項1または2に記載の酸化物陰極
    放電表示管。 4、元素周期表の I a、IIa、IIIa族から選ばれる少
    なくとも1種の元素の酸化物を含有する導電性酸化物を
    粉体化し、該粉体と液体ビヒクルと粘結性成分とを混練
    してペースト状とした後に、印刷により該ペーストから
    なる陰極パターンを基体上に形成することを特徴とする
    、放電表示管用酸化物陰極の製造方法。 5、前記陰極パターンを、前記基体上に形成された金属
    パターン上に形成する、請求項4に記載の放電表示管用
    酸化物陰極の製造方法。 6、前記陰極パターンを形成した後に焼成し、さらに放
    電により前記粉体を焼結させる、請求項4または5に記
    載の放電表示管用酸化物陰極の製造方法。
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JPH0644910A (ja) * 1992-05-28 1994-02-18 Noritake Co Ltd プラズマディスプレイパネル

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