JPH0410323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、フイルタ目詰まり検出装置に関す
る。

従来の技術 例えば、潤滑油等をエンジン等のオイル供給部
を潤滑する装置においては、循環されたオイルを
フイルタエレメントに通してオイル中の不純物を
捕捉しているが、フイルタエレメントの目詰まり
状態を検出するためのフイルタ目詰まり検出装置
が用いられている。その従来の一例を第２図に示
す。１は弁を支持する弁支持体としてのブラケツ
トである。このブラケツト１はフイルタエレメン
ト（図示せず）が収納されたフイルタケース（図
示せず）の開口面を閉塞するものである。また、
前記ブラケツト１には、フイルタエレメントが設
けられた油路の供給側に連通する供給側空間部２
と出口側に連通する出口側空間部３とが近接され
て形成されている。さらに、このブラケツト１に
は、一端が供給側空間部２に連通し側面が出口側
空間部３に連通する弁室４が形成されている。こ
の弁室４には、前記供給側空間部２に対向する受
圧面２１と前記出口側空間部３を閉塞する周壁７
とを有する安全弁２２が摺動自在に嵌合されてい
る。周壁７の内周にはバルブケース９が嵌合さ
れ、このバルブケース９の先端には可動接点２３
を摺動自在に突出させる開口１０が形成されてい
る。さらに、前記弁室４の端部にはキヤツプ１４
がシール部材１５によりシールされて螺合されて
いる。このキヤツプ１４には、一対の固定接点１
６が絶縁体１７を介して保持されている。これら
の固定接点１６はランプ等の警告手段と電源との
直列回路にコネクタ１８を介して接続されてい
る。さらに、前記キヤツプ１４と前記バルブケー
ス９の裾の鍔９ａとには安全弁用スプリング１９
の両端が当接されている。この安全弁用スプリン
グ１９により安全弁２２とバルブケース９とが前
記供給側空間部２側に付勢されている。さらに、
バルブケース９には前記可動接点２３を前記固定
接点１６側に付勢するスプリング２４が設けられ
ている。

したがつて、オイルは供給側空間部２からフイ
ルタエレメントを通り、オイル供給部に供給され
る。オイルが汚れるとオイル内の異物がフイルタ
エレメントに捕捉されるので、フイルタエレメン
トは目詰まりする。これにより、供給側空間部２
の油圧が上がる。この油圧が安全弁用スプリング
１９の圧力を上回ると、受圧面２１に油圧を受け
ている安全弁２２は可動接点２３とともに右方に
摺動し、この可動接点２３によつて固定接点１６
の間を接続する。これにより、フイルタエレメン
トが目詰まりしたとの状態をランプの点灯等によ
つて警告する。同時に、安全弁２２の開弁動作に
より、供給側空間部２と出口側空間部３とが連通
し、フイルタエレメントを通さずに供給側のオイ
ルが出口側空間部３を介してオイル供給部に供給
される。

また、第３図に示すように、油路の供給側に油
圧スイツチ２５を設け、フイルタエレメントの目
詰まりにより供給側の油圧がスプリング２６の圧
力以上の値に達した時に、弁２７を作動させ、こ
の弁２７の動作で圧縮されたスプリング２８の圧
力により接点２９を固定接点３０に接触させ、こ
れことにより、目詰まりの警告を発するようにし
たフイルタ目詰まり検出装置がある。

考案が解決しようとする課題 第２図に示すものは、フイルタエレメントが目
詰まりした時に、可動接点２３を固定接点１６に
接触させて警告を発すると同時に、フイルタエレ
メントを経由させずに供給側のオイルをオイル供
給部にバイパスさせることができるが、警告を発
した時には汚れたオイルがフイルタエレメントで
濾過されずにオイル供給部に供給されるため、エ
ンジン等においてはトラブルの原因になる。これ
を防止するためには、開弁による警告を発した時
に速やかにフイルタエレメントを交換する必要が
あるが、運転を直ちに停止することになるので実
際には不可能なこともある。また、第３図に示し
た油圧スイツチ２５は、フイルタエレメントの目
詰まりを警告するが、供給側のオイルをオイル供
給部に直接供給する機能を有していないため、フ
イルタエレメントが目詰まりした時、或いは、低
温時にはオイルをオイル供給部に流すことができ
ない問題がある。

課題を解決するための手段 フイルタエレメントが設けられた油路の供給側
に連通された供給側空間部と出口側に連通された
出口側空間部とが近接配置されるとともに一端が
前記供給側空間部に連通され側方が前記出口側空
間部に連通された弁室が形成された弁支持体を設
け、前記供給側空間部に対向する受圧面とこの受
圧面の中央部に開口する通孔と前記出口側空間部
を閉塞する周壁とを有する安全弁を安全弁用スプ
リングにより前記供給側空間部側に付勢して前記
弁室に摺動自在に設け、前記弁室に前記安全弁と
は反対側の端部に配置された固定接点を設け、前
記安全弁の前記通孔に対向する受圧面と前記固定
接点に対向する接点部とを有するスイツチ弁を前
記安全弁用スプリングの圧力より弱い圧力に設定
されたスイツチ弁用スプリングにより前記安全弁
側に付勢して摺動自在に設けた。

作 用 供給側の油圧が通孔からスイツチ弁の受圧面に
作用するとともに安全弁の受圧面に作用するた
め、スイツチ弁を摺動させてその接点部を固定接
点に接触させて警告を発することができ、また、
安全弁を摺動させて供給側空間部と出口側空間部
とを連通させ、供給側のオイルをフイルタエレメ
ントを通さずに出口側空間部からオイル供給部に
供給することができ、さらに、安全弁用スプリン
グの圧力よりスイツチ弁用スプリングの圧力を弱
く設定したことにより、オイルが汚れフイルタエ
レメントが目詰まりする前にスイツチ弁の動作に
よりフイルタ目詰まりの予告の警告を発すること
ができ、さらに、供給側の油圧が上昇した場合に
は、安全弁の開弁動作によりオイルの供給を継続
することができ、しがつて、警告を発してからフ
イルタエレメント交換までの期間に余裕をもたせ
ることができる。

実施例 本考案の一実施例を第１図に基づいて説明す
る。

第２図において説明した部分と同一部分は同一
符号を用いて説明も省略する。ブラケツト１の弁
室４には、供給側空間部２に対向する受圧面５と
この受圧面５の中央部に形成された通孔６と出口
側空間部３を閉塞する周壁７とを有する安全弁８
が摺動自在に嵌合されている。周壁７の内周には
バルブケース９が摺動自在に嵌合され、このバル
ブケース９の先端には開口１０が形成されてい
る。さらに、前記通孔６に対向する受圧面１１と
開口１０から突出する接点部１２とを有する導電
性のスイツチ弁１３が前記バルブケース９に摺動
自在に嵌合されている。さらに、バルブケース９
には前記スイツチ弁１３を安全弁８側に付勢する
スイツチ弁用スプリング２０が設けられている。
このスイツチ弁用スプリング２０の圧力は、前記
バルブケース９と前記安全弁８とを前記供給側空
間部２側に付勢する安全弁用スプリング１９の圧
力より弱い圧力に設定されている。

このような構成において、オイルは供給側空間
部２からフイルタエレメントを通り、オイル供給
部に供給される。オイルが汚れるとオイル内の異
物がフイルタエレメントに捕捉されるので、フイ
ルタエレメントはある程度目詰まりする。これに
より、フイルタエレメントを交換する必要がない
程度の目詰まり状態であつても供給側空間部２の
油圧が上がる。この油圧スイツチ弁用スプリング
２０の圧力を上回ると、受圧面１１に油圧を受け
ているスイツチ弁１３は仮想線で示すように右方
に摺動し接点部１２によつて固定接点１６の間を
接続する。これにより、フイルタエレメントの目
詰まりがある程度進行したとの状態をランプの点
灯等によつて警告する。この状態では、即刻フイ
ルタエレメントとオイルとを交換する状態ではな
いので、運転状況に応じて交換時期を伸ばすこと
もできる。さらに、オイルの汚れ及びフイルタエ
レメントの目詰まりが進行すると、フイルタエレ
メントへのオイルの通りが悪くなるため供給側の
油圧はさらに高くなり、その値が安全弁用スプリ
ング１９の圧力を上回ると、この油圧を受圧面５
で受けている安全弁８が右方に摺動し、供給側空
間部２と出口側空間部３とを連通する。したがつ
て、フイルタエレメントを通さずに供給側から出
口側空間部３を経てオイル供給部にオイルを供給
することができる。すなわち、フイルタエレメン
ト及びオイルの交換が遅れた場合でも、多少汚れ
たオイルながら、オイル供給部に供給してエンジ
ンの焼き付き等を未然に防止することができる。

また、冬期等においては低温のため始動時にオ
イルの粘度が高くなり、フイルタエレメントへの
通りが悪くなることがあるが、このような場合に
は、安全弁８の開弁動作によりオイルをオイル供
給部に供給することができる。

考案の効果 本考案は上述のように構成したので、供給側の
油圧が通孔からスイツチ弁の受圧面に作用すると
ともに安全弁の受圧面に作用するため、スイツチ
弁を摺動させてその接点部を固定接点に接触させ
て警告を発することができ、また、安全弁を摺動
させて供給側空間部と出口側空間部とを連通さ
せ、供給側のオイルをフイルタエレメントを通さ
ずに出口側空間部からオイル供給部に供給するこ
とができ、さらに、安全弁用スプリングの圧力よ
りスイツチ弁用スプリングの圧力を弱く設定した
ことにより、オイルが汚れフイルタエレメントが
目詰まりする前にスイツチ弁の動作によりフイル
タ目詰まり予告の警告を発することができ、さら
に、供給側の油圧が上昇した場合には、安全弁の
開弁動作によりオイルの供給を継続することがで
き、したがつて、警告を発してからフイルタエレ
メント交換までの期間に余裕をもたせることがで
き、さらに、フイルタエレメントへのオイルが通
り難い低温時には、安全弁の開弁動作によりオイ
ルを供給することができる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す水平断面図、
第２図は従来例を示す水平断面図、第３図は従来
の油圧スイツチを示す縦断側面図である。 １……弁支持体、２……供給側空間部、３……
出口側空間部、４……弁室、５……受圧面、６…
…通孔、７……周壁、８……安全弁、１１……受
圧面、１２……接点部、１３……スイツチ弁、１
６……固定接点、１９……安全弁用スプリング、
２０……スイツチ弁用スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイルタエレメントが設けられた油路と、この
   油路の供給側に連通された供給側空間部と出口側
   に連通する出口側空間部とが近接配置されるとと
   もに一端が前記供給側空間部に連通され側方が前
   記出口側空間部に連通された弁室が形成された弁
   支持体と、前記供給側空間部に対向する受圧面と
   この受圧面の中央部に開口する通孔と前記出口側
   空間部を閉塞する周壁とを有して前記弁室に摺動
   自在に嵌合された安全弁と、この安全弁を前記供
   給側空間部側に付勢する安全弁用スプリングと、
   前記安全弁とは反対側の端部に配置されて前記弁
   室に固定された固定接点と、前記安全弁の前記通
   孔に対向する受圧面と前記固定接点に対向する接
   点部とを有して前記弁室に摺動自在に設けられた
   スイツチ弁と、前記安全弁用スプリングの圧力よ
   り弱い圧力に設定されて前記スイツチ弁を前記安
   全弁側に付勢するスイツチ弁用スプリングとより
   なることを特徴とするフイルタ目詰まり検出装
   置。