JPH0387797A - 楽器用響板 - Google Patents

楽器用響板

Info

Publication number
JPH0387797A
JPH0387797A JP2157356A JP15735690A JPH0387797A JP H0387797 A JPH0387797 A JP H0387797A JP 2157356 A JP2157356 A JP 2157356A JP 15735690 A JP15735690 A JP 15735690A JP H0387797 A JPH0387797 A JP H0387797A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soundboard
straight
grained
sound
musical instrument
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2157356A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Hayashida
林田 甫
Toshiya Yamada
山田 俊也
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Publication of JPH0387797A publication Critical patent/JPH0387797A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Stringed Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、ピアノ等に用いて好適な楽器用響板に関す
るものである。
「従来の技術」 周知のように、ピアノは打弦楽器の一種であり、その発
音メカニズムについて第9図を参照して説明すると、ま
ず、鍵の動きに連動して、ハンマ1が回動して弦2を打
撃1=、これにより励起された弦2の自由振動が、駒4
と呼ばれる弦支持部を介して音響放射体である響板3を
駆動し、この結果、響板3から音が放射されるようにな
っている。以上の発音メカニズムから判るように、ピア
ノにおける響板3の役割は極めて重要であり、ピアノの
音の特性は、はとんど響板3の材料物性によって決定さ
れるといっても過言ではない。
そして、ピアノ音に要求される性質としては、打弦に対
するレスポンスが良いこと、および音が程良く伸びるこ
との2点がある。したがって、響板3が上記要求を満た
ず特性を有することが必要であり、かかる特性を有する
材料としてスブルース等のトウヒ属木材が、従来から適
当とされている。
ところで、自然材だけで、響板を構成すると、比弾性率
E/γ (E:ヤング率、γ;重密度が木材固何の値に
よって制限されてしまうため、ある程度以にの発音効率
を望むことができないという問題があった。そこで、発
音効率を上げ、低域から高域までのきを良好に発音させ
るようにした響板が開発された(例えば、特開昭60−
57894号、特開昭60−57895号)。この響板
は、横弾性係数Gを大きく、剪断損失正接tanδGを
小さくするように、積層構造の響板の2材の材質を選択
したり、あるいは積層構造中にソートを介在さUるらの
である。
また、音色を鮮明にするために、内層板の両面に沿って
表層板の木目方向に配列した炭素繊維を貼設して、縦弾
性係数Eを大きく、剪断損失正接tanδGを小さくず
ろようにした@l板も開発されている (特開昭57−
136693号)。この響板によれば、内部摩擦による
減衰率が小さくなる。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、上述した従来の響板は、自然楽器特有の
木質音の良さ (メタリックでない音の暖かみ)を発揮
するには十分でなく、聴感的な特性に劣るという問題が
あった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、木
質音の良さを十分に発揮することができ、全体的に天然
材を用いた場合よりも暖かみのある木質音を実現するこ
とができると共に、その音質を各部の発生音域に応じて
人為的に、かつ自在に設定することができる楽器用響板
を提供することを目的としている。
[“課題を解決するための手段−j 」二足課題を解決するために、この発明は、木製の楽器
用響板において、その板厚方向内部に空間を設けたこと
を特徴としている。
「作用」 構造した構成によれば、響板の板厚方向内部に空間が設
けられているので、響板内層部の剪断変形に対4゛る強
度、すなわち横弾性係数Gと等価な特性が低下し、これ
により、響板の縦弾性係数Eと横弾性係数Gの比である
音色関連材料物性E/Gが大となり、この結果、響板駆
動時における高周波数帯域の内部摩擦損失Q″□′が増
加して、より暖かみのある木質音が実現される。
「実施例] 以下、図面を参照し、この発明の実施例について説明す
る。
(1)基本原理 始めに、この発明の基本的原理について説明する。
まず、ピアノの響板の時間軸上での振動特性で重要なの
は、前述したように、弦振動に対するレスポンスの良さ
と、その適度なエネルギー保存性、すなわち、適度な非
減衰性である。前者の特性は音の立ち上がりの良さに対
応し、後者の特性は音の伸びに対応するからである。そ
して、響板材をこの2つの観点から評価する物理量とし
て、比動的ヤング率E/γ(E 動的ヤング率、γ・密
度)と内部摩擦損失tanδが知られている。響板材と
して優れているトウヒ属スブルースなど+i E/γが
大きく tanδが小さい。
次に、ピアノの音質を考慮するには、響板材の周波数特
性を考える必要がある。そして、ピアノ用!板材の材料
物性と、その音質との相関関係については、「日本機械
学会誌第91巻第836号論文 “ピアノ音質のエンジ
ニアリング」において種々の観点から解析が試みられて
いるが、ここでは、特に、響板材の周波数特性と音色の
相関関係について詳述する。
まず、ピアノの音色は、音の周波数特性の時間的変化の
様子(スペクトラムエンベロープ)ということができ、
その意味で、響板材の持つ周波数特性はピアノ音に大き
な影響を与える。
一般に、音響材料の持つ周波数特性を求めるためには、
一定形状の板状試料を、両端自由という境界条件下で加
振し、これにより励起されるたわみ振動の各共@周波数
と、そこでの減衰特性の測定を行う。
この測定結果と、仮の弾性のみを考慮にいれた、オイラ
ー・ベルヌーイ粱の振動方程式の解より、各共振点にお
ける見掛けのヤング率、内部摩擦損失Q−1を求めるこ
とができる。これらの見掛けの材料物性の周波数特性は
、各音響材料の持つ特有の聴感上の音色傾向と相関性が
ある。
本来、ヤング率は、材料固有の物性であり、周波数依存
性がないはずであるわけだが、上記測定及び解析によっ
て得られた見掛けのヤング率が周波数特性を有すること
は、板の振動挙動を記述する際、板に生じる剪断力(お
よび回転慣性)をも考慮に入れた、いわゆるチモシエン
コ粱の振動方程式、または、それに対して、両端自由と
いう境界条件下で求められたゴーエンスの解によって説
明される。
ゴーエンスの解では、各共振点での見掛けのヤング率E
’freqは、系内の剪断力を考慮することによって、
以下に示されるような周波数特性を持つ(但し、等断面
な長方形枠の場合の例)。
l h 。
十−一(装置F”(+) (1+暖−)1、.212 
            Gここで、r:棒固有振動数
、Q、棒長さ、h:厚さ、a、F(m):振動次数、境
界条件によって決定される定数、S:断面形状によって
決定される定数。
この場合、材料物性という視点から見れば、上記測定解
析結果に対して、ゴーエンスの解を補正式として、真の
材料物性Eを求めるところであろうが、しかし、ピアノ
音の周波数軸上での特性について論じる場合、聴感上の
音色感との対応から、見掛けのヤング率のほうが重要な
要素となる。
なぜなら、材料L/ベベルは、音色関連材料物性E/G
の値によって変化する見掛けのヤング率の周波数特性が
、弦振動によって励起される響板内の周間的ひずみ、す
なわち変位振幅の周波数特性を決定し、結果的に、内部
摩擦によるエネルギー損失の周波数特性を決定し、これ
によりフィルタ特性が生じて、音色を決定すると考えら
れるからである。
一般に、木材は、その他の工業用材料と比較して、E/
Gの値が大である。その中でも、スブルースなどのトウ
ヒ属材のE/Gの値は特に大である。このようなスブル
ースなどの材料が有する高周波数帯域における高損失性
、言い換えればハイカットフィルタ的な特性が、いわゆ
る「木の音らしさ」、すなわち暖かみのある音色を作り
出す一要因になっていると考えられる。
以上、現在までの諸官能検査結果により、振動エネルギ
ーの損失の周波数特性を左右すると考えられる音色関連
材料物性E/Gは、ピアノのスブルース響板材の範囲に
おいてら、ピアノ音の次のような特性6強い相関関係に
あることが明らかになっている。
(1)音色関連材料物性E/Gは、音の響き方特性、す
なわち響きの自然さ、重厚さと正の相関関係がある。
(11)音色関連材料物性E/Gは、音の深さ特性、す
なわち深さ、低い成分の多さと正の相関関係がある。
(iii)音色関連材料物性E/Gは、雑音特性、すt
よりち、音響放射に含まれる雑音と負の相関関係がある
このような特性を、音色表現語によって示せば、次表の
通りである。
以上の説明から明らかなように、響板全体の音色関連材
料物性E/Gの値を大とし、高周波数帯域における高損
失性、換言すれば、ハイカットフィルタ・−としての特
性を強調することによって、全体的に自然楽器としての
木質音の良さが十分に発揮され、より暖かみのある木質
音が実現されることになる。
上述の考察に基づき、この発明においては、響板のE/
Gを人為的に大きくし、これにより、暖かみのある木質
音を実現することを基本原理としている。
一方、前述した特開昭60−57894号、60−57
895号においては、横弾性係数Gを大きくしているの
で、E/Gの値が小さくなってしまい、木質音が得られ
なかった訳である。また、特開昭57−136693号
においては、高域における内部摩擦損失Q−’を小さく
しているため、高周波成分が音響放射されてノイズ成分
となり、暖かみのある本音質が得られなかった。
(2)実施例の構成および作用 〔第1の実施例〕 第1図はこの発明の第1の実施例をグランドピアノに適
用した場合の全体構成を示す平面図であり、この図のA
−A’線線断断面図、B−B′線線断断面図、矢印C方
向から見た斜視図を、第2図〜第4図に示す。
これらの図において、響板5は、複数の柾目木材単板6
,6.・・・を、幅方向に矧ぎ合わせることによって構
成され、各柾目木材単板6,6.・・・の長手方向は、
それらの木目方向Mと一致している。そして、各柾目木
材単板6.6.・・の、互いに当接する各当接面6 a
、 6 a、・・・の内層部には、それらの木目方向M
と略直交する方向へ、丸孔7,7.・・・が各々穿設さ
れている。なお、第2図および第3図においては、響板
5の上面に設けられた長駒40と、下面に設けられた響
棒41が示されているが、第1図においては、これらの
図示が省略されている。
」二連した丸孔7.7.・・・の加工方法について説明
すると、まず、各柾目木材単板6,6.・・・を矧ぎ合
わせる前に、第5図に示すように、各柾目木材単板6.
6.・・・の当接面6aに、その厚さ方向りの中心位置
しに沿って、一定径、一定深さの丸孔77、・・を、一
定ピツチで形成する。これにより、柾目木材単板6の木
目方向Mと、略直交する方向−\延びる丸孔7.7.・
・・が形成される。このようにして丸孔7.7.・・・
が形成された柾目木材端板6゜6、・・・を、第6図に
示すように幅方向に矧ぎ合わせ、接着ケることによって
、響板5が作製される。
以上の構成において、響板5全体の平面投影面積をSと
し、第7図に斜線で示すように響板5の穿孔部分以外の
投影面積(有効面積)をS′ とすると、各丸孔7,7
.・・・の径と、深さと、形成ピッチ(もしくは個数)
を適宜設定することによって、材料の剪断変形に対する
強度、すなわち横弾性係数Gと等価な特性を、略S′/
](<i)倍に設定することができ、この結果、響板5
の横弾性係数Eと横弾性係数Gの比である音色関連材料
物性E/Gの値を所望の値まで高めることができる。
このようにして、音色関連材料物性E/Gの値を高める
ことにより、その内部摩擦損失Q−’の周波数特性は、
第8図に実線aで示すようになる。
つまり、同図に点線すで示d゛通常の響板材(スブルー
ス材等の天然材料)に比較して、特に高周波数帯域おい
て内部摩擦損失q−+が鳩加する。このように、高周波
数帯域における内部摩耗損失Q′″1が大となることに
よって、音として放射され易い高周波成分のノイズが減
少し、音色が改善されろ。
また、ピアノ響板として要求される、E/γもしくはE
/γ3(ただし、γは密度)等のヤング率、密度に依存
するその他の音響的性質に関しては、はとんど損なわれ
ることがない。したがって、上述した響板5の内層部に
丸孔7.7.・・・を形成することにより、一般に、ピ
アノ用響板に用いられている高級天然材料と同等以上の
特性が得られ、木質音特有の音の“響き”や、“暖かみ
”等が十分に得られることになる。
以上の説明から明らかなように、響板5の音色関連材料
物性E/Gの値を大とし、高周、21!!数帯域におけ
る高損失性、換言すれば、ハイカットフィルターとして
の特性を強調することによって、自然楽器としての木質
音の良さが十分に発揮され、より暖かみのある木質音が
実現されることになる。
上述した実施例によれば、各丸孔7.7.・・・の径と
、深さと、形成ピッチ(もしくは個数)を変更すること
によって、材料の剪断変形に対する強度、すなわち横弾
性係数Gと等価な特性を、任意に設定することができ、
これにより、響板5の音色関連材料物性E/Gの値を人
為的に、かつ自在に設定することができる。この場合、
柾目木材単板を矧ぎ合わせる前に孔を形成するという極
めて簡単な木工加工によって、音色を改善することがで
きる。
〔第2の実施例〕 第10図は、この発明の第2の実施例の構成を示す平面
図である。図において、響板1.1は、複数の柾目木材
単板12.12・・・・・・を矧ぎ合わせて形成されて
いる。この実施例における響板11は、グランドピアノ
用の響板である。また、響板11の中央部には木目方向
Mに沿って長駒13が設けられ、響板11の図面右上部
には短駒14が設けられている。図に破線で示す部分は
、単板12.12・・・・・の当接部分において木目方
向Mに沿って設けられているiff+5,15・・・・
・である。ここで、同図におけるA−A ’線断面を第
11図に、BB゛線断面を第12図に各々示す。第11
図に示すように、溝15は、単板12の当接面から所定
の深さを有し、両当接面における溝15.15の位置が
重なっている。すなわち、向かい合わされる1115.
15によってlっの空洞部が形成されている。図に示す
警棒lOは、単板12.12・・・・・に対し木目方向
に直交して取り付けられており、木目方向に直交する方
向への振動伝搬を補い、また、響板11全体を補強する
ものである。また、溝15は第12図に示すように、単
板12の当接面の略中央位置において木目方向に沿って
設けられている。ここで、響板11を第10図に示すC
方向から見た場合の斜視図、および、単板の接合面の拡
大図を第13図および第14図に各々示す。
上述のように、単板!2の接合面に溝15を設けると、
+1115の部分において剪断変形に対する強度が低下
するから、響板11全体についての横弾性係数Gに相応
する特性を小さくすることができる。今、第15図に示
すように、単板12の幅をW、単板12の一方および他
方の溝の深さをWl、W2とずれば横弾性係数Gに相当
する特性の値は、おおよそ(W−(W 1 +W2))
/W倍に変化させることが可能である。このように、横
弾性係数Gに相当する特性値を自由にコントロールする
ことができる。そして、横弾性係数Gに相当する値を小
さくすると、E/Gの値が大きくなり、このE/Gの値
が大きくなると、前述の表1に示したような特性が得ら
れることになる。
このような実施例においても内部摩擦損失Qの周波数特
性が第8図に曲線aで示すようになり、これにより、暖
かみのある木質音を得ることができる。
この場合、響板11のヤング率、密度自体はほとんど変
化していないから、E/γ、E/γ3等のヤング率と密
度とに依存する他の音響的性質はほとんど損なわれるこ
とがない。
また、上述した実施例においては、単板12の当接面の
双方に溝15を形成したが、第16図に示すように、一
方の面だけに溝15を形成してもよい。この場合は、構
成が簡単になる利点が得られる。
さらに、第17図に示すように、単板12の当接部を斜
面形状に構成してもよい。この場合においては、単板1
2を接着する面積が大きくなるので、接着強度が向上す
るという利点が得られ、また、第18図に示すように、
斜面形状当接部の一方側にだけ溝15を形成してもよい
〔第3の実施例〕 第20図(イ)は、この発明の第3の実施例の構成を示
す平面図である。図において、柾目木材単板12a、1
2a・・・・・・は、その板目面を当接面として互いに
接合されている。ここで、同図におけるA−A−線断面
およびB−B−線断面を各々第21図、第22図に示す
。これらの図から判るように、単板12a、12a・・
・・・・と対向して単板12b、12b・・・・・・が
設けられている。これら単板12aと+2bとは、その
柾目面が接合面になっている。また、単[12b、+2
b・・・・・・は、各々その板目面を当接面として互い
に接合されている。
そして、これら単板12a、12a・・・・・・および
12、b、12b・・・・・・によってグランドピアノ
用響板11が構成されている。また、単板12bには、
第21図に示すように溝25.25が設けられている。
この溝25は、第22図に示すように単板1.2bの木
目方向に沿って設けられている。
そして、単板12aは、第19図(イ)に示すように単
板12bの上面(柾目面)に接合され、接合後は同図(
ロ)に示す状態となる。すなわち、溝25の部分が響板
11における空洞部となる。ここで、第20図(ロ)は
、溝25.25の部分を破線で示した場合の平面図であ
り、図示のように1挨の単板12の中に2本の溝25.
25が平行に位置している。また、第23図は、第20
図に示す矢印Cから見た矢視図であり、単板!2aS 
12bと溝25との位置関係を示す。
次に、第2図(イ)、(ロ)に示す長駒13および短駒
14は、各々響板11の中央部および右上部に木目方向
Mに沿って設置Jられており、それぞれ複数の弦を支持
する。第20図、第21図に示tgl棒10は、単板1
2.12・・・・・・に対し木目方向に直交して取り付
けられており、木目方向に直交4“る方向への振動伝搬
を補うとともに響板11全体を補強する。
上述のように、単板12b1.:、溝25を設けると、
1M25の部分において剪断変形に対する強度が低下し
、響板11全体についての横弾性係数Gに相当する特性
値が小さくなる。したがって、E 、/ Gの値が増加
し、前述の表1に示したような特性が得られることにな
る。この場合、どの程度までE/Gを大きくし得るかは
、溝25の数や幅等の設定の仕方によって任意に設定す
ることができる。
このような実施例においてら内部摩擦損失Qの周波数特
性が第8図に曲線aで示すようになり、これにより、暖
かみのある木質音を得ることができる。
この場合も、響板11のヤング率、密度自体はほとんど
変化していないから、E/γ、E/γ3等のヤング率、
密度に依存する他の音響的性質はほとんど損なわれるこ
とがない。
なお、溝25は、響板11の中立軸に位置するのが、最
も効果的である。
また、上述した実施例においては、2枚の単板12a、
12bを上下方向に接合して用いるので、各単板につい
ては、あまり厚さは要求されない。
したがって、比較的薄い材料を使用して響板を製造する
ことができる。そして、積層部材を構成する各単板には
、あまり厚みが要求されないので、薄い単板を使用して
も良質な単板には匹敵する品質を実現することができ、
さらに、原材料から薄い単板を切り出して使用すること
ができるので、歩留りの向上が図れる。
なお、上記実施例においては、単板12b上に2本のi
i’125.25を設けたが、この数は任意であり、例
えば、第24図に示すように、3本の溝25.25.2
5を設けてもよい。この場合において、単板12a、1
2bの幅をW1溝25.225.25の幅を左から會い
W3、W、とすると、材料の横弾性係数Gと等価な特性
を、 (W−(■、+ w *+ * 3) / W倍にする
ことができる。また、n本の溝を設けた場合は、(W−
Σw)/W倍にすることができる。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、木製の楽器用
響板において、その板厚方向内部に空間を設けたので、
響板内層部の剪断変形に対する強度、すなわち横弾性係
数Gと等価な特性が低Fし、これにより、響板の音色関
連材料物性E/Gの(直を、天然材では困難な値まで高
めることができ、従来の天然材より暖かみのある木質音
を実現することができ、さらに、以下のような効果が得
られる。
■響板駆動時における高周波数帯域の内部摩擦損失Q−
1が大きいため、音として放射され易い高周波成分のノ
イズが減少し、き色が改善される。
■響板として要求されるヤング率、密度に依存−4るそ
の他の音響的性質に関しては、はとんど損なわれること
かない。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1の実施例をグランドピアノの響
板に適用した場合の全体構成を示す平面図、第2図は第
1図のA−A’線線断断面図第3図は第1図のB−B′
線視断面図、第4図は第1図の矢印C方向から見た斜視
図、第5図および第6図は同実施例の加工工程を説明す
るための側面図および平面図、第7図は同実施例の厚さ
方向の中心線に沿う断面図、第8図は同実施例による響
板と通常の響板の内部摩耗損失の周波数特性を示す特性
図、第9甲はピアノの発音メカニズムを説明するための
概念図である。 また、第1O図はこの発明の第2の実施例の構成を示す
平面図、第11図は第10図におけるA−A−線断面図
、第12図は第1O図におけるB−B′線断面図、第1
3図は第1O図の矢印Cにおける矢視図、第14図は同
実施例おける単[接合部分を拡大した断面図、第15図
は単板の幅と溝の深さとの関係を示す断面図、第16図
、第17図、第[8図は各々同実施例の変形例の構成を
示す断面図である。 また、第19図(イ)はこの発明の第3の実施例におけ
る単板の組合せ状態を説明するための分解図、第19図
(ロ)は同実施例における単板の接合状態を示す断面図
、第20図(イ)、(ロ)は各々同実施例の平面図、第
21図は第20図におけるA−A″線断面図、第22図
は第20図におけるB−B−線断面図、第23図は第1
9図の矢印Cにおける矢視図、第24図は同実施例の一
変形例における溝位置を示す断面図である。 5.11・・・・・・響板、 6.12・・・・・・柾目木材単板、 6a・・・・当接面、 7・・・・・丸孔、 15.25・・・・・・溝、 M・・・・・・木目方向。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)木製の楽器用響板において、その板厚方向内部に
    空間を設けたことを特徴とする楽器用響板。
  2. (2)複数の柾目木材単板を矧ぎ合してなる楽器用響板
    において、 前記複数の柾目木材単板の、互いに当接する各当接面の
    少なくとも一方の内層部に、その木目方向と略直交する
    方向へ、孔を穿設したことを特徴とする楽器用響板。
  3. (3)複数の柾目木材単板を矧ぎ合わせてなる楽器用響
    板において、 前記複数の柾目木材単板の層内に、その木目方向に沿っ
    て溝を形成したことを特徴とする楽器用響板。
  4. (4)前記溝は、前記柾目単板の、互いに当接する各当
    接面の少なくとも一方の面に沿って形成されることを特
    徴とする請求項3記載の楽器用響板。
  5. (5)2枚の柾目木材単板の柾目面を積層して構成され
    る積層部材を、その木目方向が平行になるように複数配
    置するとともに隣接する各積層部材の板目面を当接接着
    し、かつ、前記積層部材を構成する一方の柾目木材単板
    の柾目面に木目方向に沿った溝を少なくとも1つ形成し
    、この溝を形成した面を接合面として他方の柾目木材単
    板の柾目面と接合したことを特徴とする楽器用響板。
JP2157356A 1989-06-16 1990-06-15 楽器用響板 Pending JPH0387797A (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-153619 1989-06-16
JP15361989 1989-06-16
JP15362089 1989-06-16
JP1-153620 1989-06-16
JP16558889 1989-06-28
JP1-165588 1989-06-28

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0387797A true JPH0387797A (ja) 1991-04-12

Family

ID=27320503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2157356A Pending JPH0387797A (ja) 1989-06-16 1990-06-15 楽器用響板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0387797A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101402225B1 (ko) * 2012-11-14 2014-06-03 주식회사데임 기타 울림통

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101402225B1 (ko) * 2012-11-14 2014-06-03 주식회사데임 기타 울림통

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5469769A (en) Soundboard for musical instruments
CA2544984C (en) Transducer and stringed musical instrument mounting the same
US8618387B2 (en) Bracing system for stringed instrument
US20050284281A1 (en) Resonant body structure in string instrument
Gore Wood for guitars
US5170000A (en) Sound board assembly for musical instruments
JPH11316583A (ja) 弦楽器
US7235728B2 (en) Soundboard of composite fibre material construction for acoustic musical instruments
JPS6052893A (ja) ピアノの棚板構造
JPH0387797A (ja) 楽器用響板
JP4414483B1 (ja) 弦楽器
US3443464A (en) Soundboard ribs
JP4055962B2 (ja) ピアノの響板
JPH03213893A (ja) 楽器用響板
JPH0324595A (ja) 楽器用響板
JPH0387798A (ja) 楽器用響板
JPH0324596A (ja) 楽器用響板
US3866506A (en) Soundboard construction for stringed musical instruments
US3472112A (en) Perforated support for piano sounding board
EP0138240A1 (en) Method of manufacturing a stringed instrument and stringed instrument obtained by carrying out the same
Fletcher et al. Materials for musical instruments
JPS6057894A (ja) 弦鳴楽器用響板
JPH03274094A (ja) 楽器用響板
JPS6017791A (ja) ピアノの駒
JP3376206B2 (ja) ピアノ用ハンマー列、その製造方法およびピアノ