JPH037641B2

JPH037641B2 -

Info

Publication number: JPH037641B2
Application number: JP59279162A
Authority: JP
Inventors: Hiroaki Yasuhara; Yutaka Okunuki; Tomyuki Nanba
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1984-12-29
Filing date: 1984-12-29
Publication date: 1991-02-04
Also published as: JPS61158914A

Description

【発明の詳細な説明】

［産業上の利用分野］本発明は毛髪に対し、優れた光沢を与え、なめ
らかな感触を付与しながら、かつ良好なセツト保
持力を有する毛髪化粧料に関する。［従来の技術］従来、毛髪をセツトし、これを保つ目的では、
セツトローシヨン、ヘアスプレイなどが用いられ
てきた。これら毛髪化粧料には、毛髪固定用の高分子化
合物が配合されている。たとえば、ポリビニルピ
ロリドン系高分子化合物、酸性ポリビニルエーテ
ル系高分子化合物、酸性ポリ酢酸ビニル系高分子
化合物、酸性アクリル系高分子化合物、両性アク
リル系高分子化合物などである。一方、毛髪に光沢やなめらかさを与える目的で
はシリコーン油、高級アルコール、流動パラフイ
ン、エステル油などの油分やカチオン性界面活性
剤、カチオン性高分子化合物、ノニオン性界面活
性剤などが配合されている。しかしながら、上記の毛髪に光沢やなめらかさ
を与える目的で配合される油分などは毛髪のセツ
ト保持力に対しては阻害要因として働いてしまう
ので、高いセツト保持力を有しながら毛髪に優れ
た光沢やなめらかさを与えられる毛髪化粧料はこ
れまで得られていなかつた。［発明が解決しようとする問題点］本発明者らは、このような事情にかんがみ、優
れたセツト保持力を有しながら、かつ光沢やなめ
らかさの点でも満足できる毛髪化粧料を得るべく
鋭意研究を行つた結果、特定の有機シリコーン樹
脂に加えて揮発性炭化水素油を用いたならば、上
記目的を達成できることを見出し、この知見にも
とづいて本発明を完成するに至つた。［問題点を解決するための手段］すなわち、本発明は、下記(A)で示される有機シ
リコーン樹脂0.1〜50重量％および下記(B)で示さ
れる揮発性炭化水素油0.1〜99重量％を含有する
ことを特徴とする毛髪化粧料である。 (A) 平均式

【式】（Ｒは炭素数１〜６までの炭化水素基またはフエニル基を表し、ｎは
1.0から1.8までの値を表す）の単位からなる有
機シリコーン樹脂。 (B) 常圧における沸点が60〜260℃の範囲にある
揮発性炭化水素油。本発明で用いる上記(A)で示される有機シリコー
ン樹脂はR₃SiO１／２単位、R₂SiO単位RSiO３／２単位およびSiO単位のうちの適当な組合せからな
り、その割合は平均式

【式】（ｎは1.0 から1.8までの値を表す）を満足するように選ば
れ、約1500〜10000までの平均分子量を有するこ
とが望ましい。上記有機シリコーン樹脂はベンゼンに可溶であ
り、各種の方法で製造し得る。一例をあげると、
一般式R₃SiX、R₂SiX₂、RSiX₃およびSiX₄（Ｘは
加水分解し得る基、たとえば塩素、臭素、弗素、
アルコキシ、たとえばメトキシ、エトキシなどの
基、アシロキシ基を表す）で示される化合物を、
目的とする樹脂組成に応じてトルエン、ベンゼ
ン、キシレンなどのごとき適当な溶媒に添加し、
次いでこの溶媒を適当な酸性溶媒中における希望
する加水分解および共縮合を得るに充分な量の水
中に加える。こうして得られた二相系から水相を
除去し、残留する樹脂状物質を重炭酸ナトリウム
あるいは他のアルカリ性物質の充分量を用いて中
和し、溶媒を留去すれば目的の有機シリコーン樹
脂が得られる。本発明における有機シリコーン樹脂の配合量は
毛髪化粧料全量中の0.1〜50重量％である。また、本発明で用いる揮発性炭化水素油は常圧
における沸点が60〜260℃の範囲にある炭化水素
油であり、たとえば、アイソパー（登録商標）
Ａ、同Ｃ、同Ｄ、同Ｅ、同Ｇ、同Ｈ、同Ｋ、同
Ｌ、同Ｍ（エクソン社）、シエルゾール（登録商
標）71、（シエル社）、ソルトロール（登録商標）
100、同130、同220（フイリツプ社）などをあげる
ことができる。これらは、いずれも揮発性であつて、かつ有機
シリコーン樹脂に対して溶媒となり得る。配合量は、毛髪化粧料全量中の0.1〜99重量％
である。上記の必須成分を含有してなる毛髪化粧料はそ
の配合量に応じて、溶液状から固型状までを呈す
る。すなわち、揮発性炭化水素油が多いときは溶
液状を呈し、有機シリコーン樹脂が増量するにし
たがつて固形状になる。当然のことながら、上記必須成分に加えて、水
性成分および適切な界面活性剤を配合して乳化技
術を駆使することによつて、揆水性をうしなわな
い範囲で油中水型あるいは水中油型の乳化組成物
にすることも可能である。本発明の毛髪化粧料には上記の必須構成成分に
加えて、目的に応じて本発明の効果を損なわない
量的、質的範囲内で、さらに流動パラフイン、ス
クワラン、ラノリン誘導体、高級アルコール、各
種エステル油、シリコーン油、ポリアルキレング
リコールポリエーテルおよびそのカルボン酸オリ
ゴエステル化合物、テルペン系炭化水素油などの
油分、カチオン性界面活性剤、カチオン性高分子
化合物、ノニオン性界面活性剤、薬剤、香料を配
合しても良い。これら他の成分を適量配合しても
本発明の毛髪化粧料は毛髪のセツト保持力を阻害
されることは少ない。以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。本発明は、これらによつて限定されるもの
ではない。配合量は全て重量％である。実施例１ヘアスプレイアイソパー（登録商標）Ｃ（沸点98〜113℃）
65.5 アイソパー（登録商標）Ｈ（沸点170〜193℃）
15.0 約8000の分子量を有し、かつ（C₆H₅）SiO
３／２単位：（CH₃）₂SiO単位＝5.67：１からなる平均式（CH₃）_0.30（C₆H₅）_0.85SiO_1.43で表される
有機シリコーン樹脂 18.0 メチルフエニルポリシロキサン 1.0 P.O.E.（４モル）ステアリルエーテル 0.5 香料適量〜を70〜80℃で撹拌溶解し、を加えて原
液とする。原液30重量部に対して噴射ガス｛フロ
ン（登録商標）11：同12＝40：60）70重量部を加
えてエアゾール罐中に充填してヘアスプレイを得
た。実施例２セツトローシヨンソルトロール（登録商標）100（沸点160〜175
℃） 10.0 約3000の分子量を有し、かつ（CH₃）₃SiO
１／２単位：SiO₂単位＝0.8：１からなる平均式（CH₃）_1.33SiO_1.34で表される有機シリコーン樹
脂 7.0 セチル−２−エチルヘキサノエート 1.0 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.2 エチルアルコール 70.0 精製水残余香料適量〜を70〜80℃で撹拌溶解し、別に〜を
溶解したものを加え、さらにを加えてセツトロ
ーシヨンを得た。比較例１ヘアスプレイメチルビニルエーテルとマレイン酸ハーフエ
チルエステルとの共重合物 18.0 アミノメチルプロパノール 0.8 メチルフエニルポリシロキサン 1.0 P.O.E（４モル）ステアリルエーテル 0.5 エチルアルコール 83.5 香料適量〜を撹拌溶解して原液とする。原液30重量
部に対して噴射ガス｛フロン（登録商標）11：同
12＝40：60）70重量部％を加えてエアゾール罐中
に充填してヘアスプレイを得た。比較例２セツトローシヨンビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合物
7.0 セチル−２−エチルヘキサノエート 1.0 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.2 エチルアルコール 70.0 精製水残余香料適量を撹拌溶解し、さらに〜およびを溶
解してセツトローシヨンを得た。実施例１、２および比較例１、２について以下
の実験を行い、性能を評価した。市販毛髪ストランド（重さ３ｇ、幅２cm、長さ
20cm）に実施例１または比較例１を５秒間噴霧す
る。別に、同種の毛髪ストランドに実施例２また
は比較例２を0.5ｇ塗布する。これら試料をカー
ルし、充分に乾燥させた後、実験に供した。すなわち、４種のカールした毛髪ストランドを
30℃90％の恒温恒湿下で24時間放置する。元の毛
髪ストランドの長さ（Ｌ）、最初のカールの径
（L_p）、24時間放置後のカールの径（L_t）を測定
し、次式にもとづいて算出したカールリテンシヨ
ンをもつてセツト力とした。数値が大きいほどセ
ツト力が強いことを表す。セツト力（カールリテンシヨン）＝Ｌ−L_t／Ｌ−L_p×100％また、光沢、なめらかさについてはそれぞれ官
能で評価した。〇……優れている △……普通 ×……劣つている結果を表１に示す。

【表】従来のヘアスプレイ、セツトローシヨンに比べ
て、本発明の毛髪化粧料が光沢、なめらかさ、セ
ツト力で優れていることが明らかである。実施例３ポマードマイクロクリスタリンワツクス 7.0 スクワラン 13.0 シエルゾール（登録商標）71（沸点173〜195
℃） 13.0 アイソパー（登録商標）Ｅ（沸点116〜143℃）
12.0 約5000の分子量を有し、かつ（CH₃）₃SiO
１／２単位：SiO₂単位＝1.5：１からなる平均式（CH₃）_1.8SiO_1.1で表される有機シリコーン樹脂
45.0 P.O.E.（10モル）硬化ヒマシ油トリイソステ
アレート 10.0 香料適量〜を70〜80℃で撹拌溶解し、を加えて冷
却し、ポマードを得た。実施例３は従来のポマードに比較して、特異な
匂いも少なく、さつぱりとのびのよい使用感で、
かつ光沢、なめらかさおよびセツト保持力にも優
れたポマードであつた。実施例４ヘアリキツドアイソパー（登録商標）Ａ（沸点66〜70℃）
30.0 ソルトロール（登録商標）Ａ（沸点240〜260
℃） 35.0 約2000の分子量を有し、かつ（CH₃）₃SiO
１／２単位：（C₆H₅）₂SiO₂単位：（C₆H₅）SiO３／２単位：SiO₂単位＝0.9：0.1： 0.2：１からなる平均式（CH₃）_1.23（C₆H₅）_0.18
SiO_1.30で表される有機シリコーン樹脂 30.0 セチル−２−エチルヘキサノエート 5.0 香料適量〜を50〜60℃で撹拌溶解し、を加えてヘ
アリキツドを得た。実施例４は従来のヘアリキツドに比較して、さ
つぱりとした使用感で、かつ光沢、なめらかさお
よびセツト保持力にも優れたヘアリキツドであつ
た。実施例５ヘアクリームソルトロール（登録商標）130（沸点170〜208
℃） 10.0 約5000の分子量を有し、かつ（CH₃）₃SiO
１／２単位：SiO₂単位＝0.5：１からなる平均式（CH₃）_1.0SiO_1.5 で表される有機シリコーン樹脂 3.0 流動パラフイン 7.0 脱臭ラノリン 4.0 セチルアルコール 2.0 ソルビタンモノステアレート 2.5 P.O.E（50モル）硬化ヒマシ油 2.0 プロピレングリコール 5.0 防腐剤適量精製水残余〜を70〜80℃で撹拌溶解し、〜を溶解
したものの中に加えて乳化し、ヘアクリームを得
た。実施例５は従来のヘアクリームに比較して、さ
つぱりとのびがよく、かつ光沢、なめらかさおよ
びセツト保持力にも優れたヘアクリームであつ
た。実施例６ブローローシヨンソルトロール（登録商標）100（沸点160〜175
℃） 1.0 約3000の分子量を有し、かつ（CH₃）₃SiO
１／２単位：SiO₂単位＝0.8：１からなる平均式（CH₃）_1.33SiO_1.34で表される有機シリコーン樹
脂 0.3 プロピレングリコール 3.0 塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.3 第４級窒素含有セルロースエーテル 0.05 エチルアルコール 70.0 香料適量精製水残余を70〜80℃で撹拌溶解した後、30℃に冷却
する。これを〜を溶解したものに加えて撹拌
混合してブローローシヨンを得た。実施例６は従来のものに比較して、光沢、なめ
らかさおよびセツト保持力においてはるかに優れ
たブローローシヨンであつた。実施例７リンス塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 5.0 ステアリルアルコール 3.0 P.O.E.（４モル）ステアリルエーテル 1.5 アイソパー（登録商標）Ｅ（沸点116〜143℃）
5.0 約5000の分子量を有し、かつ（CH₃）₃SiO
１／２単位：SiO₂単位＝0.5：１からなる平均式（CH₃）_1.0SiO_1.5で表される有機シリコーン樹脂
4.0 クエン酸 0.1 ジプロピレングリコール 3.0 防腐剤適量香料適量色剤適量精製水残余〜を70〜80℃で撹拌溶解する（油相）。
および〜を70〜80℃で撹拌溶解する（水相）
水相と油相を撹拌混合した後30℃まで冷却してヘ
アリンスを得た。実施例７は従来のものに比較して、毛髪に豊か
な光沢を与え、さらつとした感触で、セツトしや
すい毛髪に仕上げる効果を有し、その後のセツト
のもちもよいリンスであつた。［発明の効果］本発明の毛髪化粧料は、毛髪に豊かな光沢とな
めらかさを与え、かつ毛髪に対して優れたセツト
保持力を有する毛髪化粧料である。

Claims

【特許請求の範囲】１下記(A)で示される有機シリコーン樹脂0.1〜
50重量％および下記(B)で示される揮発性炭化水素
油0.1〜99重量％を含有することを特徴とする毛
髪化粧料。 (A) 平均式【式】（Ｒは炭素数１〜６までの炭化水素基またはフエニル基を表し、ｎは
1.0から1.8までの値を表す）の単位からなる有
機シリコーン樹脂。 (B) 常圧における沸点が60〜260℃の範囲にある
揮発性炭化水素油。