JPH0357158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はシートのリクライニング装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来、この種のシートのリクライニング装置と
しては、種々のものが実施化されている。例え
ば、第３図に示すような実開昭59−46152号公報
記載あるいは第４図に示すような特開昭57−
26411号公報記載のものが知られている。前者は
クツシヨンフレーム１とバツクフレーム２との間
には、両者の一方にヒンジ３を設け、他方にリク
ライニング装置４を設けたものである。後者はク
ツシヨンフレーム１にバツクフレーム２をヒンジ
としてのシヤフト６を介して回動自在に取付け、
ロツク機構７をクツシヨンフレーム１の下方で、
かつ中央に位置させて取付けたものである。

〔解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来のシートのリク
ライニング装置にあつては、前者は両側の一方に
設けられるヒンジ３と、他方に設けられるリクラ
イニング装置４とが構造を異にするので、これら
に負荷が均等にかからず、バツクフレームを円滑
に回動させることができないことがあつた。ま
た、リクライニング装置は側方にはみ出し、サイ
ドスペースを要し、空間の有効利用が図れないと
いう問題点があつた。

一方、後者においては、クツシヨンフレーム１
の下方に設けられるロツク機構７は、前後方向に
延びるラツク８と、これに係脱自在に噛合するツ
ースプレート９と、これを上下動させるギヤ１０
やねじ１１等とを備えているので、クツシヨンフ
レーム１の下方空間の有効利用が図れず、シート
の組立が面倒で、しかも、シートクツシヨンの厚
みが増大してしまい、さらにそのロツク機構７が
存在するためにクツシヨン性を阻害されるという
問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

前記問題点を解決するこの考案の手段は、クツ
シヨンフレームの後部とバツクフレームの下部と
の間に左右対称に取付けられ、バツクフレームを
前後方向に回動自在にする一対のヒンジと、クツ
シヨンフレームの後部とバツクフレームの下部と
の間に取付けられ、バツクフレームを前方方向に
回動するように付勢するリターンスプリングと、
前記クツシヨンフレームの後部中央に固着され、
下方に指向して円弧状の歯を有するアツパーツー
スと、前記バツクフレームの下部中央に回動自在
に取付けられ、アツパーツースと係脱自在に噛合
する上向きに湾曲した円弧状の歯溝を有するロア
ツースと、アツパーツースとロアツースとの間に
設けられ、歯と歯溝とが噛合するように弾性力が
付勢される引張ばねと、前記ロアツースの下部か
ら側方に延出していると共に、バツクフレームの
下部に設けた先端にノブを有し、ロツク解除の係
合操作を可能とするロツドとからなるロツク機構
とを備えたことを要旨とするものである。

〔実施例〕

以下、この考案の１実施例を第１図および第２
図に基づいて詳細に説明する。

まず、構成について説明すると、図面におい
て、符号１５はクツシヨンフレームで、その後部
とバツクフレーム１６の下部との間に一対のヒン
ジ１７が取付けられてバツクフレーム１６が前後
方向に回動できるようになつている。また、クツ
シヨンフレーム１５の後部とバツクフレーム１６
の下部との間に一対の渦巻状のリターンスプリン
グ１８が取付けられ、バツクフレーム１６が前方
方向に回動するように付勢されている。リターン
スプリング１８の付勢力や負荷が一方のヒンジ１
７に片寄つてかかることがないようにリターンス
プリング１８やヒンジ１７はクツシヨンフレーム
１５の中心に対して左右対称の位置に配設されて
いる。バツクフレーム１６の後方方向への回動は
着座者がシートバツクを背中で押倒すことによつ
て行なわれるが、シートバツクの回動を所望の傾
斜角度にロツクするためのロツク機構２０が設け
られている。ロツク機構２０はクツシヨンフレー
ム１５の後部の中央に固着されて下方に指向する
アツパーツース１９と、これに対応するバツクフ
レーム１６の下部の中央に回動自在に取付けられ
てアツパーツース１９と係脱自在に噛合するロア
ツース２１とからなる。アツパーツース１９は前
後方向に下向きに湾曲した円弧状の歯１９Ａを有
する。ロアツース２１は略コの字形状を有し、上
部がバツクフレーム１６の下部の中央にヒンジブ
ラケツト２２を介して回動自在に取付けられ、下
部に上向きに湾曲した円弧状の歯溝２１Ａを有す
る。ロアツース２１とアツパーツース１９との間
に引張ばね２３が取付けられ、ロアツース２１が
アツパーツース１９に押付けられてロツク係合す
るようになつている。このロツク係合の解除操作
を可能にすべくロアツース２１の下部からロツド
２４が側方に延び、バツクフレーム１６の下部に
設けたガイド２５の円弧状の長孔２６に遊挿され
て先端にノブ２７が形成されている。

次に作用について説明する。

第２図はバツクフレーム１６のロツク状態を示
す。この状態からシートバツクを所望の角度位置
に傾動させるためには、ノブ２７をガイド２５に
沿つて後方に押下げる。すると、ロアツース２１
は引張ばね２３の付勢力に抗してヒンジブラケツ
ト２２の回りを後方に向つて回動する。この結
果、第１図に示すようにロアツース２１の歯溝２
１Ａがアツパーツース１９の歯１９Ａから離脱
し、両者の噛合によるロツク係合が解除される。
そのため、バツクフレーム１６はヒンジ１７の回
りを自由に回動し得るようになる。そこで、シー
トバツクを背中で押倒すか、あるいはリターンス
プリング１８の付勢力を利用してシートバツクを
回動させることにより、シートバツクが所望の角
度位置に来たときにノブ２７を引張ばね２３によ
つて戻せば、ロアツース２１は引張ばね２３の付
勢力によつて前方に回動する。その結果、第２図
における二点鎖線で示すように、ロアツース２１
の歯溝２１Ａがアツパーツース１９の歯１９Ａに
当つて噛合し、ロツク状態となる。これにより、
シートバツクは所望の傾斜角度の位置に確実に保
持される。

なお、この考案は前記実施例に限定されるもの
でなく種々の応用改変が可能であることはもちろ
んである。

〔効果〕

以上の説明から明らかなように、この考案によ
れば、ヒンジ及びリターンスプリングをクツシヨ
ンフレームの中心に対して対称の位置に設けたの
で、両側のヒンジにかかる負荷を均等にしてシー
トバツクを円滑に回動させることができる。ロツ
ク機構をクツシヨンフレームの後部とバツクフレ
ームの下部との間に介在し、かつ中央の位置に設
けたので、デバイスのスペースを不要にしてサイ
ドスペースの有効利用を図り、見栄えを向上させ
ることができる。また、クツシヨンフレームの下
方のスペースは何ら妨げられないので、シートク
ツシヨンの厚みを減少させることができ、またそ
の空いたスペース部分にクツシヨン部材を設置す
ることができるので、クツシヨン性を大幅に向上
させることができる。さらに、構造がシンプル
で、かつ部品点数が少ないので、シートを容易に
組立てることができ、組立性を向上させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例に係るシートのリ
クライニング装置を示す斜視図、第２図はロツク
状態を示す作用説明図、第３図は従来のシートの
リクライニング装置を示す分解斜視図、第４図は
他の従来例を示す斜視図である。 １５……クツシヨンフレーム、１６……バツク
フレーム、１７……ヒンジ、１８……リターンス
プリング、１９……アツパーツース、１９Ａ……
歯、２０……ロツク機構、２１……ロアツース、
２１Ａ……歯溝、２４……ロツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 クツシヨンフレームの後部とバツクフレームの
   下部との間に左右対称に取付けられ、バツクフレ
   ームを前後方向に回動自在にする一対のヒンジ
   と、 クツシヨンフレームの後部とバツクフレームの
   下部との間に取付けられ、バツクフレームを前方
   方向に回動するように付勢するリターンスプリン
   グと、 前記クツシヨンフレームの後部中央に固着さ
   れ、下方に指向して円弧状の歯を有するアツパー
   ツースと、前記バツクフレームの下部中央に回動
   自在に取付けられ、アツパーツースと係脱自在に
   噛合する上向きに湾曲した円弧状の歯溝を有する
   ロアツースと、アツパーツースとロアツースとの
   間に設けられ、歯と歯溝とが噛合するように弾性
   力が付勢される引張ばねと、前記ロアツースの下
   部から側方に延出していると共に、バツクフレー
   ムの下部に設けた先端にノブを有し、ロツク係合
   の解除操作を可能とするロツドとからなるロツク
   機構と を備えたことを特徴とするシートのリクライニン
   グ装置。