JPH0354112Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は袋状に縫製された布片（例えばカフス
や襟など）を裏返しするさいに使用される指環形
布片裏返し器に関する。

（従来の技術） 縫製作業では布片をミシン掛けして袋状になし
た後、表裏を逆にするため全体を裏返しすること
が行われるが、この場合、裏返しされるべき袋状
の布片の底部分などに角部があつたりすると指先
だけでは該角部を奇麗に裏返しすることができな
いのであり、このため従来では目抜きを使用した
り、同一物を大量生産する所では専用の裏返し機
を使用するなどしていた。

（考案が解決しようとする課題） 上記した目抜きを使用しての裏返し作業は片手
が目抜きの把持に必要となつて自由に使えないた
め、どうしても作業能率の低いものとならざるを
得ないのであり、また専用の裏返し機は構造が大
掛りなため簡便な使用ができない上に機械価格が
高くつくなどの不利がある。

本考案は上記問題点を解消させ得るものとした
指環形布片裏返し器を提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段及びその作用） 上記目的を達成するため、本考案は親指の先に
外嵌させる環状部を形成すると共に該環状部には
親指の先方へ向けて数cmの長さに突出される先細
り状の突起を一体的に設けたことを特徴とする。

布片の裏返し作業のさい、突起は布片の角部と
関連して該角部を奇麗に裏返しすることを可能に
なすのであり、このさい突起や環状部は指先に支
持されるものであるため作業者の手を拘束するも
のとならず、作業者は自由に両手を使え作業の行
い易い状態となるのである。

また環状部と突起からなる本考案品は何処でも
簡易に使用されると共に安価に製造され得るもの
である。

（実施例） 以下、本考案の具体的な一実施例を図面により
詳細に説明する。

第１図は本考案品の斜視図であり、図中１は親
指の先に外嵌させる環状部、そして２は該環状部
１から一体的に延出させた先細り状の突起であ
る。

環状部１はここでは円周方向の一定箇所１ａを
切断して若干の弾性変形自在になさしめてあり、
その直径は着用者の個体差を考慮して各種サイズ
のものになす。

また突起２はその先端が親指から先方へ数cmの
長さだけ突出するように設定するのであり、その
ためここでは全長を凡そ３cm程度に設定してな
る。なお該突起２の先端に小さな球体部を形成す
ることは自由である。

本考案品は合成樹脂材料などを鋳型成形するこ
とにより一体品に製造することのできるものであ
る。

しかして第２図はカフスを示し、二重折りした
布片ｗの両端部をミシン掛けｍして袋状となして
あるが、これを裏返しするさいの本考案品の使用
例を説明すると、先ず作業者は環状部１を親指の
先に嵌着するのであり、しかる後カフスを手に持
つた状態で突起２の先端を第３図に示すようにそ
の角部に添わせ、次いで該先端を支点としてそれ
を裏返すことにより第４図の状態となし、さらに
裏返しされた後の角部を突起２の先端で内方から
外方へ押し出すようになすのであり、これにより
角部はミシン掛けｍどおりの角張つた状態に裏返
しされるものとなる。

この後作業者は本考案品を一々指から外すなど
しなくても指が自由に使えるため他の異なる関連
作業（例えば裏返しされたカフスの周囲にステツ
チを入れるなど）をも不便なく行うことができる
のである。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば親指の先に嵌めて
使用されるため布片の裏返し中にあつても作業者
の両手は自由に使える状態となつて手際の良い作
業ができ、作業能率を向上せしめるものであると
共に簡易な構造で小さなものであるため何処でも
簡易に使用でき且つ安価に製造し得るものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案品の斜視図、第２図はカフスの
斜視図、第３図及び第４図は本考案品の使用説明
図である。 １……環状部、２……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 親指の先に外嵌させる環状部を形成すると共に
   該環状部には親指の先方へ向けて数cmの長さに突
   出される先細り状の突起を一体的に設けたことを
   特徴とする指環形布片裏返し器。