JPH0352343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、所謂正面打ち形式の軒樋支持金具に
関する。

〔従来の技術〕

従来、上記形式の軒樋支持金具は、第５図に例
示したように、帯板状部材１の所定箇所を折り曲
げて下方へ延出する脚部２を形成すると共に、上
記帯板状部材１の先端部に軒樋保持部３を設け、
上記脚部に帯形金具４を十字状に重ね合わせてス
ポツト溶接等の適宜手段により固定したものであ
つた。

このような軒樋支持金具は、上記脚部２の下端
部及び帯形金具４の左右両端部にそれぞれ穿設さ
れた孔５，６を通して例えば釘７を打ち込むこと
によつて軒先に固定される。また、軒樋（不図
示）は上記軒樋保持部３に保持される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このような軒樋支持金具を軒先に固定して軒樋
を支持させた場合、軒樋や軒樋を流れる雨水の重
みによる荷重は脚部２と帯板状部材１とによつて
形成されるコーナ部イに集中する。そのため、従
来の軒樋支持金具では、上記荷重によつても折れ
曲がらない程度の曲げ強度が上記コーナ部に付与
されるように帯板状部材１の厚みを定めている。

ところが、降雪地域等では軒樋の上に積もつた
雪の重みや屋根から軒樋の上にせり出した雪の重
みによる荷重が軒樋支持金具の上記コーナ部イに
かかり、このコーナ部イが下方へ折れ曲がつてし
まうことが多々あつた。このようなコーナ部イの
折れ曲りを未然に防止するためには、帯板状部材
１を厚くしてコーナ部イの曲げ強度を大きくして
おけばよいが、そのようにすると、材料費や加工
費の大幅な高騰を招くので好ましくない。

本考案はこのような問題点を解決するもので、
上記した脚部に十字状に重ね合わされて固定され
る帯形金具に工夫をこらして帯板状部材のコーナ
部イを補強するようにし、もつて材料費や加工費
を大幅に高騰させることなく、コーナ部イの折れ
曲りを未然に防止することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するため、本考案の軒樋支持
金具は、帯板状部材の所定箇所を折り曲げて下方
へ延出する脚部を形成すると共に、上記帯板状部
材の先端部に軒樋保持部を設け、上記脚部に十字
状に重ね合わされて固定された帯形金具と上記脚
部とを軒先に固定するように構成した軒樋支持金
具において、上記帯形金具の長手方向中間部に突
出部を設けると共に、その突出部を帯板状部材の
先端方向へ折り曲げて上記脚部の上端部に形成さ
れる帯板状部材のコーナ部を支持させた点に要旨
を有する。

〔作用〕

上記手段によると、軒樋の上に積もつた雪の重
みや屋根から軒樋の上にせり出した雪の重み等に
よる荷重が軒樋支持金具の上記コーナ部にかかつ
た場合には、該コーナ部の帯板状部材が帯形金具
に設けられた突出部によつて支持されて補強さ
れ、上記コーナ部の折れ曲りが阻止される。

〔実施例〕

以下、実施例を掲げて本考案を説明する。

第１図に例示した軒樋支持金具において、帯板
状部材１の所定箇所を折り曲げて下方へ延出する
脚部２を形成し、上記帯板状部材１の先端部に軒
樋保持部３を設け、上記脚部２に帯形金具４を十
字状に重ね合わせてスポツト溶接等の適宜手段に
より固定してある点は第５図で説明した従来の軒
樋支持金具と同様であるが、第１図の軒樋支持金
具では従来の軒樋支持金具と異なり、上記帯形金
具４に突出部４１を一体に設け、この突出部４１
を帯板状部材１の先端方向へ折り曲げて上記脚部
２の上端部に形成される帯板状部材１のコーナ部
イの下に密着状態で重ね合わせて上記コーナ部イ
を支持させている。上記突出部４１は第２図から
明らかなように帯形金具４の長手方向中間部に設
けられており、その幅寸法は脚部２の幅寸法と同
一になつている。なお、第１図において仮想線Ｘ
は軒樋保持部３の基端部及び先端部に設けられた
軒樋挾持片８を折り曲げて軒樋１００の内耳部１
２０及び外耳部１１０を挾持させた状態を示して
いる。

上記のように、帯形金具４に設けた突出部４１
を折り曲げて軒樋支持金具の脚部２の上端部に形
成される帯板状部材１のコーナ部イの下に重ね合
わせて支持させると、該コーナ部イに何等かの荷
重がかかつて帯板状部材１がコーナ部イから下方
へ折れ曲がろうとしても、このコーナ部イの帯板
状部材１が帯形金具４の突出部４１によつて支持
されて補強されるので、帯板状部材１が従来の軒
樋支持金具の場合と同様に軒樋１００や軒樋１０
０を流れる雨水の重みによる荷重によつては折れ
曲がらない程度の厚みを有するに過ぎない場合で
あつても、軒樋１００の上に積もつた雪の重みや
屋根から軒樋１００の上にせり出した雪の重み等
の荷重によつて帯板状部材１が上記コーナ部イか
ら下方へ折れ曲がらない。

第１図の軒樋支持金具は、帯板状部材１の先端
部を半円弧状に曲成することにより軒樋保持部３
を帯板状部材１と一体に設けてなる所謂丸樋受け
金具を示しているが、本考案の軒樋支持金具は、
例えば第３図のような所謂角樋吊り金具であつて
もよい。同図の軒樋支持金具は、軒樋（角樋）１
００の外耳部１１０及び内耳部１２０を吊持状に
保持する吊り杆９（軒樋保持部に相当）に帯板状
部材１の先端部をスポツト溶接等の適宜手段によ
つて固定したものである。なお、９１は薄板のば
ね材であり、軒樋１００が吊り杆９から外れるの
を防止している。

第４図は帯形金具４に設けられた突出部４１の
変形例を示している。この突出部４１は帯形金具
４の長手方向中間部から帯板状部材１の先端方向
へ折り曲げられて上方へ突出されており、その上
端部４１ａが帯板状部材１にスポツト溶接等の適
宜手段により固定され、帯板状部材１のコーナ部
イの下に空間部分を有している。このようにして
おくと、三角形を形成する帯板状部材１と脚部２
と突出部４１とによつてコーナ部イが高度に補強
される。

なお、第３図又は第４図に示した軒樋支持金具
において、上記した以外の構成並びに作用は第１
図及び第２図について説明した軒樋支持金具と同
様であるので、同一部分には同一符号を付して詳
細説明を省略する。また、軒樋を支持する構成は
上記の受け金具や吊り金具に限らず、種々のもの
が可能であることはいうまでもない。

〔考案の効果〕

上記のように、本考案の軒樋支持金具は、脚部
の上端部に形成される帯板状部材のコーナ部が帯
形金具に形成された突出部によつて支持されて補
強されるので、上記帯板状部材を従来の軒樋支持
金具と同程度の厚みにしておいても、軒樋の上に
積もつた雪の重みや屋根から軒樋の上にせり出し
た雪の重み等による荷重によつてコーナ部が折れ
曲がることがない。このため、上記コーナ部を補
強するために帯板状金具の厚みを厚くする必要が
無くなり、材料費や加工費の高騰を招く心配がな
い。ただ、帯形金具に突出部を設ける必要がある
ところから、帯形金具の材料費や加工費は従来の
場合よりも多少高くなるが、その差は軒樋支持金
具全体の材料費や加工費からすると僅かである。
このような効果を奏する本考案の軒樋支持金具
は、雪国等の降雪地域に軒樋を施工する場合に好
適に使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例による軒樋支持金具の
側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿う断面
図、第３図は軒樋支持金具の変形例を示す概略側
面図、第４図は帯形金具に設けられた突出部の変
形例を示す側面図、第５図は従来の軒樋支持金具
を示す斜視図である。 １……帯板状部材、２……脚部、３……軒樋保
持部、４……帯形金具、４１……突出部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 帯板状部材の所定箇所を折り曲げて下方へ延出
   する脚部を形成すると共に、上記帯板状部材の先
   端部に軒樋保持部を設け、上記脚部に十字状に重
   ね合わされて固定された帯形金具と上記脚部とを
   軒先に固定するように構成した軒樋支持金具にお
   いて、 上記帯形金具の長手方向中間部に突出部を設け
   ると共に、その突出部を帯板状部材の先端方向へ
   折り曲げて上記脚部の上端部に形成される帯板状
   部材のコーナ部を支持させたことを特徴とする軒
   樋支持金具。