JPH0351778Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はフロツピーデイスク又はこれに類似の
磁気デイスクを使用して情報の記録又は再生を行
うための磁気デイスク装置に関するものである。

従来の技術 フロツピーデイスク装置の磁気へツドは、通
常、バネ性を有する支持板即ち板バネを介してヘ
ツドキヤリツジに装置されている。また、磁気へ
ツドを構成するコアは、へツド支持板のデイスク
側から反対側に貫通するように配設され、巻線は
コアの反対側に貫通した部分に施されている。

考案が解決しようとする問題点 ところで、デイスクがヘツドキヤリツジに当る
ことを防止するために、磁気へツドのギヤツプ面
はヘツドキヤリツジから十分突出した位置に設け
られている。従つて、従来の如く巻線をへツド支
持板のデイスク側と反対側に配置する場合には、
コアの長さが必然的に長くなり、ヘツドキヤリツ
ジ及びデイスク装置の薄形化が困難であつた。ま
た、コアが長くなると、磁気損失も大になり、磁
気へツドの効率が低下する。そこで、本考案の目
的は、薄形化が出来且つ変換効率の向上が出来る
磁気デイスク装置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するための本考案は、磁気デイ
スクの回転機構と、前記デイスクに対向して信号
の記録又は再生を行う磁気へツドと、前記磁気へ
ツドをバネ性を有して支持するへツド支持板と、
前記へツド支持板を支持して前記デイスクの半径
方向に移動可能であるヘツドキヤリツジと、前記
ヘツドキヤリツジのデイスク半径方向移動機構と
を具備する磁気デイスク装置において、前記磁気
ヘツドはコアと巻線とを有し、前記へツド支持板
は前記コアを挿入するための開口を有し、前記コ
アは前記へツド支持板の前記デイスクに対向する
第１の面及び前記第１の面と反対側の第２の面と
の両方から突出するように前記開口を通して配置
され、前記巻線は前記へツド支持板の前記第１の
面の上に配置されていることを特徴とする磁気デ
イスク装置に係わるものである。

作 用 本考案において、へツド支持板の開口及びここ
を通るコアは、ヘツド支持板の第１の面（デイス
ク側面）に配置される巻線の位置決め作用を有す
る。

実施例 次に、第１図〜第６図を参照して本考案の実施
例に係わる磁気デイスク装置について述べる。第
１図に示す磁気デイスク装置は、一般にフロツピ
ーデイスクと呼ばれている磁気デイスクカートリ
ツジ１を使用して情報の記録又は再生を行うもの
であり、カートリツジ１のケース２の中に収容さ
れたフレキシブル磁気デイスク３を回転するため
の回転機構４を有する。この回転機構４は、デイ
スク回転用モータ５と、ここに結合された回転台
６と、この回転台６にデイスク３を固定するため
のクランパ７とから成る。なお、デイスクカート
リツジ１は、クランパ７を回転台６から離間させ
た状態において、デイスク３の回転平面と同一又
はほぼ平行な面方向換言すれば回転台６の軸方向
に直交する方向から挿入される。

デイスク３の下側の第１の磁気へツド８は、バ
ネ性を有する第１のへツド支持板９によつて第１
のヘツドキヤリツジ１０に装着されている。この
第１のヘツドキヤリツジ１０はガード棒１１に案
内されてデイスク３の半径方向に移動自在であ
り、第１図に原理的に示されているステツピング
モータ１２とネジ棒１３とから成る半径方向移動
機構１４によつて駆動される。なお、第１のヘツ
ドキヤリツジ１０の第１の磁気へツド８に対向す
る部分にパーマロイから成る磁気シールド板１５
が固着されている。

磁気デイスク３の上側の第２の磁気へツド１６
はバネ性を有する第２のへツド支持板１７によつ
て第２のヘツドキヤリツジ１８に装着されてい
る。この第２のヘツドキヤリツジ１８はヒンジ機
能を有し且つこれを第１図で反時計回り方向に偏
倚する板バネ１９によつて第１のヘツドキヤリツ
ジ１０に取り付けられている。従つて、第２のヘ
ツドキヤリツジ１８は第１のヘツドキヤリツジ１
０と同時にデイスク半径方向に移動する。２０は
捩りバネであり、第２のヘツドキヤリツジ１８を
第１図で反時計回り方向に偏倚するものである。
２１はパーマロイから成る磁気シールド板であ
り、第２の磁気へツド１６に対向するようにキヤ
リツジ１８に装着されている。なお、第２のヘツ
ドキヤリツジ１８は、カートリツジ１が装填され
ていない時には、バネ１９，２０に抗して強制的
に時計回り方向に回動され、第１図の鎖線の位置
に保持される。

第１図の一部を切断して示す第２図及び第１の
磁気へツド８とその支持板９とを示す第３図及び
第４図から明らかな如く、第１の磁気へツド８
は、記録又は再生用コア２３と、消去用コア２４
と、記録又は再生用巻線２５と、消去用巻線２６
と、セラミツク製スライダ２７とから成り、巻線
２５，２６は支持板９のデイスク側に配設されて
いる。従つて、第２図から明らかな如く、支持板
９のデイスク側と反対側に対するコア２３，２４
の突出量は極めて少ない。即ち、従来は、第２図
の支持板９の下側に巻線２５，２６を配設したの
で、コア２３，２４の下側への突出量は大であつ
たが、これに比較し、本実施例では大幅に少なく
なつている。

厚みを省略して示す第３図及び第４図のへツド
支持板９には、コア２３，２４及び巻線２５，２
６を挿通させるための開口９ａ，９ｂが設けられ
ている。従つて、磁気へツド８を組み立てる時に
は、第４図に示す如く、コア２３，２４とスライ
ダ２７の部分をへツド支持板９の上側に置き、巻
線２５，２６をへツド支持板９の下側から開口９
ａ，９ｂを通してコア２３，２４に嵌合させ、接
着剤で固定する。そして、へツド支持板９の下側
にコアのバツクバー２３ａを取り付け、巻線２
５，２６のリード線もへツド支持板９の下側に導
出する。なお、スライダ２７には巻線２５，２６
の側面を覆う部分２８と、上面を覆う部分２９
と、一方の巻線２５と他方の巻線２６との間に介
在する部分３０とが設けられ、上面部分２９がヘ
ツドギヤツプジ面となつている。支持板９はその
外周端部によりキヤリツジ１０に固着されてい
る。

第１のへツド支持板９は、電磁シールド効果を
得るために例えばベリリウム銅のように電気抵抗
が小さい板バネで形成されている。このように第
１のへツド支持板９を弾性係数が小さい材料で形
成し、更にジンバル支持するように形成すれば、
へツド８の摺動面とデイスク３との摺動抵抗が大
になつた時に、へツド８が共振しやすくなる。そ
こで、本実施例では、第３図及び第４図から明ら
かなように、第１のへツド支持板９が共振を防止
するために非ジンバル支持構成とされている。即
ち、第１のへツド支持体９は、デイスク３の面に
垂直な方向（Ｚ軸方向）には僅かに変位するが、
これに直交するＸ軸方向（デイスク半径方向）及
びＹ軸方向（トラツク接線方向）には実質的に変
位しないように構成され、共振が防止されてい
る。なお、第１の磁気へツド８の記録又は再生用
巻線２５は電磁シールド効果を有する第１のへツ
ド支持板９のデイスク側に配置されているので、
外部から侵入する電磁波が第１のへツド支持板９
で阻止され、巻線２５に飛び込むことが防止され
る。

第２図，第５図及び第６図から明らかな如く、
第２の磁気へツド１６は、記録又は再生用コア３
１と、消去用コア３２と、記録又は再生用巻線３
３と、消去用巻線３４と、セラミツクスライダ３
５とから成り、巻線３３，３４は支持板１７のデ
イスク側（下側）に配設されている。従つて、支
持板１７の上側に対するコア３１，３２の突出量
は極めて少なく、これに基づいて上側のキヤリツ
ジ１８の厚さも従来よりは小さくなつている。第
１及び第２の磁気へツド８，１６の巻線２５，２
６，３３，３４をそれぞれの支持板９，１７のデ
イスク側に配置することにより、下側の第１のヘ
ツドキヤリツジ１０の底面から第１図で鎖線で示
す上側の第２のヘツドキヤリツジ１８の最高部位
までの高さが約48mmになる。これに対して、巻線
２５，２６，３３，３４をへツド支持板９，１７
のデイスク側と反対側に配置する従来の構成にお
ける上記と同一箇所の高さは約58mmである。従つ
て、大幅に薄形化が達成される。

第５図及び第６図で厚みを省略して示す第２の
へツド支持板１７には、巻線３３，３４を挿通さ
せるための開口１７ａ，１７ｂが設けられてい
る。このため、第２の磁気へツド１６も第１の磁
気へツド８と同様に組み立てられ、バツクバー３
１ａ及び巻線３３，３４のリード３４はへツド支
持板１７の上側に配置される。

第２のへツド支持板１７は、第５図及び第６図
から明らかなようにジンバル作用を有するように
形成され、第２図に示す如くその外周端部により
キヤリツジ１８に固着され、キヤリツジ１８に設
けられたピボツト３６を中心にジンバル動作す
る。このように第２のへツド支持板１７をジンバ
ルサポート構成にすれば、へツド１６がデイスク
３上を摺動した時に共振を起すおそれがある。第
２のへツド支持板１７に電磁シールド効果を期待
する場合には、第１のへツド支持板９と同様に電
気抵抗の小さい銅合金系の材料を使用することが
望ましいが、本実施例では、電磁シールド効果を
殆んど期待せずに、共振を防止する点から弾性係
数の高いスチールを使用している。このように、
第１のへツド支持板９よりも弾性係数の高い材料
（スチール）で第２のへツド支持板１７を形成す
れば、第２の磁気へツド１６のＸ軸方向（デイス
ク半径方向）とＹ軸方向（トラツク接続方向）と
の回動を許すジンバルサポートとしても、共振が
生じにくい。第２のへツド支持板１７に対しては
電磁シールド効果を殆んど期待することが出来な
いので、本実施例では第２の磁気へツド１６の上
部を囲むようにシールドリング２２を配置した。
このシールドリング２２は電気抵抗率ρ≦３×
10^-8Ω・ｍの例えば銅合金又はアルミニウム合金
等の抵抗率の低い材料で形成され、キヤリツジ１
８に固着されている。

上述の如く構成されたデイスク装置において、
回転台６上にデイスク３を装着し、上側のキヤリ
ツジ１８をヒンジとして働く板バネ１９を中心に
第１図の鎖線の位置から実線の位置まで回動させ
ると、デイスク３が実質的に対向する一対のへツ
ド８，１６で挾持され、ヘツドロード状態とな
る。このヘツドロード時に上側のへツド１６が下
側のへツド８に向つて衝突するが、下側のへツド
８がＺ軸方向に変位可能に第１のへツド支持板９
で支持されているので、衝撃が吸収される。記録
又は再生のためにデイスク３を回転させて、へツ
ド８，１６でデイスク３上を摺動走査する時、第
１のへツド支持板９は弾性係数が小の材料であつ
ても非ジンバル形成であり、一方、第１のへツド
支持板１７はジンバル構成であつても弾性係数の
大きい材料で形成されているので、両ヘツド８，
１６の共振は殆んど生じない。

以上、本考案の実施例について述べたが、本考
案はこれに限定されるものではなく、更に変形可
能なものである。例えば、クランパ７を使用せ
ず、回転台６に磁石を配してデイスク中心の金属
製ハブを吸着してデイスクを回転する3.5インチ
型フロツピーデイスク装置及びその他のデイスク
装置にも適用可能である。また、へツド半径方向
移動機構１４をねじ棒１３により原理的に示した
が、これに限定されるものでなく、α巻きスチー
ルベルト方式等にしてもよい。

またへツド８，１６のいずれか一方の代りにパ
ツドを配して片面型デイスク装置としてもよい。

考案の効果 上述から明らかなように本考案は次の効果を有
する。

(イ) 巻線をへツド支持板のデイスクに対向する第
１の面側に配置したので、デイスク支持板の第
２の面からのコアの突出量を少なくし、磁気デ
イスク装置を薄形化することができる。

(ロ) へツド支持板に開口が設けられ、コアがここ
を通つているので、巻線を第１の面側に配置す
るのに拘らず、へツド支持板に対する巻線及び
コアの位置決め及び取付けを容易に達成するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係わる磁気デイスク
装置を示す一部切欠正面図、第２図は第１図の装
置のへツド近傍部分の断面図、第３図は第１図の
第１の磁気へツド及びその支持板を示す斜視図、
第４図は第３図の装置の分解斜視図、第５図は第
１図の第２の磁気へツド及びその支持板を示す斜
視図、第６図は第５図の装置の分解斜視図であ
る。 ３……磁気デイスク、４……回転機構、８……
第１の磁気へツド、９……第１のへツド支持板、
１０……第１のヘツドキヤリツジ、１２……ステ
ツピングモータ、１４……半径方向移動機構、１
５……磁気シールド板、１６……第２の磁気へツ
ド、１７……第２のへツド支持板、１８……第２
のヘツドキヤリツジ、１９……板バネ、２２……
電磁シールドリング、２３，２４……コア、２
５，２６……巻線、２７……スライダ、３１，３
２……コア、３３，３４……巻線、３５……スラ
イダ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 磁気デイスクの回転機構と、前記デイスクに
   対向して信号の記録又は再生を行う磁気へツド
   と、前記磁気へツドをバネ性を有して支持する
   へツド支持板と、前記へツド支持板を支持して
   前記デイスクの半径方向に移動可能であるヘツ
   ドキヤリツジと、前記ヘツドキヤリツジのデイ
   スク半径方向移動機構とを具備する磁気デイス
   ク装置において、 前記磁気ヘツドはコアと巻線とを有し、 前記へツド支持板は前記コアを挿入するため
   の開口を有し、 前記コアは前記へツド支持板の前記デイスク
   に対向する第１の面及び前記第１の面と反対側
   の第２の面の両方から突出するように前記開口
   を通して配置され、 前記巻線は前記へツド支持板の前記第１の面
   の上に配置されていることを特徴とする磁気デ
   イスク装置。 (2) 前記へツド支持板は電磁シールド効果を有す
   る板である実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の磁気デイスク装置。