JPH0350175Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ベランダにおいてそのガラス戸を
通して屋内に入射する直射日光を屋外側で可動ス
クリーンによつて遮断する日除け装置に関する。

（従来の技術） 一般にベランダ出入口のガラス戸の屋内側に取
付けられるカーテンは直射日光を遮断する機能を
有するが、ガラス戸およびカーテン自体が日光に
晒されて昇温し、その熱気にて室温が高くなるた
め、特に夏期においては、室内が暑く、冷房した
場合もその効果が低下するという問題があつた。

このため、従来よりベランダの外側に各種の日
除け具をたて掛けたり吊るしたりして日光を屋外
側で遮断することが行われているが、これら手段
ではいずれも建物の外観体裁が悪くなり、かつ風
にあおられて倒れたり外れ易いという難点があつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） 一方、上記日除け具に代わるものとして巻き上
げ式の日除けスクリーンをベランダに取付けるこ
とが考えられるが、このためには建物壁体や柱あ
るいは手摺などに取付孔を設けるなどその取付工
事に多大の手間と費用がかかると共に、風の影響
を避けるために出入口枠にガイド溝を設けてこれ
に沿つて日除けスクリーンを上下動させる構造と
するとベランダへの出入りに支障をきたし、また
夏期以外の不使用時にはやはり建物の外観体裁を
損なうと共に風雨に晒されて傷み易いという問題
がある。

この考案は、このような問題点を解決しようと
するもので、出入りに支障のないベランダ手摺り
側に簡単に設置でき、この設置状態で日除けスク
リーンが風にあおられる惧れがなく、しかも不使
用時には簡単に取外して所要部所に保管でき、ま
た床面から天井面までの高さの異なるベランダに
対しても共用できる日除け装置を提供することを
目的としている。

（問題点を解決するための手段） この考案に係るベランダ用日除け装置は、上記
目的において、上端にベランダ天井面圧接部を有
すると共に下端に床面圧接部を有してかつ高さ調
整可能な一対の垂直支柱に、それぞれ対向側に開
放する上下方向のガイド溝を形成し、両支柱の上
端部間にロールを周方向回転可能に横架し、該ロ
ールにその回転に伴つて上記両ガイド溝に沿つて
上下移動する日除けスクリーンを巻装したもので
ある。

（実施例） 以下、この考案を図示実施例に基づいて説明す
る。

図において、１はベランダ２の手擢り３寄りの
屋内側に設置された日除け装置であつて、ベラン
ダ２の天井面２ａと床面２ｂ間に立設した一対の
アルミニウムまたはその合金の押出型材等からな
る垂直支柱４，４と、両支柱４，４の上端部間の
横架されたアルミニウム等からなる円筒状のロー
ル５と、該ロール５に巻装された布地や合成樹脂
等からなる日光遮断性の日除けスクリーン６と、
ロール５を周方向回転させる手動式の回転操作具
７とで構成されている。

各垂直支柱４は、角筒状の本体部４ａの一側面
に長手方向に連続する横断面略Ｌ字状枠部４ｂが
一体連接され、該本体部４ａとＬ字状枠部４ｂと
の間でスリツト状のガイド溝８が形成され、また
上下両端にベランダ２の天井面２ａと床面２ｂの
それぞれに対する圧接部９，９が設けてある。各
圧接部９は、ボルト９ａの一端に溶接固着された
円板状の金属製支持板９ｂにゴム製等のクツシヨ
ン材９ｃが固着されてなり、該ボルト９ａの他端
を支柱４の合成樹脂等からなる端板４ｃに挿通し
てかつナツト９ｄを螺着した状態で支柱４の両端
に取付けられ、ナツト９ｄの回転によつて支柱４
の端部からの突出量を自在に調整可能である。

しかして両支柱４，４はガイド溝８が屋内側に
位置してかつその開放側が相互に対向する向きと
して所定間隔を置いて配置されており、各支柱４
の上端部と外側面に金属製のＬ字状取付板１０が
ビス１１にて取付けられている。この取付板１０
の長尺側片１０ａは屋内側へ水平に張出してお
り、ロール５は両支柱４，４の上記両側片１０
ａ，１０ａにそれぞれ両端の軸部５ａ，５ａが枢
着されている。また一方の側片１０ａの外側に回
転操作具７が取付けられており、その駆動用角軸
７ａが側片１０ａを通してロール５の一方の端板
５ｂに相対回転不能に嵌挿され、該操作具７の操
作用無端チエーン７ｂを引張り操作することによ
つてロール５が該チエーン７ｂの移動方向に応じ
て正逆回転される。尚、このような操作具７には
巻き上げ用として一般に市販されているものを使
用できる。

一方、両支柱４，４のガイド溝８，８にロール
５に巻装された日除けスクリーン６の先端部両端
が挿通されている。しかして該スクリーン６の先
端部には第５図に示すようにステンレス鋼等から
なる芯材１２が取付けられると共に、その全体を
包囲する形でアルミニウム等からなる重錘１３が
固着されている。また第２図に示すようにガイド
溝８はその開口縁部が狭幅に構成され、スクリー
ン６はガイド溝８内挿通部分に設けたハトメ１４
にて抜け止めされている。

上記構成の日除け装置１は、夏期等の必要時に
おいて、各構成部材を連結して組立て両支柱４，
４を垂直に立て、その上下の圧接部９，９をナツ
ト９ｄの回転にて伸張させてベランダ２の天井面
２ａおよび床面２ｂにそれぞれ圧接させることに
よつて簡単にかつ確実に設置できる。また、その
設置位置は日光の入射方向に応じて自在に選択で
き、かつ圧接部９，９の突出量調整により、天井
面２ａと床面２ｂとの距離が異なるベランダ２に
対しても適用できると共に、天井面２ａや床面２
ｂが傾斜している場合でもロール５を水平に設定
可能である。しかしてこの日除け装置１は、回転
操作具７のチエーン７ｂを引張り操作することに
よつて日除けスクリーン６が両支柱４，４間にわ
たる幅で両ガイド溝８，８に沿つて昇降するか
ら、該スクリーン６を所要の下降位置とすること
により、ベランダ２の出入口ガラス戸より屋内に
直射日光が入射するのを防止できる。また夜間等
の日光遮断が不必要な場合にはガイド溝８，８の
ほぼ上端まで該スクリーン６を巻き上げておけば
よい。更に夏期以外の日除けが不要な季節には、
日除け装置１を取り外して各構成部材に分解して
保管できる。

尚、上記日除け装置１は、それ自体で安定した
立設状態を維持できるが、より確実な立設状態と
なすため、例えば第６図で示すように、Ｌ字形ね
じ棒１５ａと座板１５ｂとその両者を締め付ける
蝶ねじ１５ｃとからなる固定金具１５で手摺り３
の笠木３ａと支柱４とを締着固定する等の立設補
助手段を採用してもよい。

また上記実施例ではロール５を手動操作で回転
する構成としたが、モータ等を利用して自動的に
回転させる構成としてもよい。更に支柱４，４の
高さ調整機構も上記実施例以外に種々変更でき
る。

（考案特有の効果） この考案の日除け装置は、ロールの回転によつ
て両側垂直支柱間で昇降する日除けスクリーンに
より、屋外よりベランダ出入口のガラス戸を通し
て屋内へ入射する直射日光を遮断でき、しかも該
装置は夏期等の必要な時期にのみ極めて簡単にか
つベランダの任意場所に設置可能であり、不要時
には容易に取外して保管できるので建物外観を損
なわず、また両支柱が高さ調整可能であるから、
天井面の高さが異なるベランダにも設置できると
共に、天井面や床面が傾斜している場合でもロー
ル軸方向が水平となる定姿勢に確実に設置でき
る。更にこの装置では日除けスクリーンが両支柱
のガイド溝に沿つて昇降するから、作動が確実で
あり、かつ風にあおられず一定した日光遮断状態
を維持できる。さらには建物側に取付孔を設ける
などの加工作業を必要としないから建物を損傷す
ることがない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は日除け装置を設置したベランダの屋内側から見
た正面図、第２図は第１図の−線の断面矢視
図、第３図は第１図の−線の断面矢視図、第
４図は日除け装置の要部側面図、第５図は日除け
スクリーンの要部縦断面図、第６図は支柱とベラ
ンダの手摺りとの固定状態を示す要部水平断面図
である。 １……日除け装置、２……ベランダ、２ａ……
天井面、２ｂ……床面、４……支柱、５……ロー
ル、６……日除けスクリーン、８……ガイド溝、
９……圧接部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端にベランダ天井面圧接部を有すると共に下
   端に床面圧接部を有してかつ高さ調整可能な一対
   の垂直支柱に、それぞれ対向側に開放する上下方
   向のガイド溝を形成し、両支柱の上端部間にロー
   ルを周方向回転可能に横架し、該ロールにその回
   転に伴つて上記両ガイド溝に沿つて上下移動する
   日除けスクリーンを巻装してなるベランダ用日除
   け装置。