JPH0331522Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、自動鉋盤における木材を送材する送
材ローラに関するものである。

〔考案の背景〕

従来の自動鉋盤は、鉋胴の切削反力による薄い
剛性の少ない木材切削時の反力による木材変形を
なくすため、鉋胴の前後にチツプブレーカ、プレ
ツシヤバー等木材を加圧する機構を設けていた。

また、入口側、出口側送材ローラは、通常、摩
擦力のあるゴムで形成されており、同一外径、同
一の電動機で回転駆動するため、理論上同一周速
となり送材速度が同一になるとしていた。

しかし、加圧力によりゴム送材ローラは変形す
るため外径が変化し、入口側、出口側送材ローラ
の外径が同一でなくなるため、周速に差が生じて
いた。

木材に接触している入口側送材ローラは加圧力
によるゴムの変形で、被切削材に加わる送材力の
分力は上方に働いている。

従つて、出口側送材ローラのほうが周速度が速
い場合、木材は引張られるため問題ないが、入口
側送材ローラのほうが周速度が速い場合は、木材
は圧縮されるため、剛性の少ない薄板材ほど上方
に盛り上がり、その盛り上がつた部分は鉋胴の鉋
刃に大きく食い込み、その部分のみが多く切削さ
れ、木材の仕上面に凹みが生じてしまう欠点があ
つた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、薄板材の仕上面の向上、さらには作業能率
向上を図ることにある。

〔考案の概要〕

本考案は、同一回転する入口側、出口側送材ロ
ーラを、前期入口側より出口側送材ローラ外径を
大きくし、周速を変えた点に着目し、被切削木材
が常時、出口側送材ローラに引張られるよう送材
ローラ外径と動力伝達手段の関係を工夫したもの
である。

〔考案の実施例〕

図は、本考案の一実施例を示す正面図である。

図において、回転自在に軸支されたテーブルロ
ーラ１を保持する送材テーブル２に対向して、ヘ
ツド１１に鉋刃３を有する回転鉋胴４、木材５を
送材する入口側送材ローラ６、出口側送材ローラ
７に同一回転を与える図示されていない動力伝達
部材を介して適所に電動機８を配設し、前記回転
鉋胴４も図示されていない動力伝達部材により回
転可能になつている。また、回転鉋胴の前後に下
方に押圧されたチツプブレーカ９、プレツシヤバ
ー１０が配設され収納されている。前記出口側送
材ローラ７は、入口側送材ローラ６外径より大き
くしてある。

上記構成において、電動機８が回転すると回転
鉋胴４、入口側送材ローラ６、出口側送材ローラ
７が動力伝達部材を介して回転する。次に木材５
を送入すると入口側送材ローラ６により送込まれ
てチツプブレーカ９を押上げ、回転鉋胴４に切削
され、プレツシヤバー１０を押上げ、出口側送材
ローラ７により送り出される。入口側より出口側
送材ローラ７の周速が速いため、木材５が入口側
送材ローラ６と出口側送材ローラ７間で圧縮さ
れ、中央部が押上げられ回転鉋胴４によりえぐら
れることなく、確実に木材５を出口側送材ローラ
７で引張ることができる。よつて仕上面の向上を
図ることができるとともに、作業能率向上を図る
ことができる。また送材ローラ外径を変えるだけ
のため安価に提供することができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、送材ローラの周速の差によ
り、常時出口側送材ローラに被切削木材が引張ら
れるため、被切削木材の変形によるえぐれ、凹凸
がなくなり、仕上面の向上、作業能率の向上が図
れる。

また、送材ローラの外径を変えるだけのため、
安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す正面図である。 図において、２は送材テーブル、４は回転鉋
胴、５は木材、６は入口側送材ローラ、７は出口
側送材ローラである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 木材を支持する送材テーブルと対向して、回転
   鉋胴及び回転鉋胴の前後に配設された複数の送材
   ローラを有し、駆動用電動機により、動力伝達部
   材を介して前記複数の送材ローラに同一回転を与
   え、また、前記駆動用電動機により回転鉋胴が回
   転する自動鉋盤において、木材入口側の送材ロー
   ラより出口側の送材ローラの外径を大きくしたこ
   とを特徴とする自動鉋盤における送材ローラ。