JPH0328746Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、機体の前部に刈取り部を、その後部
に脱穀部を設けたコンバインにおいて、脱穀部シ
リンダ室の上部を覆つて脱穀部フレームにロツク
されるシリンダカバーを容易に開閉することがで
きて、シリンダ室等の保守点検を簡単確実に行う
ことができるシリンダカバー開閉装置に係るもの
である。

〔従来の技術〕

従来、コンバインにおいて扱胴カバーを上下開
閉自在とし、そのフイードチエン側に設けた一本
の開閉レバーの回動操作でロツクを外し、かつ扱
胴カバーを開くことができるようにした扱胴カバ
ー装置は、実開昭58−137031号公報に記載されて
いるように、既に知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来のもののように、コンバインにおける
シリンダカバーは、穀稈自動供給機構と反対側を
ヒンジとして上下開閉自在となつているが、シリ
ンダカバーのロツク機構は穀稈自動供給機構の内
側で脱穀部フレームとの間に構成されており、シ
リンダカバーを開閉する回動レバーはロツク機構
から穀稈自動供給機構を越えて外方まで長く延び
ているので、回動レバーによるロツク機構の解除
ストロークが大きく、このためシリンダ室等の保
守点検時にシリンダカバーの開閉操作がしにくい
欠点があつた。

そこで、本考案は、かかる欠点に鑑み、シリン
ダカバーを開閉する回動レバーの操作ストローク
を小さくすると共にそれをシリンダカバーのほぼ
全幅にわたらしめてその操作を容易かつ迅速に行
うことができるようにし、しかもシリンダカバー
をその両端でロツクしてロツクを確実堅牢にでき
るうえ、詰りを生じ易い穀稈自動供給装置やシリ
ンダ室内部の保守点検を簡単確実に行うことがで
きるコンバインにおけるシリンダカバー開閉装置
を提供しようとすることを目的とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、その目的を達成するための技術的手
段を次のように構成した。すなわち、本考案に係
るコンバインにおけるシリンダカバー開閉装置
は、シリンダ室の上部を覆うシリンダカバーを、
穀稈自動供給装置側を開き側とし、その対向側を
ヒンジとして脱穀部フレームに上下開閉自在に装
着し、上記シリンダカバーの開き側には、脱穀部
フレームに係止する回動フツクを備えたロツク機
構をその両端部に設け、かつシリンダカバーを外
側方に延設した穀稈自動供給装置の覆い部に挾扼
レールを取付けてシリンダカバーを挾扼レールと
一体に開閉自在に構成すると共に、上記覆い部の
外側には、覆い部を貫通して突出するシリンダカ
バーのほぼ全幅にわたる回動レバーを設け、この
回動レバーと前記ロツク機構の回動フツクとを連
動させたことを特徴とするものである。

〔作用〕

脱穀部のシリンダ室内部の保守点検等を行うに
あたり、シリンダカバーを開くには、まず、回動
レバーを回動操作してロツク機構の回動フツクを
ロツク解除する。そして、回動レバーを上方へ持
上げれば、シリンダカバーは上方へ開放される。
また、開放したシリンダカバーを閉じるには、回
動レバーを持つてそれを引下げることにより、シ
リンダカバーを下方へ回動させて元の位置に戻
し、回動レバーをさらに下方へ回動させてロツク
機構の回動フツクを脱穀部フレームに係止させて
ロツクする。ところで、上記回動レバーは、シリ
ンダカバーの外側に設けられているので、この回
動レバーによるロツク機構の回動フツクをロツク
解除する回動ストロークは小さく、シリンダカバ
ーの開閉にあたつてその操作を容易に行うことが
できる。

また、回動レバーがシリンダカバーのほぼ全幅
にわたるものであり、かつロツク機構が両端部に
設けられているので、前記の如き開閉操作を脱穀
部の前後いずれの位置でも行うことができて便利
であり、しかもシリンダカバーの閉じた状態にお
けるロツクが一層堅牢である。

そして穀稈自動供給装置側を開き側としたシリ
ンダカバーは、挾扼レールと一体に開閉するの
で、シリンダカバーを開けば、詰りの生じ易い穀
稈自動供給装置やシリンダ室内部の保守点検を簡
単確実に行うことができる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面について説明する。

図面にはコンバインの脱穀部が例示されてい
る。１はシリンダ室、２は脱穀シリンダ、３は脱
穀部フレームであつて、シリンダ室１の上部は開
口しており、その開口部はシリンダカバー４によ
つて覆われている。５は穀稈自動供給装置であつ
て、脱穀シリンダ２の軸線方向のフイードチエン
６およびそれに対向する挾扼レール７からなるも
のである。上記シリンダカバー４は穀稈自動供給
装置５側を開き側とし、その対向側をヒンジ８と
して脱穀部フレーム３に上下開閉自在に装着され
ており、シリンダカバー４の開き側には、穀稈自
動供給装置５の内側で脱穀部フレーム３に係止す
るロツク機構９，９が両端部に設けられている。
１０，１０はロツク機構９，９を構成する回動フ
ツクであつて、この回動フツク１０，１０は支軸
１１，１１によつてシリンダカバー４に枢着され
ており、脱穀部フレーム３側の係止ピン１２，１
２に対して係脱自在となつている。回動フツク１
０，１０には係止ピン１２，１２に係止させるた
めのスプリング１３，１３が係着されている。シ
リンダカバー４には、穀稈自動供給装置５の覆い
部４ａが外側方に延設され、覆い部４ａの外側に
回動レバー１４が設けられている。この回動レバ
ー１４はシリンダカバー４のほぼ全幅にわたるも
のであつて、回動レバー１４の両端に取付けられ
たプレート１５，１５は支軸１６，１６によつて
シリンダカバー４に上下回動自在に枢着されてお
り、覆い部４ａの前面に穿設した穴１７，１７を
貫通して覆い部４ａの外側に突出している。ま
た、上記回動レバー１４の両端部のプレート１
５，１５とロツク機構９，９の回動フツク１０，
１０が連動アーム１８，１８によつて連動され、
回動レバー１４を上方へ回動することによつて回
動フツク１０，１０のロツクが解除されるように
なつている。そして、前記穀稈自動供給装置５の
挾扼レール７はシリンダカバー４から延設された
前記覆い部４ａの下面に取付けられている。

また、脱穀シリンダ２の穀稈供給側では、穀稈
自動供給装置５のフイードチエン６を下方に、レ
ール７を上方に傾斜させて穀稈の取入口１９が大
きく開くように構成されており、この取入口１９
に対応してその両側を覆うカバー２０がシリンダ
カバー４の前端に取付けられている。そしてカバ
ー２０の前面側には可撓性板２１が垂下されてい
る。２２は穀稈供給案内板であつて、手扱ぎの場
合に穀稈供給口１９に装着して用いるものであ
る。

脱穀部には脱穀シリンダ２の後方に処理胴２３
が配設されており、この処理胴２３の受網２４
は、始端側から終端側に順次網目２４ａ，２４
ｂ，２４ｃの如く大きくなるように形成されてい
る。２５は処理物取入れ螺旋部である。２６は選
別部、２７は揺動選別体であつて、２７ａはその
選別棚部、２７ｂは段付き選別板部、２７ｃは選
別網部、２７ｄはチヤフシーブ部であり、２８は
唐箕、２９は補助フアン、３０は一番螺旋体、３
１は二番螺旋体、３２は排塵フアンである。３３
は排稈排出チエンである。

叙上の如く構成されたものにおいて、シリンダ
室１内部の保守点検等にあたつてシリンダカバー
４を開く場合は、回動レバー１４を上方へ回動さ
せ、それと連動しているロツク機構９，９の回動
フツク１０，１０を係止ピン１２，１２からはず
したうえ、回動レバー１４をさらに上方へ持上げ
ればシリンダカバー４はヒンジ８を支軸として挾
扼レール７と一体に上方へ開放することができ
る。また、開放したシリンダカバー４を閉じるに
は、回動レバー１４を持つて下方へ引下げ、シリ
ンダカバー４を元の位置に戻せば、回動フツク１
０，１０はスプリング１３，１３によつて係止ピ
ン１２，１２に係止され、確実にロツクされた状
態となる。

前記のように、シリンダカバー４を開く際にロ
ツク機構９，９の回動フツク１０，１０を係止ピ
ン１２，１２から外し、かつシリンダカバー４を
上方へ持上げる回動レバー１４は、シリンダカバ
ー４の外側に回動支点を有し、これと内側に回動
支点を有する回動フツク１０，１０が連動アーム
１８，１８によつて連動されているので、回動フ
ツク１０，１０のロツクを解除するための回動レ
バー１４の回動ストロークは小さく、その操作が
容易である。

また、回動レバー１４はシリンダカバー４のほ
ぼ全幅にわたるものであるから、その開閉操作を
手近の位置で行うことができて便利である許り
か、ロツク機構９，９がシリンダカバー４の両端
部に設けられているので、シリンダカバー４のロ
ツクが確実堅牢であり、激しい振動や衝撃によつ
ても不用意に開くおそれはない。

そしてこの種のコンバインは、一般に運転席等
が穀稈自動供給装置の反対側に設けられている
が、穀稈自動供給装置５側を開き側としたシリン
ダカバー４は、運転席等に妨げられることなく容
易に開閉することができ、しかも挾扼レール７と
一体に開閉するので、シリンダカバー４を開けば
詰りを生じ易い穀稈自動供給装置５やシリンダ室
１の保守点検を簡単確実に行うことができる。

〔考案の効果〕

これを要するに、本考案は、シリンダ室の上部
を覆うシリンダカバーを、穀稈自動供給装置側を
開き側とし、その対向側をヒンジとして脱穀部フ
レームに上下開閉自在に装着し、上記シリンダカ
バーの開き側には、脱穀部フレームに係止する回
動フツクを備えたロツク機構とその両端部に設
け、かつシリンダカバーを外側方に延設した穀稈
自動供給装置の覆い部に挾扼レールを取付けてシ
リンダカバーを挾扼レールと一体に開閉自在に構
成すると共に、上記覆い部の外側には、覆い部を
貫通して突出するシリンダカバーのほぼ全幅にわ
たる回動レバーを設け、この回動レバーと前記ロ
ツク機構の回動フツクとを連動させたから、シリ
ンダカバーを開く際のロツクを解除する回動レバ
ーの操作ストロークを小さくし、しかもシリンダ
カバーの手近の位置でその操作を容易かつ迅速に
行うことができ、さらにシリンダカバーのロツク
を確実堅牢とすることができる。そして穀稈自動
供給装置側を開き側としてシリンダカバーが挾扼
レールと一体に開閉するので、詰りを生じ易い穀
稈自動供給装置やシリンダ室の保守点検を簡単確
実に行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインにおけるシリン
ダカバー開閉装置の実施例を示すものであつて、
第１図は要部の縦断正面図、第２図は同上平面
図、第３図はロツク機構のロツク状態を示す要部
の縦断正面図、第４図は同上ロツク解除状態を示
す縦断正面図、第５図はコンバインの脱穀部を示
す縦断側面図、第６図は同上横断平面図である。 １……シリンダ室、２……脱穀シリンダ、３…
…脱穀部フレーム、４……シリンダカバー、４ａ
……覆い部、５……穀稈自動供給装置、６……フ
イードチエン、７……レール、８……ヒンジ、
９，９……ロツク機構、１０，１０……回動フツ
ク、１２，１２……係止ピン、１４……回動レバ
ー、１８，１８……連動アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ室の上部を覆うシリンダカバーを、穀
   稈自動供給装置側を開き側とし、その対向側をヒ
   ンジとして脱穀部フレームに上下開閉自在に装着
   し、上記シリンダカバーの開き側には、脱穀部フ
   レームに係止する回動フツクを備えたロツク機構
   をその両端部に設け、かつシリンダカバーを外側
   方に延設した穀稈自動供給装置の覆い部に挾扼レ
   ールを取付けてシリンダカバーを挾扼レールと一
   体に開閉自在に構成すると共に、上記覆い部の外
   側には、覆い部を貫通して突出するシリンダカバ
   ーのほぼ全幅にわたる回動レバーを設け、この回
   動レバーと前記ロツク機構の回動フツクとを連動
   させたことを特徴とするコンバインにおけるシリ
   ンダカバー開閉装置。