JPH0327767B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明はテーパベアリング組立体における円錐
ベアリングケージに関する。

(ロ) 従来の技術 本発明に係る型式のプラスチツクケージ部材は
先行技術において公知であり、このようなケージ
部材の一例はムツセルマン（Musselman）ほか
による米国特許第4136916号（1979年１月30日公
告）に開示されている。このようなテーパベアリ
ング組立体の典型例は、ローラベアリング素子を
受け入れるために円周上に間隔をとつて配設され
た複数個のポケツトと、ベアリングケージ内に配
設されかつローラベアリング素子ところがり接触
するレースとを具備する。ケージは隣り合うロー
ラ間に適切な間隔を保持し、かつ内レースところ
がり接触をするようローラをポケツト内に保持す
る。

レース部材は種々の異なる材料から種々の異な
る形状に作られてきている。もちろん、ベアリン
グケージについては製作能率および製作コスト、
効率、強度、軽量化ならびにその他の特性の面で
改良作業が続けられている。

(ハ) 発明が解決しようとする課題 本発明が、テーパベアリング組立体用の円錐ベ
アリングケージで、能率よく安価に製作され、所
要の性能特性を有し、所定の強度でかつ軽量であ
るものを提供することを目的とする。

(ニ) 課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明は、テーパベ
アリング組立体用のベアリングケージであつて、
内面および外面により結合される内周面と外周面
とを有する大円輪、内面および外面により結合さ
れる内周面と外周面とを有する小円輪、該円輪を
連結し円周上に間隔をとつて配設された複数個の
ブリツジを具備しかつ円錐中心軸を有する一体部
材を含有し、該ブリツジの各々は間隔をとつて配
設された側面にて結合される頂面と底面とを有
し、該ブリツジの各々の該側面は頂面から内方に
伸長するテーパ部分を有しており、各側面と頂面
ととの交わりに於てリツプを形成するベアリング
ケージにおいて、各ブリツジの該頂面に該大円輪
と小円輪との間を伸長するリブを設け、該リブの
各々が頂面で連結される間隔をとつて配設された
一対の側面を備え、該側面は該リブの全長にわた
り該リツプより内側に間隔を置いて配設され、該
ブリツジの各々の一端は該大円輪の該内周面から
半径方向内方に伸長し、各ブリツジの該間隔をと
つて配設された側面はブリツジの底面から上方に
延び平行部となりさらに該テーパ部分を過ぎて該
リツプに至るまで上方に伸長し、これにより各ブ
リツジはＹ形状の断面を有し、各頂面の該リツプ
は該小円輪から該大円輪への伸長方向に収斂し、
従つて、該Ｙ形状の断面は、大円輪に隣接したブ
リツジの端部におけるよりも小円輪に隣接したブ
リツジの端部における方が大きい断面積を有する
ように構成されている。

(ホ) 作用 上記構成において、各ブリツジの頂面上で大円
輪と小円輪の間を全長にわたり伸長するリブと、
ほぼＹ形状の断面の各ブリツジと、小円輪から大
円輪へ収斂した形状のリツプとによりブリツジに
適度の強度と可塑性を与え、テーパ状ローラ素子
が確実に保持される。

(ヘ) 実施例 本発明のその他の利点は、下記の詳細な説明と
添付の図面とを合わせて参照すれば自明であり容
易に評価できるであろう。

本発明による構成のベアリングケージを１０で
示す。ベアリングケージ１０はその全体を１２で
示すテーパベアリング組立体に用いる。テーパベ
アリング組立体１２はまた複数個の個々にテーパ
を有するローラベアリングを具備し、該ローラベ
アリングは組立体の周囲に間隔をとつて配設され
て内側ベアリグレースところがり接触をなし、該
レースはその両端に該ローラベアリングを軸方向
に保持するための肩部を有する。個々のローラベ
アリングはよく知られた型式のもので、内側レー
スはよく知られた各種の形状を有するものでよ
い。

ケージ１０は中心軸を有する一体のプラスチツ
ク部材である。ケージ１０は内面２０および外面
２２にて結合される内周面１６と外周面１８とを
有する大円輪１４を具備する。ケージはまた、内
面３０および外面３２にて結合される内周面２６
と外周面２８とを有する小円輪２４をも具備す
る。

周囲に間隔をとつて配設される複数個のブリツ
ジ３４は円輪１４と２４とを連結する。各ブリツ
ジ３４は頂面３６と底面３８とを有し、それらは
間隔をとつて配設された側面にて結合される。各
ブリツジ３４の間隔をとつて配設された側面はそ
の頂面３６から内方に伸長するテーパ部分４０を
設け、各側面の交点と頂面３６とを結んでリツプ
４２を形成する。

各ブリツジ３４の頂面３６上に補強リブ４４が
配設され円輪１４と２４との間を伸長する。各リ
ブ４４は頂面４８により結合される一対の間隔を
とつて配設された側面４６を有する。側面４６は
リツプ４２より中に間隔をとつて配設され、これ
によりリブ４４はリツプ４２の作動すなわちリツ
プ４２と個々のローラベアリング素子との協働を
妨げることはない。各リブ４４の頂面４８は実質
的に円輪１４と２４の外周面１８および２８と同
延で、円輪１４と２４の面２０および３０の間に
伸長する外円錐面を形成する。いいかえれば、各
リブ４４の頂面は実質的に大円輪の外周面１８の
延長であり、小円輪２４の外周面２８に向かつて
テーパが付けられその面に終了する。

各ブリツジ３４の頂面３６は実質的に小円輪２
４の外周面２８と同延で、大円輪１４の外周１８
の下位に延在する。換言すれば、各ブリツジ３４
の頂面３６は、小円輪２４から大円輪１４の方向
に向かうに従つて各リブ４４の頂面から次第に離
れ、大円輪１４の内面２０の位置で大円輪１４の
内周面１６と実質的に同一面位置で終縁する。

各リブ４４の間隔をとつて配設された側面４６
はケージの中心軸に平行であり、小円輪２４の外
周面２８の直径は大円輪１４の内周面１６の直径
より小である。さらに、円輪１４と２４の内周面
１６および２６に各々ケージの中心軸と同心円と
なるように各々中心軸に平行である。リブ４４は
ケージと一体構造をなし、個々の円輪の内外面の
相対位置からして、プラスチツク製ケージの射出
成型用に軸方向開閉可能な二分割鋳型が使用でき
る構造を有する。ケージの製作に軸方向二分割鋳
型を使用できることは製作上の大きな利点である
ことは評価できるであろう。

円輪１４と２４の外面２２および３２は実質的
に中心軸に直交する、しかしながら、円輪１４と
２４の内面２０および３０は相互に平行で外円錐
面すなわち各リブ４４の頂面４８に直角に伸長す
る。内面２０および３０はケージに保持されるロ
ーラの中心線に実質的に直交するが、数度程度は
直角からはずれても差し支えない。内面２０およ
び３０は個々のローラ素子の端縁に近接して配設
されローラ素子の軸方向の動きを制限する。

各ブリツジ３４の一端５０は大円輪１４の内周
面１６から半径方向内方に伸長し、ブリツジの端
５０は大円輪１４の外面２２と同一面上にある。
各ブリツジ３４の側面はブリツジ３４の底面から
立ち上がつて平行部５２となりさらにテーパ部分
４０を過ぎてリツプ４２に至るまで上方に伸長
し、これによりＹ形状の断面を有する。各頂面３
６のリツプ４２は小円輪２４から大円輪１４への
伸長方向に収斂することが第３図によく示してあ
る。この収斂はテーパローラ素子を円周上に間隔
をとつて配設し保持する役目をする。

本発明を図により説明してきたが、使用された
用語は説明のためのもので限定するものではな
い。

本発明の種々の改良ならびに修正は上記の説明
に照らして可能であることは明かである。したが
つて、特許請求の範囲で使用する参照番号は単に
便宜上のものであつて決して制限を付与するもの
ではないことから、本発明は特許請求の範囲内な
らば前記述以外の態様での実施が可能であること
は自明である。

(ト) 効果 本発明は各リブがリツプから内側へ間隔を設け
て配設された一対の側面を有していることにより
リツプの最外側部分に適度な可塑性が与えられる
と共に、ブリツジの断面形状をＹ形状としかつリ
ツプを小円輪から大円輪へ収斂させることにより
ブリツジにも適度な強度と可撓性が与えられたた
め、テーパ状ローラ素子の回転作動中にローラ素
子を適切に保持することが可能となつた。また、
上記のようなリブ構造によりリツプのすぐ背後に
は物質がないので使用する材料も節約でき製造コ
ストの低下及びベアリングケージの軽量化が可能
となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のケージ部材を具備するテーパ
ローラベアリングの部分断面図、第２図は本発明
のケージ部材の一部分の部分断面図、第３図は第
１図の線３−３からみた図でローラベアリング素
子を仮想線で示した部分図、第４図は第２図の線
４−４からみた部分断面図、第５図は第２図の線
５−５についての部分断面図である。 １０……ベアリングケージ、１２……テーパロ
ーラ組立体、１４，２４……大円輪、小円輪、１
６，２６……内周面、１８，２８……外周面、２
０，３０……内面、２２，３２……外面、３４…
…ブリツジ、３６……（ブリツジの）頂面、３８
……底面、４０……テーパ部分、４２……リツ
プ、４４……リブ、４６……側面、４８……（リ
ブの）頂面、５０……ブリツジの端、５２……平
行部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ テーパベアリング組立体１２用のベアリング
   ケージ１０であつて、内面２０および外面２２に
   より結合される内周面１６と外周面１８とを有す
   る大円輪１４、内面３０および外面３２により結
   合される内周面２６と外周面２８とを有する小円
   輪２４、該円輪１４，２４を連結し円周上に間隔
   をとつて配設された複数個のブリツジ３４を具備
   しかつ円錐中心軸を有する一体部材を含有し、該
   ブリツジ３４の各々は間隔をとつて配設された側
   面にて結合される頂面３６と底面３８とを有し、
   該ブリツジ３４の各々の該側面は頂面３６から内
   方に伸長するテーパ部分４０を有しており、各側
   面と頂面３６ととの交わりに於てリツプ４２を形
   成するベアリグケージにおいて、各ブリツジ３４
   の該頂面３６に該大円輪１４と小円輪２４との間
   を伸長するリブ４４を設け、該リブ４４の各々が
   頂面４８で連結される間隔をとつて配設された一
   対の側面４６を備え、該側面４６は該リブ４４の
   全長にわたり該リツプ４２より内側に間隔を置い
   て配設され、該ブリツジ３４の各々の一端５０は
   該大円輪１４の該内周面１６から半径方向内方に
   伸長し、各ブリツジ３４の該間隔をとつて配設さ
   れた側面はブリツジ３４の底面３８から上方に延
   び平行部５２となりさらに該テーパ部分４０を過
   ぎて該リツプ２に至るまで上方に伸長することに
   より各ブリツジ３４はＹ形状の断面を有し、各頂
   面３６の該リツプ４２は該小円輪２４から該大円
   輪１４への伸長方向に収斂し、従つて、該Ｙ形状
   の断面は、大円輪１４に隣接したブリツジ３４の
   端部におけるよりも小円輪２４に隣接したブリツ
   ジ３４の端部における方が大きい断面積を有する
   ことを特徴とするベアリングケージ。 ２ 各リブ４４の該頂面４８は該円輪１４，２４
   の該外周面１８，２８と実質的に同延上にあつて
   該円輪１４，２４の該外面２２，３２間に伸長す
   る円錐面を形成する特許請求の範囲第１項記載の
   ベアリングケージ。 ３ 各ブリツジ３４の該頂面３６は該小円輪２４
   の該外周面２８と実質的に同延上にあつてかつ該
   大円輪１４の該外周面１８より下の位置に伸長す
   る特許請求の範囲第２項記載のベアリングケー
   ジ。 ４ 該リブ４４の各々の該間隔をとつて配設され
   た側面４６は該中心軸に平行である特許請求の範
   囲第３項記載のベアリングケージ。 ５ 該ケージはプラスチツク材料から成り、該小
   円輪２４の該外周面２８は該大円輪１４の該内周
   面１６の直径より小なる直径を有する特許請求の
   範囲第４項記載のベアリングケージ。 ６ 該内周面１６，２６は各々、該中心軸に対し
   同心円となるように該中心軸に平行である特許請
   求の範囲第５項記載のベアリングケージ。 ７ 該円輪１４，２４の該外面２２，３２は該中
   心軸に実質的に直交する特許請求の範囲第６項記
   載のベアリングケージ。 ８ 該円輪１４，２４の該内面２０，３０は相互
   に平行であつて該ポケツト内に保持されるローラ
   の中心軸には直交する特許請求の範囲第７項記載
   のベアリングケージ。 ９ 隣接するブリツジ３４間の空間にローラベア
   リングと、該ケージ内にあつて該空間に該ローラ
   ベアリングを保持するように該ローラベアリング
   と係合するベアリングレースとを具備する特許請
   求の範囲第１項記載のベアリングケージ。