JPH0327489Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用座席における前倒座席、詳し
くは前倒するリヤシートバツクにおける背裏構
造、特にバツクボードの背裏側上端縁に沿つて断
面略コ字状の突当杆を突設し、且つバツクボード
の前面側に装着したクツシヨン材を被覆する表皮
部材の端末で前記突当杆を被覆してこの突当杆近
傍のバツクボードに設けた突起状の係止部にホツ
グリングで結着し、前倒した際にその背裏側が荷
物の載置台となるシートバツクの改良に関するも
のである。

（従来の技術） 第４図に示すようにリヤシートバツクＡを前倒
して、その背裏を荷物イの載置台とするものとし
て、第５図に示すような構造のものがある。

これは、剛性を有するバツクボード１の背裏側
上端縁に沿つて断面略コ字状の突当杆２を溶接な
どによつて固着して、荷物イのフロントシート側
への移動を規制したものである。

なお、この突当杆２はリヤシートバツクＡの前
面側に装着した発泡体製クツシヨン材３を被覆す
る表皮部材４によつて被覆され、その表皮部材４
の端末は突当杆２近傍に設けた突起状の係止部１
１にホツグリング７で結着され、また、リヤシー
トバツクＡの背裏の外観を向上させるために前記
バツクボード１の背裏側にはカーペツト５が敷設
され、このカーペツト５の先端は突当杆２の側壁
２ａ側にリテーナ６で固定されている。

ところで、前記突当杆２における荷物イ先端が
突当たる側壁２ａは、押込んだ荷物による突当た
りによつて、変形して損傷する不具合がある。こ
れは突当杆２の強度が不足するためである。斯る
不具合を除去するために突当杆２の板厚等を増大
して強度を向上させると、リヤシートバツクＡの
軽量化を図ることができない欠陥が生ずる。

また、前記従来品は表皮部材４を突当杆２に弛
みなく密着して張設するために、突当杆２近傍の
バツクボード１に、表皮部材４の端末を固定する
ための係止部１１を設ける必要がある。

そのため、表皮部材４の端末をホツグリング７
で結着する際、突当杆２が邪魔となるため、結着
作業の作業性が悪い欠陥があつた。

（目的） そこで、本考案は前記従来品における突当杆の
損傷を防止し、且つ表皮部材のホツグリングによ
る結着作業の作業性を向上することを目的とする
ものである。

（構成） そのため本考案は、前記従来品における突当杆
のバツクボードの係止部に臨む側壁に、凹窪状に
形成した補強部を設けることによつて、突当杆に
おける荷物が突当たる側壁を補強すると共に、補
強部が凹窪状に形成することにより、この補強部
と係止部との間に空間部が生じ、この空間部によ
つて表皮部材の端末をホツグリングで結着する作
業の容易化を図り、その作業性を向上するもので
ある。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を図面（第１図乃至第
３図）に基づいて説明する。

第１図はシートバツクＡのフレーム、即ち、バ
ツクボードの１に突当杆２を溶接等によつて固定
した状態を示し、図示するバツクボード１、突当
杆２はいずれも金属板をプレス成形したものであ
り、バツクボード１の突当杆２側には定間隙にお
いて係止部１１，１１…が突起状にプレスで切り
起こされており、その周囲は従来と同様に凹窪状
に形成して強度を高めている。図中１２，１２は
バツクボード１に凹窪形成した補強凹部である。

突当杆２は前記従来品と同一の板厚で同様に略
コ字状に形成されているが、バツクボード１の係
止部１１，１１…の側壁２ａには、図示するが如
く、凹窪状に形成した補強部２１，２１…が、各
係止部１１，１１…に対応させて設けてある。従
つて、突当杆２の側壁２ａにおける補強部２１，
２１…を設けた部分と、係止部１１，１１…との
間は前記従来品に比べ間幅が拡大する。そして、
この補強部２１，２１…は突当杆２をプレス成形
する際、同時に成形する。図中２２，２２…はリ
テーナ６を固定するための孔である。

第２図は前記フレームの前面側に発泡体製のク
ツシヨン材３を装着し、これを表皮部材４で被覆
すると共に、その表皮部材４を背裏側に巻込んで
突当杆２を被覆し、その表皮部材４の端末をホツ
グリング７で、前記係止部１１に結着した状態を
示し、この結着作業はガン状の結着工具を使用し
て行なうが、前記係止部１１…と補強部２１を構
成する側壁２ａとの間に、従来品に比べ大きな空
間部が存在するため、結着工具を使用しての結着
作業が容易に、しかも効率的に行なえる。

斯る作業を終了後、バツクボード１の背裏側に
第３図に示すようにカーペツト５を敷設し、その
カーペツト５の端末をリテーナ６で押さえて、ビ
ス８で突当杆２の側壁２ａに締結することにより
シートバツクが組立られる。

（効果） 本考案によれば、前記従来品の突当杆に、補強
部を凹設することにより、従来品に比べ強度を増
大した突当杆が形成され、荷物の突当たりによる
前記従来品の変形、損傷を防止できる。また、同
時に、補強部はバツクボードの係止部に臨む位置
に設けてあるので、前述の如く、係止部と突当杆
の側壁間の間幅が増大し、表皮部材の端末をホツ
グリングで係止部に結着する作業が容易になり、
その作業性を向上し得る。

加えて、突当杆の垂直状側壁に設けた補強部は
凹窪状に形成されているため、この補強部に近い
個所に表皮部材の端末をホツグリングで係止する
係止部を設けることができる。そのため、表皮部
材の端末が突当杆の側壁全面に密接状に接合で
き、この突当杆の側壁全面に接合した表皮部材の
端末に、カーペツトの端末を重ねた係止できるた
め、突当杆の側壁全面と、表皮部材、カーペツト
の両端末との間に隙間が生じない。従つて、特に
側壁下部を被覆する部分のカーペツトが浮き上が
ることがないし、カーペツト全体に皺が発生する
ことがなく的確に張設できるので、シートバツク
の背裏における外観品質が良好になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部を示す斜視図、第２図は
表皮部材を結着した状態を一部切欠して示す斜視
図、第３図はシートバツクの一部を切欠して示す
斜視図、第４図は本考案を実施するシートバツク
の側面図、第５図は従来品の部分切欠斜視図であ
る。 図中、１はバツクボード、２は突当杆、３はク
ツシヨン材、４は表皮部材、１１はバツクボード
の係止部、２１は突当杆の補強部を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツクボードの背裏側上端縁に沿つて略垂直状
   の側壁が設けてある突当杆を突設し、且つバツク
   ボードの前面側に装着したクツシヨン材を被覆す
   る表皮部材の端末で前記突当杆を被覆してこの突
   当杆における側壁近傍のバツクボードに設けた多
   数の突起状の係止部に前記表皮部材の端末をホツ
   グリングで結着すると共に前記バツクボードの背
   裏にカーペツトを敷設し、且つ該カーペツトの端
   末を前記突当杆の側壁に係止して前倒した際にそ
   の背裏側が荷物の載置台となるシートバツクにお
   いて、前記突当杆におけるバツクボードの各係止
   部に臨む側壁に、夫々凹窪状に形成した補強部を
   設けて、表皮部材とカーペツトとを突当杆の側壁
   全面に密接してなることを特徴とする前倒座席の
   シートバツクにおける背裏構造。