JPH0325283B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は棒材仕様の旋盤の主軸後端に設けら
れた振れ止め用のチヤツクの改良された駆動装置
に関する。

従来技術 棒材仕様の旋盤では中空の動力チヤツクを主軸
先端に設け、主軸後端に回転シリンダを設けて主
軸穴に挿通されるドローチユーブを介して把持爪
の開閉を行い、ドローチユーブ穴に棒材を遊挿し
て先端近くの位置を把持し施削加工を行つている
が、棒材外径とドローチユーブ穴とは比較的大き
な隙間を有していることが多く加工時の回転で棒
材が振れ回りを生じドローチユーブ穴を叩いて振
動や騒音を発生する。従来の振れ回り防止対策は
ドローチユーブ穴と棒材との隙間を埋めるため振
れ止めブシユを挿入したり、最近では主軸後端に
振れ止め用のコレツトチヤツクを設けている。

発明が解決しようとする問題点 ドローチユーブ穴内に挿入される振れ止めブシ
ユは深穴加工が難しいので通常短いブシユを複数
個継ぎ合わせ使用している。この振れ止めブシユ
は使用する棒材の外径が異なるごとに異なる内径
のブシユが必要であつて、その種類、数量も多く
なり製作費や保管場所等を含む管理費用が嵩み取
り替えに要する作業時間も多いという問題を有し
ている。代わつて振れ止め用のコレツトチヤツク
を主軸後端に設ければ１個のコレツトブシユの交
換で目的を達するが、この場合は主軸先端の動力
チヤツク用とこのコレツトチヤツク用と２個の回
転シリンダが必要となる。主軸後方に２個の回転
シリンダを取付けると回転シリンダ自体の突出量
が大きくなり回転時の振動力に対し大変不安定な
状態となり回転数を上げることができず、また加
工精度にも悪影響を及ぼすという問題を有してい
た。

問題を解決するための手段 中空の動力チヤツク４を主軸３先端に備え主軸
穴内に棒材Ｗを遊挿し先端近くの位置を把持して
加工を行う仕様の旋盤において、主軸３後端に同
心に固設される回転シリンダ７用のシリンダ本体
１０と、該シリンダ本体１０と相対回転可能に設
けられ主軸台１語端面に設けられた回り止め３２
によつて回転を阻止される接手枠体３１と、前記
シリンダ本体１０に嵌挿される中空のピストン部
材２３と、前記シリンダ本体１０内に同心に固設
されたコレツトチヤツク１４用の円筒形状のコレ
ツト枠体１５と、該コレツト枠体１５の中心穴内
に軸方向に移動可能に嵌挿さればね１８を介して
常時コレツト作動勝手に付勢されるとともに前記
ピストン部材２３によりコレツト不作動方向に移
動され中心穴端部が外開きのテーパ穴に形成され
たチヤツクキングスリーブ１６と、該チヤツクキ
ングスリーブ１６のテーパ穴に嵌挿されるコレツ
ト１９と、前記ピストン部材に一体に固着される
前記動力チヤツク４の把持爪２８開閉用ドローチ
ユーブ２４とを含んでなり、主軸先端の動力チヤ
ツク４と主軸後端のコレツトチヤツク１４を１個
の回転シリンダ７で同時に開閉するものである。

実施例 以下本発明の実施例を図面にもとづき説明す
る。第１図のように主軸台１に複数の軸受２によ
つて回転可能に軸承される主軸３の先端に中空の
動力チヤツク４が固着されている。主軸３の後側
にキー５を介して回転シリンダ７の取付用基部８
が嵌挿されてナツト６によつて締着され、基部８
にフランジ９を介してシリンダ本体１０が主軸３
と同心に固着されている。そしてシリンダ本体１
０の左端にボルト１３によつてコレツトチヤツク
１４用の円筒状のコレツト枠体が１５同心に固着
されている。コレツト枠体１５の中心穴内に中心
穴の先端部が外開きのテーパ穴１６ａに形成され
たチヤツキングスリーブ１６が軸方向に移動可能
に嵌挿され、チヤツクキングスリーブ１６の後端
部に刻設されたねじ１６ｂに鍔１７ａを有する鍔
付チユーブ１７が螺着されている。そしてコレツ
ト枠体１５の穴底面とチヤツキングスリーブ１６
の端面の間にばね１８が介装されチヤツクキング
スリーブ１６が常時突出勝手に付勢されている。
チヤツキングスリーブ１６のテーパ穴にコレツト
枠体の端面に固着されていて蓋２０によつて前端
面を押さえられ軸方向の動きを阻止された公知の
コレツトが嵌挿されている。

シリンダ本体１０に嵌挿される中空のピストン
２３は中心穴の右端大径部にめねじ２３ａが刻設
されており、このめねじ２３ａにはピストン２３
の中心穴に嵌挿される鍔付シリンダ２６の外鍔２
６ａを奥に挟持するように連結リング２５が螺着
されている。連結リング２５はその中心穴の大径
部に刻設されためねじ２５ａで中空のドローチユ
ーブ穴２４の左端の雄ねじと螺着されている。そ
して鍔付リング２６の内鍔２６ｂはピストン２３
の右側への移動で鍔付チユーブ１７の鍔部１７ａ
と係合して、ばね１８の張圧力に抗してチヤツキ
ングスリーブ１６を軸方向へ移動させる。このた
めコレツト１９のはね１８による押圧力が解除さ
れてコレツトが開かれるようになつている。

一方連結リング２５に螺着されるドローチユー
ブ穴２４は主軸３の穴内に挿通されて右端は動力
チヤツク４の摺動カラー２７に螺着されピストン
２３の動きで把持爪２８を開閉するようになつて
いる。主軸台１の後端面に固着される回り止め３
２によつて回転を阻止される接手枠体３１は複数
の軸受３０によつて回転可能なシリンダ本体１０
の外周に軸承されている。接手枠体３１には圧油
供給用の油路３１ａ，３１ｂが設けられており、
油路３１ａはシリンダの圧油室３３の左室に通じ
油路３１ｂは圧油３３の右室に通じている。また
接手枠体３１の下部には洩れた油の排出口３４が
設けられている。なお棒材Ｗ後端は図示しないバ
ーフイーダ装置のフインガチヤツク３５または３
５―１に把持され、バーフイーダ装置によつて間
歇的に送り込みが行われるようになつている。

作 用 棒材Ｗを把持して施削加工中の旋盤は所定の加
工が終わると主軸３の回転が停止され、図示しな
い切換えバルブが切換えられて油路３１ａから供
給されピストン２３が移動する。ピストン２３に
連結リング２５を介して直結されるドローチユー
ブ２４は動力チヤツク４側へ移動し動力チヤツク
４の把持爪２８を開く。同時にピストン２３に固
着される鍔付リング２６の内鍔２６ｂは鍔付チユ
ーブ１７の鍔１７ａと当接してチヤツキングスリ
ーブ１６がばね１８の張圧力に抗して移動され、
コレツト１９とテーパ外径を押圧していたテーパ
穴１６ａが離れてコレツト１９の把持穴１９ａが
開く。棒材Ｗが図示しないバーフイーダ装置によ
つて所定量押し出されて、再び切換バルブが切換
えられ圧油３１ｂから供給されピストン２３が左
に移動しドローチユーブ２４を介して動力チヤツ
ク４の把持爪２８が閉じ棒材Ｗの先端近くを把持
する。これと同時に鍔付リング２６の内鍔２６ｂ
と鍔付チユーブ１７の鍔付１７ａの係合が解除さ
れ、ばね１８によつてチヤツキングスリーブ１６
が押し出されテーパ穴１６ａがコレツト１９のテ
ーパ部を押圧して把持穴１９ａを閉じ棒材Ｗを把
持する。さらにこの場合に棒材Ｗの後端部を小径
に加工してバー材送り出し装置の先端に挿入支持
し、バー材送り出し装置の外径を、棒材Ｗの外径
と同一にすることによつて、棒材Ｗの残材を最短
にすることもできる。（第２図フインガチヤツク
３５―１参照） 効 果 以上詳述したように本発明は主軸後部に固着さ
れた回転シリンダに嵌挿されるピストンで主軸先
端に設けられた動力チヤツクの把持爪を開閉する
ドローチユーブの把持爪を開く動作と同時に回転
シリンダの穴内同心に設けられたコレツトチヤツ
クの把持穴を開閉するチヤツキングスリーブを開
くように構成したので、１個の回転シリンダに嵌
挿される１個のピストンの移動で主軸先端の動力
チヤツクと主軸後端の振れ止め用コレツトチヤツ
クが同時に開閉可能となり、軽量かつ簡素な機構
で主軸回転時の棒材の振動及び騒音を防止するこ
とができ主軸の高速回転が可能となつて生産能率
が向上すると同時に加工精度も向上する効果を有
し、更にコレツトのみの取替えで段取変更が可能
となり段取時間の短縮と同時にコレツトの保管、
管理費が節約できる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の回転シリンダ及びコレツトチ
ヤツクの縦断面図、第２図はフインガチヤツクの
他の形を示す図である。 １……主軸台、３……主軸、４……動力チヤツ
ク、７……回転シリンダ、１０……シリンダ本
体、１４……コレツトチヤツク、１５……コレツ
ト枠体、１６……チヤツキングスリーブ、１８…
…ばね、１９……コレツト、２３……ピストン、
２４……ドローチユーブ、２８……把持爪、３１
……接手枠体、３２……回り止め、Ｗ……棒材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中空の動力チヤツクを主軸先端に備え主軸穴
   内に棒材を遊挿し先端近くの位置を把持して加工
   を行う棒材仕様の旋盤において、主軸後端に同心
   に固設される回転シリンダ用のシリンダ本体と、
   該シリンダ本体と相対回転可能に設けられ主軸台
   後端面に設けられた回り止めによつて回転を阻止
   される接手枠体と、前記シリンダ本体に嵌挿され
   る中空のピストン部材と、前記シリンダ本体内に
   同心に固設されたコレツトチヤツク用の円筒形状
   のコレツト枠体と、該コレツト枠体の中心穴内に
   軸方向に移動可能に嵌挿さればねを介して常時コ
   レツト作動勝手に付勢されるとともに前記ピスト
   ン部材によりコレツト不作動方向に移動され且つ
   中心穴端部が外開きのテーパ穴に形成されたチヤ
   ツクキングスリーブと、該チヤキングスリーブの
   テーパ穴に嵌挿されるコレツトと、前記ピストン
   部材に一体に固着される前記動力チヤツクの把持
   爪開閉用ドローチユーブとを含んでなり、主軸先
   端の動力チヤツクと主軸後端のコレツトチヤツク
   を１個の回転シリンダで同時に開閉することを特
   徴とする２チヤツク同時駆動回転シリンダ。