JPH0322045Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車などの車輛に用いられて乗員の
肩部及び胴部を拘束支持する３点式シートベルト
におけるウエビングの案内支持構造に関するもの
である。

（従来の技術） 実開昭59−57959号公報、実開昭60−30849号公
報などに例示される従来の３点式シートベルト
は、第４図に示すように、シヨルダーアンカ部ａ
のスリツプジヨイントｂから導き出されるウエビ
ングｃは、その下方に位置する巻取装置ｄに直接
導き入れられるように構成されている。そして、
前記スリツプジヨイントｂは車体に揺動自在に支
持され、シートベルト着用時に肩拘束部から巻取
装置ｄに枝るウエビングｃに作用する摩擦力が小
さくなる位置にスリツプジヨイントｂが揺動傾斜
するようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが上記従来例では、スリツプジヨイント
ｂから導き出されるウエビングｃは、巻取装置ｄ
に直接導き入れられるため、シートベルト着用時
におけるその間のウエビングｃの傾斜角θが大き
くなる。この結果、ウエビングｃの巻取り抵抗が
増大するので、巻取装置ｄのスプリングの巻取力
を大きくしなければならず、乗員に対する拘束力
が増大して不快感を与えるという問題があつた。
特にスリツプジヨイントｂの揺動中心とスリツプ
案内部との間の距離Ｌが大きな場合には、この問
題点が顕著にあらわれる。

この問題点を解消するため、巻取装置ｄのウエ
ビング出入口ｅを横方向に拡大することが考えら
れうが、見栄えが悪くなるばかりか、塵埃が入り
易くなるという問題点が生ずる。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するために、シヨル
ダーアンカ部のスリツプジヨイントを車体に揺動
自在に支持させると共に、前記スリツプジヨイン
トの下方に巻取装置を配設してなる３点式シート
ベルトにおいて、巻取装置のウエビング出入口を
下方に向けて形成すると共に、巻取装置の下方に
車体に支持される補助スリツプジヨイントを配設
し、前記シヨルダーアンカ部のスリツプジヨイン
トから導き出されたウエビングを前記補助スリツ
プジヨイントを経由して前記巻取装置に導き入れ
たことを特徴とする。

（作用） 上記構成によれば、シヨルダーアンカ部のスリ
ツプジヨイントから導き出されたウエビングは、
巻取装置の下方に位置する補助スリツプジヨイン
トに一旦導かれ、ここを経由して巻取装置に導き
入れられるので、第１図に示すように、シートベ
ルト着用時におけるウエビングの巻取装置に対す
る傾斜角度θは小さくなり、前記巻取り抵抗が減
少する。

又巻取装置のウエビング出入口を横方向に拡大
する必要が無くなると共にウエビング出入口を下
方に向けて形成しているので、見栄えが悪くなら
ず、塵埃の侵入を減少させることができる。

（実施例） 第１図ないし第３図に示す本考案の実施例は、
シヨルダーアンカ部１のスリツプジヨイント２が
カントレール３の先端部に一体形成され、カント
レール３が枢軸４を介して揺動自在に車体５に取
付けられた３点式シートベルトに本考案を適用し
たものであつて、スリツプジヨイント２の揺動中
心とスリツプ案内部との間の距離Ｌが長寸となつ
ている。

第３図において、６はウエビング、７は緊急時
ロツク式巻取装置（ELR）、１は前記シヨルダー
アンカ部、８はラツプアウタアンカ部、９はラツ
プインナアンカ部、１０はタングプレート、１１
はバツクルである。

前記巻取装置７は前記シヨルダーアンカ部１の
下方に位置して、車体５に取付けられ、そのウエ
ビング出入口１２は下方に向けて形成されてい
る。又巻取装置７の下方には補助スリツプジヨイ
ント１３が枢軸１４を介して車体５に揺動自在に
取付けられている。

前記巻取装置２から繰出されたウエビング６
は、その下方の前記補助スリツプジヨイント１３
に導かれ、ここで案内支持された後、向きを上方
に変えてシヨルダーアンカ部１のスリツプジヨイ
ント２に達し、次いで、タンププレート１０のス
リツプジヨイント１６を経由して、ラツプアウタ
アンカ部８の支持金具１５に達している。

かくして上記構成によれば、シートベルト使用
時にはウエビング６に第１図に示すように案内支
持され、補助スリツプジヨイント１３から巻取装
置７に向うウエビング６の傾斜角度θを小さくす
ることができる。

（考案の効果） 本考案は上記構成、作用を有するので、巻取装
置のウエビング巻取抵抗を減少させることがで
き、巻取装置の見栄えを良くできると共に巻取装
置内への塵埃の侵入を減少させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例のシートベルト使用時
における状態を示す正面図、第２図はそのベルト
不使用時における状態を示す正面図、第３図は全
体を示す斜視図、第４図は従来例のシートベルト
使用時における状態を示す正面図である。 １……シヨルダーアンカ部、２……スリツプジ
ヨイント、５……車体、６……ウエビング、７…
…巻取装置、１２……ウエビング出入口、１３…
…補助スリツプジヨイント。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヨルダーアンカ部のスリツプジヨイントを車
   体に揺動自在に支持させると共に、前記スリツプ
   ジヨイントの下方に巻取装置を配設してなる３点
   式シートベルトにおいて、巻取装置のウエビング
   出入口を下方に向けて形成すると共に、巻取装置
   の下方に車体に支持される補助スリツプジヨイン
   トを配設し、前記シヨルダーアンカ部のスリツプ
   ジヨイントから導き出されたウエビングを前記補
   助スリツプジヨイントを経由して前記巻取装置に
   導き入れたことを特徴とするシートベルトの案内
   支持構造。