JPH0320468Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は網戸等の軽量で簡易なドアーに使用す
る障子用閉鎖装置に関するものである。

従来、障子用閉鎖装置は、相当重量を有する障
子に使用されるのが一般的であり、障子の閉方向
に対して充分な動力を有する機構を具なえたもの
でなくてはならなかつた。

従つて、上記障子用閉鎖装置は閉方向に向う動
力をゆるやかに作用させるべく複雑な機構を具え
たものが多く、高価である等、網戸等の軽量で簡
易な障子に使用することは不適当であつた。

本考案は上述した事情に鑑みてなされたもので
あり、障子の上框室内面に取付けられたケーシン
グの内部長手方向に形成されたガイドレール内を
摺動し、かつ中央部に穿設された貫通孔より圧縮
ばねを介して上記ケーシング内面に押し付けられ
る摩擦ピンを有したスライダーと、一端が上記ス
ライダーに突設されたスライダー軸に回転自在に
軸支されかつ他端が上記障子の上枠下面に取付け
られた枠側ベース軸により回転自在に軸支された
アームと、一端が上記ケーシング内の上記障子の
開放端側に取付けられかつ他端が上記スライダー
へ取付けられると共に該スライダーを上記障子の
開放端方向に附勢する引張りばねと、上記ケーシ
ングの長手方向の上記摩擦ピンが摺動する同一直
線上に所定間隔毎に穿設されかつ上記摩擦ピン先
端よりも稍小径なる直径を有する減速用穴とから
構成したことにより、構造が簡単で安価な、網戸
等の軽量で簡易なドアーの使用に適した障子用閉
鎖装置を提供せんとするものである。

以下、本考案による一実施例を添付した図面に
基づいて詳細に説明する。

第１図乃至第２図は本考案による障子用閉鎖装
置を示す平面図及び正面図であり、図に於いて１
は縦枠２に蝶番３を介して回動自在に枢支された
障子４の上框室内面に装着されたケーシングであ
り、該ケーシング１は長手方向にガイドレール１
ａが一体成形され、かつ上記ガイドレール１ａを
摺動するスライダー５及び引張りばね６が内設さ
れている。

上記スライダー５には、第３図に示す通り上記
ケーシング１の長手方向と直交する貫通孔５ａが
穿設されると共に、該貫通孔５ａの一端には調整
ねじ５ｂが螺合され、他端には上記調整ねじ５ｂ
によつて附勢力を適宜調整された圧縮ばね５ｃに
より上記ケーシング１の内面を押し付ける方向に
附勢された摩擦ピン５ｄが設けられている。

また、上記ケーシング１には、障子４の閉鎖時
に於ける上記調整ねじ５ｂと対応する位置に孔１
ｃが穿設されており、調整ねじ５ｂの調整は該孔
１ｃよりドライバー等によつて行なわれる。

更に、上記ケーシング１の上記摩擦ピン５ｄが
摺動する同一線上には、該摩擦ピン５ｄよりも稍
小径な直径を有する減速用穴１ｂが所定間隔毎に
穿設されている。実施例において、減速用穴１ｂ
の位置は障子が20゜、45゜の開放角度を有した状態
でスライダー５の摩擦ピン５ｄが位置する位置に
穿設される。

１ｓはストツプ孔であり、障子を開放保持する
為のものであり、上記減速用穴１ｂより稍大きな
径を有し、上記摩擦ピン５ｄが係合した場合、引
張りばね６に抗して開放保持がなされ障子を閉方
向に手で附勢すれば係合が外れる程度の孔であ
る。尚、本実施例では障子を90゜開放した際上記
摩擦ピン５ｄと係合する位置にストツプ孔１ｓが
形成されている。

上記引張りばね６は、一端がストツパー７にピ
ン８を介して取付けられた取付ベース９にねじ１
０止めされ、他端が上記スライダー５にピン８′
を介して取付けられた取付ベース９′にねじ１
０′止めされており、このことより上記スライダ
ー５は上記引張りばね６によつて上記ストツパー
７方向に附勢されている。

２０は一端がスライダー５に突設されたスライ
ダー軸５ｅに回転自在に軸支されたアームであり
該アーム２０の他端は上記障子４の上枠１２下面
にねじ１３ｂ止めされた枠側ベース１３に突設さ
れた枠側ベース軸１３ａに回転自在に軸支されて
いる。

次に、上述したように構成された障子閉鎖装置
の作動状態を第４図を参照して説明する。

図示の如く、障子４をＡ矢視方向に開作動する
とスライダー軸５ｅに軸支されたアーム２０の一
端は、枠側ベース軸１３ａを支点として上記障子
４と同一方向に回動するため、これに伴つてスラ
イダー５は、引張りばね６を伸張させながらガイ
ドレール１ａ内をＢ矢視方向に摺動する。

而して、上記障子４を開作動より解放するとス
ライダー軸５ｅに軸支されたアーム２０の一端は
他端が枠側ベース軸１３ａにより軸支されている
ため上記伸張された引張りばね６の復元力によつ
てＤ矢視方向に摺動するスライダー５に伴つて
C′方向に附勢される。即ち、開作動より解放され
た障子４は、伸張された引張りばね６の復元力が
アーム２０を介して枠側ベース軸１３ａに伝達さ
れることによりＣ矢視方向（閉鎖方向）に附勢さ
れるものであり、この時（第３図参照）圧縮ばね
５ｃによりケーシング１の内面を押し付ける方向
に附勢された摩擦ピン５ｄはケーシング１の内面
をＤ矢視方向に摺動しながら上記ケーシング１に
穿設された減速用穴１ｂに係合して障子４の閉鎖
速度を減ずるものである。

また、上記障子４の閉鎖速度は、調整ねじ５ｂ
により上記圧縮ばね５ｃの附勢力を調整すること
によつて自在に調整できる。

更にまた、本考案による障子用閉鎖装置は、第
５図に示すようにスライダー５に設けられた貫通
孔５ａに内設された調整ねじ５ｂ，圧縮ばね５ｃ
及び摩擦ピン５ｄと同一の調整ねじ５′ｂ、圧縮
ばね５′ｃ及び摩擦ピン５′ｄを上記貫通孔５ａに
並列して設けた貫通孔５′ａに内設すると共にケ
ーシング１には、障子４（図示しない）の閉作動
時に於ける所望の位置で上記摩擦ピン５ｄ，５′
ｄと各々係合する減速用穴１ｂ，１′ｂ（図示せ
ず）を前記実施例と同様に穿設することにより減
速を確実にしてある。また、本実施例では開放保
持を行なう障子開放角度を保持すべく、90゜の開
放位置にて摩擦ピン５ｄ，５d′の双方が同時に係
合するように係合孔１s′，１s′がそれぞれ形成さ
れる。この場合、係合孔１s′，１s′は上記減速用
穴１ｂと同径の寸法である。このことにより、障
子４を所望の開放角度で停止させることも可能で
ある。

以上、詳述したように本考案による障子用閉鎖
装置は、構造簡単で安価にしたことにより網戸等
の軽量で簡易な障子にも使用することができると
共に閉鎖時に過大な加速度をもつて障子が閉まる
ことがなく、スムーズに閉まり、障子の破損を防
止する等実用上の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案による障子用閉鎖装
置を示す平面図及び正面図、第３図は要部拡大
図、第４図は本考案による障子用閉鎖装置の作動
状態を示す平面図、第５図は本考案による他の実
施例を示す要部拡大図である。 １……ケーシング、１ａ……ガイドレール、１
ｂ……減速用穴、５……スライダー、５ａ……貫
通孔、５ｂ……調整ねじ、５ｃ……圧縮ばね、５
ｄ……摩擦ピン、５ｅ……スライダー軸、６……
引張りばね、２０……アーム、１３ａ……枠側取
付ベース軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 障子の上框に取付けられたケーシングの内部長
   手方向に形成されたガイドレール内を摺動し、か
   つ中央部に穿設された貫通孔より圧縮ばねを介し
   て上記ケーシング内面を押圧する摩擦ピンを有す
   るスライダーと、一端が上記スライダーに突設さ
   れたスライダー軸に回転自在に軸支されかつ他端
   が上記障子の上枠に取付けられた枠側ベース軸に
   より回転自在に軸支されたアームと、一端が上記
   ケーシング内の上記障子の開放端側に取付けられ
   かつ他端が上記スライダーへ取付けられると共に
   該スライダーを上記障子の開放端方向に附勢する
   引張りばねと、上記ケーシング長手方向の上記摩
   擦ピンが摺動する同一直線上に所定間隔毎に穿設
   され、かつ上記摩擦ピン先端よりも稍小径なる直
   径を有する減速用穴とから構成したことを特徴と
   する障子用閉鎖装置。