JPH0320462B2 - - Google Patents
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- JPH0320462B2 JPH0320462B2 JP3499286A JP3499286A JPH0320462B2 JP H0320462 B2 JPH0320462 B2 JP H0320462B2 JP 3499286 A JP3499286 A JP 3499286A JP 3499286 A JP3499286 A JP 3499286A JP H0320462 B2 JPH0320462 B2 JP H0320462B2
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Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は溶融亜鉛−アルミニウム合金めつき鋼
板(以下、単にZn−Alめつき鋼板という。)及び
その製造方法に関するもので、特に高温多湿雰囲
気(90℃以上、RH90%以上)或いは屋内での長
期保存下において発生するめつき層の粒間腐食に
より脆化しためつき層が鋼板素地より剥離(以
下、単に経時めつき剥離という。)することを防
止する方法に関するものである。 (従来の技術) 溶融亜鉛めつき鋼板は、表面処理鋼板の中でも
最も広い需要分野をもつている製品である。とこ
ろが、これら需要家における品質要求は年々高度
化し、最近では耐食性をはじめ加工性、塗装性に
すぐれた多元系とZn−Alめつき鋼板に関する製
品開発が盛んに行なわれるようになつた。ところ
が、長期にわたる室内経時または高温多湿雰囲気
において低級亜鉛地金を用いた溶融亜鉛めつき鋼
板に発生するめつき層の粒間腐食およびその進展
によつて脆化しためつき層が鋼板素地より剥離す
るに至る現象がすぐれた耐食性能をもつZn−Al
めつき鋼板にも著しく発生し、商品価値を大きく
損なうことがある。 この改善事例としては例えば、めつき層が
Al0.2〜17wt%、Sb0.02〜0.15wt%およびPb0.02
%以下残部がZnでなることを特徴としたZn−Al
めつき鋼板及びその製造方として米国特許第
4056366号がある。またAl0.05〜2.0wt%、
Mg0.005〜1.0wt%、CuおよびSbのうち1種また
は2種を0.1〜1.0wt%、残部がZnおよび不可避的
不純物からなるめつき浴組成を特徴とする耐粒界
腐食性にすぐれた溶融めつき用亜鉛合金として特
開昭56−105447号公報、更にはA10.1〜25wt%、
Sb0.1wt%未満、Mg0.05〜2.0wt%、Pb0.01wt%
以下で残部がZnおよび不可避的不純物でなるめ
つき浴で鋼板にめつきする方法として特開昭58−
177447号公報などが提案されている。 一方、これらの事例を前後して本発明者等は本
出願に先立ち、次のような提案をしている。則
ち、Al0.1〜0.2wt%未満、Sb0.1〜0.5wt%および
Feを除くPb、CbあるいはSn等の不可避的不純物
の合計が0.02wt%未満で残部がZnであることを
特徴とした耐経時めつき剥離性にすぐれたゼロス
パングル亜鉛めつき鋼板の製造方を特願昭55−
98251号(特開昭57−26155号公報)として提案し
ている。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明法は、とくに前記特開昭57−26155号公
報記載の発明の工業化に際し、これに更に詳細な
検討を加え、高生産性連続溶融めつきラインに対
する実現性をより高めたものである。 即ち、 適用鋼種のキルド鋼化は、その鋼板表面の清
浄度の低さに起因してめつき層と鋼との界面に
加工にもろいFe−Zn系合金層が異常成長し易
く、これがめつき感着性不良をしばしば起すこ
とが知られた。そこで、この対策として、めつ
き浴中のAl量の見直しが不可欠となつた。 また、このAlはめつき層の結晶粒界等に偏
析するが、これが腐食初期において、Znと局
部電池を形成し、カソードとなつて、粒界が選
択的に腐食する。ところがこの繰返しによつて
粒間腐食生成物の体積膨張もあつて、その腐食
割れは、めつき層の更に内部に向つて進展す
る。そのため、その抑制にあたつてはSbの見
直しもまた必要となつた。 以上の背景をふまえ以下に述べる本発明法を提
案するに至つた。 (問題点を解決するための手段) かかる点に鑑み本発明者等は種々の研究を重ね
た結果、Al0.30超〜10wt%で且つPb、Sn等不可
避的不純物の合計が0.02wt%未満で残部がZnで
なるめつき浴に、Sb0.2〜1.0wt%を添加すること
により、亜鉛・アルミニウム合金めつき層は、す
ぐれた耐経時めつき剥離性に変化することを見出
だした。更には、また、該めつき面が凝固する直
前の半溶融状態において、めつき面の冷却速度を
大きくするほど微細で美麗なめつきスパングル外
観が得られることを見出だした。 すなわち、本発明の骨子はZn−Alめつき鋼板
およびその製造方法において、 めつき層の結晶粒界や、Fe系合金属または
その近傍に富化する活性なα−AlをSbによつ
てAl−Sbとして共晶固定化させ、電気化学的
に不活性化させることに成功した点にあり、こ
れによつてZn−Alめつき鋼板の高耐食性機能
を生かしつつ、最大の欠点であるめつき層粒間
腐食を抑制し、その腐食の進展によつて生ずる
粒間腐食割れの伝播拡大と脆化しためつき層の
鋼板素地からの剥離を完全に解消することに成
功した点にある。 更には、また、Sbが有する自然冷却下での
めつきスパングル開華機能を利用し、一定の冷
却速度を設けることにより、粗大スパングルか
ら微細化スパングルまでを同一めつき浴で造り
別けできるようになつた点にある。 (作用) 以下に本発明法におけるめつき浴構成成分をは
じめとした制限条件についてその理由を述べる。 (1) アルミニウム Alは高いほど耐食性にすぐれるが、半面結
晶粒界等に偏析する活性なα−Alの選択腐食
が起り易く粒界腐食割れの伝播拡大によつて、
めつき層の脆性破壊を招き、終局的には鋼素地
からのめつき剥離に至る点或いはまた鋼素地と
の界面に生成するFe−Al系合金層のうち硬く
て脆いθ+η混合相の異常成長を伴いめつき密
着性を低下させる点及び防食能の飽和と経済性
の点からめつき浴中と上限Alは10wt%とした。
一方、Alを低下させると鋼界面に生成する硬
くて脆いFe−Zn2元系合金層(ζ相)の異常成
長があり、めつき密着性はもとより、浴中に溶
出した鋼盆からのFeが金属間化合物(ドロス)
になつて突起状に共析し、耐食性や外観に対し
ても弊害を招くことが多く、商品価値の上で問
題がある。また低Al化によつてSbの高濃度域
では、めつき浴の流動性低下があるが、これに
よるめつき作業性或いはめつき外観品質の低下
を防ぐには、Alは或る量以上が必要である。
これかの理由から下限Alは0.3%超wt%とし
た。好ましくはAl0.35〜10.0wt%がよい。 (2) アンチモン Sbは本発明における最大の特徴を発揮させ
るために用いられる成分である。Sbはめつき
層に偏析する活性なAlと共晶し、Al−Sb共晶
物として粒間腐食と経時めつき剥離を抑制もし
くは防止する。更にはめつき表面に生じる粗大
スパングルを必要に応じて微細化できる機能を
めつき浴に付与するために用いられる。
Sb0.2wt%未満では、大気放冷下でのめつきス
パングルの粗大化機能は十分でない。めつき層
中のSbが少いと、その偏析によるZnの融点降
下が小さく、Znの凝固温度範囲の拡大が余り
期待出来ず、Znの結晶核の成長を助長する作
用が高速ライン下では余り期待できない。従つ
て、美麗で均一な粗大スパングル外観は得にく
い。 また、Sb1.0wt%超ではめつき浴の流動性が
高くなりすぎるため、めつき層が凝固する迄の
時間に流れ模様が発生したり或いはSbの偏析
過程で生じる発熱反応による復熱作用から一旦
凝固しかかつためつき層にタレが生じ、うねり
又は凹凸の大きいめつき表面を呈するようにな
り、アブレージヨン疵の発生を伴うなど均一な
表面外観を得る点でその制御は難しくなる。好
ましいSbの範囲は0.2〜0.5wt%である。 (3) 不可避的不純物 Pb、Cd或いはSnなどの不可避的不純物はめ
つき層の粒間腐食を生じZnの脆性破壊を誘発
させるがAl共存下においてはこれを更に助長
する作用がある。また、これらの不純物はめつ
き層の粒界や鋼界面に生成するFe系合金層近
傍にも濃化し易く、極部電池を形成してめつき
層の粒間腐食や耐食性の劣化を招くことなどか
ら極力これを排除することが好ましい。上記不
可避的不純物の合計量が0.02wt%以上において
は上述しためつき層に対する弊害を更に助長
し、商品価値を大きく損なう結果に終る。従つ
て、不可避的不純物範囲は0.02wt%未満とし、
好ましくは0.01wt%以下にする方がよい。 (4) めつきスパングルの微細化のための急冷処理
方法 本発明のめつき浴によればSbにめつきスパ
ングルの開華機能がありめつき後自然冷却下に
おいて粗大スパングルが生成する。しかしなが
ら塗装鋼板など表面外観の美麗さが要求される
用途においては、粗大スパングルより微細スパ
ングル外観の方が好まれる。従つて、めつき浴
の必要機能として、必要に応じてめつきスパン
グルのつくり別けができることが必須である。 一般に、粗大スパングルの微細化の考え方とし
ては冷却速度を上げて亜鉛の結晶核の成長を抑制
する方法と金属間化合物を形成させることによつ
てそれが結晶核となりそれ以上結晶成長しないよ
うにする方法とがある。このうち、本発明法で得
るめつきスパングルの微細化の考え方はめつき浴
成分範囲からみれば上記したいづれの考え方も成
り立つが得られた微細化スパングルの表面仕上り
外観(光沢、色調、平滑さなど)の美麗さの点で
有利な前者の急冷方法を施す方が得策である。ま
た、めつきスパングルをより微細化させるには冷
却速度を上げる必要がある。一般に分解潜熱の大
きい薬液をミスト粒径を出来るだけ小さく噴霧密
度を上げて半溶融状態の亜鉛めつき表面に吹付け
る湿式法或いは金属粉末を吹き吹ける乾式法など
があるが本発明法では何れの方法であつてもよ
い。冷却速度50℃/sec未満においては肉眼的視
野においてさえ粗大スパングルがまだ十分に微細
化しきれず、商品価値としては十分ではない。ま
た300℃/sec超においては肉眼的或いは顕微鏡的
視野においても十分に微細化し、飽和状態にある
ことから、これ以上の冷却を上げることは設備の
過剰投資或いは作業環境の悪化を招くなどから余
り好ましくない。好ましい冷却速度としては100
〜250℃/secがよい。 (実施例) 板厚0.3mm、板巾1200mmの連続鋳造によつて圧
延された未焼鈍アルミキルド鋼板はゼンジマー溶
融めつきラインにおいて所定の加熱サイクルで焼
鈍され、第1表に示すめつき条件下でめつきされ
る。半溶融状態のめつき表面は、そのまま大気放
冷によつて凝固される場合と急速冷却される場合
とに別れ粗大スパングル外観或いは微細スパング
ル外観を有したZn−Alめつき鋼板としてつくり
別けられる。このようにしてつくり別けられた本
発明法によるZn−Alめつき鋼板の耐経時めつき
剥離性およびその他の性能について比較例をもと
に第1表にまとめて示す。 本発明の実施例をNo.1〜No.15に示し、また、そ
の比較例をNo.16〜No.23に示す。 微細スパングルZn−Alめつき鋼板の場合、め
つき浴中のAl及びSbの濃度を変更し、Sbの有効
性について述べたものを本発明実施例のNo.1〜No.
9に示し、その比較例をNo.16〜No.19に示す。 また、自然冷却下でのスパングルの粗大化効果
に対するSbの有効性について本発明実施例をNo.
15に示し、その比較例をNo.23に示す。また、めつ
きスパングルの微細化に対する、めつき冷却速度
の有効性について、本発明実施例をNo.5及びNo.10
〜No.14に示し、比較例をNo.20、No.21に示す。更に
また、不可避的不純物の影響について本発明実施
例をNo.5に示し、比較例をNo.22に示す。 (発明の効果) 実施例から明らかなように、本発明方法は元
来、Alが有する高耐食性機能を損なうことなく、
Zn−Alめつき鋼板の最大の欠点である経時劣化
によるめつき層剥離を純亜鉛めつき浴へのSb添
加により完全に解消させる画期的なZn−Alめつ
き鋼板の製造方法である。 また、本発明方法は同一めつき浴において、凝
固直前の溶融めつき面に対し、適正な冷却速度を
与えることにより、外観の平滑性及び耐経時めつ
き剥離性に優れたZn−Alめつき鋼板を造ること
ができる。 以上のように、本発明はSbの採用によつて従
来技術の欠点であつた経時劣化によるめつき層の
剥離現象を完全に解消したZn−Alめつき鋼板で
あつて更に、スパングルの造り別けが可能なライ
ン汎用性の高いZn−Alめつき鋼板の製造方法と
して提供されるものである。
板(以下、単にZn−Alめつき鋼板という。)及び
その製造方法に関するもので、特に高温多湿雰囲
気(90℃以上、RH90%以上)或いは屋内での長
期保存下において発生するめつき層の粒間腐食に
より脆化しためつき層が鋼板素地より剥離(以
下、単に経時めつき剥離という。)することを防
止する方法に関するものである。 (従来の技術) 溶融亜鉛めつき鋼板は、表面処理鋼板の中でも
最も広い需要分野をもつている製品である。とこ
ろが、これら需要家における品質要求は年々高度
化し、最近では耐食性をはじめ加工性、塗装性に
すぐれた多元系とZn−Alめつき鋼板に関する製
品開発が盛んに行なわれるようになつた。ところ
が、長期にわたる室内経時または高温多湿雰囲気
において低級亜鉛地金を用いた溶融亜鉛めつき鋼
板に発生するめつき層の粒間腐食およびその進展
によつて脆化しためつき層が鋼板素地より剥離す
るに至る現象がすぐれた耐食性能をもつZn−Al
めつき鋼板にも著しく発生し、商品価値を大きく
損なうことがある。 この改善事例としては例えば、めつき層が
Al0.2〜17wt%、Sb0.02〜0.15wt%およびPb0.02
%以下残部がZnでなることを特徴としたZn−Al
めつき鋼板及びその製造方として米国特許第
4056366号がある。またAl0.05〜2.0wt%、
Mg0.005〜1.0wt%、CuおよびSbのうち1種また
は2種を0.1〜1.0wt%、残部がZnおよび不可避的
不純物からなるめつき浴組成を特徴とする耐粒界
腐食性にすぐれた溶融めつき用亜鉛合金として特
開昭56−105447号公報、更にはA10.1〜25wt%、
Sb0.1wt%未満、Mg0.05〜2.0wt%、Pb0.01wt%
以下で残部がZnおよび不可避的不純物でなるめ
つき浴で鋼板にめつきする方法として特開昭58−
177447号公報などが提案されている。 一方、これらの事例を前後して本発明者等は本
出願に先立ち、次のような提案をしている。則
ち、Al0.1〜0.2wt%未満、Sb0.1〜0.5wt%および
Feを除くPb、CbあるいはSn等の不可避的不純物
の合計が0.02wt%未満で残部がZnであることを
特徴とした耐経時めつき剥離性にすぐれたゼロス
パングル亜鉛めつき鋼板の製造方を特願昭55−
98251号(特開昭57−26155号公報)として提案し
ている。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明法は、とくに前記特開昭57−26155号公
報記載の発明の工業化に際し、これに更に詳細な
検討を加え、高生産性連続溶融めつきラインに対
する実現性をより高めたものである。 即ち、 適用鋼種のキルド鋼化は、その鋼板表面の清
浄度の低さに起因してめつき層と鋼との界面に
加工にもろいFe−Zn系合金層が異常成長し易
く、これがめつき感着性不良をしばしば起すこ
とが知られた。そこで、この対策として、めつ
き浴中のAl量の見直しが不可欠となつた。 また、このAlはめつき層の結晶粒界等に偏
析するが、これが腐食初期において、Znと局
部電池を形成し、カソードとなつて、粒界が選
択的に腐食する。ところがこの繰返しによつて
粒間腐食生成物の体積膨張もあつて、その腐食
割れは、めつき層の更に内部に向つて進展す
る。そのため、その抑制にあたつてはSbの見
直しもまた必要となつた。 以上の背景をふまえ以下に述べる本発明法を提
案するに至つた。 (問題点を解決するための手段) かかる点に鑑み本発明者等は種々の研究を重ね
た結果、Al0.30超〜10wt%で且つPb、Sn等不可
避的不純物の合計が0.02wt%未満で残部がZnで
なるめつき浴に、Sb0.2〜1.0wt%を添加すること
により、亜鉛・アルミニウム合金めつき層は、す
ぐれた耐経時めつき剥離性に変化することを見出
だした。更には、また、該めつき面が凝固する直
前の半溶融状態において、めつき面の冷却速度を
大きくするほど微細で美麗なめつきスパングル外
観が得られることを見出だした。 すなわち、本発明の骨子はZn−Alめつき鋼板
およびその製造方法において、 めつき層の結晶粒界や、Fe系合金属または
その近傍に富化する活性なα−AlをSbによつ
てAl−Sbとして共晶固定化させ、電気化学的
に不活性化させることに成功した点にあり、こ
れによつてZn−Alめつき鋼板の高耐食性機能
を生かしつつ、最大の欠点であるめつき層粒間
腐食を抑制し、その腐食の進展によつて生ずる
粒間腐食割れの伝播拡大と脆化しためつき層の
鋼板素地からの剥離を完全に解消することに成
功した点にある。 更には、また、Sbが有する自然冷却下での
めつきスパングル開華機能を利用し、一定の冷
却速度を設けることにより、粗大スパングルか
ら微細化スパングルまでを同一めつき浴で造り
別けできるようになつた点にある。 (作用) 以下に本発明法におけるめつき浴構成成分をは
じめとした制限条件についてその理由を述べる。 (1) アルミニウム Alは高いほど耐食性にすぐれるが、半面結
晶粒界等に偏析する活性なα−Alの選択腐食
が起り易く粒界腐食割れの伝播拡大によつて、
めつき層の脆性破壊を招き、終局的には鋼素地
からのめつき剥離に至る点或いはまた鋼素地と
の界面に生成するFe−Al系合金層のうち硬く
て脆いθ+η混合相の異常成長を伴いめつき密
着性を低下させる点及び防食能の飽和と経済性
の点からめつき浴中と上限Alは10wt%とした。
一方、Alを低下させると鋼界面に生成する硬
くて脆いFe−Zn2元系合金層(ζ相)の異常成
長があり、めつき密着性はもとより、浴中に溶
出した鋼盆からのFeが金属間化合物(ドロス)
になつて突起状に共析し、耐食性や外観に対し
ても弊害を招くことが多く、商品価値の上で問
題がある。また低Al化によつてSbの高濃度域
では、めつき浴の流動性低下があるが、これに
よるめつき作業性或いはめつき外観品質の低下
を防ぐには、Alは或る量以上が必要である。
これかの理由から下限Alは0.3%超wt%とし
た。好ましくはAl0.35〜10.0wt%がよい。 (2) アンチモン Sbは本発明における最大の特徴を発揮させ
るために用いられる成分である。Sbはめつき
層に偏析する活性なAlと共晶し、Al−Sb共晶
物として粒間腐食と経時めつき剥離を抑制もし
くは防止する。更にはめつき表面に生じる粗大
スパングルを必要に応じて微細化できる機能を
めつき浴に付与するために用いられる。
Sb0.2wt%未満では、大気放冷下でのめつきス
パングルの粗大化機能は十分でない。めつき層
中のSbが少いと、その偏析によるZnの融点降
下が小さく、Znの凝固温度範囲の拡大が余り
期待出来ず、Znの結晶核の成長を助長する作
用が高速ライン下では余り期待できない。従つ
て、美麗で均一な粗大スパングル外観は得にく
い。 また、Sb1.0wt%超ではめつき浴の流動性が
高くなりすぎるため、めつき層が凝固する迄の
時間に流れ模様が発生したり或いはSbの偏析
過程で生じる発熱反応による復熱作用から一旦
凝固しかかつためつき層にタレが生じ、うねり
又は凹凸の大きいめつき表面を呈するようにな
り、アブレージヨン疵の発生を伴うなど均一な
表面外観を得る点でその制御は難しくなる。好
ましいSbの範囲は0.2〜0.5wt%である。 (3) 不可避的不純物 Pb、Cd或いはSnなどの不可避的不純物はめ
つき層の粒間腐食を生じZnの脆性破壊を誘発
させるがAl共存下においてはこれを更に助長
する作用がある。また、これらの不純物はめつ
き層の粒界や鋼界面に生成するFe系合金層近
傍にも濃化し易く、極部電池を形成してめつき
層の粒間腐食や耐食性の劣化を招くことなどか
ら極力これを排除することが好ましい。上記不
可避的不純物の合計量が0.02wt%以上において
は上述しためつき層に対する弊害を更に助長
し、商品価値を大きく損なう結果に終る。従つ
て、不可避的不純物範囲は0.02wt%未満とし、
好ましくは0.01wt%以下にする方がよい。 (4) めつきスパングルの微細化のための急冷処理
方法 本発明のめつき浴によればSbにめつきスパ
ングルの開華機能がありめつき後自然冷却下に
おいて粗大スパングルが生成する。しかしなが
ら塗装鋼板など表面外観の美麗さが要求される
用途においては、粗大スパングルより微細スパ
ングル外観の方が好まれる。従つて、めつき浴
の必要機能として、必要に応じてめつきスパン
グルのつくり別けができることが必須である。 一般に、粗大スパングルの微細化の考え方とし
ては冷却速度を上げて亜鉛の結晶核の成長を抑制
する方法と金属間化合物を形成させることによつ
てそれが結晶核となりそれ以上結晶成長しないよ
うにする方法とがある。このうち、本発明法で得
るめつきスパングルの微細化の考え方はめつき浴
成分範囲からみれば上記したいづれの考え方も成
り立つが得られた微細化スパングルの表面仕上り
外観(光沢、色調、平滑さなど)の美麗さの点で
有利な前者の急冷方法を施す方が得策である。ま
た、めつきスパングルをより微細化させるには冷
却速度を上げる必要がある。一般に分解潜熱の大
きい薬液をミスト粒径を出来るだけ小さく噴霧密
度を上げて半溶融状態の亜鉛めつき表面に吹付け
る湿式法或いは金属粉末を吹き吹ける乾式法など
があるが本発明法では何れの方法であつてもよ
い。冷却速度50℃/sec未満においては肉眼的視
野においてさえ粗大スパングルがまだ十分に微細
化しきれず、商品価値としては十分ではない。ま
た300℃/sec超においては肉眼的或いは顕微鏡的
視野においても十分に微細化し、飽和状態にある
ことから、これ以上の冷却を上げることは設備の
過剰投資或いは作業環境の悪化を招くなどから余
り好ましくない。好ましい冷却速度としては100
〜250℃/secがよい。 (実施例) 板厚0.3mm、板巾1200mmの連続鋳造によつて圧
延された未焼鈍アルミキルド鋼板はゼンジマー溶
融めつきラインにおいて所定の加熱サイクルで焼
鈍され、第1表に示すめつき条件下でめつきされ
る。半溶融状態のめつき表面は、そのまま大気放
冷によつて凝固される場合と急速冷却される場合
とに別れ粗大スパングル外観或いは微細スパング
ル外観を有したZn−Alめつき鋼板としてつくり
別けられる。このようにしてつくり別けられた本
発明法によるZn−Alめつき鋼板の耐経時めつき
剥離性およびその他の性能について比較例をもと
に第1表にまとめて示す。 本発明の実施例をNo.1〜No.15に示し、また、そ
の比較例をNo.16〜No.23に示す。 微細スパングルZn−Alめつき鋼板の場合、め
つき浴中のAl及びSbの濃度を変更し、Sbの有効
性について述べたものを本発明実施例のNo.1〜No.
9に示し、その比較例をNo.16〜No.19に示す。 また、自然冷却下でのスパングルの粗大化効果
に対するSbの有効性について本発明実施例をNo.
15に示し、その比較例をNo.23に示す。また、めつ
きスパングルの微細化に対する、めつき冷却速度
の有効性について、本発明実施例をNo.5及びNo.10
〜No.14に示し、比較例をNo.20、No.21に示す。更に
また、不可避的不純物の影響について本発明実施
例をNo.5に示し、比較例をNo.22に示す。 (発明の効果) 実施例から明らかなように、本発明方法は元
来、Alが有する高耐食性機能を損なうことなく、
Zn−Alめつき鋼板の最大の欠点である経時劣化
によるめつき層剥離を純亜鉛めつき浴へのSb添
加により完全に解消させる画期的なZn−Alめつ
き鋼板の製造方法である。 また、本発明方法は同一めつき浴において、凝
固直前の溶融めつき面に対し、適正な冷却速度を
与えることにより、外観の平滑性及び耐経時めつ
き剥離性に優れたZn−Alめつき鋼板を造ること
ができる。 以上のように、本発明はSbの採用によつて従
来技術の欠点であつた経時劣化によるめつき層の
剥離現象を完全に解消したZn−Alめつき鋼板で
あつて更に、スパングルの造り別けが可能なライ
ン汎用性の高いZn−Alめつき鋼板の製造方法と
して提供されるものである。
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Al0.30超〜10wt%、Sb0.2〜1.0wt%で且つ
Pb、Sn等不可避的不純物の合計が0.02wt%未満
で残部がZnでなるめつき面を有することを特徴
とする耐経時めつき剥離性に優れた溶融亜鉛・ア
ルミニウム合金めつき鋼板。 2 Al0.30超〜10wt%、Sb0.2〜1.0wt%で且つ
Pb、Sn等不可避的不純物の合計が0.02wt%未満
で残部がZnであるめつき浴を用い、溶融めつき
ラインにおいて鋼板に浸漬めつきしたのち自然冷
却することを特徴とする耐経時めつき剥離性に優
れた溶融亜鉛・アルミニウム合金めつき鋼板の製
造方法。 3 Al0.30超〜10wt%、Sb0.2〜1.0wt%で且つ
Pb、Sn等不可避的不純物の合計が0.02wt%未満
で残部がZnであるめつき浴を用い、鋼板に浸漬
めつきしたのち、めつき層の凝固直前において半
溶融めつき面を50〜300℃/secで急冷処理するこ
とによつてめつきスパングルの微細化を行なうこ
とを特徴とする耐経時めつき剥離性に優れた溶融
亜鉛・アルミニウム合金めつき鋼板の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US07/016,715 US4792499A (en) | 1986-02-21 | 1987-02-19 | Zn-Al hot-dip galvanized steel sheet having improved resistance against secular peeling and method for producing the same |
AU69042/87A AU589742B2 (en) | 1986-02-21 | 1987-02-19 | A Zn-A1 hot-dip galvanized steel sheet having improved resistance against secular peeling and method for producing the same |
CA000530148A CA1303916C (en) | 1986-02-21 | 1987-02-19 | Zn-al hot-dip galvanized steel sheet having improved resistance against secular peeling and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13363985 | 1985-06-19 | ||
JP60-133639 | 1985-06-19 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6289856A JPS6289856A (ja) | 1987-04-24 |
JPH0320462B2 true JPH0320462B2 (ja) | 1991-03-19 |
Family
ID=15109521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3499286A Granted JPS6289856A (ja) | 1985-06-19 | 1986-02-21 | 耐経時めつき剥離性に優れた溶融亜鉛・アルミニウム合金めつき鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6289856A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2818194B2 (ja) * | 1989-04-04 | 1998-10-30 | 中部電力株式会社 | 送配電設備用金具、送配電用架線金具および電力供給所用屋外設備 |
FR2671809B1 (fr) * | 1991-01-23 | 1994-03-11 | Delot Process Sa | Procede de galvanisation en continu a haute temperature. |
WO2006070995A1 (en) | 2004-12-28 | 2006-07-06 | Posco | Galvanized steel-sheet without spangle, manufacturing method thereof and device used therefor |
-
1986
- 1986-02-21 JP JP3499286A patent/JPS6289856A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6289856A (ja) | 1987-04-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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