JPH0318909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、各種のガス分析計において、サンプ
ルガスから水やダストなどのドレンを分離、除去
するために用いるドレントラツプに関する。

従来、この種のドレントラツプとしては、一般
的にタンクが用いられ、このタンクにサンプルガ
スの流入口と流出口、ならびにスローリーク用キ
ヤピラリーを連通し、タンクの内部空間をドレン
分離空間とドレン収納空間とに兼用させる構造の
ものであつた。したがつて、サンプルガス中にあ
まり多量のドレンが含まれていない場合は特に問
題はないのであるが、多量のドレンが含まれてい
る場合には、大容積の内部空間を有する大型のタ
ンクを必要とした。内部空間が大容積であればあ
る程、内部空間内が完全にサンプルガスで満され
るまでに長時間を有し、その結果、分析計が応答
するまでに長い時間を必要とし、迅速なガス分析
を行ない得ない欠点があつた。

本考案は、このような従来欠点に着目してなし
たもので、ドレン収納空間を大容積にして、ドレ
ンを多量に含んだサンプルガスにも対応できるよ
うに構成するにもかかわらず、分析計の応答時間
を短縮することができ、しかも、全体を簡単な構
造で、コンパクトに構成することのできる有用な
ドレントラツプを提供せんとするものである。

本考案の実施の態様を例示図にもとづいて説明
すると、図中１は、大容積の内部空間を有する密
閉式の円筒状のタンクで、このタンク１の内容空
間は、ドレン落下口２を有する漏斗状仕切り板３
で上下に仕切られている。すなわち、漏斗状仕切
り板３を、その漏斗状の広口側が上方に、ドレン
落下口２が下方に位置するようにタンク１内に設
け、もつて、このタンク１の内部空間を上下に区
画し、上部を小容積のドレン分離空間４に、下部
を大容積のドレン収納空間５に形成してある。前
記ドレン分離空間４には、ノズル６を介してサン
プルガスの流入口７が連通されるとともに、筒体
８を介してサンプルガスの流出口９が連通されて
いる。サンプルガスの流入口７は、第１図から明
らかなように、下方の漏斗状仕切り板３側に向け
て開口され、かつ、第２図から明らかなように、
前記流入口７は、タンク１の内周壁に沿うように
して開口してあつて、この流入口７から出たサン
プルガスが、ドレン分離空間４内で旋回されるよ
うに構成されている。そして、前記ドレン収納空
間５には、スローリーク用のキヤピラリー１０が
連通され、かつ、その底部には、開閉自在なドレ
ン排出口１１が設けられている。

このような構造のドレントラツプをサンプリン
グ用ポンプの吐出側に連結して作動させると、サ
ンプル採取点より導かれたサンプルガスは、ノズ
ル６の流入口７からドレン分離空間４内に流入さ
れる。その際、まず、サンプルガスは、勢いよく
タンク１の内壁や漏斗状仕切り板３に衝突されら
れるので、サンプルガス中の水やダストなどのド
レンがタンク１内壁や仕切り板３に付着して、ガ
ス中から効率よく分離、除去される。さらに、そ
の後、ドレン分離空間４内で強力に旋回させられ
るので、遠心分離の作用により、サンプルガス中
のドレンは確実に分離、除去され、ドレン落下口
２を通つてドレン収納空間５内に収納され、他
方、ドレンが除去された後のサンプルガスは、流
出口９を通つて図外の分析計に送られる。このよ
うにして順次ドレンの除去が行なわれるのである
が、ドレン分離空間４がポンプの吐出側に連通さ
れて常時加圧状態に維持されているので、もとも
とドレン収納空間５内にあつた空気あるいはその
他のガスは、ドレン分離空間４内のサンプルガス
で押され、スローリーク用キヤピラリー１０から
徐々に大気中に放出される。そして、このドレン
分離空間４が、小容積に構成されているので、分
離空間４は短時間のうちに完全にサンプルガスで
満され、サンプルガスが流れ始めてから分析計の
指示が出るまでの時間、つまりデツドタイムを短
縮できるとともに、特に、分析計の指示が出始め
てからフルスケールの90％指示までの時間を大幅
に短縮でき、しかも、ドレン収納空間５が大容積
に構成されているので、多量のドレンを含んだサ
ンプルガスも所望通りに処理することができるの
である。

以上の説明から明らかなように、本考案におい
ては、タンク内に、漏斗状仕切り板を、その広口
側が上方に位置し、ドレン落下口が下方に位置す
るように設けて、タンクの内部空間を、上部の小
容積のドレン分離空間と下部の大容積のドレン収
納空間とに区画しているので、サンプルガスはド
レン分離空間を短時間のうちに満たすことがで
き、サンプルガスが流れ始めてから分析計の指示
が出るまでの時間を大幅に短縮することができ、
それだけ分析計の応答時間を短縮することができ
ると共に、サンプルガス中に多量のドレンが含ま
れていても、ドレンをドレン収納空間に収容する
ことができ、従つて、ガス分析を迅速に行うこと
ができる。

また、ドレン分離空間に設けられるサンプルガ
スの流入口が、漏斗状仕切り板の広口側において
タンクの内周壁に沿うようにして開口させてある
ので、サンプルガスがドレン分離空間内において
強力に旋回させられ、その遠心分離の作用によつ
て、サプルガス中のドレンを確実に分離・除去す
ることができる。

そして、本考案においては、タンク内に漏斗状
仕切り板を設けているだけであるので、部品点数
が少なく、構造が簡単であり、この種のドレント
ラツプをコンパクトに構成することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかるガス分析計におけるドレ
ントラツプの実施の態様を例示し、第１図は縦断
面図、第２図は第１図中の−線断面図であ
る。 １……タンク、２……ドレン落下口、３……漏
斗状仕切り板、４……ドレン分離空間、５……ド
レン収納空間、７……サンプルガスの流入口、９
……サンプルガスの流出口、１０……スローリー
ク用キヤピラリー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドレン落下口を有する漏斗状仕切り板を、その
   広口側が上方に、前記ドレン落下口が下方にそれ
   ぞれ位置するようにしてタンク内に設け、このタ
   ンクの内部空間を上下に区画し、上部を小容積の
   ドレン分離空間に、下部を大容積のドレン収納空
   間に形成すると共に、前記ドレン分離空間には、
   前記広口側に臨むようにしてサンプルガスの流入
   口と流出口とを設けると共に、前記流入口をタン
   クの内周壁に沿うようにして開口させ、さらに、
   前記ドレン収納空間には、スローリーク用キヤピ
   ラリーを連通接続したことを特徴とするガス分析
   計におけるドレントラツプ。