JPH0318227Y2

JPH0318227Y2 -

Info

Publication number: JPH0318227Y2
Application number: JP1669386U
Authority: JP
Priority date: 1986-02-06
Filing date: 1986-02-06
Publication date: 1991-04-17
Also published as: JPS62128896U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、例えばアルミ箔や肉薄メタルなどに
各種の模様、文字、補強リブ等を浮き上げて装飾
効果、表示効果、補強効果を与えるために用いら
れるもので、詳しくはワーク通過用間隙を隔てて
相対する一対のロールを備え、そのうち一方のロ
ールを駆動回転自在に構成してあるロール式エン
ボス装置に関する。

（従来の技術）従来から知られているこの種のエンボス装置に
は、ワークに浮き上げるべき型の種類に対応して
次のような二通りの型式のものに大別することが
できる。その１つは、一対のロールをギヤーを介
して連動連結させて等速駆動させる型式のもの、
他の１つはメツシユ状の模様、縦柄、梨子地など
のエンボス処理に適用されているように、一方の
ロールを駆動回転させ、他方のロールを縦動回転
させる型式のものである。

（考案が解決しようとする問題点）然し、前者の等速駆動型式のものでは、一対の
ロールの径を同一にして、同径同一歯数のギヤ対
で連動させるとか、一対のロール径の比を１対整
数倍にして、その逆数関係の径及び歯数のギヤ対
で連動させるといつた具合に、両ロールの周速を
一定にするための精巧な設計ならびに製作を要す
る。そして、周速を一定にできたとしても、一対
のロールの間隙を通過するワークの肉厚変化やロ
ール外周面の経時的な摩耗等に伴う実質径の変動
等に起因して、周速差が発生し、所期通りのエン
ボス処理ができなかつたり、連動ギヤの咬合不良
を招くなどの欠点がある。また、後者の従動型式
のものは、上記等速駆動型式のものが有する欠点
がない反面、従動ロール側にスリツプ現象を発生
し易くて皺が入るなど、不良品を多く出しやす
い。特に高速になればなる程、スリツプの発生率
が高いため、一般に低速処理が行われるが、この
場合は、生産能率が非常に悪くなる難点がある。

（問題点を解決するための手段）本考案はかかる実情に鑑み、前者の駆動型式に
属するもので、高速にても所期通りのエンボス処
理が可能であり、しかも皺入りなど不良品の発生
を極力、回避できるロール式エンボス装置を提供
する点に目的を有する。

この目的を達成するために本考案に係るロール
式エンボス装置は、冒頭詳記のものにおいて、前
記一対のロールを差動装置を介して連動連結した
構成に特徴を有するものである。

（作用）上記の如き特徴構成を有する本考案に係るロー
ル式エンボス装置による時は、ワークを一対のロ
ール間隙に通過移動させて所期のエンボス処理を
行う際にワークの肉厚変化、両ロールの周速変化
等によつて回転負荷が作用したとき、前記差動装
置が働いて、つまり差動作用により両ロールが駆
動入力系に対してフリーの状態となり、両ロール
の周速が一定に自動保持されるに至るのである。

（実施例）以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図及び第２図において、１はエンボスロー
ルと呼ばれる上ロールであり、２はペーパーロー
ルと呼ばれる下ロールであつて、これら上下のロ
ール１，２はワークＡ通過用間隙を隔てて互いに
軸心平行姿勢でかつ相対回転可能に軸架されてい
る。３は一方のロール１の回転軸１Ａが連動連結
された差動装置の一例である遊星歯車装置であ
り、これは第３図に明示の如く、入力軸３Ａに固
着の太陽歯車３Ｂと、これと同軸の内歯歯車３Ｃ
と、これら両歯車３Ｂ，３Ｃに咬合された複数個
（１個でもよい。）の遊星歯車３Ｄとによつて構成
されるもので、前記入力軸３Ａに前記ロール１の
回転軸１Ａをカツプリング７を介して連動連結
し、かつ前記内歯歯車３Ｃの外周に形成したギヤ
歯４と、前記他方のロール２の回転軸２Ａに固着
した歯車５とに亙つてタイミングベルト６を掛設
し、これら一対のロール１，２を互いに連動させ
ている。図中８はテンシヨンプーリーである。

なお、差動装置３としては、上例の遊星歯車装
置に限定されるものではく、また両ロール１，２
の連動機構としては、タイミングベルトによる連
動に限らず何であつても良い。

（考案の効果）以上詳述したことからも明らかなように本考案
による時は、 (1) 一対のロール１，２をともに駆動回転させる
ことにより、一方のロール１又は２のスリツプ
現象に起因する皺入りがなく、不良品の発生率
を著しく低減できる。

(2) しかも、スリツプの心配がないため、高速回
転による能率良いエンボス処理が可能である。

(3) 一対のロール１，２の回転に周速差が発生す
るような種々の要因があつた場合でも、差動装
置の働きで、両ロール１，２の周速を自動的に
一定に保持できるから、ロール径などを自由任
意に設定できるといつた設計、製作上の利点を
有しながら、所期のエンボス処理を長年月に亙
つて確実、安定的に行い得るに至つたのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図、第２図
は同側面図、第３図は要部の拡大一部切欠き斜視
図である。１，２……ロール、３……差動装置。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】ワーク通過用間隙を隔てて相対する一対のロ
ール１，２を備えて、そのうち一方のロール１
又は２を駆動回転自在に構成してあるロール式
エンボス装置であつて、前記一対のロール１，
２を差動装置３を介して連動連結してあること
を特徴とするロール式エンボス装置。前記差動装置３が遊星歯車装置である実用新
案登録請求の範囲第項に記載のロール式エン
ボス装置。