JPH0317552Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主として商店街のアーケード上に設
置する電線分岐端子箱、詳しくは鳥、蛇等の小動
物の侵入を防止した電線分岐端子箱に関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

商店街のアーケード上の分岐配線は、保安上の
理由から第１図に示すような天部１１を閉塞し、
下部を開口１２したハウジング１３内に分岐端子
盤１４を設け、前記開口１２から電線を引き入れ
引き出して分岐端子盤１４に接続して分岐配線を
している。

ところが、この電線分岐端子箱は雀などの巣づ
くりの格好の場所となり、これを狙つて蛇が入り
短絡事故が発生する。また、蛇が入らない場合で
も巣づくりの材料に金属線等の電気導体が持ち込
まれると、これもまた短絡事故に繋り、更には火
災になることも十分考えられる。

このようなことから、巣づくりのシーズンには
毎年作業者を出して巣を取り除くようにしている
が、これは全く無駄な労力であり危険な作業でも
ある。

〔考案の目的〕

本考案は、以上の点に鑑み、鳥、蛇等の小動物
の侵入を防止した電線分岐端子箱を提供すること
を目的とする。

〔目的を達成するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案にあつては、
前述の従来の電線分岐端子箱において、その下部
開口を、電線外径と同一か僅かに小さい内径の電
線挿通孔がせん設され、該挿通孔から外縁に亘つ
て切込みを入れたゴム、プラスチツクシートで閉
塞いで、そのゴム、プラスチツクシートを二層構
造とし、かつ、前記切込みが上層と下層で位置を
ずらせて切込まれ、該切込みの間の二層の界面を
引き剥してなる構成としたのである。

上記二層構造のゴム、プラスチツクシートの接
着界面は、弱接着とするとよい。

〔作用〕

この様に構成される電線分岐端子箱は、シート
によつて下部開口が閉塞されており、鳥、蛇等の
小動物の侵入が防止される。このとき、シートが
２重で、そのシートの挿通孔に通じる両切込みが
ずれているため、小動物によつてその両切込みが
開かれる恐れは少なく、侵入が確実に防止され
る。

〔実施例〕

第１図及び第２図に示すように、天部１１を閉
塞し下部を開口１２したハウジング１３内に分岐
端子盤１４を設け、該分岐端子盤１４の幹線側端
子１５に幹線のＲ，Ｓ，Ｔ各相とＮ中性線を接続
し、分岐側端子１６には分岐線ａが接続されてハ
ウジング１３の開口１２から引出される。

前記開口１２は、同図に示すように小動物侵入
防止板１７が嵌着されて閉塞されている。この防
止板１７は、2.5mm厚の難燃性塩化ビニルシート
を２枚重ねしたものであり、電線Ｒ，Ｓ，Ｔ，
Ｎ，ａ外径と同一か僅かに小さい内径の挿通孔１
８がホールソーなどにより適宜位置にせん設さ
れ、この孔１８から外縁に亘つてカツターにより
切込み１９，１９′が形成されている。この切込
み９，１９′はずらしてある。シート１７，１７
の重ね合わせ界面は公知の方法で弱接着してあ
る。

上記防止板１７は、切込み１９，１９′から各
電線を孔１８に挿通してハウジング１３に嵌着す
る。

この様に、防止板１７によりハウジング１３の
下部開口１２を閉塞すれば、端子箱内への鳥、蛇
等の小動物の侵入が確実に防止される。また、電
線の本数、サイズにも自由に対応できる。

また、切込み１９，１９の形成部が合わせに成
つているため、両切込み１９，１９′がともに開
くことがなく、この切込み１９，１９′から、小
動物が容易に侵入しない。

なお、実施例における２枚の塩化ビニルシート
による防止板１７は、所定の厚さの塩化ビニルシ
ートを二枚重ねて150〜180℃の温度で50〜100
Kg／cm²の圧力でプレスすることにより弱接着の接
着界面を有する二層構造の塩化ビニルシートを得
ることができる。

また、その材料がクロロプレンゴム等である場
合は未架硫の所定の厚さのシートの表面にタルク
を均等に塗布して重ね合せ公知の手法でプレス架
硫すると適当な弱接着界面の二重構造のシートを
得ることができる。

また、他の手段としては、未架硫ゴムシートを
重ね合せるときにタルクを塗布した綿布を介在さ
せることにより弱接着界面を有する二層構造のシ
ートを得ることができる。

さらに、万一侵入した小動物が感電して電線絶
縁が燃焼したり、端子箱内にある可焼物が燃えて
電線に延焼した場合、延焼が拡大しないようにす
るために小動物侵入防止板１７を耐火性にする希
望があるが、このような希望に対しては防止板１
７の表面に石綿発泡体に耐火クロスおよび熱線を
反射する金属箔をラミネートしたものを貼り合わ
せると十分な耐火特性を得ることができる。

〔効果〕

以上の説明から明らかな通り本考案によれば、
既設、新設を問わず電線分岐端子箱の下部開口を
極めて簡単に且つ、りん機応変に閉塞することが
でき、とくに、その閉塞用シートを二重とし、そ
の両シートの電線挿通孔への切込みをずらせたの
で、雀、、蛇等の小動物の侵入を確実に阻止する
ことによつて短絡、火災事故を防止し、併せて巣
の除去作業を省略できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の小動物侵入防止電
線分岐端子箱の内部説明用切断正面図、第２図は
本考案で使用するハウジング下部開口を閉塞する
ゴム、プラスチツクシート（小動物侵入防止板）
の平面図、第３図は同実施例の要部断面図であ
る。 １１……天部、１２……開口、１３……ハウジ
ング、１４……分岐端子盤、１７……ゴム、プラ
スチツクシート（小動物侵入防止板）、１８……
電線挿通孔、１９，１９′……切込み。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 天部を閉塞し下部を開口したハウジングの内
   部に分岐端子盤を設け、このハウジングの下部
   開口から電線を引き入れ引き出して分岐端子盤
   に接続して成る電線分岐端子箱において、前記
   下部開口を、電線外径と同一か僅かに小さい内
   径の電線挿通孔がせん設され、該挿通孔から外
   縁に亘つて切込みを入れたゴム、プラスチツク
   シートで閉塞して、そのゴム、プラスチツクシ
   ートを二層構造とし、かつ前記切込みが上層と
   下層で位置をずらせて切込まれ、該切込みの間
   の二層の界面を引き剥がしてなることを特徴と
   する小動物侵入防止電線分岐端子箱。 (2) 実用新案登録請求の範囲第(1)項において、二
   層構造のゴム、プラスチツクシートの接着界面
   の接着力が弱接着になつていることを特徴とす
   る小動物侵入防止電線分岐端子箱。