JPH0315456Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は例えば飲料液或いは薬液等を充填した
瓶等を一定本数整列収容させるための紙箱に関す
る。

「従来の技術」 従来、複数の仕切壁を箱体内部に張架し、これ
ら仕切壁間に形成される仕切空間に瓶を格納する
ことにより、各瓶の自由移動を規制して箱体内に
一定本数を整列収容させる手段があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 従来の仕切壁は瓶の一部に当接させることによ
りその目的が達成し得るため、その仕切壁は箱体
内部中間域だけを仕切る大きさに形成されている
が、中間部が上下部に比べて凹んでいる瓶等を収
容したときには、瓶の下部が相互に接触して破損
することがあつた。そこで前記仕切壁を箱体の底
部まで延設させることにより上記の不都合を解消
できるが、この種の紙箱にあつては何れも折畳み
状態から一動作で簡単に組立て状態に変形させる
構造となつており、その場合仕切壁の下縁と底蓋
が相互に干渉し、仕切壁の起立動作並びに底蓋の
張設動作が阻害される問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに本考案は、横一列に連設する左側板、背
面板、右側板、正面板で箱体の外側を形成し、一
方を背面板に他方を正面板に連設する一対の副及
び主底蓋で箱体の下面開口を閉鎖すると共に、背
面板に連設する上蓋で箱体の上面開口を閉封し、
また正面板に連設する仕切板に複数の仕切壁を起
伏自在に形成し、各仕切壁で箱体内に複数の仕切
空間を形成する構造において、前記仕切壁の下縁
揺動支点側から斜め上方に延設する折目を介し折
畳み自在な折込部を形成し、箱体の組立て並びに
折畳み時には前記折込部を折曲げ仕切壁を先細り
形状にして起伏させる一方、仕切空間内に収容物
を格納時には折込部を起立させて仕切壁下縁を箱
体の底部まで延設させるように構成したものであ
る。

「作用」 而して本考案によれば、仕切壁の下縁高さを折
込部により適宜変更させることが可能となり、組
立て並びに折畳み時の仕切壁の起伏動作と副及び
主底蓋の張設及び折畳み動作を相互に阻害するこ
となく、仕切壁の下縁を箱体底部まで延設し得、
瓶底部の相互接触を防止してこれら瓶の破損を阻
止し得るようにしたものである。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は紙箱用台紙の展開図であり、背面板
１の左右側縁に折目Ａ，Ｂを介し左右側板２，３
を連設すると共に、その右側板３の右側縁に折目
Ｃを介し正面板４を連設する。前記背面板１の上
縁に折目Ｄを介し上蓋５を、また下縁に折目Ｅを
介し幅狭な副底蓋６を連設する。前記左右側板２
３の上縁に折目Ｆ，Ｇを介し上フラツプ７，８
を、また下縁に折目Ｈ，Ｊを介し下フラツプ９，
１０を連設する。さらに、前記上蓋５の上縁に折
目Ｋを介し差込片１１を連設すると共に、前記下
フラツプ９，１０の右斜縁に折目Ｌ，Ｍを介しの
り代片１２，１３を連設する。一方、前記正面板
４の下縁に折目Ｎを介し幅狭な主底蓋１４を、ま
た右側縁に折目Ｐを介しのり代片１５を連設し、
且つ上縁に折目Ｑを介し仕切板１６を連設する。

第６図にも示す如く、前記仕切板１６には、そ
の上縁に等間隔に設ける４個のＶ形切込みＲ…頂
点から前記折目Ｑ近傍までに設ける４本の折目Ｓ
…と、左側３個の切込みＲ…より左側に若干隙間
を設けて仕切板１６上縁から適宜折曲させ右側３
本の折目Ｓ…下縁まで延設する３本の切目Ｔと
で、４枚の起立可能な仕切壁１７…を形成すると
共に、各折目Ｓ…上部とこの左側で並設される各
切込みＴ…上部との間に各仕切壁１７…の固定片
１８…を、また各折目Ｓ…中部とこの右側で並設
される各切込みＴ…中部との間に前記各仕切壁１
７…の係止片１９…を夫々形成している。なお左
側端の仕切壁１７には折目Ｕを介し係止片１９を
形成する。さらに前記各切込みＲ…の右側斜縁中
間から前記各固定片１８の下端折曲部に折目Ｖを
介し、各仕切壁１７の上部に傾斜状に折畳み可能
な折込部２０…を形成している。なお前記仕切壁
１７…を形成した以外の右側縁部並びに下側縁部
のＬ形スペースは仕切板１６の接合部２１であ
る。

上記した台紙を各折目に沿つて折曲げると共
に、所定位置を接着固定させることにより、第２
図乃至第４図に示す如く、例えば飲料液或いは薬
液等を充填した瓶２２を整列収容させる５個の仕
切空間２３…を有する箱体２４が形成できるもの
である。

先ず、第１図の展開状態から仕切板１６を折目
Ｑを介し正面板４上面に折畳み、接合部２１及び
各固定片１８…を正面板４に接着固定させる。

次に、主底蓋１４を折目Ｎを介し仕切板１６上
面に折畳むと共に、各折目Ｓ…及び折目Ｕを介し
各係止片１９…並びに各折目Ｖ…を介し折込部２
０…を各仕切壁１７…上面に折返し、また下フラ
ツプ１０及びのり代片１３を折目Ｊを介し右側板
３上面に折畳むと共に、そののり代片１３を折目
Ｍを介し下フラツプ１０上面に折返し、さらに副
底蓋６を折目Ｅを介し背面板１上面に折畳んだ
後、重合する正面板４・仕切板１６・主底蓋１４
を一体的に折目Ｃを介し前記右側板３及び背面板
１上面に折畳み、前記各係止片１９…を背面板１
に、またのり代片１３を主底蓋１４に夫々接着固
定させる。

この後、下フラツプ９及びのり代片１２を折目
Ｈを介し左側板２上面に折畳むと共に、そののり
代片１２を折目Ｌを介し下フラツプ９上面に折返
した状態で、左側板２を折目Ａを介し背面板１及
びのり代片１５上面に折畳み、前記のり代片１２
を副底蓋６に、またのり代片１５を左側板２に
夫々接着固定させる。

これまでの折畳み及び接着作業により、横一列
に連設した左側板２・背面板１・右側板３・正面
板４が無端状に連結されると共に、同一面上の背
面板１及び右側板３とこれに対向して重合する同
一面上の左側板２及び正面板４との間に、一対の
主及び副底蓋１４，６及び一対の下フラツプ９，
１０・のり代片１２，１３並びに仕切板１６が格
納され、この折畳み状態で運搬・保管を行う。

そして使用時には、上記の折畳み状態のものを
左右側縁から内方に押圧することにより、左右側
板２，３が対向状に起立すると共に、背面板１と
正面板４が対向状に離反して箱体２４の外側壁が
形成され、また第４図に示す如く、左側板２の起
立動作に伴い同一面上に引出される下フラツプ９
及びのり代片１２により、副底蓋６を箱体２４底
面に引出し張設されると共に、右側板３の起立動
作に伴い同一面上に引出される下フラツプ１０及
びのり代片１２により、主底板１４を前記副底板
６上面で前記箱体２４底面に引出張設され、さら
に第２図及び第３図並びに第５図示す如く、背面
板１と正面板４の離反動作に伴い各仕切壁１７…
が起立することにより、箱体２４内部を５つに分
割して５個の仕切空間２３…が形成され、箱体２
４の組立てが完了する。

ところで、前記各仕切壁１７…各折目Ｓ…を中
心に主底蓋１４の基端側から揺動先端側へ起立す
るため、例えば組立て前の折畳み時に前記各仕切
壁１７…上面に各折目Ｖ…を介し各折込部２０…
を折返していない場合には、各仕切壁１７…先端
側の移動量に対し主底蓋１４の移動量不足により
各仕切壁１７…の下縁が主底蓋１４に干渉し、各
仕切壁１７…は上部より下部が遅れるねじれ状態
で起立され、各係止片１９…が背面板１から剥離
することがある。しかし本考案による各折込部２
０…により、予め折畳み時に各仕切壁１７…下部
を先細り形状にできるため、組立て時に主底蓋１
４に干渉することなく各仕切壁１７…を上下同時
に起立させることができ、各係止片１９…が背面
板１から剥離して仕切空間２３…が形成されない
等の不都合を解消できる。さらには各仕切壁１７
…と主底蓋１４の間に各折込部２０…を折畳むこ
とにより、組立て時にこれら各折込部２０…の復
元力で主底蓋１４を押圧することにより、主及び
副底蓋１４，６の張設動作を助長することができ
る一方、組立て状態から折畳み状態へ戻すときに
は、前記主底蓋１４の折畳み動作でもつて各折込
部２０…を各折目Ｖ…を介し折返しながらこの動
作と同時に各仕切壁１７…が折畳まれることによ
り、前記各仕切壁１７の下縁先端側と主底蓋１４
が干渉してこれらが相互に折畳動作を阻害するの
を解消できる。

而して上記したように組立てられた箱体２４の
各仕切空間２３…に夫々瓶２２…を格納した後、
上フラツプ７，８を折目Ｆ，Ｇを介し内方に折曲
げると共に、折目Ｄを介し各仕切空間２３…上面
に折曲げる上蓋５を差込片１１を介し正面板４内
側に挿入係止させ、５本の瓶２２…の一括包装作
業を完了するものである。

組立て状態時の前記各折込部２０…は、第２図
及び第６図に示す如く、起立状態の各仕切壁１７
と同一面上まで完全に復元せず、各仕切空間２３
…内に突出しているが、瓶２２…の格納時に前記
各折込部２０…が上方から押圧させて各折目Ｖ…
を介し各仕切壁１７…と同一平面上に簡単に復元
するため、各折込部２０…で瓶２２…の格納作業
を阻害することがない。しかも各折込部２０…に
より箱体２４の底部まで各仕切壁２０…下縁が延
設されるため、各仕切空間２３…を隣接の仕切空
間２３…と略完全に遮断させ、特に瓶２２…の底
部が隣接の瓶２２…と接触して破損する等の不都
合を阻止できる。

「考案の効果」 以上実施例からも明らかなように本考案は、横
一列に連設する左側板２、背面板１、右側板３、
正面板４で箱体２４の外側を形成し、一方を背面
板１に他方を正面板４に連設する一対の副及び主
底蓋６，１４で箱体２４の下面開口を閉鎖すると
共に、背面板１に連設する上蓋５で箱体２４の上
面開口を閉封し、また正面板４に連設する仕切板
１６に複数の仕切壁１７…を起伏自在に形成し、
各仕切壁１７…で箱体２４内に複数の仕切空間２
３…を形成する構造において、前記仕切壁１７の
下縁揺動支点側から斜め上方に延設する折目Ｖを
介し折畳み自在な折込部２０を形成し、箱体２４
の組立て並びに折畳み時には前記折込部２０を折
曲げ仕切壁１７を先細り形状にして起伏させる一
方、仕切空間２３内に瓶等の収容物２２を格納時
には折込部２０を起立させて仕切壁１７下縁を箱
体２４の底部まで延設させるように構成したもの
で、仕切壁１７の下縁高さを折込部２０により適
宜変更させることが可能となり、組立て並びに折
畳み時の仕切壁１７の起伏動作と副及び主底蓋
６，１４の張設及び折畳み動作を相互に阻害する
ことなく、仕切壁１７の下縁を箱体２４底部まで
延設でき、収容物２２底部の相互接触を防止して
これら収容物２２の破損を阻止できる顕著な効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す紙箱用台紙の
展開図、第２図は組立て状態の全体平面図、第３
図は同断面正面図、第４図は同底面図、第５図は
同断面左側面図、第６図は仕切板の説明図であ
る。 １……背面板、２……左側板、３……右側板、
４……正面板、５……上蓋、６……副底蓋、１４
……主底蓋、１６……仕切板、１７……仕切壁、
２０……折込部、２３……仕切空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横一列に連設する左側板２、背面板１、右側板
   ３、正面板４で箱体２４の外側を形成し、一方を
   背面板１に他方を正面板４に連設する一対の副及
   び主底蓋６，１４で箱体２４の下面開口を閉鎖す
   ると共に、背面板１に連設する上蓋５で箱体２４
   の上面開口を閉封し、また正面板４に連設する仕
   切板１６に複数の仕切壁１７…を起伏自在に形成
   し、各仕切壁１７…で箱体２４内に複数の仕切空
   間２３…を形成する構造において、前記仕切壁１
   ７の下縁揺動支点側から斜め上方に延設する折目
   Ｖを介し折畳み自在な折込部２０を形成し、箱体
   ２４の組立て並びに折畳み時には前記折込部２０
   を折曲げ仕切壁１７を先細り形状にして起伏させ
   る一方、仕切空間２３内に収容物を格納時には折
   込部２０を起立させて仕切壁１７下縁を箱体２４
   の底部まで延設させるように構成したことを特徴
   とする紙箱。