JPH0313215B2 - - Google Patents

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JPH0313215B2
JPH0313215B2 JP18628882A JP18628882A JPH0313215B2 JP H0313215 B2 JPH0313215 B2 JP H0313215B2 JP 18628882 A JP18628882 A JP 18628882A JP 18628882 A JP18628882 A JP 18628882A JP H0313215 B2 JPH0313215 B2 JP H0313215B2
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JP
Japan
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reaction
raw material
dialkylaminoalkylamine
general formula
water
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JP18628882A
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JPS5976044A (ja
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Muneharu Makita
Keizo Matsumoto
Hisanari Mita
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Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Arakawa Chemical Industries Ltd filed Critical Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority to JP18628882A priority Critical patent/JPS5976044A/ja
Publication of JPS5976044A publication Critical patent/JPS5976044A/ja
Publication of JPH0313215B2 publication Critical patent/JPH0313215B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はN−置換アクリルアミド類の製造法、
詳しくは少量の原料ジアルキルアミノアルキルア
ミンを有効に利用して、効率よく、所望のN−置
換アクリルアミド類を高収率、高純度で容易に分
離収得する改良された方法に関する。
従来よりN−置換アクリルアミド類は、そのま
までまたは中和塩乃至第4級アンモニウム塩とし
た後、単独重合または他のビニルモノマーと共重
合させて、凝集剤、導電性処理剤、製紙用薬剤等
の各種用途に好適なカチオン重合体を収得できる
原料モノマーとしてよく知られている。斯かるN
−置換アクリルアミド類の製造法も種々研究開発
されている。例えば該方法としては、メタクリル
酸とジアルキルアミノアルキルアミンとを等モル
比が1対1の縮合物である中間体化合物(ミカエ
ル付加物)となし、ついでこれを加熱転位させ目
的物を得る方法(米国特許3652671号明細書)並
びにアクリル酸もしくはメタクリル酸(以下これ
らを「(メタ)アクリル酸」と表記する)または
これらのアルキルエステルとジアルキルアミノア
ルキルアミンとを1モル対2以上モルの比率でア
ミド化反応を行ない、これらのモル比が1対2の
縮合物である中間体化合物をなし、ついでこれを
加熱分解させ目的物を得る方法(特開昭50−
111016号公報)が知られている。
しかしながら米国特許第3652671号明細書に記
載の方法はメタクリルアミドの製造にしか応用で
きず、アクリルアミド誘導体即ちN−(ジアルキ
ルアミノアルキル)アクリルアミドの製造におい
ては操作中に重合反応や副反応が起り、極めて収
率が低くかつ低純度のものしか得られないという
欠点を有する。また特開昭50−111016号公報に記
載の方法は、中間体化合物であるβ−アミノプロ
ピオンアミドを最大限確実に生成させるためには
(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリル酸
エステルに対しジアルキルアミノアルキルアミン
を少なくとも2倍モル使用することが不可欠であ
るが、この多量に用いられるジアルキルアミノア
ルキルアミンは、蒸留操作等による分離回収が困
難であるか又は回収後の再使用が困難である欠点
を有している。即ち上記方法において(メタ)ア
クリル酸を一方の原料とする場合、上記ジアルキ
ルアミノアルキルアミンは、該酸とのアミド化反
応により副生する水(生成水)と共沸して系外に
排出(消費)され、目的とする中間体化合物を高
収率で得るためには上記のように多量の使用を必
須とする反面該共沸混合物は蒸留操作では各成分
に分離できず、分離回収再使用のためには改めて
上記混合物に強アルカリ性物質を添加し強制分離
を行なわねばならない。はた(メタ)アクリル酸
のエステルを用いる場合、上記ジアルキルアミノ
アルキルアミンは、水と共沸して消費されること
はなく、中間体化合物を引き続き加熱分解反応後
に、目的物と容易に分離できるが、この分離回収
されたアミンは多量の副生物を含み、同一反応に
再使用しても目的物を収率よく高純度で収得でき
ない。
本発明者らは上記従来法に比し、より容易に目
的とするN−置換アクリルアミド類を高収率且つ
高純度で収得でき、しかも原料ジアルキルアミノ
アルキルアミンを容易に回収再使用べきる新しい
工業的実施に適した方法を確立することを目的と
して鋭意研究を重ねてきた。その結果前記特開昭
50−111016号公報に記載の中間体化合物の合成反
応系内に、特定の分離剤を存在させて、(メタ)
アクリル酸とジアルキルアミノアルキルアミンと
を反応させる時には、未反応の上記アミンと生成
水との共沸系がこわれ、該生成水は分離剤と共に
選択的に系外に排出でき、原料ジアルキルアミノ
アルキルアミンが非常に効率良く反応に利用でき
ることを見い出した。しかも上記分離剤を存在さ
せた系でのアミド化反応によれば原料ジアルキル
アミノアルキルアミンを、従来理論量とされてき
た(メタ)アクリル酸に対して2倍モルをはるか
に下回る例えば1.5倍モル程度用いる場合にも、
中間体化合物が容易に高収率で収得でき、これは
引き続く加熱分解反応によつて目的とするN−置
換アクリルアミド類に変換されること、即ち従来
全く知られていない新しい中間体化合物を経由し
て、より容易に且つ高純度、高収率で目的物が収
得できることを見い出した。本発明はかかる新し
い知見に基づいて完成されたものである。
即ち本発明はアクリル酸もしくはメタクリル酸
と一般式 〔式中R1およびR2はそれぞれメチル基またはエ
チル基を示し、nは2または3を示す。〕 で表わされるジアルキルアミノアルキルアミンと
から一般式 〔式中R1、R2およびnは上記と同じ。R3は水素
原子またはメチル基を示す。〕 で表わされるN−置換アクリルアミド類を製造す
るに当り、原料アクリル酸もしくはメタクリル酸
に対して1.5〜1.8倍モル量の上記原料ジアルキル
アミノアルキルアミンを使用し且つ之等原料化合
物の反応系内に分離剤を存在させて原料ジアルキ
ルアミノアルキルアミンと生成水との共沸を抑制
すると共に該生成水を選択的に上記分離剤と共沸
させて系外に排出しつつアミド化反応を行ない、
一般式 〔式中R1、R2、R3およびnは上記に同じ。〕 で表わされる中間体アミドを得、次いでこれを加
熱分解反応させることを特徴とする、上記N−置
換アクリルアミド類の製造法に係る。
本発明方法によれば、上記の通り特定の分離剤
をアミド化反応系内に存在させ且つ上記一般式
〔3〕で表わされる特定の中間体化合物を経由す
ることに基づいて、少量の原料ジアルキルアミノ
アルキルアミンを非常に有効に利用して、目的物
の生産効率及び分離効率を顕著に向上できる。原
料アミンの使用量(仕込み量)を低減できること
は、それ自体該原料の節減、目的物コストの低下
を計り得ると共に、未反応原料の混入による粗製
品の純度低下を回避できるものであり、該粗製品
の精製操作をもより容易ならしめるものである。
従つて本発明方法は、工業的実施に非常に適した
ものである。
本発明方法において原料として用いられる(メ
タ)アクリル酸及びジアルキルアミノアルキルア
ミンは、両者のアミド化反応により水を副生する
ものから選択され、また該ジアルキルアミノアル
キルアミンは、上記生成水と共沸混合物を形成す
るものから選択される。該ジアルキルアミノアル
キルアミンとしては、上記一般式〔1〕で表わさ
れるもの、具体的にはジメチルアミノエチルアミ
ン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチルアミ
ノプロピルアミン等を単独で又は2種以上混合し
て使用できる。かかる原料アミンは、これを本発
明方法に従い分離剤の存在下に(メタ)アクリル
酸とアミド化反応させる際、反応系外への留出が
ほとんどなく、所望のアミド化反応に有効に利用
され、上記一般式〔3〕で表わされる中間体アミ
ドを収率よく生成し得る。しかるに上記一般式
〔1〕で表わされる以外の水と共沸混合物を形成
しないジアミン類等を用いた場合、本発明による
分離剤使用による所期の効果は発揮されない。
本発明においては、上記一般式〔1〕で表わさ
れるジアルキルアミノアルキルアミンを、(メタ)
アクリル酸に対して1.5〜1.8倍モル、好ましくは
1.6〜1.7倍モル用いることを必須とし、この原料
使用割合と、分離剤の使用により、上記一般式
〔8〕で表わされる中間体化合物を容易に収率よ
く収得できる。上記ジアルキルアミノアルキルア
ミンの使用量が1.5倍モルを下回る場合は、中間
体化合物の生成の際、ビニル基の重合による副反
応物が生じ、目的とするN−置換アクリルアミド
類の収率が低下する。また1.8倍モルを上回る場
合、所望のアミド化反応自体には悪影響はない
が、原料の浪費及びこれによる生産効率の低下や
目的物の分離効率の低下があり、本発明所期の目
的が達成困難となる。
また本発明は上記アミド化反応系内に分離剤を
添加存在させることを必須とする。該分離剤は原
料ジアルキルアミノアルキルアミンと生成水との
共沸を抑制し、該生成水とのみ共沸するもの、即
ちこれと水との共沸温度が原料ジアルキルアミノ
アルキルアミンの沸点より低いものから選択され
る。より好ましい分離剤は、上記特性に加え水に
ほとんど溶解せず、水との共沸後容易に水と分離
され反応系内に還流できる液体であり、その具体
例としては例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロルベンゼン、四塩化炭素等を挙げること
ができる。かかる化合物は従来種々の反応に溶媒
として使用され、また副生水と共沸混合物を形成
し、これを系外に除去して反応を促進する効果を
奏することも知られているが、本発明に係る如く
原料ジアルキルアミノアルキルアミンの系外への
留出を抑制し、副生水のみを選択的に系外に除去
する分離剤として用いられた例は皆無であり、勿
論かかる分離剤としての作用を奏する事実は本発
明者らが始めて見い出した新しい知見である。上
記分離剤は、通常原料化合物総重量100部に対し
て約0.5〜10重量部、好ましくは約1〜5重量部
の範囲で用いられ、これにより所期の効果を奏し
得る。
本発明のアミド化反応は、通常130〜250℃の温
度条件下に約8〜12時間を要して行なわれる。上
記アミド化反応の好ましい一実施態様によれば、
該反応は添付の第1図に示す如き反応装置を利用
して行なわれる。即ちまず撹拌装置2、滴下ロー
ト3、温度計4並びに第1冷却管5、分水管6及
び第2冷却管7から成る原料ジアルキルアミノア
ルキルアミンと水と分離剤との分離装置を備えた
反応容器(第1図では反応用コンベン1が示され
ている)に、原料ジアルキルアミノアルキルアミ
ンと分離剤との所定量を装入する。これを撹拌装
置2により撹拌しつつ、滴下ロート3より他方の
原料であるメタ(アクリル酸)の所定量を滴下混
合する。次いで混合物を上記温度、好ましくは約
180〜200℃の温度に加熱する。この加熱によれば
原料相互のアミド化反応による所望の中間体化合
物(一般式〔3〕で表わされる化合物)の生成と
共に水が副生し、この水は分離剤と共沸して第1
冷却管5及び分水管6を経て第2冷却管7(通常
約20℃の冷却水を通じて操作される)に至り、こ
こで冷却され分水管6の下方に凝縮する。その際
分離剤と水とは相溶しないため凝縮物は二層に分
離され、下層を形成する水は分水管6の下端より
逐次系外に除去され、上層を形成する分離剤は再
度第1冷却管5を経て反応系内に循環される。ま
た反応温度により留出される原料ジアルキルアミ
ノアルキルアミンは、第1冷却管5(通常これは
約80〜90℃の温水を通じて操作される)で冷却さ
れ、反応系内に還流される。かくして上記装置の
利用によれば原料及び分離剤の系外への流出損失
を実質的に伴うことなく、生成水のみを系外へ除
去して、容易に短時間で目的とする一般式〔3〕
で表わされる中間体化合物が効率よく製造され
る。上記一般式〔3〕で表わされる中間体化合物
の生成は、得られる反応液のN%の計算値及び
NMR、IR等の機器分析データーより確認され
る。
尚本発明の上記アミド化反応に際しては、特に
必要ではないが、(メタ)アクリル酸の重合のお
それを確実に回避するために、従来より通常用い
られている重合禁止剤例えばヒドロキノン、メチ
ルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテ
ル、ジ−tert−ブチルヒドロキノン等のヒドロキ
ノン類又はN,N′−ジフエニル−p−フエニレ
ンジアミン、フエノチアジン、4−アミノフエノ
ール等の芳香族アミン基を含有する化合物を反応
系内に流加存在させておくことも可能である。
本発明では次いで上記アミド化反応により得ら
れる一般式〔3〕で表わされる中間体化合物を加
熱分解反応させる。この反応は減圧下に行なわれ
ることが重要であり、加熱分解温度は通常150〜
300℃、好ましくは180〜250℃するのがよく、分
解生成物の留出時の減圧条件は通常150mmHg以
下、好ましくは5〜100mmHgとするのがよい。ま
たこの加熱分解反応は通常分留塔及び撹拌機を備
えた反応容器に、上記条件下で中間体化合物を滴
下することにより行なわれる。該反応に好適な装
置の一例は第2図に示す通りであり、該装置は、
撹拌装置9、滴下ロート10、温度計11及び特
定の分留機構を設けた反応容器8から成つてい
る。中間体化合物は滴下ロート10より反応容器
8内に滴下され、ここで撹拌下に加熱され、目的
とする一般式〔2〕で表わされるN−置換アクリ
ルアミド類と、一般式〔1〕で表わされるジアル
キルアミノアルキルアミンとに分解される。之等
は共蒸留物の型で留出し分留機構に導入される。
該分留機構は、例えばラツシリング等の充填剤1
4を充填し、リボンヒーター19を備えた分留管
13、第3冷却管12、温度計15及び第4冷却
管16から成り、共蒸留物は分留管13にて分離
され、目的物は、分留管中段部に連結された第3
冷却管を経て受器17に、またジアルキルアミノ
アルキルアミンは分留管頂部に連結された第4冷
却管16を経て受器18に回収される。上記目的
とするN−置換アクリルアミド類とジアルキルア
ミノアルキルアミンとの分留操作は適当な温度条
件、通常N−置換アクリルアミド類の種類や減圧
度により若干異なるが、約80〜150℃の範囲で行
なわれるのがよく、これにより上記目的物とジア
ルキルアミノアルキルアミンとの所謂マイケル反
応による再付加の生起を防止して効率よく目的物
を凝縮分離できる。勿論上記加熱分解反応系内
に、通常用いられる重合禁止剤例えばN,N′−
ジフエニル−p−フエニレンジアミン、フエノチ
アジン、4−アミノフエノール等を添加存在させ
ることもでき、これによれば上記重合反応をより
確実に防止できるため好ましい。元等重合禁止剤
の使用量は、反応液中に約10000ppm(重量)以下
となる濃度、通常好ましくは約1000〜5000ppmと
なる濃度範囲で添加共存させるのが望ましい。
かくして目的とするN−置換アクリルアミド類
を収得できる。これは必要に応じて常法に従い、
例えば減圧蒸留等により更に精製できる。
またこの減圧蒸留等の際高沸分が生じる場合、
これは前記加熱分解反応を繰り返すことにより生
成物の損失を最少限に留めることができる。また
前記アミド化反応において回収された留出物は何
ら分離操作を経ることなくそのまま原料ジアミン
として再使用することができる。
以上の如く、本発明によれば中間体化合物を製
造するに際し、少量の分離剤を使用し、特定比率
で原料化合物を反応させることにより、原料ジア
ルキルアミノアルキルアミンと生成水とを連続的
かつ強制的に分離し選択的に水のみを系外へ留去
すると共に原料アミンはほとんど損失することな
く所望の反応を効率良く容易に完結せしめ得る。
即ち本発明によれば、分離剤を併用しない従来法
と比較して原料アミンの仕込み量を減少して、そ
の損失や強アルカリ物質等を用いた分離回収工程
を行なうことなく、簡略化された生産工程で、目
的物を効率よく収得でき、その精製操作も亦簡略
化できるものである。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
実施例 1 第1図に示す2容の反応装置にジメチルアミ
ノプロピルアミン974.6g(9.5モル、アクリル酸に
対し1.64倍モル)及びトルエン28gを仕込み、撹
拌下に滴下ロートより濃度98%のアクリル酸
425.4g(5.8モル)を約10分を要して滴下した。滴
下後は発熱反応により内温は158℃まで上昇した。
第1冷却管に20℃の冷却水を通じた状態で2時間
加熱還流を行なつた。この間生成水の為に反応温
度は141℃まで低下した。その後、第1冷却管に
80〜90℃の温水を、第2冷却管に20℃の冷水を通
じながら、更に加熱還流を続けた。留出するトル
エンと水を分水管で分離し、トルエンは反応系内
へ戻し、水は系外へ除去しながらアミド化反応を
約3時間続け反応温度を180℃まで高めた。更に
180〜185℃で2時間保温し反応を完結させた。
この間の留出物の量は103.5gであり、このアミ
ン価を測定した結果ジアミン留出率は全仕込ジア
ミンに対して1.0%であることが認められた。ま
た反応容器残分として1321.6gの中間体混合物
(中間体化合物、未反応ジアミン、トルエンから
なる)を得た。
反応容器の還流器を蒸留装置と取り換え、液温
を130℃、減圧30mmHgにて分離剤及び少量の未反
応ジアミンを留去した。留出物の量は合計33.5g
で、これは次の反応に分離剤、一部原料アミンと
して問題なく使用できた。反応容器残分として
1288.1gの中間体を得た。この中間のアミン当量
を測定すると、1級アミン0.31×10-3、2級アミ
ン0.05×10-3及び3級アミン9.55×10-3であり、
このものは前記一般式〔3〕(計算値1級0、2
級0、及び3級9.65×10-3)であることが支持さ
れる。
尚上記アミン当量の測定は、「新実験化学講座
13巻有機構造(I)」P100(丸善株式会社日本化
学会編)に準して行なつた。即ち予め無水酢酸で
1級アミン、2級アミンをアセチル化し、ブロツ
クした試料(3級アミン)、サリチルアルデヒド
により1級アミンのみをブロツクした試料(2級
及び3級アミン)及び上記中間体試料(1級、2
級及び3級アミン)を作成し、之等各試料につき
滴定を行ない、下記の計算値に従い、N%を求め
ることにより算出した。
N(%)=a・n・f×14.0/S×10-1 (式中、aは滴定液(HCl)の使用量、nは滴定
液(HCl)の規定度、fは滴定液(HCl)のフア
クター及びSは試料重量を夫々示す。) また上記中間体につき、NMR及びIR分析を行
なつた結果、該中間体は、一般式〔3〕で表わさ
れる化合物から実質的に成ることが確認された。
次いで上記アミド化反応により得られた反応容
器残分1321.6gにN,N′−ジフエニル−p−フエ
ニレンジアミン2.6g(中間体混合物に対して
2000ppm)を加え、均一に溶解せしめた溶液を滴
下ロートに入れ、第2図に示す温度計、ラツシリ
ングを充填した分留塔、及び撹拌機を備えた200
ml容のコルベンに、約9時間を要して滴下し分解
反応せしめた。尚この際、分留塔内温は150℃、
反応温度は250℃、減圧度は90mmHgとした。
分解生成分としては、分留塔塔頂部よりジメチ
ルアミノプロピルアミンが307.5g回収され、塔中
段部より粗製の3−アクリルアミドプロピルジメ
チルアミンが911.4g得られた。尚分解残渣は
67.7gであつた。
蒸留装置を備えた1容コルベンに上記の粗製
3−アクリルアミドプロピルジメチルアミン
911.4g及びN,N′−ジフエニル−p−フエニレン
ジアミン1.8g(粗製3−アクリルアミドプロピル
ジメチルアミンに対して2000ppm)を仕込み、
1.5mmHgの減圧下に蒸留を行ない沸点125.0〜
130.0の留分として精製3−アクリルアミドプロ
ピルジメチルアミン785.2(5.0モル)を得た。こ
のものの収率はアクリル酸から換算して86.7%で
あり、その工業収率は54.8%であつた。純度はガ
スクロマトグラフイーによる測定の結果98.4%で
あつた。尚コルベンに120.5gの残渣が生じたが、
これは前記分解、蒸留操作を繰り返すことにより
目的物に変換され、最終収率は92.8%となつた。
又、回収ジアミンはそのまま再使用することがで
きた。
実施例 2 分離剤としてトルエンをベンゼンに代えて使用
したほかは、実施例1と同様にして反応を行なつ
た。以下に結果を示す。
留出物
104.8g(全仕込ジアミンに対するジアミン留出率
1.5%) 中間体混合物 1320.2g 中間体(分離剤及び未反応原料を除く、一般式
〔3〕の化合物) 1288.0g 粗製3−アクリルアミドプロピルジメチルアミン
910.4g 精製3−アクリルアミドプロピルジメチルアミン
776.3g(収率85.7%) 工業収率 54.2% 分解残渣 66.9g 回収ジアミン 307.0g 蒸留残渣 128.2g 実施例 3 原料ジアミンとしてジメチルアミノプロピルア
ミンをジメチルアミノエチルアミン837.9g(9.5モ
ル、アクリル酸に対し1.64倍モル)に代えて使用
したほかは、実施例1と同様に反応を行なつた。
以下に結果を示す。
留出物 104.4g(ジアミン留出率1.8%) 中間体混合物 1185.1g 中間体(分離剤及び未反応原料を除く、一般式
〔3〕の化合物) 1153.1g 粗製3−アクリルアミドエチルジメチルアミン
840.0g 精製3−アクリルアミドエチルジメチルアミン
709.5g(収率86.2%) 工業収率 49.5% 分解残渣 69.8g 回収ジメチルアミノエチルアミン 238.8g 蒸留残渣 122.5g 実施例 4 98%アクリル酸を98%メタクリル酸509.5(5.8
モル)に代えて使用したほかは、実施例1と同様
にして反応を行なつた。以下に結果を示す。
留出物 103.0g(ジアミン留出率1.1%) 中間体混合物 1404.3g 中間体(分離剤及び未反応原料を除く、一般式
〔3〕の化合物) 1371.2g 粗製3−メタクリルアミドプロピルメチルアミン
980.1g 精製3−メタクリルアミドプロピルジメチルアミ
ン 880.2g(収率89.2%) 工業収率 58% 分解残渣 79.3g 回収ジメチルアミノプロピルアミン 305.9g 蒸留残渣 88.3g 比較例 1 温度計、滴下ロート、冷却管、蒸留装置及び撹
拌機を備えた第1図に示す2容コルベンにジメ
チルアミノプロピルアミン974.6g(9.5モル、アク
リル酸に対して1.64倍モル)を仕込み、撹拌下に
滴下ロートより濃度98%のアクリル酸425.4g(5.8
モル)を約10分を要して滴下した。滴下後は発熱
反応により内温は156℃まで上昇した。冷却管に
20℃の冷水を通じながら加熱撹拌し、2時間還流
状態を保つた。このとき生成水の為に反応温度は
141℃まで低下した。この後、コツクを切り換え、
冷却管を使用せず、ウイドマー分留器を備えた蒸
留装置を使用し、生成水を系外に留去しながら
徐々に加熱を行なつた。約2時間半を要して180
℃まで昇温し、更に180〜185℃で2時間保温して
反応を完結した。得られた結果は次の通りであ
る。
留出物 174.0g(ジアミン留出率8.3%) 中間体混合物 1218.0g 中間体(未反応原料を除く) 1209.9g 次いで中間体混合物は実施例1と同様の方法で
分解反応させて以下の結果を得た。
粗製3−アクリルアミドプロピルジメチルアミ
ン 780.1g 精製3−アクリルアミドプロピルジメチルアミン
558.2g(61.6%) 工業収率 39.7% 分解残渣 155.2g 回収ジメチルアミノプロピルアミン 270.4g 蒸留残渣 210.3g 比較例 2 ジメチルアミノプロピルアミンを1481.9g(14.4
モル、アクリル酸に対して約2.5倍モル)用い且
つ反応容器の容積を3に代えたほかは、比較例
1と同様にして反応を行なつた。結果を以下に示
す。
留出物 410.9g(ジアミン留出率20.8%) 中間体混合物 1492.4g 中間体(未反応原料を除く) 1479.2g 粗製3−アクリルアミドプロピルジメチルアミン
955.2g 精製3−アクリルアミドプロピルジメチルアミン
715.0g(収率78.9%) 工業収率 37.4% 分解残渣 67.9g 回収ジメチルアミノプロピルアミン 452.8g 蒸留残渣 186.9g 尚上記比較例2においてアミド化反応後の中間
体混合物につき実施例1と同様にして未反応ジア
ミンを留去後、反応容器残分につきアミン当量
(N%)を測定した結果、1級アミン0.49、2級
アミン4.68及び8級アミン11.09であり、この結
果より中間体は主としてアクリル酸1モルにジメ
チルアミノプロピルアミン2モルが縮合した2/1
付加物から成ることが認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明方法を実施するに
適した一反応装置の具体例を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アクリル酸もしくはメタクリル酸と一般式 〔式中R1およびR2はそれぞれメチル基またはエ
    チル基を示し、nは2または3を示す。〕 で表わされるジアルキルアミノアルキルアミンと
    から一般式 〔式中R1、R2およびnは上記に同じ。R3は水素
    原子またはメチル基を示す。〕 で表わされるN−置換アクリルアミド類を製造す
    るに当り、原料アクリル酸もしくはメタクリル酸
    に対して1.5〜1.8倍モル量の上記原料ジアルキル
    アミノアルキルアミンを使用し且つ之等原料化合
    物の反応系内に分離剤を存在させて原料ジアルキ
    ルアミノアルキルアミンと生成水との共沸を抑制
    すると共に該生成水を選択的に上記分離剤と共沸
    させて系外に排出しつつアミド化反応を行ない、
    一般式 〔式中R1、R2、R3およびnは上記に同じ。〕 で表わされる中間体アミドを得、次いでこれを加
    熱分解反応させることを特徴とする、上記N−置
    換アクリルアミド類の製造法。
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