JPH0313000B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内部がプラズマ発生ガス源に接続さ
れたトーチ本体と、トーチ本体内に設けられて電
流供給導体に電気的に接続された電極と、プラズ
マ出口オリフイスを有し前記電極に対して対向離
間して設けられたプラズマ出口ノズルとを含むプ
ラズマ溶接および切断トーチに関する。

米国特許第3242205号によつて公知のプラズマ
トーチは、電極およびノズルが水のような液体流
によつて冷却される。このトーチにおいて、電極
はノズルに対して移動可能でありトーチが停止し
ているときノズルと電気的に接触する。トーチが
電流を供給されるとき、冷却液体は液圧機構を介
して圧力を加えられ、ばねを圧縮し、電極とノズ
ルとを隔離して電弧を発生し、プラズマ発生ガス
中に電弧を確立する。液圧回路を有するこのよう
な方式は製造がとくに困難でしたがつて高価であ
る。

フランス特許第2385483号においては、電極と
ノズルを短絡することによつてこれら二つの要素
の間に電弧を確立するため、電極はねじ込んでノ
ズルに接触されついでねじ戻され、電極とノズル
の間隙が所望値に調節される。このようなねじ込
みねじ戻し方式は使用上とくに実際的でなく、そ
れが始動する度にトーチのジエツト調節が必要と
なる。

最近、提案されたジエラール マーイツク
（Gerard MARHIC）の米国特許第4567346号は、
電極とノズルを短絡することによりプラズマトー
チを始動する方法を開示している。この方法にお
いては、ノズルはトーチ本体内に自由に摺動可能
に取り付けられ、トーチが溶接または切断される
被加工物に押付けられるとき電極と接触せしめら
れる。トーチを引込めることにより、電弧が電極
とノズルの間に点火され、プラズマ発生ガスが導
入されて、切断すべき被加工物に転移される電弧
を維持するようになつている。

マーイツク他の米国特許出願連続番号716191号
（日本特開昭60−223668号）「プラズマ溶接および
切断トーチ」には、本出願人名義の前記出願に開
示された方法を実施するのにとくに適した構造を
含むプラズマ溶接および切断トーチが開示されて
いる。このトーチは主として内部がプラズマ発生
ガス源に接続されたトーチ本体と、このトーチ本
体内に設けられ電流供給導線に電気的に接続され
た電極と、プラズマ出口用オリフイスを具え前記
電極に対して対向離間して設けられたプラズマ出
口ノズルとを含んでいる。そのトーチはさらにト
ーチ本体に着脱可能に接続された環状スカートを
具え、このスカートが少なくとも一つのノズル用
座を有し、前記ノズルは前記スカート内に自由に
摺動可能に取り付けられ、弾性力の作用のみによ
つてその座に押し付けられる。実施例において、
ノズルをその座に押付ける弾性力はプラズマ発生
ガスの圧力である。

前記二つの特許出願に開示されたプラズマ溶接
および切断トーチは完全に満足すべきものであ
る。しかしながら、上記特許出願におけるトーチ
が或る点において一層改良することができること
が知られていた。

分解可能なその電極、トーチおよびスカート構
造を具えたこのトーチは、しばしば組立ての誤り
を生ずる。例えば同時にノズルを取り付けること
を忘れたまま、スカートおよび電極を取り付け可
能であることが気付かれていた。

さらに、ノズルはその外径がトーチ本体の内径
に対応するスカートの内側オリフイスを通して挿
入されなければならない。このことは、電極がノ
ズルの内部に部分的に進入しなければならないた
め、ノズルを小型にししたがつて電極の直径を小
さくした。これらの状態の下で、或る応用例にお
いては、小さい寸法を有する電極およびノズルの
ような部品の有効な冷却を達成することは困難で
あることが知られていた。

本発明によるトーチはこれらの問題のうち、少
くとも前者を解決するものである。本発明の目的
は分解することができずまた少なくともスカート
およびノズルから構成されトーチ本体に適用可能
なカートリツジを提供することである。

本発明によるトーチは、内部がプラズマ発生ガ
ス源に接続され、電流供給導線を有するトーチ本
体；前記導線に電気的に接続された電極；前記ト
ーチ本体に接続され、前記電極が内部に配置され
ており、かつトーチ本体とははなれた前方の座と
トーチ本体により近い後方衝突部とを有する環状
スカート組立体；および前記前方の座と前記後方
衝突部との間で前記電極に対向して移動するよう
に前記スカート組立体に摺動可能に取付けられた
プラズマ出口ノズルを有し、前記スカート組立体
と前記ノズルとが、分解不可能なカートリツジ形
状に組立てられている。

上記スカート組立体が、電気絶縁材料製で、ト
ーチ本体と近接した部分で、トーチ本体の導電要
素にねじ込まれた第１導電スリーブと接続されて
おり、かつノズル用の後方衝突部を構成するノズ
ルに近接した下方部分をもつたスカート部材を有
するのが好ましい。

この場合、本発明によるカートリツジは、組立
ての誤りを避け（常にスカートに取り付けられて
いるノズルを忘れることはもはや不可能である）、
さらにトーチ本体のねじ山の与えられた直径につ
いて、電極およびノズルは、電極とノズルとが分
解できる特開昭60−223668号公報に開示された場
合よりも実質的に大きな寸法を有している。

好ましい実施例によれば、トーチは第１の導電
スリーブがその内側に電極を位置決めする座を構
成する肩部を有するように配置される。

別の実施例によれば、スカートはノズルに隣接
した部分において第２の金属スリーブに連結さ
れ、その金属スリーブはスカートの内側に設けら
れまたその中にノズルが摺動可能に取り付けら
れ、第２のスリーブの上方部分はノズル用の座を
構成する。

第１の変型において、電極は分解可能である。
このことは電極の摩耗の進行を管理すること、電
極およびノズルを含むカートリツジを別々に交換
することを許す。

第２の変型において、電極はスカートに連結さ
れ、集合体はスカート、ノズルおよび電極を含み
分解できないカートリツジを構成する。

本発明の一層良い理解は、添付図面を参照し
た、単なる非限定的例示に過ぎない実施例につい
ての下記の記載から得られるであるう。

第１図は本発明によるトーチの軸線方向の断面
図である。トーチは主としてトーチ本体１および
カートリツジ６０を含む。トーチ本体１はベル形
状の中心部分５およびコネクタ７に終わる管状側
方延長部分６を有し、中心部分５および管状側方
延長部分６は電気絶縁材料で作られている。コネ
クタ７は外側歯を有し、このコネクタにプラズマ
発生ガス供給用電気絶縁性可撓管またはホース８
が押込嵌合により取付けられ、この管８は外側同
軸スリーブ９によつてコネクタ７上に保持されて
いる。トーチ本体１の管状側方延長部分６は貫通
孔を有し、この貫通孔内に導電材料製の管１１が
取付けられている。その外端で、管１１は絶縁管
８と連通し、耳部１２を構成するその周辺の一部
により管８内に縦方向に延長し、耳部１２は横方
向に折り重ねられて管８内に位置する電流供給導
線１３の端部を包囲することにより保持してい
る。

トーチ本体１のベル形状中心部分５は中心孔１
４を有し、この中心孔の上端は閉止され、下端は
開放されている。この中心孔１４内に金属キヤツ
プ１５が固定されており、金属キヤツプの円筒形
側壁１５ａに開口が設けられ、この開口に導電管
１１の内端が接続されている。導電管１１は側方
延長部分６を通つて延長している。この導電管１
１は金属キヤツプに溶接により固着するのが良
い。さらに、金属キヤツプ１５の円筒形側壁１５
ａは、導電管１１の端部が取付けられる開口下方
に延在するその下端部に、内側ねじ１５ｂを具え
ている。この内側ねじ１５ｂを具えた側壁１５ａ
はベル形状部分５の下端５ａから所定距離上方に
離して位置している。

着脱可能なカートリツジ６０は主として三つの
要素、すなわち、電極２、ノズル３およびスカー
ト４を含んでいる。スカート４は絶縁材料製の環
状ケース１６、たとえば下方にテーパのついた円
錐台形のケースを有する。ケース１６は下方の金
属製ノズル支持スリーブ１８上にまた上方の電極
支持金属製スリーブ１７上にモールドされ、金属
製スリーブ１７は電極２と単一片を形成してい
る。この円筒形スリーブ１８はノズル３を１８ｂ
で支持する座の機能を奏する。このため、スリー
ブ１８の内径に等しい外径を有する実質的に円筒
形のノズルは、間隙は別として、その上部に座１
８に支承する環状フランジ５１を有する。ノズル
３は実質的に球形のドーム３１に終りその周辺部
分におけるよりもその中心部分において厚くなつ
ている。ノズル３は、ドーム３１の実質的に球状
の内面に連結された円筒形内側面３３によつて限
定されている。ドーム３１はプラズマ発生ガスの
通過のための貫通する軸線方向オリフイス３４を
具えている。

上方スリーブ１７上に取付けられた電極２は、
その上端にトーチ本体１のキヤツプ１５のねじ孔
１５ｂに螺着されるのに通したねじ２１を有す
る。直径ｅの上方スリーブ１７は電極本体６１に
よつて延長され、その本体６１は実質に円筒形で
あるがその直径は直径ｅより明らかに小さい。金
属電極２は、上方に開いたすなわちトーチ本体１
の内部に向かつて開いた軸線方向の盲孔２２を有
する。その高さの実質的に中間部分には、電極内
部から盲孔２２を通つてノズル３に達するプラズ
マ発生ガスの通過を許す少なくとも一つの開口２
６が設けられている。好ましくは、開口（単数ま
たは複数）２６は、電極２に対しては接線方向に
配置され、下方オリフイス３４までの間隙１９内
にプラズマ発生ガスの渦流を生ずる。電極２の下
方の比較的厚い前方壁２７の中心部分には、アー
クの発生を容易にする、たとえばジルコニウム
の、インサート２８が軸線方向に設置されてい
る。電極２はまた円筒形インサート６４を含み、
円筒形インサート６４は盲孔２２に軸線方向に取
付けられ、プラズマ発生ガスの循環のためその下
端と盲孔２２底部との間に、またその外壁６５と
盲孔２２の壁の間に通路を限定する。

スリーブ１７のそして、スリーブ１７の区域に
おけるケース１６の内孔の直径は、間隙は別とし
て、ノズル３の環状フランジ５１の外径ｃより大
きいか又はそれに等しい。

カートリツジ６０を取付けるとき、スリーブ１
８がまずケース１６に挿入される。ついで電極２
がケース１６の上部に電極２の上方スリーブ１７
を取付けることによりケース１６に挿入される。

プラズマトーチが組立てられるとき、上方スリ
ーブ１７および着脱可能なスカート４がそのねじ
２１をトーチ本体１のキヤツプ１５のねじ孔１５
ｂに螺着される。二つの座１１８ｂと１８ｂの距
離は、少なくとも下方スリーブ１８のノズル３を
摺動させて電極２と接触させ、電極２とノズル３
の間にアークをとばすのに必要な距離に等しい。
絶縁管８を通つて供給されるプラズマ発生ガスは
トーチ内部に侵入し、トーチ本体１の側方延長部
６を通つて延長する管１１内を流れる。ついでキ
ヤツプ１５の内部を移動し、その後インサート６
４の電極２の孔２２内を縦方向に流れる。通過の
際、ガスは電極２の下方前壁２７を冷却する。つ
いでガスはインサート６４の外壁と電極２の孔２
２の内壁の間を上昇し、電極３から開口２６を通
つて接線方向に流出し、ついで一方では電極２の
端部とノズル３によつて限定された間隙にそし
て、軸方向オリフイス３を通つて流れ、他方では
下方スリーブ１８とスカート４のケース１６の間
の側方通路５２および５３（第２図）を通つて流
れる。このように発生した二つのガス流は実質的
に流量が異なる。電極とノズルの間の第１の流れ
は、このノズルに供給されノズルからオリフイス
３４を軸線方向に通つて排出し、プラズマを形成
する流量の10ないし20％を占める。第２の流れは
残りのガス（供給流量の80ないし90％）に対応
し、５２および５３のような種々の通路を通つて
流れ、プラズマを形成する中心ジエツトを包囲す
る多数のジエツトの型式でトーチから排出する。
いくつかの応用例において、第１および第２の流
れの相対的割合は実者的に異なる。これらの割合
は１対１から１対10まで変化するのが好ましい。

電極２への供給電流は、上方導電スリーブ１７
と管１１が溶接された金属キヤツプ１５の間に設
けられた電気的接続を経て供給される。

作動に当り、高圧ガスを本発明によるトーチに
供給する際、ノズル３はその座１８ｂにガス圧の
作用のみにより押付けられる。

第２図は第１図の実施例の好ましい実施例（変
型）を示し、第１図と同じ要素は同じ参照符号を
付してある。第２図において、電極２は着脱可能
であり：ノズル３、スカート４のケース１６およ
びスリーブ１８は相互に連結されている。このカ
ートリツジの分解を防止しノズル３の紛失を避け
るため、ケース１６の内孔は直径ｅより大きくノ
ズル３の直径ｃより大きいかこれに等しい。

ノズル３を挿入した後、ケース１６内に、その
直径ｂが直径ｃより小さい内孔２４を有する上方
スリーブ１７が取付けられる。このようにして、
そして電極２のない場合、ノズル３の変位はスリ
ーブ１７の下方部分に設けられた肩部１１８ｂに
よつて制限される。下方スリーブ１８と上方スリ
ーブ１７の距離は、カートリツジがひつくり返さ
れるとき、肩部５１が肩部１１８ｂに衝突するよ
うなものである。このことはノズル３がその摺動
および案内スリーブ１８から完全に外れることを
阻止するものである。

上方スリーブ１７は、その上方部分に、電極２
の円筒形肩部２３に対する衝突部として作用する
円筒形支持面１７ｃを限定する孔を有する。電極
２が所定位置にあるとき、その下方部分は第１図
に示すカートリツジの電極に対応する部分と同じ
位置にある。

この第２の実施例において、電極は、電極の状
態を検査し、場合により、ノズルを交換すること
なしに電極を交換すること等が可能である。

側方通路５２，５３は異なつた形状、配置のも
のとすることができることが分かるであろう。と
くに、それらは半径方向に配置することもでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本体及びカートリツジが分解された本
発明によるトーチの種々の構成要素の軸方向断面
図。第２図は第１図に示すカートリツジの変形の
図。 １…トーチ本体、２…電極、３…ノズル、４…
スカート、１３…電流供給導体、１５…金属キヤ
ツプ、１８…円筒形スリーブ、１８ｂ…座、３４
…軸線方向オリフイス、６０…カートリツジ、１
１８ｂ…衝突部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内部がプラズマ発生ガス源に接続され、電流
   供給導線を有するトーチ本体；前記導線に電気的
   に接続された電極；前記トーチ本体に接続され、
   前記電極が内部に配置されており、かつトーチ本
   体とははなれた前方の座とトーチ本体により近い
   後方衝突部とを有する環状スカート組立体；およ
   び前記前方の座と前記後方衝突部との間で前記電
   極に対向して移動するように前記スカート組立体
   に摺動可能に取り付けられたプラズマ出口ノズル
   を有し、前記スカート組立体と前記ノズルとが、
   分解不可能なカートリツジ形状に組立てられてい
   るプラズマ溶接および切断トーチ。 ２ 前記スカート組立体が、電気絶縁材料製であ
   り、前記トーチ本体と近接した部分で、トーチ本
   体の導電要素にねじ込まれた第１導電スリーブと
   接続されているスカート部材を有し、前記ノズル
   に近接した前記第１スリーブの端部が、前記ノズ
   ル用の後方衝突部を構成している特許請求の範囲
   第１項記載のトーチ。 ３ 前記スカート部材が、前記トーチ本体とはな
   れた部分で、スカート部材内部に配置された第２
   金属スリーブに接続され、前記ノズルが前記スカ
   ート部材内に摺動可能に取付けられ、前記第２ス
   リーブの上部が前記ノズル用の前記前方の座を構
   成している特許請求の範囲第１項または第２項記
   載のトーチ。 ４ 電極が、前記第１スリーブと一体である特許
   請求の範囲第２項又は第３項記載のトーチ。 ５ 第１導電スリーブが、その内面に電極用の第
   ２の座を構成している肩部を有する特許請求の範
   囲第２項または第３項記載のトーチ。