JPH0312787Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は中低層の小規模な住宅に用いる小型エ
レベータのガバナ装置に係り、かごとガバナロー
プとの連結部の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

一般的なエレベータのガバナ及びガバナに連動
するセフテイーを第３図及び第３図の右側面図で
ある第４図により説明すると、昇降路上部の機械
室に設けたガバナマシン１のプーリ２と昇降路下
部のテンシヨンプーリ３に巻きかけられたガバナ
ロープ４は、ロツド５，キヤツチレバー６を介し
てかご７に連結されている。

故障や異常の発生によりかご７が所定速度以上
で下降すると、ガバナマシン１がガバナロープ４
を拘束るめ、ロツド５はかご７に対して相対的に
引き上げらる。これにり軸８中心してキヤツチレ
バー６が反時計方向に回転し、引き上げロツド９
を引き上げるとともに、継ぎロツド１０を介し
て、引き上げレバー１１が軸８ａを中心として時
計方向に回転し、引き上げロツド１２を引き上げ
ることにより、制動子１３，１４がガイドレール
１５，１６を把持して、かご７の下降を機械的に
停止させる。尚、１７はかご７の上枠、１８，１
９は竪枠、２０は下枠、２１は主ロープ、２２は
床受けビーム２３と竪枠１８とを連結する筋か
い、２４，２５はバツフア台であり、かご７が落
下した場合に昇降路底部のバツフアに衝突する部
分である。

ところが、小型エレベータの場合、かごの小型
軽量化、据付工数の低減等を図つているため上記
エレベータと同一構造にすることはできない。

この点について、図面により説明する。

第５図は第３図相当図、第６図は第４図相当図
である。小型エレベータの場合、一般のエレベー
タのように昇降路最上部、即ち建物の屋上に機械
室を設けるようなことはせず、昇降路下方の側
部、例えば通路の下部等に機械室を設け、限られ
た空間を有効利用するようにしている。そのた
め、昇降路上部には主ロープ２１が巻回されたシ
ーブ（図示省略）及びこのシーブを支持するビー
ム（図示省略）が設けられている。また、上述し
たように、屋上に機械室を設けていないため、昇
降路頂部が低くなつており、かご７の上端と上記
シーブ及びビームとのすき間（頂部すき間）が小
さくなつている。従つて、所定の頂部すき間を確
保するため、かご７の高さをできる限り抑えなけ
ればならない。そこで、図に示すように上枠１７
の取り付け位置を下げ、かご７の高さを低くする
ようにしている。

又、ガイドレール１５，１６を乗場３０側に位
置させ、乗場３０からガイドレール１５，１６の
据え付けが行なえるようにし、昇降路内に足場を
設ける必要がなくなるように構成されているた
め、竪枠１８はかご７の中心よりも乗場３０側に
寄つた位置に設けられている。そのため、かご７
上の竪枠１８周辺は非常に狭くなつており、更に
ドアモータやドア開閉機構３１が取り付けられる
ため、第３図の場合のように、ガバナロープ４と
制動子１３，１４との連動機構をかご７の上部に
設置することが困難である。そこで、第５図及び
第６図に示すように、ガバナロープ４と制動子１
３，１４との連動機構をかご７の下部に設置して
いる。

次に、上記連動機構を第７図により詳しく説明
する。一端がロツド５に軸着されたキヤツチレバ
ー４０は下枠２０に固定された軸受ブラケツト２
０ａに取り付けられた軸４１を中心として回動可
能にかご７に取り付けられており、中央部には引
き上げレバー４２が軸４３によつて軸着されてい
る。竪枠１８の下端には、中央にガイドレール１
５を三方から囲むような凹部４４ａを備えたブロ
ツク４４が固定されており、この凹部４４ａの第
７図左側面４４ｂは若干の隙間を有してガイドレ
ール１５に平行に対向している。一方凹部４４ａ
の第７図右側面４４ｃはガイドレール１５に対し
て斜めに対向し、上方は狭く、下方は広くなつて
いる。４５は凹部４４ａの底面に固定されたピン
であり、右側面４４ｃとの間にローラ４６を保持
している。

引き上げレバー４２は、下端に屈曲部４２ａを
有し、中央部には斜め方向の長穴４２ｂを有して
おり、この長穴にはブロツク４４に立てられたピ
ン４７が挿通されている。上記の引き上げレバー
４２、ブロツク４４、ピン４５，４７、ローラ４
６によつて制動子１３が構成されている。また、
他側の制動子１４も同じ構成になつている。尚50
は昇降路底部５１に設置されたかご７用のバツフ
アである。

次に上記従来装置の動作について説明する。か
ご７が正常運転を行つている場合には、ローラ４
６はピン４５とブロツク４４の右側面４４ｃ間に
係止されており、かご７は自由に上下動可能であ
る。故障や異常の発生によりかご７が所定速度以
上で降下すると、ガバナマシン１がガバナロープ
４を拘束するため、ロツド５はかご７に対して相
対的に上昇する。これによりキヤツチレバー４０
が軸４１を中心として第７図反時計方向に回転
し、引き上げレバー４２を引き上げる。このた
め、引き上げレバー４２はブロツク４４のピン４
７と斜め方向の長穴４２ｂによつて斜め上方、即
ちガイドレール１５側に引き上げられる。一方、
引き上げレバー４２の下端の屈曲部４２ａは、ロ
ーラ４６を引つ掛けて同時にガイドレール１５方
向に上昇するため、ローラ４６はガイドレール１
５とブロツク４４の右側面４４ｃに挟まれ、楔作
用によつてブロツク４４の左側面４４ｂとローラ
４６とで強固にガイドレール１５を拘束し、かご
７が停止する。また、第５図に示したように、軸
４１は他側の制動子１４に連結されているため、
制動子１４も上記同様に、ガイドレール１６を強
固に拘束するようになつている。

しかしながら上記の装置の場合、万一ガバナマ
シン１が作動しなかつたとき、又はガバナマシン
１の設定速度より低い速度でかご７が降下して、
バツフア５０に衝突した場合、ロツド５がプーリ
３に衝突し、互いに損傷してしまう恐れがあつ
た。

そこで、この問題を解決するために、第２図に
示すような構造の装置が考えられている。

図に於いて、ロツド６０はＴ型をしており、そ
の一辺６０ａとキヤツチレバー４０とを連結レバ
ー６１で連結しており、図示省略した部分は第７
図と同一構成である。従つて、連結レバー６１の
長さだけロツド６０を上方に取り付けることがで
きるため、かご７がバツフア５０に衝突した場合
でも、ロツド６０はプーリ３に干渉する恐れはな
い。尚、この連結レバー６１は、かご７がバツフ
ア５０に衝突してバツフア５０が最も圧縮された
場合に於ても、ロツド６０とプーリ３とが干渉し
ないだけの長さ以上の長さを有している。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、上記装置の場合、キヤツチレバー４
０の引き上げ時、ガバナロープ４の中心線上から
外れた位置にある軸６０ｂに下方向の力が働くた
めガバナロープ４が揺動し、キヤツチレバー４０
の引き上げ動作、即ちかご７の非常停止動作時に
ガバナロープ４が揺動して動作が不安定になると
いう問題があつた。

本考案はかごがバツフアに衝突した場合でもロ
ツドがプーリに衝突する恐れがなく、しかも安定
したかご非常停止動作が行えるガバナロープの連
結装置を提供することを目的としたものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、かごがバツフアに衝突し、バツフア
が最も圧縮された状態においても、プーリに干渉
することのない位置にロツドを配置するととも
に、ロツドと連結レバーとの間に補助レバーを設
けることにより、安定した非常停止動作が行える
ようにしたものである。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１図により説明する。

図において、６３は一端が竪枠１８に固定され
たブラト６４に軸着され、他端がガバナロープ４
の中心線上にあるロツド６２の軸６２ａに軸着さ
れた補助レバーであり、この補助レバー６３の中
間部とキヤツチレバー４０との間に連結レバー６
１を設けたものである。

本実施例によれば、キヤツチレバー４０の引き
上げ時、ガバナロープ４の中心線上にあるロツド
６２の軸６２ａに下方向の力が加わることになる
ため、ガバナロープ４には鉛直下方向の力が加わ
るのみであるため揺動することはなく、安定した
かご７の非常停止動作を行うことができる。

尚、以上の説明では、昇降路上部にガバナマシ
ン１、昇降路底部にテンシヨンプーリ３を設置し
た場合を示しているが、昇降路上部にテンシヨン
プーリ、底部にガバナマシンを設置した場合でも
同一である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、かごが
バツフアに衝突した場合でも、ガバナロープのロ
ツドがプーリに干渉する恐れがなく、従つて機器
の損傷を招くことなく、しかも安定したかごの非
常停止動作が行えるガバナロープの連結装置を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す図、第２図はガ
バナロープ連結装置がかご下部に設置された従来
例を示す図、第３図はガバナロープ連結装置がか
ご上に設置された従来例を示す図、第４図は第３
図の右側面図、第５図はガバナロープ連結装置が
かご下部に設置された従来例を示す図、第６図は
第５図の右側面図、第７図は第６図の要部拡大図
である。 １……ガバナマシン、２，３……プーリ、４…
…ガバナロープ、５，６０，６２……ロツド、
６，４０……キヤツチレバー、７……かご、１
３，１４……制動子、１５，１６……ガイドレー
ル、６１……連結レバー、６３……補助レバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 昇降路の上下に設置したプーリに張設されたガ
   バナロープを無端状に接続するロツド、このロツ
   ドをかご下部に連結するキヤツチレバー、このキ
   ヤツチレバーの引き上げ動作によつて制動子を作
   動させかごを機械的に停止させるエレベータにお
   いて、 上記キヤツチレバーは、一端がかごに軸着され
   中間部が引き上げレバーに軸着された構成をな
   し、一端が上記ロツドのガバナロープの中心線上
   の位置に軸着されるとともに他端が上記かごに軸
   着され、上記キヤツチレバーより上方に配置され
   た補助レバーと、一端が上記キヤツチレバーの他
   端に軸着されるとともに他端が上記補助レバーの
   中間部に軸着された連結レバーとを備え、かごが
   昇降路底部のバツフアに衝突してバツフアが最も
   圧縮された場合でも、下部プーリと干渉しない位
   置に上記ロツドを配置したことを特徴とするエレ
   ベータ用ガバナロープ連結装置。