JPH0311152Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、缶等の密閉容器内にパツクされたビ
ールを飲用するに際し、ビールの液面にクリーミ
イな炭酸ガスの泡層を形成させることのできるビ
ール容器に関する。

〔従来の技術〕

ビールを喫飲するに際し、液面に発生した微細
なクリーミイな泡は口唇に対して心地よい感触を
与えて、ビールの旨味を増加させることは周知の
事実である。本考案者等は、密閉容器、特に金属
缶又はプラスチツク缶に封入されたビールに対
し、これを開蓋した直後に、容器自体の壁面に打
撃を与えて好ましい泡の層を液面に形成させるこ
とのできる泡発生具又はこれを具えた容器を、特
願昭59−162171（特開昭61−40781）、実願昭59−
121660（実開昭61−35648）、実願昭59−139237（実
開昭61−53337）、実願昭59−139238（実開昭61−
53338）、実願昭59−139814（実開昭61−53339）と
して提案した。これらはいずれも缶の側壁に打撃
を与えてビールの内部から泡を発生させるように
構成されたものである。

〔考案の概要〕

本考案は前述の先願にかかる提案の改良であ
り、消費者によりアピールする視覚効果を具え、
店頭での顧客吸引力に優れると共に、中身を賞味
した後は置物としても使用できるビール容器を提
供せんとするものである。

即ち本考案は、実質的に円筒形をなすビール容
器の胴部の前面略全体に、動物等のキヤラクタの
正面図を描き、該容器の胴部の中央外周を囲繞し
て、切断部を有する弾性材料からなる帯状リング
を、該切断部が前記キヤラクタの正面に位置する
ように嵌挿して固定し、前記切断部によつて両側
に分離された前記帯状リングが前記キヤラクタの
上肢に相当するように位置させ、前記帯状リング
の対向する切断端に指掛け部を形成すると同時
に、該指掛け部近傍の前記帯状リングの内面に容
器の胴部と接触する突起を設けたことを特徴とす
るビール容器である。

この容器に描かれるキヤラクタとしては、動物
を戯画化したユーモラスなもの等が好ましく、例
えば太鼓腹をした狸が帯状リングからなる両手で
腹鼓を打つている状態を表すもの等が好適であ
る。

本考案の使用に当たつては、容器を開蓋して中
身のビールを喫飲する前に、帯状リングの端部に
設けられた指掛け部を容器の胴部から引き離すよ
うに持ち上げて急激に解放すると、これが弾発力
によつて元に復する際に突起が容器の胴部を打撃
し、この打撃による振動が容器の壁を経て内部の
ビールに伝達され、含有されていた二酸化炭素が
気化して泡となつて立ち昇り、ビールの液面に所
望の泡層を形成する。

以下、図面に示す好適例に基づいて本考案を更
に詳細に説明する。

第１図は本考案にかかるビール缶１を正面やや
上方から見た斜視図を示す。缶１の胴部２には、
消費者の購買意欲を誘うように、商品のイメージ
を視覚化したキヤラクタＡ（この場合は戯画化さ
れた狸）の正面図が大きく描かれいる。該キヤラ
クタＡの図柄の両腕に相当する位置、即ち缶１の
胴部２の外周の略中央には、帯状の弾性材料、例
えばポリエチレンとかポリプロピレン等の硬質プ
ラスチツク、又は金属で作られたリング３が弾発
的に嵌挿されている。第２図に示すように、この
リング３は一個所に切断部４を有しているので、
嵌挿に際してはこの切断部４を拡げて缶１の胴部
２に嵌め込むことが可能である。この際、切断部
４はキヤラクタＡの中心に来るように調整される
ことが好ましい。又、中心に関して切断部４と反
対側のリングの内面領域５はホツトメルト等の適
宜な接着剤で容器１に固定されている。

帯状リング３の切断部４の互いに対向する端部
４ａ，４ｂはキヤラクタＡの手の形状を模して作
られ、第２図から明らかなように、外側に湾曲し
て指掛け部６が形成されている。又指掛け部６の
若干内側のリング内面には、胴部２に対面よる突
起７が設けられている。

このような本考案容器は、店頭に並んでいる時
には正面に描かれたキヤラクタＡの図柄が人目を
惹きつけ、消費者の購買欲を刺激する作用をな
し、中身を飲用した後でも装飾品として愛用する
ことができる。

又、飲用に際しては、通常通り蓋８を除去した
後、リング３の指掛け部６を胴部２から引き離す
ように持ち上げて、これを解放すると突起７が胴
部２を打ち、容器１の壁を振動させ、これがビー
ルに伝播して溶解していた二酸化炭素が気化し、
内部から泡が発生して立ち昇り、液面に泡層を形
成して喫飲者の美味感を増大させる。

勿論、缶１に描かれるキヤラクタとしては本例
の狸に限定されるものではなく、ペンギン、パン
ダ、コアラ等の愛嬌があり、皆に親しまれている
ものであればよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案容器の正面斜視図、第２図は第
１図の胴部の水平断面図である。 １……缶（容器）、２……胴部２、３……帯状
リング、４……切断部、６……指掛け部、７……
突起、８……蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 実質的に円筒形をなすビール容器の胴部の前面
   略全体に、動物等のキヤラクタの正面図を描き、
   該容器の胴部の中央外周を囲繞して、切断部を有
   する弾性材料からなる帯状リングを、該切断部が
   前記キヤラクタの正面に位置するように嵌挿して
   固定し、前記切断部によつて両側に分離された前
   記帯状リングが、前記キヤラクタの上肢に相当す
   るように位置させ、前記帯状リングの互いに対向
   する切断端に指掛け部を形成すると同時に、該指
   掛け部近傍の前記帯状リングの内面に容器の胴部
   と接触する突起を設けたことを特徴とするビール
   容器。