JPH028913Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は折丁または厚紙などの薄物を順次に所
定位置に供給する装置に関する。

例えば、書籍の製本の際には折丁を一連のポケ
ツトの対応のものに積み重ねておき、各ポケツト
の下端から一つづつを取出して一冊の書籍分を集
め且つ綴じることが行なわれる。そのため各ポケ
ツトには常に適当量の折丁がほぐされた状態で貯
えられていなければならない。このような薄物の
供給では、送り速度を調整し得ると共に薄物の寸
法の変化にも対応し得ることが望ましい。なお、
ここでいう薄物とは書籍の一部を成す印刷物たる
折丁のみでなく、製箱用の厚紙、その他の紙葉さ
らには可撓性のある薄板などのシート状物も含ま
れる。

本考案の目的は薄物を所定位置に適切に供給し
得る薄物供給装置を提供することである。

本考案の特徴は搬送装置の上に立てた状態で支
持された薄物を順次に、真空による吸引、および
一対のベルト間で挾んで移載することによつて完
全にほぐし、且つ搬送装置に含まれる搬送部材の
先端と吸引用の真空室との相対高さを変化し得る
ようにしたことである。

次に図面を参照のもとに本考案の実施例につい
て説明する。図示の例では丁合機用のポケツトに
折丁を供給する場合を示している。本考案による
装置は、第１図ないし第３図に示すように、基本
的には一連の薄物、この例では折丁を立てた状態
で支持し且つ徐々に移動する搬送装置１と、搬送
装置の先端に在る折丁を順次に丁合機用のポケツ
ト２に送る移載装置３を含む。

搬送装置１はその上に折丁が載せられる無端の
搬送部材、例えば並置された一対のチエーン４ま
たは凹凸のあるベルトを、チエーン４を支持する
ためその下に沿つて設けられた支持部材５と、各
チエーン４および支持部材５を支持する支持枠６
と、折丁の両サイドに在るガイド板７を含み、ガ
イド板７の間隔はハンドル８により折丁の幅寸法
に応じて調整可能になつている。９は支持枠６の
下に在る支持台である。１０は後に述べる後押え
のためのレールであり、１１は真空ポンプであ
る。

移載装置３は第４図に示すように、搬送装置１
の先端とポケツト２の間を循環する無端の孔付ベ
ルト１２と、搬送装置１の先端の近くに設けられ
た真空室１３を含み、孔付ベルト１２は一連のロ
ーラ１４ａ，１４ｂ…に掛けられている。真空室
１３は真空ポンプ１１に連通し、孔付ベルト１２
を挾んで折丁を吸引する役割を果す。孔付ベルト
１２の上には無端のガイドベルト１５が接触して
いる。折丁の長さ寸法の変化に対応するためポケ
ツト２に近い孔付ベルトのローラ１４ｆをポケツ
トに対し進退し得るようにするのが好ましく、そ
のため第４図に示すように、ハンドル１７を備え
たねじ棒１６と、そのローラ１４ｆの支持軸１８
をねじ棒１６に連結するリンク１９が含まれ、図
には省略されているが、リンク１９は両側に設け
られている。そしてローラ１４ｆの進退に対応す
るため１つのローラ１４ａがばね２０を介して弾
性的に支持されている。

搬送装置１の各チエーン４の駆動は孔付ベルト
１２を掛けるローラ１４の任意のものからの動力
伝達によつてなされるのが好ましく、そのため第
５図に見られるように、伝動ベルト２１によりロ
ーラ１４ｂからの動力で回転されるホイール２２
と、ホイール２２の偏心位置に設けられたピン２
３と、或る程度上下に可動に枢止されたレバー２
４と、レバー２４の先端の爪２５と爪２５が前進
した際にそれに係合する爪車２６を含み、レバー
２４に形成された長孔２７にピン２３が係合し、
ホイール２２が１回転するごとに爪２５が前進し
且つ若干上昇して爪車２６を１ピツチだけ回転
し、その回転を伝動部材２８を介してチエーン４
を掛けるホイール２９に伝え、チエーン４をわず
かに駆動する。このレバー２４は搬送装置１の上
の折丁により或る程度の圧力で押されると、第５
図中に想像線で示すように、後退して爪２５が爪
車２６から外れ、チエーン４が駆動されないよう
になつている。このようにローラ１４からの動力
で駆動すれば、搬送装置１を駆動する装置を省略
できる。

さらに搬送装置１はその搬送部材４の先端と真
空室１３との相対高さを変化し得るよう構成さ
れ、そのため搬送部材４を上下に平行移動し得る
ようにしてもよいが、好ましくは第１図に見られ
るように、支持枠６は搬送装置１の後端、即ち移
載装置３に近接した先端の反対側の端部において
ピン３０により枢止されると共に、支持枠６の適
当な位置を持上げる装置を含む。この持上げ装置
としては、シリンダ装置、ラツクピニオン機構な
ど適当な構成を用いることができるが、この実施
例では第１図および第９図に示すように、搬送装
置１に沿つて備えられたねじ棒３１と、その一端
に在つてそれを回動するハンドル３２と、支持台
９に枢止されたリンク３３を含み、そのリンクの
一端は支持枠６に取付けられ且つ他端にはねじ棒
３１に係合するめねじ３４が設けられている。こ
の機構ではねじ棒３１を回転することにより、め
ねじ３４が移動し、リンク３３は支点３５を中心
に回動し、図において反時計方向に回われば、支
持枠６を上方に枢動し、搬送部材４の先端を持上
げる。

第１図の３６は折丁の後端を押える後押えであ
り、第１０図に示すように、ガイド板７の外側に
在るレール１０に設置され、レールに沿つて移動
する台車３７と、台車に取付けられた横棒３８お
よび横棒から下方に延びる棒材３９から成り、棒
材３９の下端はチエーン４に着脱自在に係合し、
チエーンと共に移動される。

次に作用について説明する。丁合機用のポケツ
ト中に送入すべき折丁は立てた状態で搬送装置１
の一対のチエーン４上に載せられ、折丁の最後部
は後押え３６で保持される。各チエーン４は孔付
ベルト１２を掛ける一つのローラ１４ｂに連動す
るホイール２１の回転ごとにピン２３と長孔２７
を介し、爪２５が爪車２６に係合することにより
徐々に前進し、折丁を進める。搬送装置１の先端
に至ると折丁は孔付ベルト１２を通して真空室１
３によつて吸引され、従つて孔付ベルト１２と共
に上昇し、孔付ベルト１２とガイドベルト１５の
間に挾まれて移動し、ポケツト２の中に送入され
る。

ポケツト２内の折丁は前端を基準に揃えられる
ので、折丁の縦寸法に応じて、ハンドル１７の操
作により最前部のローラ１４ｆを前進または後退
し、折丁の前端がポケツト内の所定位置におかれ
る。

真空室１３の吸引作用により、ベルト１２に接
する折丁Ａが真空により順次に吸引されながらベ
ルト１２と共に上昇するが、次の折丁Ａも同様に
吸引されるので、第７図に示すように隣接の折丁
はオーバーラツプ量t¹の部分で重なつた状態でベ
ルト１２によつて送られ、その状態で一対のベル
ト１２，１５の間に挾まれてポケツト２に送られ
る。この折丁供給装置ではハンドル３２の操作に
より搬送部材４の先端の高さを調整することがで
き、第８図に示すようにその先端を高めれば、そ
れに応じて折丁のオーバーラツプ量はt²の値に大
きくなり、ポケツトへの供給速度は高くなる。ま
た、搬送部材４の高さの調整により、折丁の縦寸
法の変化にも追従できる。

上記の実施例では折丁を丁合機用のポケツトに
供給する場合が示されているが、キヤラメルやカ
レーなどの包装箱などを作る製函機（サツクマシ
ン）に対し箱の素材たる板紙を順次に供給する場
合など、他の薄物を供給する場合にも同様に本考
案による装置を適用することができる。

従つて、本考案によれば、搬送装置１の上に薄
物が立てられた状態で置かれるので、多量の薄物
を支持でき、薄物の取扱いを容易にする。そして
移載装置における吸引、ベルト間の挾持によつて
薄物を完全にほぐすことができ、且つその過程で
縛りぐせも矯正され、従つてポケツトから適切に
取出すことができる。さらに、薄物が大きくて
も、または小さくても同様に供給でき、その上、
薄物間のオーバーラツプ量を変化することによつ
て供給速度を調整することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例による薄物供給装置の正
面図、第２図はその平面図、第３図は端面図、第
４図はこの装置に含まれる移載装置の正面図、第
５図は第４図の一部の拡大図、第６図は第４図の
矢印Ｂで示す部分の拡大図、第７図および第８図
はそれぞれ第６図に示された部分の側面図、第９
図は搬送部材の調整機構を示す正面図、第１０図
は後押えの正面図である。 図中、１……搬送装置、２……ポケツト、３…
…移載装置、４……無端搬送部材、６……支持
枠、１２……孔付ベルト、１３……真空室、１５
……ガイドベルト、３０……枢止用のピン、３１
……ねじ棒、３３……リンク、３４……めねじ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 薄物を立てた状態で支持し且つ徐々に送る無
   端の搬送部材４を含む搬送装置１と、前記搬送
   装置の先端の近くを通過し且つ前記薄物を供給
   すべき所定位置２に至る無端の孔付ベルト１２
   と、前記搬送装置の先端の近くに在つて前記孔
   付ベルトを通して薄物を吸引する真空室１３
   と、前記孔付ベルトの上に在つてその間に薄物
   を挟む無端のガイドベルト１５と、前記搬送部
   材の先端と前記真空室との相対高さを変化する
   ための調整機構を含み、前記調整機構により前
   記搬送部材の先端は上下に可調整になつている
   薄物供給装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の装置
   において、前記調整機構は前記搬送部材４の支
   持枠６を持上げる装置３１，３２，３３を含
   み、前記支持枠は前記搬送装置の後端３０にお
   いて枢止されている薄物供給装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲第２項に記載の装置
   において、前記持上げ装置はハンドル３２によ
   つて回動され且つ前記搬送装置１に沿つて備え
   られたねじ棒３１と、一端が前記支持枠６に取
   付けられ且つ他端にめねじ３４を備えて枢止さ
   れたリンク３３を含み、前記めねじが前記ねじ
   棒に係合している薄物供給装置。