JPH0253480B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は大豆、菜種ひまわり、コーンジヤーム
等の動植物より油脂を抽出する如くした油脂の抽
出方法及びその装置に関するものである。

〈従来の技術〉 一般に、大豆等から食用とする油を抽出する手
段として旧くから各種タイプが知られている。

例えば、第５図Ａに示す如きベルトコンベヤ式
抽出機（De Smet抽出機）は原料（被抽出物）
を回転金網コンベヤに積載して移送し、上方より
単にミセラを散布し向流滲透抽出が行なわれる構
成である。この場合、ミセラ受けホツパーはケー
シング内にあつて金網コンベヤのキヤリヤ部下面
に設置し、リターン側をホツパーの下を通るもの
としてなり、装置全体の大型化が余儀無くされて
いる。また、このホツパーはあくまでケーシング
中に収容された構成を採つているので腐蝕が起き
易い。勿論、金網自体の目詰りも招き易く、リタ
ーン側で十分な洗浄を行なわねばならず、且つ年
１回位の掃除が必要で、保守点検が面倒であつ
た。

また、第５図ＢのようなLurqi抽出機にあつて
は、エンドレスのフレームベルトとそれを支える
二段のエンドレスシーブベルトよりなる装置で、
抽出は往復２段で行なわれる。即ち、このタイプ
は少なくともフレーム枠の高さを上下（２段）に
取らねばならず装置が大型化する。また、フレー
ムの枠の高さも原料層高とほぼ同じであり、この
点からも装置の小形化は望めず、且つ複雑構造で
ある等の欠点を有している。

〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明は上記実情に鑑み、コンベヤ路の原料層
域をキヤリヤ側となる片側にのみ見込み、且つホ
ツパー位置を腐蝕の招かない外側としコンパクト
設計となる油脂の抽出方法であり、もう一つの発
明は上記方法の発明の実施に直接使用する装置を
提供することを目的としたものである。

〈問題点を解決するための手段〉 即ち、第一の発明は原料となる被抽出物を長手
方向全域に多数の小スリツトを配す固定の平滑搬
送面に積載し、これをエンドレスチエーンにて移
動る多数枚のスクレーパーにて順次移送すると共
に、前記キヤリヤ部となる平滑搬送面幅にあつて
上方より溶剤をオーバーフロー方式をもつて所定
間隔に散布し、且つこの平滑搬送面を流下してリ
ターンエンドレスチエーンとスクレーパーを洗浄
したのち筐体底部に形成の多数配列のミセラ用ホ
ツパーで受け、この後、各ホツパーで夫々ポンプ
アツプした濃厚なミセラを、順次新しい原料位置
側の溶剤散布液とし多段利用するものである。

他の発明は、筐体内下部に搬送幅をもつ多数枚
のスクレーパーを直交配設した搬送用チエーンを
掛け、該チエーンのキヤリヤ部位置に、多数本の
ウエツジワイヤーをキヤリヤ部全長に亘りスリツ
トをもつて張設の固定型平滑搬送面を形成した被
抽出物移送手段と、筐体内上部に配す溶剤パイプ
とこの下方の搬送幅をもつオーバーフロー片付き
傾斜均等散布板を多数配設してなる溶剤散布手段
と、リターンエンドレスチエーンとスクレーパー
の洗浄手段と、筐体底部にミセラ用ホツパーを長
手方向に複数槽構成としたミセラ受け手段と、該
各ホツパーに接続の導出パイプを前記溶剤パイプ
中、新しい原料移行側となる溶剤パイプに循環接
続したものである。

〈作用〉 上記のような構成のため、筐体基端上方より連
続的に落下する大豆等の被抽出物を固定板となる
平滑搬送面で受け、この積載量を順次回転移行す
るスクレーパーにて前方へ移動させ、このとき上
方より溶剤をオーバーフローの傾斜均等散布板を
もつて搬送幅に均一散布する。この被抽出物を透
過した油分を含むミセラは、夫々の通過位置の真
下のエンドレスチエーンとスクレーパーを洗浄し
たのちホツパーに溜め、この濃厚となつたミセラ
をポンプアツプし該ホツパー位置より手前側位置
となる新しい原料上方の溶剤パイプより再度散布
し、順次濃度なミセラを得るものである。勿論、
平滑搬送面のヘツド端を過ぎた抽出完了の被抽出
物は筐体の先端下方へ排出する。

〈実施例〉 以下、本発明を実施する装置の図面に基づき詳
述すれば、次の通りである。

１はハウジングとなる横長筐体で、該筐体１の
下部に、両端に配すヘツドプーリ２とテールプー
リ３に少なくとも搬送幅を隔てた一対の搬送チエ
ーン４を掛け、該チエーン４に所定の高さｂをも
つ板状スクレーパー５を一定間隔ごとに差渡し搬
送機構とし、このチエーン４のキヤリヤ部４ａの
下位置に断面三角状を呈するウエツジワイヤー６
を、キヤリヤ部全長に亘る長手方向に小スリツト
７を配すよう多数本張設し固定の平滑搬送面８と
する。この平滑搬送面８上に前記スクレーパー５
が摺動する構成となる。９は筐体上部の天井近傍
に直交配管の溶剤パイプで、この各溶剤パイプ９
の下方には搬送方向側へ傾けた傾斜均等散布板１
０を設置する。この傾斜均等散布板１０は中途に
鋸歯状オーバーフロー片１１を突設し、且つ下端
縁に掻き爪１２を設けている。この場合、傾斜均
等散布板１０の下端と平滑搬送面８間となる原料
層幅ａはスクレーパー５の高さｂの３〜10倍の距
離を取る（図示にあつて、３倍間隔）。勿論、こ
の原料層幅ａは筐体１の基端入口部１ａ端に設け
た回動自在の高さ規制翼１３にて調整される。ま
た、この高さに対応するよう傾斜均等散布板１０
もネジ１４等の設定にて繰出し自在構造としてな
る。１５はチエーン４のリターン部４ｂにあつて
スクレーパー５の下縁より外れた筐体底部に形成
のミセラ用ホツパーで、該ホツパー１５は長手方
向において複数槽となるよう複数個設置している
（図示にあつて７槽）。この各ホツパー１５のミセ
ラ出口１５ａにポンプ（図示せず）を介して接続
の導出管１６を前記溶剤パイプ９の溶剤入口９ａ
に連絡する。この場合、単一のホツパー１５より
集めたミセラは、該ホツパー１５位置より新しい
原料位置側、即ち被抽出物Ａの移動方向手前側の
位置となる溶剤パイプ９へ導き、新しい原料側に
いくにつれ濃厚なミセラを散布する如くしてな
る。

いまこの作用を説明すると、先ずフレークとな
る被抽出物Ａを基端入口部１ａより連続的に投入
し固定となる平滑搬送面８に積載する。この状態
でチエーン４が駆動しスクレーパー５が回動して
くれば、この積載された被抽出物Ａを前方へ搬送
する。この場合、搬送高さ、即ち原料層幅ａは上
方の高さ規制翼１３にて設定され、この原料層幅
ａをもつて順次前方へ送られる。

ここにおいて、筐体上方の溶剤パイプ９よりヘ
キサン等の溶剤を噴流させれば、この溶剤は傾斜
均等散布板１０で一旦受け、このオーバーフロー
片１１の溝１１ａを経て板一杯にわたり流れ出
し、該傾斜均等散布板１０の下縁より被抽出物Ａ
中へ流下する。

次に、この原料層幅ａに亘つて順次透過してき
たミセラＢは各搬送位置の真下にリターンしたエ
ンドレスチエーン４とスクレーパー５を洗浄した
のち夫々のホツパー１５に集められる。この各ホ
ツパー１５のミセラは夫々ポンプアツプして新し
い原料側となる溶剤パイプ９部へ給送し、再度散
布する。即ち、ホツパー１５群は搬送方向側より
搬送手前側につれ順次濃厚ミセラとなり、投入し
たこの新しい原料（被抽出物）に行くにつれ濃厚
ミセラを散布する多段循環の濃化法を採る。

所定の油抽出を終つた被抽出物Ａはチエーン４
のヘツドプーリ２位置となる平滑搬送面８端よ
り、前記スクレーパー５の押圧にて筐体下端の排
出部１ｂに集める。尚、図中１７は洗浄剤噴射部
である。

〈発明の効果〉 上述のように本発明の油脂の抽出方法及びその
装置は、被抽出物の搬送面を小スリツト付きとな
る固定型平滑搬送面とは、スクレーパーの移行を
もつて被抽出物を搬送する如くしてなるため、こ
の搬送部はキヤリヤ部にのみ原料層幅をもてばよ
く、リターン側はスクレーパー幅だけとするだけ
でよく、より搬送部高さを最少とし得る。勿論、
この場合、スクレーパー用チエーンのキヤリヤ部
及びリターン部間には従来の如きホツパー等を介
在せず、従つてこの点からも搬送部全体が偏平と
なり、コンパクト設計に寄与する。ます、溶剤の
散布構成は、溶剤パイプより直接被抽出物へ散布
せず、オーバーフロー部を備えた傾斜均等散布板
をもつて行なうため、搬送幅全域に亘り円滑な溶
剤散布ができ、能率的な油抽出が可能となる。さ
らに抽出後のミセラをエンドレスチエーン及びス
クレーパーの完全洗滌を行なう。又、下部のミセ
ラ用ホツパーは筐体の底部に構成するため、導出
部等の外側部材が溶剤に浸されることがなく、延
いてはホツパーの腐蝕を招かない。更に、本発明
の特長の一つである平滑搬送面は、断面三角形状
となるウエツジワイヤーを配列した固定平坦面と
したことにより、スクレーパーの摺動が容易で確
実な原料移送ができ、且つ平滑搬送面のため原料
自体による自浄効果も相俟つてカスがたまらず目
詰りがない。勿論、このことはウエツジワイヤー
は断面三角形状で下面を広開口７ａをもつている
ため（第４図参照）、この点からスリツトに押込
められたカスは確実に落下し目詰りを招かない。
また、このスクレーパーは高さの低いものを用い
たが、原料搬送は、その10倍程度の原料層高でも
十分搬送し得る。このことからも、リターン側の
スペースが薄く取れ装置全体が単純小型化し運転
保守管理も容易とし得る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施に使用する装置を示し、第
１図は要部を示す側面図、第２図は同縦断面図、
第３図は傾料均等散布板部の斜面図、第４図はウ
エツジワイヤー部の断面図、第５図Ａ，Ｂは従来
品の説明図である。 １……筐体、４……搬送用チエーン、５……ス
クレーパー、６……ウエツジワイヤー、８……平
滑搬送面、９……溶剤パイプ、１０……傾斜均等
散布板、１１……オーバーフロー片、１５……ミ
セラ用ホツパー、Ａ……被抽出物、Ｂ……ミセ
ラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被抽出物を長手方法に多数の小スリツトを配
   す固定の平滑搬送面に積載し、これをエンドレス
   チエーンにて移動する多数枚のスクレーパーにて
   順次移送すると共に、前記キヤリヤ部となる平滑
   搬送面幅にあつて溶剤をオーバーフロー方式にて
   所定間隔に散布し、且つ平滑搬送面を経てリター
   ンエンドレスチエーンとスクレーパーを洗浄しな
   がら筐体底の複数個のミセラ用ホツパーで受け、
   この後、各ホツパーで夫々ポンプアツプした濃厚
   ミセラを新しい原料位置側の溶剤に循環させるこ
   とを特徴とする油脂の抽出方法。 ２ 筐体内下部に搬送幅をもつ多数枚のスクレー
   パーを直交配設した搬送用チエーンを掛け、該チ
   エーンのキヤリヤ部位置にウエツジワイヤー群を
   長手方向にスリツトをもつて張設の固定型平滑搬
   送面を形成してなる移送手段と、筐体内上部に配
   する溶剤パイプとこの下方の搬送幅をもつオーバ
   ーフロー片付き傾斜均等散布板を多数配設してな
   る溶剤散布手段と、ミセラによるリターンエンド
   レスチエーンとスクレーパの洗浄手段と、筐体底
   部にミセラ用ホツパーを長手方向に複数槽構成し
   たミセラ受け手段とよりなり、該各ホツパーの順
   次濃くなるミセラを新しい原料側となる前記溶剤
   パイプに給送することを特徴とした油脂の抽出装
   置。