JPH025253B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、計器の較正装置（ａ calibration
apparatus）に関する。

（従来の技術及び解決しようとする課題） 多くの条件応答の計器（gauge instruments）
は、条件応答素子、例えばベローズ、ブルドン
管、バイメタルコイル等を使用して素子の感知す
る条件変化に応答して変位を生じる。この種の通
常の計器では、条件応答素子の変形運動に応答す
るレバー装置と歯車装置とを有する増幅器即ち
「運動機構」を使用して固定目盛板に対して動く
指針を支持する出力軸を駆動する。指針の位置に
一致した目盛が計器作動圧力又は温度等の条件の
状態を示す。

計器の使用可能な作動精度を得るために、組立
の間に各種の因子、例えばスパン（span）調整、
直線性（linearity）調整、ゼロ位置調整等、較正
を行うことが普通である。スパン調整は、周知の
通り、意図される計器作動の全条件範囲におい
て、指針の動きを目盛スパンに一致させることを
目的とする。従来技術の較正装置の例は、米国特
許第4240298号、第4168631号、第4109537号、第
2141211号に開示される。較正を可能にする計器
組立の特徴は、異なる製造者により種々の配置で
製造される任意の既知の計器構造の全体と両立し
なければならない。

本発明の目的は、計器の較正を可能にする新し
い較正装置を提供することである。

本発明の他の目的は、信頼性が高く、正確に較
正を行い得る較正装置を安価に提供することであ
る。

（課題を解決するための手段） 本発明の較正装置は、ブルドン管、ブルドン管
の変位を出力指針に伝達する増幅器、及び増幅器
と協働して増幅作動を行う細長い作動ピンを用い
る圧力計のような計器に用いられる。本発明にお
いては、ブルドン管、ブルドン管の変位を出力手
段に伝達する増幅器、及び細長い作動ピンであつ
て支持部材に固着される第１端とブルドン管によ
り発生される変位に応答して増幅器が作動可能で
あるように増幅器と協働する第２端の間に延びる
作動ピンを含む計器において、較正を可能にする
ために、作動ピンの両端の中間に曲げクランプ
（ａ bending clamp）が固着される。作動ピン
の第１端は比較的固定された支持部材に固着さ
れ、作動ピンの第２端は比較的自由でありブルド
ン管により発生される変位変化に応答して増幅器
が作動可能であるように増幅器と協働する。曲げ
クランプは、作動ピンの長さに沿つて摺動可能で
あり、作動ピンに可変の曲げモーメントを作用さ
せ、作動ピンの自由端に作動ピンの長手方向軸線
からの可変のオフセツト（offset）を生じさせ
る。曲げクランプは、選択された位置に置かれる
とき、計器のスパン調整等を行う較正に対応する
制御された値のオフセツトを作動ピンの第２端に
生じる。曲げクランプが、ばね把持により作動ピ
ンに固着されるばね金属であるときは、ばね把持
の解放により概略の較正が得られるまで曲げクラ
ンプを作動ピンの長さに沿つて摺動させることが
可能である。次にこの位置において曲げクランプ
を作動ピンの長手方向軸線回りに回転させること
により、最終較正が可能である。

本発明において、曲げクランプは、作動ピンに
制御された曲げを与えて作動ピンの第２端を曲げ
のない作動ピンの軸線からオフセツトさせるよう
に配置される。曲げクランプは、作動ピンの第２
端に発生するオフセツトの程度を制御可能に設定
するため曲げクランプを作動ピンの長手方向の選
択された位置に位置決めするように作動可能であ
る位置決め手段を含む。増幅器はブルドン管と共
に変位するようにブルドン管に取り付けられ、作
動ピンの第２端は増幅器の枢動軸線を形成する。
作動ピンの第１端はブルドン管の静止端に固着さ
れ得る。曲げクランプの位置決め手段は、作動ピ
ンの第２端に発生するオフセツトの程度を徐々に
変化させるように曲げクランプが作動ピンの長手
方向の選択された位置において作動ピンの長手方
向軸線の回りに回転され得る。曲げクランプは作
動ピンに解放可能に固着されるばね金属を備える
ことができる。曲げクランプは作動ピンに制御さ
れた曲げを与えるために、作動ピン上の所定位置
における成型可能なばね性のない材料から成るこ
とができる。曲げクランプは計器のスパン調整又
は直線性調整を行うことができる。

本発明による曲げクランプは、較正を行うため
に必要な長手方向のいかなる位置へも容易に位置
決めされ固定される故に、較正作業が素早く容易
に高い信頼性を有して行うことができ、且つ従来
の較正装置及び技術に比較して著しく安価に行う
ことができる。

（実施例） 第１図は、本発明の較正装置がスパン調整のた
め用いられる形式の計器の立面図であり、米国特
許第4168631号及び第4237738号に開示される形式
の圧力計であつて、コイル状に巻かれたブルドン
管１６の自由端上に支持される浮動の増幅器１２
を有する圧力計１０が示される。矢印１８により
示される液体圧力がねじを切られたソケツト２０
内に入る。ソケツト２０は、ブルドン管に溶接部
２１により接続される。液体圧力はブルドン管１
６内に入り管端１４を周知のように変位させる。
管端１４に取り付けられる増幅器１２が管端１４
と共に浮動して扇形歯車３２を動かし、ピニオン
２３を駆動する。指針２４がピニオン２３の軸２
２に支持される。ピニオンの軸２２の回転による
指針２４の回転変位が、圧力値を目盛り面２８の
目盛り２６により表示する。

第１図において、増幅器１２は、支持枠３０が
ブルドン管端１４に固着される米国特許第
4240298号に開示される形式のものである。増幅
器１２において扇形歯車３２は、横方向交差ピン
３４により支持枠３０内に枢支され、細長い作動
ピン３５と協働する。そのため作動ピン３５の自
由端３６は、扇形歯車３２に形成される長孔３８
を横方向に通つて延びるように配置される。作動
ピン３５の他端は、溶接部３７等によりブルドン
管１６のほぼ静止部分に固着される。以下に記述
されるスパン調整を行う曲げクランプ４０が、作
動ピン３５の両端の中間において作動ピン３５に
固着される。

第２図は直接性調整又はゼロ調整を行う第１図
の変形例を示す。第３図は第１図及び第２図の合
成された調整を可能とする２個の曲げクランプ４
０，４０′を用いる変形例を示す。

第４図は本発明の較正装置の一部の構成を用い
る参考の圧力計を示す。この圧力計において矢印
１８により指示される入力圧力は、同じくソケツ
ト２０を経てＣ型ブルドン管４２に供給される。
扇形歯車３２は枢支ピン４４に枢支され、扇形歯
車３２の尾部は作動ピン３５を介してブルドン管
４２の自由端に溶接部４７により取り付けられ
る。自由端４６の変位は扇形歯車３２を回転さ
せ、ピニオン２３を駆動して指針２４を動かす。
作動ピン３５の長手方向の選択された位置に固着
した曲げクランプ４０がスパン調整を行う。

第５図乃至第８図は、本発明の第１実施例のＷ
型曲げクランプ４０を示す。Ｗ型曲げクランプ４
０は所定位置に成形される薄いばね板金属又はば
ね性のない金属である。Ｗ型曲げクランプ４０は
側部脚４８，５０を含む。側部脚４８，５０はそ
れぞれ横方向開口５２，５４を含む。Ｗ型曲げク
ランプ４０は、中間の頂部にほぼ対称形の凹み５
６が設けられ、開口５２，５４と協働して作動ピ
ン３５に取り付けられるとき３点負荷を形成す
る。この３点負荷は、作動ピン３５に曲げモーメ
ントを作用し、作動ピンの自由端３６に角度βの
オフセツトを生じさせる。作動ピン３５の任意の
選択された長手方向位置Ｘにおいて図示されない
工具により側部脚４８，５０を矢印５８，６０
（第５図）に示されるように互いに接近させるこ
とにより、矢印６４（第７図）に示されるように
作動ピン３５の曲げのない長手方向軸線からの作
動ピン３５の角度βは増加する。次の調整は曲げ
クランプ４０を作動ピン３５の長手方向軸線を中
心として矢印６６（第８図）の方向に回転させる
ことにより達成され、作動ピン３５の曲げの平面
が機能的に回転される。

第７図及び第８図に示されるように、多くのオ
フセツト又は変位の組み合わせが行われ得る。円
弧６４又は寸法Ｙは、曲げクランプ４０による曲
げの大きさ若しくは中心点の距離Ｘ又はその両方
を変化することにより制御することができる。更
に微細な調整を行うには曲げクランプ４０を回転
角αだけ回転させ距離YY′をcosα（cosine α）に
より変化させることによりなされる。他の方法
は、±Ａとして示されるsinαを用いる。この構成
において曲げクランプの曲げ及び距離Ｘが、受け
入れ可能な角度β及び回転角αとしてＡの範囲及
び感度を提供するために選定される。他の形式の
調整、即ちスパン調整、直線性調整、ゼロ調整等
は、作動ピンの第２端３６の変位が増幅器１２と
協働する方向により行い得る。

上述の曲げクランプ４０と同様の結果を得る他
の曲げクランプ４０が第９図乃至第１２図に示さ
れる。第９図の曲げクランプ４０は、ピン３５上
を矢印６２の長手方向又は矢印６６の回転方向の
いずれにも摺動可能な曲面の通り孔７０を有する
曲面ブロツク６８を用いる。第１０図の曲げクラ
ンプ４０は、板状金属のＶ字形ヒンジ７２の形態
を取り、Ｖ字形ヒンジ７２は、横方向の孔７４，
７６を有し、Ｖ字形ヒンジの両脚を接近させると
き、矢印６２の長手方向に摺動可能であり、矢印
６６の回転方向に位置決めされる。選択的に、Ｖ
字形ヒンジは、両脚を平行として位置決めされ、
所定位置で脚を開き、次に矢印６６の方向に回転
される。第１１図の曲げクランプ４０は、間隔を
置いたタブ８０を備える板７８を用いる。間隔を
置いたタブ８０は、作動ピン３５に嵌め込まれ矢
印６６の方向に位置決めされるとき、作動ピン３
５に曲げを生じる。第１２図の実施例において、
曲げクランプ４０は、傾斜タブ８２を備えるサド
ルの形状にされ、傾斜タブ８２の開口端及び端壁
８８及び９０における開口８４及び８６を介して
作動ピン３５にスナツプ係合可能にされる。

実施例の較正装置の作動において、較正は曲げ
クランプ４０を作動ピン３５上において作動ピン
３５の両端の中間位置に位置決めすることにより
得られる。まず長手方向に曲げクランプ４０を変
位させることにより、円弧６４が、選択された距
離Ｘの位置で近似の変位Ｙが得られるまで徐々に
変化される。曲げクランプ４０は次に回転変位
Y′が得られるまで矢印６６の方向へ回転される。
これが完了すると所要の較正が得られる。スパン
調整の場合に指針２４の動きは計器の作動するこ
とが意図される圧力の全範囲について目盛スパン
に一致する。

計器の新しい較正装置が上述により開示され
た。本発明の較正装置は、使用が簡単であり、安
価に製造することができ、且つ目盛りの較正を正
確に行うことができる。単に曲げクランプを作動
ピンの固着点から選択された長手方向距離Ｘの位
置に置くことにより調整は近似的に得られ、次に
曲げクランプをＸ位置を中心に全調整が得られる
まで単に回転させることにより更に正確な調整が
得られる。本発明の較正装置は、構造が簡単で且
つ作動が容易であることにより、従来の較正装置
に比較して、較正が著しく効率的に行い得る。

上述の構造において多くの変更が可能であり、
本発明の範囲を離れることなく本発明の多くの明
白に広く異なる実施例が作られれ得る故に、図面
及び実施例に含まれる全ての事項は、事例として
解釈されるべきであり、限定として解釈されるべ
きでない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の較正装置がスパン調整に用い
ら得る計器の第１の形態を示す立面図、第２図は
直線性調整又はゼロ調整を行うための第１図の計
器を部分的に変形した計器の立面図、第３図は第
１図及び第２図の調整の組み合わせの調整を行う
ための第１図の計器を部分的に変形した計器の立
面図、第４図は本発明の一部の構成要件を備える
他の形式の参考の計器の立面図、第５図及び第６
図は本発明の較正装置の曲げクランプの第１実施
例の拡大側面図及び正面図、第７図及び第８図は
第５図及び第６図の曲げクランプの作動線図、第
９図乃至第１２図は曲げクランプの種々の実施例
を示す図である。 １０……圧力計、１２……増幅器、１６……ブ
ルドン管、２３……ピニオン、２４……指針、３
２……扇形歯車、３５……作動ピン、４０，４
０′……曲げクランプ、４８，５０……脚、５２，
５４，７０，７４，７６，８４，８６……孔、６
８……曲面ブロツク、７２……Ｖ字形ヒンジ、７
８……板、８０……タブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ブルドン管１６、ブルドン管の変位を出力手
   段（23、24）に伝達する増幅器１２、及び細長い
   作動ピン３５であつて支持部材に固着される第１
   端３７とブルドン管により発生される変位に応答
   して増幅器が作動可能であるように増幅器と協働
   する第２端３６の間に延びる作動ピンを含む計器
   の較正装置において、 曲げクランプ４０，４０′であつて、作動ピン
   ３５の第１端と第２端の間において作動ピンに取
   り付けられ、作動ピン３５に制御された曲げを与
   えて作動ピンの第２端３６を曲げのない作動ピン
   の軸線からオフセツトさせる曲げクランプ、を備
   えることを特徴とする較正装置。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の較正装置にし
   て、曲げクランプ４０が、作動ピンの第２端に発
   生するオフセツトを制御可能に設定するため曲げ
   クランプ手段を作動ピンの長手方向の選択された
   位置に位置決めするように作動可能である位置決
   め手段を含むことを特徴とする較正装置。 ３ 特許請求の範囲第１項に記載の較正装置にし
   て、増幅器１２がブルドン管と共に変位するよう
   にブルドン管に取り付けられ、作動ピンの第２端
   ３６が増幅器の枢動軸線を形成することを特徴と
   する較正装置。 ４ 特許請求の範囲第１項に記載の較正装置にし
   て、作動ピンの第１端３７が、ブルドン管の静止
   端に固着されることを特徴とする較正装置。 ５ 特許請求の範囲第１項乃至第４項のいずれか
   に記載の較正装置にして、作動ピンの第２端３６
   に発生するオフセツトの程度を徐々に変化させる
   ように曲げクランプが作動ピンの長手方向の選択
   された位置の回りに回転変位可能であることを特
   徴とする較正装置。 ６ 特許請求の範囲第１項乃至第５項のいずれか
   に記載の較正装置にして、曲げクランプ４０が作
   動ピン３５に解放可能に固着されるばね金属を備
   えることを特徴とする較正装置。 ７ 特許請求の範囲第１項乃至第５項のいずれか
   に記載の較正装置にして、曲げクランプ４０が、
   作動ピン３５上の所定位置において成型可能なば
   ね性のない材料から成ることを特徴とする較正装
   置。 ８ 特許請求の範囲第１項に記載の較正装置にし
   て、曲げクランプ４０が計器のスパン調整を行う
   ことを特徴とする較正装置。 ９ 特許請求の範囲第１項に記載の較正装置にし
   て、曲げクランプ４０が計器の直線性調整を行う
   ことを特徴とする較正装置。 １０ 特許請求の範囲第１項に記載の較正装置に
   して、曲げクランプ４０が計器のスパン調整及び
   直線性調整を行うことを特徴とする較正装置。 １１ 特許請求の範囲第１項乃至第１０項に記載
   の較正装置にして、曲げクランプ４０が、作動ピ
   ン３５に３点曲げ力を与えるＷ型曲げクランプで
   あることを特徴とする較正装置。