JPH0252263B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は光ビームプリンタに係り、特にレーザ
ビームなどによつて光導電性感光体表面を走査露
光して静電潜像を形成し、この静電潜像を微粉ト
ナーで現像する光ビームプリンタに関する。

光ビームプリンタの１つであるレーザビームプ
リンタは、一様に帯電された光導電性感光ドラム
の表面をレーザビームで走査露光するために、支
軸を中心に回転あるいは揺動する偏向ミラー、Ｆ
―θレンズ、偏向ミラー面倒れ補正光学系などを
備えている。面倒れ補正光学系は、偏向ミラーに
よる偏向走査精度の悪さによる記録画像の解像度
低下を補うもので、偏向ミラーで反射したレーザ
ビームをＦ―θレンズを介して光導電性感光ドラ
ム表面を走査露光する露光系ではＦ―θレンズと
光導電性感光ドラムの間に配置される。この面倒
れ補正光学系としてはシリンドリカルレンズを用
いる場合が多く、短焦点距離のシリンドリカルレ
ンズほど補正効果が大きいことからこのシリンド
リカルレンズは短焦点距離のものを光導電性感光
ドラムの表面に接近して配設するようにしてい
る。一方、静電記録機構の一構成要素である光導
電性感光ドラム表面には、前記露光系の走査露光
によつて静電潜像が形成され、この静電潜像は微
粉トナーによつて現像される。一般に静電潜像の
乾式現像剤としては、１成分現像剤や２成分現像
剤があり、現像法としては、カスケード法や磁気
ブラシ法がある。何れの現像法を用いても現像剤
の成分である微粉トナーの気中への飛散を避ける
ことはできず、従つて光導電性感光ドラム表面に
接近して配設したシリンドリカルレンズに微粉ト
ナーが付着してこれを汚損しレーザビーム透過効
率を低下させる問題があつた。特に半導体レーザ
ビーム発生器（レーザダイオード）を使用した場
合には、大きなレーザビーム出力が得られないこ
とから、シリンドリカルレンズの汚損によるレー
ザビームの減衰は、光導電性感光ドラム表面の露
光不足を招来して記録画像の品質を低下させる。
この問題を解決するには、シリンドリカルレンズ
を頻繁に清掃すればよいが、清掃時にシリンドリ
カルレンズに傷をつけたり、清掃作業を容易にす
るためにシリンドリカルレンズを着脱自在にする
と位置ずれを生じたり、あるいはメンテナンスフ
リー化に逆行する欠点がある。

従つて本発明の目的は、露光光学機構における
面倒れ補正光学系の微粉トナーによる汚損を防止
して長期間に亙つて高品質の記録画像を得ること
ができる光ビームプリンタを提供することにあ
る。

この目的を達成するため、本発明は、光源、光
ビーム偏向手段、光ビーム走査手段を防塵的に収
納した光学ボツクスの偏向ミラー面倒れ補正光学
系が設けられた光ビーム発射口部の外側を、光ビ
ームの光路となるスリツトがそれぞれ形成された
入射側仕切壁および出射側仕切壁、およびこれら
の両仕切壁間に形成された塵埃沈降空間を有する
接地された導電性塵埃除去箱で覆い、外部から出
射側仕切壁のスリツトを通過して塵埃除去箱内に
入つた気流の流速を塵埃除去箱の塵埃沈降空間で
弱めることによつて気中に浮遊する微粉トナーを
自重により沈降除去するとともに、帯電されてい
る微粉トナーを接地された導電性塵埃除去箱の内
壁に静電付着させその電荷を放出させて塵埃除去
箱下部に落下除去し、微粉トナーが露光光学機構
の偏向ミラー面倒れ補正光学系に付着しないよう
にしたことを特徴とする。

以下、本発明を図面に示す実施例について説明
する。第１図はレーザビームプリンタの横断平面
図、第２図は同縦断側面図である。同図におい
て、側板１，２は後述する静電記録機構３と露光
光学機構４の支持枠となる。静電記録機構３は、
側板１，２に軸受５，６によつて支持された軸７
に設けられた光導電性感光ドラム８を備え、この
光導電性感光ドラム８は歯車９を介して図示せざ
る駆動源によつて矢印方向に回転させられる。光
導電性感光ドラム８の表面は帯電器１０によつて
均一に帯電され、次に後述する露光光学機構４に
よつてレーザビームで走査露光されて静電潜像が
形成される。現像器１１は磁性微粉トナーによる
１成分現像剤または磁性キヤリアと微粉トナーを
混合した２成分現像剤を磁気ロールに吸着した磁
気ブラシにより前記光導電性感光ドラム８を摺擦
して静電潜像を現像しトナー像を形成する。給紙
ユニツト１２は記録紙を収容しており、記録紙を
１枚ずつ送り出して光導電性感光ドラム８に接触
させ、静電転写器１３によつて光導電性感光ドラ
ム表面のトナー像を記録紙に転写する。除電器１
４は転写後の光導電性感光ドラム表面に残留する
電荷を除去し、クリーナ１５は光導電性感光ドラ
ム表面に残留するトナーを除去する。レンズ光学
機構４は、光学ボツクス１６内に設けられたレー
ザ光源１７と、結合レンズ１８と、スキヤナハウ
ジング１９と、定速回転された多面鏡２０と、Ｆ
―θレンズ２１を有する。レーザ光源１７は記録
すべき画像情報によつて制御されて発生するレー
ザビーム２２の強度が変調される。レーザビーム
２２は結合レンズ１８によつて平行光線としてス
キヤナハウジング１９の窓を１９ａを通して多面
鏡２０に投射され、反射ビームがＦ―θレンズ２
１を介した後に光学ボツクス１６の窓１６ａから
前記光導電性感光ドラム８の表面に向けて導出さ
れる。光学ボツクス１６の窓１６ａの外側の光路
は断面矩形のガイドケース２３で防塵され、ガイ
ドケース２３の先端のレーザビーム発射口部は面
倒れ補正用のシリンドリカルレンズ２４を備えた
レンズホルダ２５で閉塞される。このように構成
された露光光学機構４における前記レンズホルダ
２５の外側には浮遊微粉トナーがシリンドリカル
レンズ２４に付着するのを防止するための塵埃除
去箱２６が設けられる。

この面倒れ補正光学系と塵埃除去箱２６を第３
図の斜視図と第４図の縦断側面図を参照して詳細
に説明する。

レンズホルダ２５は接地された導電性部材で構
成され、側板１，２間に固定される。このレンズ
ホルダ２５は窓２５ａを有し、この窓２５ａにレ
ーザビーム２２を偏向走査したきに発生する走査
方向に対する直角方向のビームの振れを補正する
シリンドリカルレンズ２が嵌め込まれて導電性の
押え金具２７ａ，２７ｂで支持される。塵埃除去
箱２６は、導電性の本体２６ａと係合金具２６ｂ
と内壁に植付けられた導電性の針状電極２６ｃを
備え、入射側の仕切壁となる係合金具２６ｂは前
記押え金具２７ａ，２７ｂに形成された係合部に
摺動によつて着脱自在に取り付けられる。係合金
係２６ｂとこの係合金係２６ｂに対面する本体２
６ａの壁、すなわち出射側の仕切壁には、レーザ
ビーム２２が通過するスリツト２６ｄ，２６ｅが
形成される。このスリツト２６ｄ，２６ｅの長さ
はレーザビーム２２の偏向走査幅に対応した寸法
をもち、偏向走査方向と直角方向のスリツト幅は
レーザビーム直径に近い寸法をもつように設計す
る。スリツト幅は、工作精度を考慮すると0.5〜
２mmがよい。針状電極２６ｃはレーザビーム光路
を遮らないように静電植毛した導電性繊維（ある
いは植毛後に導電処理したもの）が、長繊維群と
短繊維群に分けて配置される。スリツト２６ｅの
近くの本体２６ａの下壁外側には本体２６ａの全
幅に亙つて永久磁石２８が設けられる。

このようなレーザビームプリンタにおいて、画
像情報の記録は次のように行なわれる。先ず、光
導電性感光ドラム８は矢印方向に定速回転状態に
保持され、その表面は帯電器１０によつて均一に
帯電され、その後レーザビーム２２によつて露光
されて電荷が放出される。すなわち、レーザ光源
１７から出たレーザビーム２２は、結合レンズ１
８を介して多面鏡２０に投射され、多面鏡２０に
投射され、多面鏡２０からの反射ビーム２２はＦ
―θレンズ２１、窓１６ａ，シリンドリカルレン
ズ２４、塵埃除去箱２６のスリツト２６ｄ，２６
ｅを通して光導電性感光ドラム８の表面に到達す
る。多面鏡２０は定速回転することから回転角に
応じてレーザビーム２２の反射角が変化し、光導
電性感光ドラム８の表面上のレーザビームスポツ
トは軸心方向に移動する。同時にレーザビーム２
２の発生の有無が画像情報によつて制御され、ト
ナーを付着すべき領域の帯電が放出される。そし
てレーザビームスポツトの１走査毎に光導電性感
光ドラム８の表面が１走査線幅分だけ移動するよ
うにして、光導電性感光ドラム８の表面に電荷潜
像が形成される。電荷潜像は現像器１１で現像さ
れてトナー像となり、このトナー像は静電転写器
１３で記録紙に転写される。

ところで前述したように、露光光学機構４の近
くには現像器１１が稼動しているので、気中には
微粉トナーが浮遊している。上記実施例によれ
ば、この浮遊微粉トナーがシリンドリカルレンズ
２４の表面に付着するには、塵埃除去箱２６のス
リツト２６ｅと、針状電極２６ｃの間と、スリツ
ト２６ｄとを順次通過しなければならない。しか
しながら、塵埃除去箱２６内はスリツト２６ｅを
除いて外部に対して閉塞され気流が殆んど生じな
いので、外部からスリツト２６ｅを通して侵入す
る浮遊微粉トナーは極めて少なく、また浮遊微粉
トナーがスリツト２６ｅを通して侵入しても、ス
リツト２６ｅに対して箱本体２６ａの通路断面積
が大きいので箱内での気流速は極端に弱められ
て、浮遊微粉トナーは自重により沈降する。また
帯電されている微粉トナーには箱内の構造物に静
電付着するような力が作用するが、針状電極２６
ｃは尖端効果によつて電位傾斜を大きくし微粉ト
ナーの静電付着効果を助長する。塵埃除去箱２６
は導電性でありレンズホルダ２５を介して接地さ
れているので、静電付着した微粉トナーは電荷を
放出して付着力を失い底面に落下堆積する。また
磁性キヤリアや磁性微粉トナーが塵埃除去箱２６
内に侵入した場合には、前記のように自重や静電
付着によるほかに、磁石２８による磁気吸引力が
作用して気中から除去される。従つて、塵埃除去
箱２６内において、スリツト２６ｄを通過してシ
リンドリカルレンズ２４の表面にまで到達する微
粉トナーあるいはその他の塵埃は極少量となり、
シリンドリカルレンズ２４の汚損が防止される。
そして塵埃除去箱２６内に多量の微粉トナーある
いは塵埃が堆積したときは、塵埃除去箱２６を取
り外して清掃あるいは交換する。

また、露光光学機構４におけるガイドケース２
３のレーザビーム発射口部にはシリンドリカルレ
ンズ２４が設けられているので、光学ボツクス１
６内を外気に対してほぼ気密に保持できるので、
結合レンズ１８、多面鏡２０、Ｆ―θレンズ２１
は清掃不要程度に防塵できる。

上記実施例において、塵埃除去箱２６内の針状
電極２６ｃは長繊維群と短繊維群を分けて静電植
毛することにより構成したが、レーザビーム光路
を遮らない長さを最長とした多種類の長さの導電
性繊維を不規則に静電植毛することによつても構
成できる。この場合も、絶縁性繊維を静電植毛後
に帯電防止材をスプレーして導電性とすることが
できる。

第５図は導電性樹脂材料を用いて塵埃除去箱２
６を成形した例を示す。この場合には、上下に２
分割したものを合わせる構造とすることにより、
針状電極２６c′と結合金具部２６b′を一体成形す
ることが可能となる。

また塵埃除去箱２６内を、レーザビーム光路に
相応するスリツトをもつた多数の仕切壁で仕切
り、この仕切壁に針状電極と同様に静電付着効果
をもたせると共に、各仕切壁の間の空気で気流速
を減衰させて浮遊する微粉トナーやその他の塵埃
を沈降させるように変形しても同様な効果が得ら
れる。

以上説明したように、本発明によれば、塵埃除
去箱内は出射側仕切壁のスリツトを除いて外部に
対して閉塞され気流が殆んど生じないので、外部
から出射側仕切壁のスリツトを通して侵入する浮
遊微粉トナーは極めて少なく、また浮遊微粉トナ
ーが出射側仕切壁のスリツトを通して侵入しても
その気流の流速を塵埃沈降空間で弱めることによ
つて浮遊微粉トナーなどを自重により沈降除去す
ることができるとともに、帯電された微粉トナー
などは接地された導電性塵埃除去箱の内壁に静電
付着させ、その電荷の放出により付着力を消失さ
せて落下除去することができる。その結果、露光
光学機構の偏向ミラー面倒れ補正光学系の微粉ト
ナーなどによる汚れを防止し、長時間にわたつて
高品質の記録画像が得られる光ビームプリンタを
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本発明の一実施例を示すもの
で、第１図はレーザビームプリンタの横断平面
図、第２図は同縦断側面図、第３図は面倒れ補正
光学系と塵埃除去箱の斜視図、第４図は同縦断側
面図、第５図は本発明の他の実施例を示す塵埃除
去箱の縦断側面図である。 ３……静電記録機構、４……露光光学機構、８
……光導電性感光ドラム、１７……レーザ光源、
２６……塵埃除去箱、２６ｄ，２６ｅ……スリツ
ト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一様に帯電された光導電性感光体表面の電荷
   が選択的に放出されて静電潜像が形成され、この
   静電潜像が微粉トナーで現像される静電記録機構
   と、この静電記録機構に対して隔離され光源から
   の光ビームを偏向して前記光導電性感光体表面を
   走査露光し電荷を選択的に放出する光ビーム光路
   を有する露光光学機構とを備えた光ビームプリン
   タにおいて、前記露光光学機構は、光源、この光
   源からの光ビームを偏向走査するための偏向ミラ
   ーを含む光ビーム偏向手段、および前記感光体表
   面に光ビームを微小スポツトとして結像するため
   のＦ―θレンズを含む光ビーム走査手段を外部塵
   埃に対して防塵的に構成された光学ボツクス内に
   収納するとともに、この光学ボツクスの光ビーム
   を前記感光体表面に向けて射出する光ビーム発射
   口部に偏向ミラー面倒れ補正光学系を設けて前記
   光ビーム発射口部を閉塞し、さらにこの偏向ミラ
   ー面倒れ補正光学系の前記感光体側に偏向ミラー
   面倒れ補正光学系を覆うように、光ビームの光路
   となるスリツトがそれぞれ形成された入射側仕切
   壁および出射側仕切壁、およびこれらの両仕切壁
   間に形成された塵埃沈降空間を有する接地された
   導電性塵埃除去箱を設けることによつて構成した
   ことを特徴とする光ビームプリンタ。