JPH0248176B2 - - Google Patents

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JPH0248176B2
JPH0248176B2 JP60141386A JP14138685A JPH0248176B2 JP H0248176 B2 JPH0248176 B2 JP H0248176B2 JP 60141386 A JP60141386 A JP 60141386A JP 14138685 A JP14138685 A JP 14138685A JP H0248176 B2 JPH0248176 B2 JP H0248176B2
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acrylic acid
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copolymerizable
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Masamitsu Tateyama
Fumio Sato
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐衝撃性メタクリル樹脂組成物の製
造法に関し、詳しくは耐候性および低温時の耐衝
撃性にすぐれるメタクリル樹脂組成物に関する。 〔従来の技術〕 メタクリル樹脂は、ブラスチツク材料の中でも
透明性および光学的性質に卓越した特性を有し、
また表面光沢、耐候性、染顔料着色性、成形加工
性等においても極めて優れており、これらの特性
を生かして、照明、看板、窓材、光学レンズ、テ
ールレズ、メーターカバー、ダストカバー、デイ
スプレイ、テーブルウエアーなど、光学用途、建
材、電気機器部品、車輌部品、装飾分野、雑貨な
ど多方面の分野で使用されている。 しかし、メタクリル樹脂は、耐衝撃性が不足し
ているという問題があり、個々の用途分野におい
てその改良が強く要望されている。 メタクリル樹脂の耐衝撃性を改良する方法とし
ては、古くから種々の提案がなされている。最も
一般的で且つ効果的な方法として、メタクリル酸
メチルを主成分とする連続樹脂相中に、常温でゴ
ム状を示す弾性体、例えばブタジエンを主成分と
した不飽和ゴム状重合体、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシルなどを主成分とした
アクリル酸エステル系重合体、あるいはエチレ
ン/酢酸ビニル共重合体などの飽和ゴム状弾性体
を粒子状で不連続的に分散せしめる方法がとられ
ている。 不飽和ゴム状弾性体の導入は、耐衝撃性の発現
性の面では優れているが、ポリマー主鎖の不飽和
結合に起因する耐候性不良の問題があり、一方飽
和ゴム状弾性体の導入は、耐候性の面では優れて
いるものの、ジエン系のゴム状弾性体に比較し
て、ガラス転移点が高い。そしてゴム成分自体の
弾性率と弾性回復性が低く、さらに硬質樹脂成分
とのグラフト重合性に乏しいため特に低温領域で
の耐衝撃性の発現性、透明性、表面光沢等が劣
り、また流動模様を生ずるなど表面外観にも問題
がある。 一般にこれらゴム状弾性体が粒子状の不連続相
としてメタクリル樹脂などの硬質樹脂の連続相中
に均一に分散した2成分系よりなる耐衝撃性樹脂
組成物を合成する場合、重要な因子としてゴム状
弾性体の組成や粒子径、架橋度、ゴム相への硬質
樹脂相のグラフト重合性および硬質樹脂相の分子
量などが挙げられており、事実、樹脂の最終組成
物の樹脂特性の優劣とバランスはこれらの因子に
よつて大きな影響を受ける。 すなわち、ゴム状弾性体のガラス転移点が低い
程耐衝撃性の発現効果にすぐれており、粒子径は
小さい程透明性は良好となるが、耐衝撃性の発現
効果に劣る。 架橋度については、架橋密度が高い程表面光
沢、流動模様など表面外観の面では優れている
が、耐衝撃性に劣る欠点を生ずる。 またグラフトされる硬質樹脂相のゴム状弾性体
へのグラフト重合性の程度はゴム状弾性体の連続
樹脂相への相溶性、分散性を大きく支配し耐衝撃
性、透明性、耐ストレス白化性、表面光沢、流動
加工性など多くの特性影響を及ぼし飽和ゴム状弾
性体を使用する場合、一般にグラフト重合性は低
く、特別な考慮を払う必要がある。しかし、グラ
フトの程度は樹脂の最終物性のなかで特に透明
性、表面光沢、流動加工性に多大の影響を及ぼす
ため、グラフト重合反応をコントロールする必要
がある。さらにグラフトされる硬質樹脂相の分子
量は大きい方が耐衝撃性の面では効果的である
が、表面外観と成形加工性の面では逆に劣る。 以上の如く、個々の因子の挙動は個別的で、一
長一短を有しており、耐衝撃性メタクリル樹脂の
樹脂特性全般のバランスを効率よく品質設計する
ことは極めて困難であり、ストレートのメタクリ
ル樹脂に匹適する透明性、表面光沢ならびに成形
加工性を具備した特に低温域の耐衝撃性にすぐれ
たメタクリル樹脂組成形材料は未だ出現していな
いのが実状である。 近年耐候性に優れたアクリル酸エステル系弾性
体をゴム相とした耐衝撃性樹脂組成物あるいは耐
衝撃性メタクリル樹脂組成物において、ゴム相の
耐衝撃性の発現効果、成形品の透明性、耐ストレ
ス白化性あるいは成形過程でのゴム粒子の変形に
起因する真珠様光沢、耐候性を改良する目的でゴ
ム粒子内部に硬質樹脂を含有せしめる方法が提案
されており(特公昭52−30996号および特開昭48
−55233号)、これらの方法は確かにその効果は認
められるものの、メタクリル樹脂材料として見た
場合、透明性、表面光沢の面ではまだかなり劣る
上に、さらに低温領域での耐衝撃性が低い。 耐候性および低温耐衝撃性にすぐれた組成物ま
たはその製造法として、多価アリル化合物および
炭素数が1〜13個のアルキル基を有するアクリル
酸エステルおよび他の共重合性のビニル化合物の
特定量の単量体混合物を使用し、ジエン系重合体
の存在下にグラフト重合して、さらに芳香族ビニ
ル化合物、メタクリル酸エステル、シアン化ビニ
ル化合物の特定量を乳化重合させることにより耐
衝撃性熱可塑性樹脂を製造する方法(特開昭57−
167308号)や、ジエン系重合体に炭素数が2〜12
のアルキル基をもつアクリル酸アルキルエステル
と多官能性ビニル単量体の特定量の混合物をグラ
フト重合させ、さらにこの生成グラフト重合物
に、アクリロニトリル、メタクリロニトリルの特
定量と炭素数が1〜4のアルキル基を持つメタク
リル酸アルキルエステルの特定量、およびスチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体の
特定量の混合物をグラフト重合させることからな
る耐衝撃グラフト重合体の製造方法(特公昭47−
47863号、特開昭56−86918号)などが知られてい
る。 しかし、これらのいずれの方法によつても、耐
候性および低温耐衝撃性にすぐれたメタクリル樹
脂組成物を得ることは困難である。 その理由としては、上記のいずれの方法によつ
ても、得られるものはパウダー状のポリマーであ
り、成形加工が難しく、成形加工時に熱による着
色や劣化を起すことがあり、生産性も悪く、また
上記のすべての方法を構成する単量体等から、得
られたポリマーは、透明性や熱による着色、およ
び耐候性、耐水性の点でメタクリル樹脂とは言い
難いことなどが挙げられる。 例えば、特公昭47−47863号には、ジエン系ポ
リマーに炭素数が2〜12のアルキル基を有するア
クリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体
またはその混合物を重合し、さらにアクリロニト
リル系単量体、メタクリル酸アルキルエステル系
単量体、スチレン系単量体の特定量をグラフト重
合する技術が開示されているが、この技術では、
メタクリル樹脂に匹適する透明性、外観および耐
候性にすぐれる組成物を得ることは実質上困難で
ある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明者等は上述の如き現状に鑑み、透明性、
表面光沢、耐候性などメタクリル樹脂本来の優れ
た特性を損ずることなく、これに特に低温領域で
の耐衝撃性を付与したメタクリル樹脂組成物につ
いて鋭意検討した結果、1,3−ブタジエンとア
クリル酸アルキルエステルを主成分としたジエン
系共重合体を粒子内部に含有し、特定の組成を有
するアクリル酸エステル系共重合体がその外層を
構成する2重構造の弾性体と、これにメタクリル
酸メチルを主成分とした単量体をグラフト重合す
るという特殊な処方を組み合せ、かつ得られたグ
ラフト共重合体とメタクリル酸メチルを主成分と
するメタクリル樹脂とを特定の範囲に混合するこ
とにより所期の目的が達成されることを見い出し
本発明に到達した。 〔問題点を決するための手段〕 本発明の耐衝撃性メタクリル樹脂組成物の製造
法は、1,3−ブタジエン30〜80重量%、アルキ
ル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエス
テルの少なくとも1種20〜70重量%、他の共重合
性の単官能性単量体0〜30重量%、および共重合
性の単官能性単量体0〜5重量%からなる単量体
混合物を重合したジエン系共重合体(A)5〜75重量
部の外部にアルキル基の炭素数が1〜8のアクリ
ル酸アルキルエステルの少なくとも1種69.9〜
89.9重量%とスチレン単独またはスチレンとその
誘導体の混合物10〜30重量%ならびに1分子中に
炭素−炭素2重合結合を2個以上有する多官能性
単量体0.1〜10重量%よりなる単量体混合物を重
合して架橋アクリル酸エステル系共重合体(B)25〜
95重量部を外層に形成させた2重構造弾性体
〔〕ラテツクス100重量部の存在下に、メタクリ
ル酸メチル80〜100重量%、アルキル基の炭素数
が1〜8のアクリル酸アルキルエステルの少なく
とも1種0〜20重量%およびこれと共重合性の他
のビニル系単量体0〜10重量%よりなる単量体ま
たはその混合物(C)5〜1000重量%を重合した後、
得られる多層構造グラフト共重合体〔〕と、メ
タクリル酸メチル単位80〜100重量%と他の共重
合性単量体単位0〜20重量%からなるメタクリル
樹脂〔〕とを混合物中の前記2重構造弾性体
〔〕の含有量が1〜50重量%となるように混合
することを特徴とする。 つまり本発明は低温域でのゴム特性にすぐれ
た、屈折率の調節されたジエン系共重合体を耐候
性にすぐれた、屈折率の調節された架橋アクリル
酸エステル系共重合体で包み、得られた2重構造
弾性体〔〕に、メタクリル酸メチルを主成分と
する単量体、またはその混合物をグラフト重合さ
せ、そのグラフト共重合体の特定量とメタクリル
酸メチルを主要構成単位とするメタクリル樹脂の
特定量をブレンドする樹脂組成物の製造法に関す
るものである。本発明の製造法で特に重要な点
は、架橋アクリル酸エステル系共重合体を重合す
る際に、炭素数が1〜8のアルキル基を有する特
定量のアクリル酸アルキルエステル、およびスチ
レン系単量体ならびに特定の炭素−炭素2重結合
を2個以上有する多官能性単量体を使用すること
にある。 その特定の多官能性単量体の好ましいものとし
ては、アクリル酸、α,β−置換アクリル酸の少
なくとも1種の不飽和酸とアリルアルコール、メ
タリルアルコール、クロチルアルコールから選ば
れる不飽和アルコールのエステルがあげられる。 多官能性単量体として、等価の反応性を有する
複数の炭素間2重結合を有する多官能性物質例え
ばエチレングリコールジメタクリレート、1,4
−ブタンジオールジアクリレート、ジビニルベン
ゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレ
ート等を用いた場合には、本発明の耐衝撃性メタ
クリル樹脂を得ることは困難であり、仮に用いる
場合、先記した特定の多官能性単量体と併用する
必要がある。 本発明の樹脂組成物の製造を実施するに際して
は、得られる樹脂組成物に良好な透明性を付与す
るために、各重合段階において得られる樹脂相の
屈折率をできるだけ同一とするか、または極めて
近似させることが必要である。 また、本発明の樹脂組成物の製造に際しては、
得られる樹脂組成物の、透明性および表面外観と
耐衝撃性の発現性能のバランスのため、分散させ
るゴム粒子径も考慮する必要がある。本発明の組
成物においては、透明性、耐衝撃性何れにも優れ
た組成物を得るため、架橋アクリル酸エステル系
共重合体(B)の重合が実質上完了し、2重構造弾性
体〔〕が得られた時点で0.03〜0.45μm、より好
ましくは0.05〜0.35μmの粒子径範囲とすることが
好ましい。 本発明において用いられる2重構造弾性体
〔〕は、ジエン系共重合体(A)を粒子内部にもち、
その外層に架橋アクリル酸エステル系共重合体(B)
を有するものである。 本発明でいうジエン系共重合体(A)は、1,3−
ブタジエン30〜80重量%、アルキル基の炭素数が
1〜8のアクリル酸アルキルエステルの少なくと
も1種70〜20重量%、他の共重合性の単官能性単
量体0〜30重量%および共重合性の多官能性単量
体0〜5重量%からなる単量体混合物の共重合体
であり、2重構造弾性体〔〕の内部に、5〜75
重量部、より好ましくは10〜60重量部含有させる
ことが必要である。 その量が5重量部未満では低温域の耐衝撃性の
発現性向上効果が少なく、透明性も低下する。逆
に75重量部をこえる場合には表面光沢が低下する
と共に耐候性も低下する傾向がある。 ジエン系共重合体(A)の重合に用いるアルキル基
の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル
としては特に限定されないが、特に好ましくはア
クリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル
等である。 ジエン系共重合体(A)中、上記アクリル酸エステ
ルの含有量が、20重量%未満では耐候性、耐熱安
定性が低下し、また70重量%をこえる場合には低
温域での耐衝撃性が低下する。 ジエン共重合体(A)の重合に必要に応じて用いら
れる共重合性の他の単官能性単量体としては特に
限定されないが、好ましいものとしてはアクリロ
ニトリル、アルキル基の炭素数が1〜4のメタク
リル酸アルキルエステル、スチレン等があげられ
る。 またジエン共重合体(A)の重合に必要に応じて用
いる多官能性単量体は、1,3−ブタジエンおよ
びアクリル酸アルキルエステルと共重合するもの
であればよく、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、ブチレングリコールジ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート等があげられる。 なお、ジエン系共重合体(A)を得る際には、必要
に応じてメルカプタン等の重合度調節剤を添加す
ることができる。 架橋アクリル酸エステル系共重合体(B)はアルキ
ル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエス
テル群の中で、好ましくはアクリル酸ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシルの少なくとも1種
69.9〜89・9重量%とスチレン単独またはスチレ
ンとその誘導体の混合物10〜30重量%ならびにこ
れと共重合可能で1分子中に炭素−炭素2重結合
を2個以上有する多官能性単量体0.1〜10重量%
よりなる単量体混合物の共重合体であつて、ジエ
ン系共重合体(A)の存在下に、その外層に重合せし
める。アクリル酸エステル系単量体とスチレンま
たはその誘導体との組成割合は透明性を付与する
ために重要な因子の一つであり、上記組成範囲以
外では透明性が低下する。 1分子中に炭素−炭素2重結合を2個以上有す
る多官能性単量体の添加は、耐衝撃性ならびに表
面外観の面から必要であり、多官能性単量体の種
類によつて最適添加量が異なるが、一般に上記の
0.1〜10重量%の範囲がよい。その多官能性単量
体の例としては、アクリル酸およびα,β−置換
アクリル酸より選ばれる少なくとも1種と、アリ
ルアルコール、メタリルアルコールおよびクロチ
ルアルコールより選ばれる少なくとも1種のアル
コールとのエステルを用いることが好ましく、こ
れ以外の物質を用いても本発明の所期の目的は達
成され難い。これらの中で特にアクリル酸アリ
ル、メタクリル酸アリル、桂皮酸アリルおよびソ
ルビン酸アリルより選ばれた1種を用いること
が、最終組成物の耐衝撃性と外観を改良できるの
で好ましい。 上記の多官能性単量体は、他の多官能性単量体
を併用することができる。 ここで用いることのできる他の多官能性単量体
は特に限定する必要はないが、架橋度をコントロ
ールする意味から少なくとも2つの2重結合の反
応性が比較的近いものが好ましく、具体的な化合
物としてはエチレングリコールジメタクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブチレンジメタクリレート、テトラエチレング
リコールジアクリレート、ジビニルベンゼンなど
の2官能性単量体、またはトリメチロールプロパ
ントリアクリレート等の3官能性単量体、または
ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの
4官能性単量体をそれぞれ単独で、または組み合
せて用いることができる。 トリアリルシアヌレートなどのような反応性の
2重結合を有する単量体を使用することは好まし
くなく、この種の単量体を用いる必要がある場合
には、上記の如き反応性の等しい2重結合を2個
以上有する架橋性単量体と併用する必要がある。 次いで2重構造弾性体〔〕の存在下に、メタ
クリル酸メチル80〜100重量%、アルキル基の炭
素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステルの少
なくとも1種0〜20重量%およびこれと共重合可
能な他のビニル系単量体0〜10重量%よりなる単
量体またはその混合物(C)5〜1000重量部を重合さ
せる。 前記単量体またはその混合物(C)中のメタクリル
酸メチルの含有量が80重量%未満の場合には、透
明性、耐熱性および耐候性などの特性に劣り、ま
たこれと共重合するアクリル酸アルキルエステル
としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチルなどがあげられ、また更に
共重合成分として使用することが可能な他のビニ
ル単量体としては、スチレン、アクリロニトリ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチルなどがあげられる。 前記単量体またはその混合物(C)中、アクリル酸
エステルの量が20重量%をこえる場合には最終組
成物の耐熱性や透明性の点で好ましくなく、また
共重合可能な他のビニル単量体が10重量%をこえ
ると透明性、耐候性あるいは耐水性などの性質が
低下する傾向が認められる。 前記単量体またはその混合物(C)は2重構造弾性
体〔〕100重量部に対して5〜1000重量部、好
ましくは10〜500重量部である。5重量部未満の
場合には、表面光沢ならびに流動性の改良効果が
得られず、また1000重量部をこえると表面光沢と
流動性が逆に低下する傾向にあり、生産性や加熱
着色および低温耐衝撃性も低下する。 本発明の方法においては、単量体またはその混
合物(C)中に、分子量を調節するためメルカプタン
等の重合度調節剤等を必要に応じて用いることも
可能である。用い得る重合度調節剤としては、ア
ルキルメルカプタン、チオグリコール酸およびそ
のエステル、β−メルカプトプロピオン酸および
そのエステル、チオフエノール、チオクレゾール
等の芳香族メルカプタンなどである。 以上述べたような一連の重合プロセスにより得
られたグラフト共重合体〔〕は、メタクリル酸
メチル80〜100重量%と20〜0重量%の他のビニ
ル単量体、例えば炭素数1〜4のアルキル基とも
つアクリル酸エステルとの重合体であるメタクリ
ル樹脂と混合して、2重構造弾性体〔〕を1〜
50重量%含有させて使用する。 本発明で用いる多層構造グラフト共重合体
〔〕の製造は、乳化重合法によるのが特に好ま
しいことにより、乳化重合法による場合の例につ
いて説明する。 反応容器に脱イオン水、必要があれば乳化剤を
加えた後、ジエン系共重合体(A)を構成する単量体
混合物を重合し、次いで架橋アクリル酸エステル
系共重合体(B)を構成する単量体混合物を重合し、
次いで単量体混合物(C)を重合せしめる。 重合温度は、30〜120℃、より好ましくは40〜
100℃である。 重合時間は、重合開始剤および乳化剤の種類と
量、重合温度等によつて異なるが、通常は各重合
段階でそれぞれ0.5〜36時間である。 単量体と水の比は単量体/水=1/20〜1/1
が好ましい。 重合開始剤および乳化剤は、水相単量体相のい
ずれか片方または双方に添加することができる。 各重合段階における各々の単量体の仕込方法
は、一括または分割で行なうことができるが、重
合発熱等の点で分割仕込法がより好ましい場合も
ある。 乳化剤は通常用いられる乳化剤であれば特に限
定する必要はなく、用いられる乳化剤の例として
は、長鎖アルキルカルボン酸塩、スルホコハク酸
アルキルエステル塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩等である。 重合開始剤の種類も特に限定する必要はなく通
常用いられる、水溶性の過硫酸塩、過硼酸塩等の
無機開始剤を単独で、または亜硫酸塩、チオ硫酸
塩等と組み合せてレドツクス開始剤として用いる
こともできる。また有機ヒドロパ−オキシド−第
1鉄塩、有機ヒドロバ−オキシド−ソジウムホル
ムアルデヒドスルホキシレートのようなレドツク
ス開始系、ベンゾイルパ−オキシド、アゾビスイ
ソブチロニトリル等の開始系も用いることができ
る。 乳化重合法により得られたポリマーラテツクス
は公知の方法により凝固乾燥させる。 得られた多層構造グラフト共重合体〔〕をメ
タクリル樹脂〔〕に配合分散せしめる場合には
溶融混合する方法が最も理想的である。溶融混合
に先立つて樹脂組成物以外に必要があれば安定
剤、滑剤、可塑剤、染料、顔料、充てん剤等を適
宜加え、V型ブレンダー、ヘンシエルミキサー、
ミキシングロール、スクリユー型押出機を用いて
150〜300℃で溶融混練する。 かくして得られた組成物を、押出成形機、射出
成形機により成形することにより、耐候性、透明
性、表面光沢に優れ、低温耐衝撃性に富んだ成形
品を得ることができる。 〔実施例〕 以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例中の部は重量部を、%は
重量%を表わす。 実施例 1 ジエン系共重合体(A)の製造 アクリル酸ブチル(BA) 6 Kg 1,3−ブタジエン(1,3−BD) 4 Kg ジイソプロルベンゼンヒドロパーオキシド20 g 牛脂脂肪酸カリウム 100 g N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム(ザルコ
シネートLN) 50g ピロリン酸ナトリウム 50g 硫酸第一鉄 0.6g デキストローズ 30 g 脱イオン水 20 Kg 上記組成割合の物質の中で、1,3−ブタジエ
ンを除く物質については、その中に含まれる酸素
を窒素で置換し、実質上重合反応を阻害しない状
態とした。その後全ての物質を40オートクレー
ブに仕込み、50℃で重合した。9時間でほぼ重合
は完了し、1,3−BD、BA共に97%以上の転
化率で、吸光度法によつて測定した粒子径が
0.11μmのゴムラテツクスが得られた。 2重構造弾性体〔〕の製造 上記ジエン系共重合体(A)ラテツクスの固型分10
Kgのはいつた内容積100の容器内に、ソジウム
アルデヒドスルホキシレート(以下ロンガリツト
という)およびザルコシネートLNの水溶液を加
え、内温を80℃に昇温した後、これに下記の組成
割合のアクリル酸エステル系単量体混合物を150
分間にわたつて連続的に添加し、添加終了後、更
に180分間重合を継続した。そして、ジエン系共
重合体(A)を粒子内部に含有し、架橋アクリル酸エ
ステル系共重合体(B)がその外層を構成する2重構
造弾性体〔〕のラテツクスを得た。 ザルコシネートLN 40g ロンガリツト 35g 脱イオン水 19Kg アクリル酸ブチル(BA) 80 % スチレン(ST) 18.2% 1,4−ブタンジオール ジアクリレート(C4-DA) 0.3% アリルシンナメート(ACM) 1.5% 15Kg パーブチルH*2 45g *2 ターシヤリイ−ブチル・ハイドロパーオ
キサイド(日本油脂(株)製品) この時のBAの重合収率は97%、STの重合収
率は99.5%であつた。 得られたラテツクスの粒子径は0.15μmであつ
た。 多層構造グラフト共重合体〔〕の製造 上記で得られた2重構造弾性体〔〕の固型分
25Kgに相当するラテツクスを入れた上記の容器内
に、ザルコシネートLN50gおよび脱イオン水3
Kgを添加して撹拌した後、下記の単量体混合物(C)
を60分間にわたつて連続的に添加した。 単量体混合物(C)の組成 メタクリル酸メチル(MMA)(96%) 14.4Kg アクリル酸エチル(EA)( 4%) 0.6Kg ノルマルオクチルメルカプタン(n−OSH)
33 g パーブチルH 22.5g 添加終了後、さらに60分間重合を継続したメタ
クリル酸メチルの転化率はほぼ100%であつた。 得られた重合体ラテツクス30Kgに、スチレン化
フエノール58g、ジラウリルチオプロピオネート
44g、トリフエニルフオスフアイト58gを加え、
50℃の温度条件下、0.25%の硫酸水により、ラテ
ツクス/水=1/2で凝集させて、さらに85℃で
5分間保持した。 得られたスラリ状ポリマーを洗浄・脱水して65
℃で36時間乾燥して白色の多層構造グラフト共重
合体〔〕の樹脂粉末を得た。 この樹脂粉末〔〕4Kgとメタクリル樹脂
〔〕(アクリルペツト(登録商標)VH;三菱レ
イヨン(株)製品)6Kg、ステアリン酸モノグリセラ
イド10g、紫外線吸収剤(チヌビン−P/サノー
ルLS770;チバガイギ−社/三共(株)製品)20g/
30gとを、20容量のヘンシルミキサーで混合
し、次いで30mmφの2軸押出機(池貝鉄工(株)製
PCM−30)を使用して、230〜250℃の温度で、
回転数250rpmでペレツト化した。このペレツト
状樹脂を、スクリユー式射出成形機(日本製鋼所
製;アンケルベルクV−17−65型)を使用してシ
リンダー温度250℃、射出圧(ゲージ圧)50Kg/
cm2で、110×110×2(厚さ)mmと70×12.5×6.2
(厚さ)の試験を作成して表1の評価結果を得た。 この結果からも分るように、本発明による組成
物は、すぐれた低温耐衝撃性を示し、かつ耐熱安
定性、熱着色性、耐候性が良い。
【表】 実施例2〜3、比較例1〜2 2重構造弾性体〔〕を構成するジエン系共重
合体(A)と架橋アクリル酸エステル系共重合体(B)の
構成割合〔(A)/(B)〕を表2に示した如く変更した
以外は、実施例1と全く同様にしてメタクリル樹
脂組成物を得た。その物性評価結果を表2に示
す。 表2の結果から明らかなように、本発明による
組成物は、耐候性、低温耐衝撃性にすぐれること
がわかる。
【表】 実施例4〜5、比較例4〜5 ジエン系共重合体(A)を構成する単量体成分が表
3に示す割合である以外は、実施例1の処方と全
く同様にして耐衝撃性メタクリル樹脂組成物を得
た。その物性評価結果を表4に示す。
【表】
【表】
【表】 実施例6〜9、比較例6〜9 架橋アクリル酸エステル系共重合体(C)の単量体
成分の種類と割合を表5に示した如く変更した以
外は、実施例1と全く同様にしてメタクリル樹脂
組成物を得た。その物性評価結果を表6に示す。
【表】
【表】 実施例10〜11、比較例10〜11 単量体混合物(C)を構成する単量体成分が表7に
示す割合である以外は、実施例1の処方と全く同
様にして耐衝撃性メタクリル樹脂組成物を得た。
その物性評価結果を表8に示す。
【表】
〔発明の効果〕
以上のべてきた如き構成からなる本発明の組成
物は耐候性、耐衝撃性および表面外観にすぐれた
成形品をうることができるために、車輌用外装部
品、電気部品のメーターカバー、ダストカバー等
の用途に有用である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 1,3−ブタジエン30〜80重量%、アルキル
    基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステ
    ルの少なくとも1種20〜70重量%、他の共重合性
    の単官能性単量体0〜30重量%、および共重合性
    の多官能性単量体0〜5重量%からなる単量体混
    合物を重合したジエン系共重合体(A)5〜75重量部
    の外部にアルキル基の炭素数が1〜8のアクリル
    酸アルキルエステルの少なくとも1種69.9〜89.9
    重量%とスチレン単独またはスチレンとその誘導
    体の混合物10〜30重量%ならびに1分子中に炭素
    −炭素2重結合を2個以上有する多官能性単量体
    0.1〜10重量%よりなる単量体混合物を重合して
    架橋アクリル酸エステル系共重合体(B)25〜95重量
    部を外層に形成させた2重構造弾性体〔〕ラテ
    ツクス100重量部の存在下に、メタクリル酸メチ
    ル80〜100重量%、アルキル基の炭素数が1〜8
    のアクリル酸アルキルエステルの少なくとも1種
    0〜20重量%およびこれと共重合性の他のビニル
    系単量体0〜10重量%よりなる単量体またはその
    混合物(C)5〜1000重量部を重合した後、得られる
    多層構造グラフト共重合体〔〕と、メタクリル
    酸メチル単位80〜100重量%と他の共重合性単量
    体単位0〜20重量%からなるメタクリル樹脂
    〔〕とを混合物中の前記2重構造弾性体〔〕
    の含有量が1〜50重量%となるように混合するこ
    とを特徴とする耐衝撃性メタクリル樹脂組成物の
    製造法。 2 架橋アクリル酸エステル系共重合体(B)の重合
    に用いられる共重合性の1分子中に炭素−炭素2
    重結合を2個以上有する多官能性単量体が、アク
    リル酸およびα,β−置換アクリル酸から選ばれ
    る少なくとも1種の不飽和酸とアリルアルコー
    ル、メタリルアルコール、クロチルアルコールか
    ら選ばれる少なくとも1種の不飽和アルコールと
    のエステルであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の耐衝撃性メタクリル樹脂組成物の
    製造法。 3 架橋アクリル酸エステル系共重合体(B)の重合
    に用いる共重合性の1分子中に炭素−炭素2重結
    合を2個以上有する多官能性単量体がアクリル酸
    アリル、メタクリル酸アリル、桂皮酸アリルおよ
    びソルビン酸アリルよりなる群から選ばれる少な
    くとも1種であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項または第2項記載の耐衝撃性メタクリル
    樹脂組成物の製造法。
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JPS5018555A (ja) * 1973-06-16 1975-02-27
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