JPH0246908Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は例えば輸血又は輸液用点滴セツトの
導液チユーブと静脈針の連結、人工腎臓等の血液
回路の導液チユーブ同士の連結、注射筒と注射針
との連結部等に適用して好適な医療具用連結装置
に関するものである。

〔考案の背景〕

従来、この種の連結装置は雄雌状に連結できる
二つの連結手段を設け、雄側連結手段の外周を先
細り状のテーパーとし、雌側連結手段の内周を前
記雄側連結手段の外周に擦り合うテーパーとして
いたにすぎず、一定以上の内圧が掛かつた場合等
において外れる虞れがあつた。従つて、最近では
一定以上の内圧が掛ける部位に用いる連結装置に
は雄雌状に連結できる二つの連結手段のうち、雌
側連結手段の外端外周に突起を設け、該突起を雄
側連結手段の外周を覆うように設けた雌ネジ部材
に螺合することによりロツクできるように構成し
たものが用いられるようになつた。

しかしながら、この後者の場合のロツクは捻り
を伴うことから、例えば、導液チユーブ同士の連
結部位に用いた場合にはチユーブがねじられてし
まい液流路を狭くしたり、閉塞する虞れがあつた
し、より戻しによりロツクが外れたりすることも
あつた。また、静脈針とチユーブとが一体となつ
たスカルベインの如く静脈針を静脈に刺してチユ
ーブ内に血液を充満させた後に主チユーブに結合
するように用いる場合には連結時にチユーブがね
じれると静脈に刺した針が移動し、患者に苦痛を
与えたりすることもあるなど種々の問題があつ
た。

〔考案の目的〕

この考案は上記の問題を解消するためのもの
で、チユーブ等がねじられることなく、簡単かつ
確実に連結できる医療具用連結装置を提供するこ
とを目的としている。

〔考案の構成〕

上記目的を達成するため、この考案は連結面が
テーパ状になつている雄雌二つの連結手段を備え
た医療具用連結装置において、雄側連結手段の基
部には、結合時に雌側連結手段の外周に摺接でき
る爪を有する係止体を設け、雌側結合手段の外周
には、前記係止体の爪が係止する階段状の段部を
形成したものである。

〔実施例〕 次に、この考案を添付図面に示す実施例に基づ
いて説明する。

図において、１０は導液チユーブａのチユーブ
端嵌入部１１を有する雌側連結手段で、該雌側連
結手段１０はその外周が連結口１２側からチユー
ブ端嵌入部１１側へ向けて先細り状のテーパーに
なつているとともに、階段状の環状段部１３を形
成してなる。２０は導液チユーブｂのチユーブ端
嵌入部２１を有する雄側連結手段で、該雄側連結
手段２０には前記雌側連結手段１０の外周の全周
または一部に設けた段部１３に係止できる係止体
２２が設けられている。この係止体２２は雄側連
結手段２０とチユーブ端嵌合部２１との間に形成
した溝部２３にきつく嵌合できる嵌合体２４と、
該嵌合体２４の外周に対向して雄側連結手段２０
側が狭窄され、かつ、チユーブ端嵌入部２１側が
拡開されるように傾斜設置した可動片２５と、該
可動片２５の狭窄側先端内面に爪２６を設けてな
り、雄側連結手段２０を雌側連結手段１０に嵌合
した場合に爪２６が雌側連結手段１０の外周に設
けた段部１３に係止できるとともに、該可動片２
５の拡開側を摘むことにより爪２６を段部１３か
ら解除し、雌雄連結手段を外すことができるよう
になつている。この場合、雌雄連結手段１０、，
２０はねじるとにより、より外し易くなるが、係
止体２２が雄側連結手段２０と別体であつて、そ
れ自体が円周方向に回転すると、雌雄連結手段を
ねじつて外すことができなくなる。従つて、これ
を解消するため係止体２２を構成する可動片２５
の拡開側内面に突条２７を設け、該突条２７が係
合するリブ２８をチユーブ端嵌合部外周に設けて
おくか、前記係止体２２と雄側連結手段２０と一
体成形するとよい。

なお、上記実施例では導液チユーブａ，ｂを連
結するためのものについて説明したが、これに限
らず、注射筒の先端と注射針の針基に連結手段等
の他の医療具間の連結手段にも広く応用できるこ
とは言うまでもない。また、この考案は二つの連
結手段をねじることなく結合できる限り、上記の
構成に限定されるものではない。

〔考案の効果〕

以上の如く、この考案は連結面がテーパ状にな
つている雄雌二つの連結手段を備えた医療具用連
結装置において、雄側連結手段の基部には、結合
時に雌側連結手段の外周に摺接できる爪を有する
係止体を設け、雌側結合手段の外周には、前記係
止体の爪が係止する階段状の段部を形成したこと
を特徴としているから、導液チユーブ同士の連結
部に適用する場合にもチユーブがねじられること
なく連結でき、液流路を狭くしたり、閉塞する虞
れが皆無であるとともに、スカルベインの如く静
脈針の使用方法として静脈針を静脈に刺してチユ
ーブ内に血液を充満させた後に主チユーブに結合
する連結手段として用いる場合にも静脈に刺した
針が連結時に移動して患者に苦痛を与えたりする
事故も皆無となるなど、各種の優れた効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は外観斜
視図、第２図は断面図である。 １０……雌側連結手段、１２……連結口、１３
……段部、２０……雄側連結手段、２２……係止
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連結面がテーパ状になつている雄雌二つの連結
   手段を備えた医療具用連結装置において、雄側連
   結手段の基部には、結合時に雌側連結手段の外周
   に摺接できる爪を有する係止体を設け、雌側結合
   手段の外周には、前記係止体の爪が係止する階段
   状の段部を形成したことを特徴とする医療具用連
   結装置。