JPH0245730Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用冷房装置に用いられる蒸発器
に関し、特にルーバ付きコルゲートフインを有す
る蒸発器に関する。

この種の蒸発器の一例を第１図に示す。

図において、１は多数の冷媒流通管が一枚の板
状に形成されている偏平チユーブ、２はコルゲー
トフイン、３及び４はそれぞれ、入口側及び出口
側ヘツダパイプである。ヘツダパイプの一端は盲
栓にて閉鎖され、他端には冷媒の入口あるいは出
口用パイプが接続される。５はサイドプレートで
ある。第２図はコルゲートフインを第１図の矢印
Ａ方向から見た断面図であり、数列を一群とする
ルーバ６が交互に上向きあるいは下向きになるよ
うに空気流れに対して傾斜して設けられている。

このような構成による蒸発器は、第１図の矢印
の方向に流れる空気を冷却するが、コルゲートフ
イン内部では第２図矢印のように空気が流れる。

このことにより次のような問題点がある。

空気流の流れ方向の変化が激しいため通気抵
抗が大きい。

空気中の水分がコルゲートフイン表面で凝縮
し、空気流と共に移動するため通気抵抗は更に
大きくなる。

空気流が山なりとなるため、凝縮水が蒸発器
内部で落下しにくく、空気出口側の端部まで運
ばれて蒸発器の風下側に飛散する現象が起こ
る。

本考案の目的は上記欠点を解決して通気抵抗が
少なく、且つ凝縮水の排水性の良い蒸発器を提供
することにある。

本考案は、コルゲートフインに設けるルーバに
改良を加えたことを特徴とする。

第３図は本考案の一実施例の要部の断面図であ
る。

第３図中、２はコルゲートフイン本体、７，
７′はルーバを示す。ルーバ７は、空気の入口側
において空気流れ方向を変化させることの無いよ
うフイン面及び空気流れ方向に平行に複数列形成
し、ルーバ７′は空気の出口側において凝縮水が
落下し易くなるように下向きに傾斜させて複数列
形成している。

第４図はコルゲートフインの一部を斜視図で示
す。

ルーバ７，７′のつくり方は、ここでは一つの
ルーバ７について言えば、２本の平行な切り込み
を入れたうえでこれらの切り込みの間の部分を絞
り加工によりフイン面に平行に形成する。ルーバ
７′の場合は切り込みの間の部分を傾斜させつつ
絞り加工すれば良い。このような絞り加工は互い
に平行な板面一枚分について一回で行なわれる。
勿論、このような絞り加工によらずに単なる切り
起こしで形成することもできる。

このような構造により、図中矢印の方向で流入
する空気は、コルゲートフイン本体２の端部８に
達した時にフイン表面で乱れを生ずる。この状態
では熱伝達率が大きいが、下流になるにつれてフ
イン表面と空気流との間に境界層が発達して熱伝
達率が小さくなる。しかし、ここでルーバとして
切り離されているため、次の端部９に達した時点
で再び乱れを生じ、熱伝達率が大きくなる。同様
の現象がルーバ７の端部１０においても起こる。
このようにフイン表面で境界層が発達する箇所で
ルーバで切り離しており、伝熱面積は平板の場合
とほぼ同じであることから高い伝熱性能が得られ
る。

一方、本考案においては、フイン表面での空気
流の乱れは生ずるが、全体としての流れの方向の
変化は非常に少ないので通気抵抗は小さくなる。

なおフイン表面に平行なルーバ７だけでは空気
流は直進のため凝縮水が落下し難い欠点を有す
る。そこで本考案では、風下側すなわち蒸発器の
空気出口側ではすべてのルーバ７′を下向きに傾
斜させている。このことにより凝縮水は、ルーバ
７′の表面に沿つて順次落下することとなり、良
好な排水性が得られる。なおルーバ７′では空気
流の向きが変化するため、若干の通気抵抗の増加
はあるが、全体として上向きの空気流がないの
で、従来のものに比べて著しく通気抵抗が減少す
る。

第５図、第６図はそれぞれ、本考案の他の実施
例を示す。

第３図の実施例ではルーバ７がすべてフイン本
体２の下側に形成されているのに対し、第５図の
実施例ではフイン本体２に対してルーバ７を交互
に且つ上下に形成したものである。第６図の実施
例ではフイン本体２に対してルーバ７を交互に且
つ上下にしかも一定間隔をおいて形成したもので
ある。これらの実施例では、ルーバ７を通過する
に際しやや上下に変化するが、全体的にはフイン
の板面に平行な流れであり通気抵抗は小さい。

勿論、ルーバ７，７′の形状はこれらの実施例
に限らず、ルーバ７についてはフインに平行で、
ルーバ７′についてはフインに対して下向きに傾
斜していれば良い。

以上説明してきたように、本考案によれば通気
抵抗が少なく、且つフイン表面への凝縮水の排水
性の良い蒸発器を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用されるコルゲートフイン
を有する蒸発器の外観図、第２図は第１図の一部
であコルゲートフインの従来例を断面図で示し、
第３図は本考案の一実施例の要部であるコルゲー
トフインを断面図で示し、第４図は第３図のコル
ゲートフインの一部を斜視図で示し、第５図は、
第６図はそれぞれ、本考案の他の実施例を断面図
で示す。 図中、１は偏平チユーブ、２はコルゲートフイ
ン、３，４はヘツダパイプ、６，７，７′はルー
バ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ルーバ付きコルゲートフインを有する蒸発器に
   おいて、前記ルーバを、空気の入口側においては
   空気流れと平行に形成し、空気の出口側において
   は空気流れに対して下向きに傾斜するように形成
   したことを特徴とする蒸発器。