JPH0240078A - 内燃機関の燃料噴射弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ディーゼル機関に代表される筒内燃料噴射
式内燃機関に用いられる燃料噴射弁に関する。

従来の技術 例えばディーゼル機関の燃料噴射弁は、周知のように燃
料噴射ポンプから圧送された燃料の圧力によって自動開
弁するものであり、燃料圧力が開弁圧を超えると、ニー
ドル弁が最大リフ位置まで瞬時に移動し、比較的急激に
燃料噴射が開始される。そのため、初期の噴射率（単位
時間あるいは単位クランク角あたりの噴射量）が高くな
りずぎて騒音の増大等を招くという問題がある。

このような問題を解決するために、近年、二段階の開弁
圧を有し、ニードル弁のリフト量が段階的に変化するよ
うに構成された燃料噴射弁が提案されている（例えば株
式会社山海堂発行「内燃機関ＪＶＯＬ、２６　　Ｎｏ、
３３８．７４〜７５頁参照）。

第５図は、この種の燃料噴射弁の構成を模式的に示した
ものであり、ノズルボディ３１内周にニードル弁３２が
摺動可能に嵌合しているとともに、このニードル弁３２
が、第１ブツシュロッド３３を介して第１スプリング３
４により閉方向に付勢されている。また、第１ブツシュ
ロッド３３後端面には、さらに第２ブツシユロツド３５
の先端が対向しており、かっこの第２プツンユロソド３
５は第２スプリング３６により第１プツンユロツド３３
側にイ」勢されている。そして、上記第１ブツシュロッ
ド３３後端面と第２プツシコロツド３５先端面との間に
は、所定のプリリフト量ρに相当するクリアランスが設
けである。尚、ニードル弁３２は、図示せぬデイスタン
スピースによってその最大リフトｆ４ｔＬが規定されて
いる。

上記構成では、燃料圧力が第１スプリング３４の開弁圧
を超えたときにニードル弁３２のリフトか開始するが、
このリフトは、第１プツシコロツド３３が第２ブツシユ
ロツド３５に当接した時点で、−旦停止する。そして、
燃料圧力がさらに第１スプリング３４．第２スプリング
３６の双方による開弁圧を超えると、再びリフトして最
大リフト位置まで開く。

従って、ニードル弁３２のリフト量がブリリフト４Ｊｋ
Ｑおよび最大リフト量■２の二段階に変化することにな
り、噴射量の少ない低速低中負荷領域で急激な燃焼を防
止することができる。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のように２個のスプリング３４−．
３６を直列に配置して二段階のリフト特性を得るように
した従来の構成では、部品点数が多いとともに、各スプ
リング３／Ｉ、３６の開弁圧を個別に調整しなければな
らず、作業性が悪い。しかも、両スプリング３４．３６
のばね特性の相乗によってリフト特性が不安定になりや
すい。また、プリリフト量Ｑが第１プッンユロノド３３
．第２プツシ、ロッド３５のクリアランスで定まるので
、これらの寸法誤差等に影響され易く、その精度管理が
難しい。つまり、製品側々の特性のばらつきが生じやす
い。

また第１．第２スプリング３４．３６が直列に配置され
る結果、燃料噴射弁の全長が長くなり、内燃機関に装着
する際のレイアウトが困難になるという不具合もある。

一 課題を解決するための手段 そこで、この発明は単一のノズルスプリングにて二段階
のリフト特性を得るようにしたものである。すなわち、
この発明に係る内燃機関の燃料噴射弁は、先端に噴孔を
有するノズルボディと、このノズルボディ内周に摺動可
能に嵌合するとともに、所定のプリリフト量に相当する
摺動ストロークを有し、かつ先端に燃料圧力を受ける受
圧面が設けられた円筒状をなす補助スリーブと、この補
助スリーブの内周に摺動可能に嵌合し、かつ先端部が」
−記噴孔を開閉するとともに、燃料圧力によって開方向
へ力を受けるニードル弁と、この二ドル弁を閉方向に付
勢するノズルスプリングと、−」１記ニードル弁の基端
側に形成され、かつ補助スリーブのリフト時に該補助ス
リーブの基端面に当接する係合部とを備えて構成されて
いる。

作用 上記構成では、プリリフト量の範囲内でニードル弁と補
助スリーブとが一体にリフトすることが可能である。そ
して、この場合はニードル弁と補助スリーブの双方が燃
料圧力を受けることになり、その実質的な受圧面積は比
較的大きい。従って、この受圧面積によって受ける力が
ノズルスプリングの開弁圧を超えると、ニードル弁は補
助スリーブと一体にリフトし、所定のプリリフト量まで
開く。

補助スリーブのリフトは、プリリフト量に相当する位置
で停止するので、それ以後は、ニードル弁のみが燃料圧
力を受けることになり、受圧面積は小さくなる。従って
、ニードル弁のリフトは、このプリリフト位置で一旦停
止し、その後ニードル弁自体に作用する力が開弁圧を超
えると、再びリフトして最大リフト位置まで開く。これ
により二段階に変化するリフト特性が得られる。

実施例 第１図はこの発明に係る燃料噴射弁の一実施例を示す断
面図である。

この燃料噴射弁は、先端に複数の噴孔２が設けられたノ
ズルボディｌと、高圧燃料通路４およびリターン通路５
を有するノズルボルダ３と、」−記ノズルボディ１をデ
イスタンスピース６を介して上記ノズルボルダ３に締結
するホルダキャップ７と、上記ノズルボディＩ内周に摺
動可能に嵌合した略円筒状をなす補助スリーブ８と、」
−記ノズルポディＩ中心部が配設され、かつ」二足補助
スリーブ８内周に摺動可能に嵌合したニードル弁９と、
」１記ニードル弁９をプノンユロソド１１を介して常時
閉方向に付勢するノズルスプリングＩＯとから大略構成
されている。

」１記補助スリーブ８は、ノズルボディＩに設けられた
環状のストッパ部】２によって噴射弁先端側つまりニー
ドル弁９閉方向への最大摺動位置が規制されており、ま
たニードル弁９開方向への最大摺動位置はデイスタンス
ピース６によって規制されている。これにより、補助ス
リーブ８の摺動ストロークは所定のプリリフト量ρに相
当する長さに規定されている。そして、」１記補助スリ
ーブ８の先端には、ノズルボディ１に形成された油溜り
部１３に臨むように受圧面８ａが設けられている。

尚、」１記油溜り部１３は、ノズルボディ１内の高圧燃
料通路１４を介してノズルボルダ３の高圧燃料通路４に
連通しており、図外の燃料噴射ポンプから高圧燃料が送
り込まれるようになっている。

また」１記ニードル弁９は、先端部に上記噴孔２を閉塞
するテーパ状のノート面９ａを有し、かつ中間部ならび
に先端部に受圧面９ｂ、９ｃを有している。この中間部
の受圧面９ｂは、」−記補助スリーブ８の受圧面８ａ略
連続する位置にあり、油溜り部１３に面している。そし
て、」−記ニードル弁９の基端部、詳しくは補助スリー
ブ８から突出した位置に、係合部として円盤状にフラン
ジ部１５が形成されている。つまり、上記フランジ部１
５は、補助スリーブ８がリフトしようとした際に該補助
スリーブ８基端面と当接し得るように、補助スリーブ８
内径よりも大径に形成されている。

またデイスタンスピース６には、」１記フランジ部１５
が摺動可能に嵌入しうる円形の凹部１６が形成されてお
り、この凹部Ｉ６の底面１６ａと上記フランジ部１５と
の当接によって、ニードル弁９の最大リフトｍＬが規定
されるようになっている。

そして、ニードル弁９のシート面９２Ｌがノズルボディ
１先端部に着座し、かつ補助スリーブ８がストッパ部Ｉ
２に当接している状態において、補助スリーブ８基端面
とフランジ部Ｉ５とは略接した状態にある。厳密には、
極めてわずかなりリアランスが存在する。

尚、上記ニードル弁９を付勢するノズルスプリング１０
の基端には、開弁圧を調整するためのシム１７が介装さ
れている。

次に上記燃料噴射弁の作用を説明する。

ニードル弁９がノズルスプリング１０に押圧されてノズ
ルボディ１先端部に着座している状態では、補助スリー
ブ８は第１図に示すようにフランジ部１５に押されてス
トッパ部１２に当接した状態にある。また逆に、この状
態から補助スリーブ８がリフトしようとすれば、フラン
ジ部１５を介してニードル弁９を一体に押し上げる関係
にある。

従って、この状態では、補助スリーブ８の受圧面８ａに
作用する燃料圧力と、ニードル弁９の受圧面９ｂ、９ｃ
に作用する燃料圧力との双方が一一ドル弁９を押し上げ
る力として作用する。つまり、実質的な受圧面積が比較
的大きく与えられることになる。

そのため、この受圧面積に作用する燃料圧力か、第２図
に示すようにＰ。を超えると、ニードル弁９は補助スリ
ーブ８と一体にリフトを開始する。

そして、ニードル弁９と補助スリーブ８とがプリリフト
量ρだけリフトして補助スリーブ８がデイスタンスピー
ス６に当接すると、両者のリフトは一旦停止する。この
段階では、ニードル弁９のフランジ部１５はデイスタン
スピース６の凹部１６底面１６ａに当接しておらず、ニ
ードル弁９単独で更にリフト可能な状態となっているが
、これ以後は、ニードル弁９自体の受圧面９ｂ、９ｃの
みで燃料圧力を受けることになる。つまり、二ドル弁９
のリフトに関与する実質的な受圧面積が′比較的小さな
ものとなり、そのためニードル弁９のリフトは、第２図
に示すように、プリリフトＬ７′（Ｃで一旦停止し、燃
料圧力がＰ、〜■）２の間、そのまま保たれる。

そして、更に燃料圧力が上昇し、ニードル弁９の受圧面
９ｂ、９ｃに作用する力がノズルスプリング１０の開弁
圧をこえると、ニードル弁９は単独でリフトを開始し、
フランジ部Ｉ５が凹部１６底面１６ａに当接する最大リ
フト量りまで開く。

従って、」−記構成によれば、単一のノズルスプリング
１０でもって第２図に示すような二段階に変化するリフ
ト特性を得ることができる。これにより第３図に実線で
示したような噴射率特性を実現でき、着火遅れ期間での
燃料噴射量を抑制して穏やかな燃焼を行わせることが可
能となる。尚、第３図の破線は従来の一定開弁圧を持つ
噴射弁の噴射率特性である。

また上記構成では、２個のスプリングを直列に配列した
従来のものに比べて、部品点数が少なくなり、コストの
低減が図れるとともに、ノズルスプリングＩＯの開弁圧
調整が１回でずみ、作業性が向上する。しかも、ノズル
スプリング１０のばね特性のばらつきの影響が、スプリ
ングを２測置列に配置した場合よりも小さくなり、安定
したリフト特性が得られる。

また、ニードル弁９および補助スリーブ８とデイスタン
スピース６との間のクリアランスによってプリリフト量
ρおよび最大リフト量りが規定されるので、その精度管
理が容易であり、かつノズルボルダ３に組み込まない段
階でその調整が可能であるため、作業性に優れたものと
なる。

次に第４図は、ｉｉＱ述したリフト量の段階的変化を利
用して噴射方向等を変化させるようにした実施例を示し
ている。

この実施例では、ノズルボディＩの先端部に比較的大き
なサック部２１が設けられており、その内周面が円筒面
２２に形成されている。そして、このサック部２１の先
端側に、１つあるいは複数の第１噴孔２４が開口形成さ
れている。また、ニードル弁９が着座する着座面ともな
るテーパ面２３の先端側に、１つあるいは複数の第２噴
孔２５が開口形成されている。

またニードル弁９の先端に、］二記号ック部２１の円筒
面２２と摺動可能に嵌合するスロットルピン２６が突設
されている。このスロットルピン２６は、ニードル弁９
の着座状態において、前述したプリリフト量Ｑと略等し
い長さだけ円筒面２２内に嵌合している。

従って、」二足構成では、ニードル弁９がプリリフト量
Ｑだけリフトした段階では、スロットルピン２６がサッ
ク部２１を閉塞した状態となっており、燃料はテーパ面
２３に開口した第２噴孔２５のみから噴射される。そし
て、ニードル弁９がそれ以」ニリフトすれば、スロット
ルピン２６がサック部２１を開放するので、燃料は第１
噴孔２４゜第２噴孔２５の双方から噴射される。

従って、第１噴孔２４．第２噴孔２５の口径や噴射方向
を適宜に設定することにより、噴霧形状等をより一層自
由に変えることか可能となる。

、発明の効果 以」二の説明で明らかなように、この発明に係る内燃機
関の燃料噴射弁によれば、１個のノズルスプリングでも
って二段階のリフト特性を得ることができ、噴射初期の
噴射率を低く抑制することが可能である。

特に、２個のスプリングを直列に配列した従来のものに
比べて、部品点数が少なくなるとともに、スプリング開
弁圧の調整カ月回ですみ作業性が向」二する。また、ば
ね特性のばらつきによる影響が少なくなり、かつリフト
量の精度管理も容易となるので、製品側々の噴射率特性
のばらつきを非常に小さくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る燃料噴射弁の一実施例を示す断
面図、第２図はそのリフト特性を示す特性図、第３図は
その噴射率特性を示す特性図、第４図はこの発明の異な
る実施例を示す要部のみの断面図、第５図は従来におけ
る燃料噴射弁の構成を模式的に示す説明図である。 トノズルボディ、６・・デイスタンスピース、８・・・
補助スリーブ、９・・・ニードル弁、１０・・ノズルス
プリング、】３・・・油溜り１、＋５　　・フランジ部
。 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）先端に噴孔を有するノズルボディと、このノズル
   ボディ内周に摺動可能に嵌合するとともに、所定のプリ
   リフト量に相当する摺動ストロークを有し、かつ先端に
   燃料圧力を受ける受圧面が設けられた円筒状をなす補助
   スリーブと、この補助スリーブの内周に摺動可能に嵌合
   し、かつ先端部が上記噴孔を開閉するとともに、燃料圧
   力によって開方向へ力を受けるニードル弁と、このニー
   ドル弁を閉方向に付勢するノズルスプリングと、上記ニ
   ードル弁の基端側に形成され、かつ補助スリーブのリフ
   ト時に該補助スリーブの基端面に当接する係合部とを備
   えてなる内燃機関の燃料噴射弁。