JPH0239235Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車両用試験駆動装置に関するもので
ある。

従来、車両のリヤアクスルシヤフト側から入力
して車載のプロペラシヤフトを回転させるため
に、通常、第１図と第２図に示すように、シヤシ
ダイナモメータＭのローラＲ上に車両の後部タイ
ヤＴ、Ｔを載置して行われていた。これによる
と、車両のフロア下方Ｐより作業者が侵入して車
載のプロペラシヤフトの回転状態を視認する作業
は、作業者が、回転状態にあるローラＲやタイヤ
Ｔに接近して行うため危険をともなう作業となつ
た。また、シヤシダイナモメータＭは設備費が高
価であり、しかも、車両の試験駆動は、シヤシダ
イナモメータＭが設置されている限られた場所以
外では行うことができないという不便さもあつ
た。

この考案の目的は、上記した従来の問題点に鑑
み、車両の試験駆動を任意の場所で安全に行うこ
とができる車両用試験駆動装置を提供することで
ある。

そこでこの考案では、移動可能の台車上に、可
動台を昇降可能に配設し、この可動台上に配設さ
れる電動機の出力軸に等速ジヨイントを介してジ
ヨイントシヤフトの一端を連結し、このジヨイン
トシヤフトの他端に、車両のリヤアクスルシヤフ
トの端部に接続される等速ジヨイントを配設し
て、前記電動機側の出力を車両のリヤアクスルシ
ヤフトの端部側から入力し、試験駆動を行うもの
である。

以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

第３図と第４図において、台車１のフレーム２
下面の四隅には移動用キヤスタ３〜３と、これら
キヤスタ３〜３を設置面Ｆより所定量だけ浮かせ
て台車１を固定する固定具４〜４とがそれぞれ配
設されている。固定具４はフレーム２に固着され
たナツト２ａに対し上下方向へ進退可能に螺合さ
れたねじ棒５と、このねじ棒５の下端面に水平状
に取りつけられて設置面Ｆに対し離隔可能に当接
する支持板６と、ねじ棒５の上端部に取りつけら
れたハンドル７とにより構成されている。

フレーム２上面の四隅にはガイド柱８〜８が立
設され、同フレーム２上面の中央部には昇降装置
（この実施例では周知のジヤツキが採用されてい
る）９が配設されている。この昇降装置９の昇降
台１０は、ハンドル１１によつて水平方向のねじ
棒１２を定置回転させることで昇降される。

昇降装置９の昇降台１０上には可動台１３が取
りつけられており、この可動台１３の所定位置に
はガイド柱８〜８に沿つて昇降するガイド筒１４
〜１４が配設されている。可動台１３上面の中央
部には誘導電動機１５が配設されており、この電
動機１５の出力軸１６の端部には第１の等速ジヨ
イント１７によつてジヨイントシヤフト１８の一
端が連結されている。このジヨイントシヤフト１
８の他端には車両のリヤアクスルシヤフトＡ端部
のデイスクＢより突出しているハブボルトに対し
着脱可能に締着されるフランジ１９ａを有する第
２の等速ジヨイント１９が配設されている。ま
た、可動台１３の上面にはジヨイントシヤフト１
８の外周囲を覆う安全カバー２０が、その一端側
においてヒンジ２１を中心として開閉可能に取り
つけられている。この安全カバーが閉鎖状態にあ
る時にのみ前記誘導電動機１５が作動するよう
に、該カバー２０の開閉を検出するセンサ（スイ
ツチ）２２が安全カバー２０の下面に接離可能に
対向して可動台１３の所定位置に配設されてい
る。

また、各ガイド柱８〜８の上端部には制御盤用
取付プレート２３が横架されており、このプレー
ト２３上に配設された制御盤２４には誘導電動機
１５の出力軸１６の回転数を変える周波数変換装
置や誘導電動機１５の出力軸１６の回転数を検出
するセンサー２５からの信号を受けて出力軸１６
の回転数を標示する標示器等が組込まれている。
なお、ガイド柱８には可動台１３及びジヨインシ
ヤフト１８の高さを標示する目盛２６が付記され
ている。

上記したように構成される車両用試験駆動装置
において、車両の試験駆動を行う場合、まず、車
両の一方のリヤアクスルシヤフト端部に取りつけ
られるタイヤＴを設置面Ｆに対し固定Ｃし、他方
のリヤアクスルシヤフトＡ端部に取りつけられる
タイヤを取り外す。なお、アクスルハウジングＨ
の他端側はジヤツキＪによつて支持されている。

次に、リヤアクスルシヤフトＡ端部のデイスク
Ｂにジヨイントシヤフト１８の第２の等速ジヨイ
ント１９が対向する位置まで台車１を移動し、こ
の位置で台車１を固定具４〜４によつて設置面Ｆ
上に固定する。さらに、リヤアクスルシヤフトＡ
のデイスクＢの中心高さに対し、ジヨイントシヤ
フト１８の中心高さがほぼ同じ高さになる位置ま
で、昇降装置９によつて可動台１３を昇降させた
後、リヤアクスルシヤフトＡのデイスクＢに対
し、そのハブボルトを利用してジヨイントシヤフ
ト１８の第２の等速ジヨイント１９を接続する。
そして、安全カバー２０を閉鎖してジヨイントシ
ヤフト１８を覆つた後、誘導電動機１５を作動す
る。すると、誘導電動機１５の出力軸１６のトル
クが、第１の等速ジヨイント１７、ジヨイントシ
ヤフト１８及び第２の等速ジヨイント１９を経て
リヤアクスルシヤフトＡに入力され、デイフアレ
ンシヤルを介して車載のプロペラシヤフト（図示
しない）が回転する。

プロペラシヤフトを所望とする回転数で回転さ
せたいときには、この回転数に対し、誘導電動
機、１５の出力軸１６の回転数を、デイフアレン
シヤルのギヤ比に２倍（一方のリヤドライブシヤ
フトのタイヤＴがロツク状態にあるため２倍す
る）した回転数に設定することで、プロペラシヤ
フトを所望とする回転数で正確に回転させること
ができる。また、誘導電動機１５の出力軸１６の
回転数は、制御盤２４の周波数変換装置のつまみ
操作によつて変えられ、この回転数は制御盤２４
の標示器によつて標示される。

この考案によれば、車両の試験駆動を任意の場
所で行うことができ、しかも、車両の一方のリヤ
アクスルシヤフトのタイヤはロツク状態で、他方
のリヤアクスルシヤフトの端部側から入力して車
載のプロペラシヤフトを回転させることができる
ため、プロペラシヤフトの回転状態を視認する作
業を安全に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面の第１図と第２図は従来のものを示す正面
図と側面図である。第３図と第４図はこの考案の
一実施例を示すもので、第３図は試験駆動装置の
平面図、第４図は正面図である。 １……台車、３……移動用キヤスタ、４……固
定具、８……ガイド柱、９……昇降装置、１３…
…可動台、１５……誘導電動機、１６……出力
軸、１７……第１の等速ジヨイント、１８……ジ
ヨイントシヤフト、１９……第２の等速ジヨイン
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両のリヤアクスルシヤフト側から入力して車
   載のプロペラシヤフトを回転させる試験駆動装置
   であつて、移動用のキヤスタと設置面に対し固定
   可能の固定具とを備えた台車上には可動台を昇降
   可能に配設し、この可動台上には電動機を配設
   し、この電動機の出力軸には等速ジヨイントを介
   してジヨイントシヤフトの一端を連結し、このジ
   ヨイントシヤフトの他端には前記リヤアクスルシ
   ヤフトの端部に接続される等速ジヨイントを配設
   したことを特徴とする車両用試験駆動装置。