JPH0237003Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、電磁操作力により直接または間接的
に弁体を切換えるようにした電磁弁に関するもの
である。

［従来の技術］ 電磁操作力を利用して直接または間接的に弁体
を切換える従来の電磁弁においては、１個の弁ボ
デイに１個の弁体とこの弁体を駆動する１個また
は２個の電磁操作部とが組付けられている。

従つて、電気接続器や表示器、抵抗器、逆起電
力防止器等の回路素子からなる電磁操作部制御用
の電気回路を電磁弁の弁ボデイに組付けるように
した場合、各電磁弁毎に、限られた大きさの弁ボ
デイ内に上記電磁操作部に対応する１個または２
個の電気回路即ち上記回路素子を収納しなければ
ならず、作業効率が悪いばかりでなく、弁ボデイ
を含めて電磁弁の小形化を図る場合、上記回路素
子を収納するための収納室の容積減少によつて各
回路素子の設置が困難になるという問題点があつ
た。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は、１個の弁ボデイに複数の弁体及び電
磁操作部を組込むことによつて回路収納室の共通
化と電気回路の集合化とを図り、それによつて、
電磁弁の小形化と配線作業効率の向上とを実現す
ることを技術的課題とする。

［問題点を解決するための手段］ 前述の課題を解決するために、本考案は、一個
の弁ボデイに、独立に機能する複数の弁体と各弁
体に対応する電磁操作部とを設けると共に、電磁
操作部制御用の電気回路を収納するための各電磁
操作部に共通の収納室を設け、該収納室内に、上
記各電磁操作部に対応する電気回路を共通の基板
に組付けてなる印刷配線板を格納するという技術
的手段を採用したことをその特徴とするものであ
る。

［作用］ 電気回路用収納室の共通化により、それを電磁
操作部毎に独立に設ける場合に比べて収納室全体
の容積を大きくすることが可能になり、その分弁
ボデイ即ち電磁弁の小形化を図ることができる。

また、電気回路を共通の印刷配線板によつて集
合化しているため、端子や電気接続器等の部品の
共通化が図られて接続部の数が減少し、配線作業
時間の大幅な短縮が可能になる。

［実施例］ 以下、図面に基づき本考案の実施例について説
明する。

第１図及び第２図において、１は間接作動型の
電磁弁、２は該電磁弁１を取付けるためのベース
を示している。

上記電磁弁１における弁ボデイ３には、複数
（本実施例では２個）の弁穴４が穿設され、該弁
穴４には、その中央に各弁穴に共通の圧力供給室
５と、該圧力供給室５の両側に対称的に位置する
出力室６ａ，６ｂ及び排出室７ａ，７ｂとが設け
られ、それぞれの弁穴４内に、上記各室間の流体
の流れを切換えるスプール弁体８が摺動自在に内
挿されている。そして、該弁ボデイ３の一側端部
にはエンドプレート９が取付けられ、該エンドプ
レート９とスプール弁体８との間に復帰ばね１０
が縮設されており、弁ボデイ３の他端には、スプ
ール弁体８の駆動用ピストン１２を各スプール弁
体と対向するように内装した中間プレート１１が
取付けられると共に、該中間プレート１１に、上
記ピストン１２を介して各スプール弁体８の切換
操作を行う電磁操作部としてのパイロツト弁１３
がスプール弁体毎に取付けられている。

また、上記弁ボデイ３の上面には、第２図から
明らかなように、各パイロツト弁１３の制御用電
気回路を収納するための共通の収納室１５が形設
され、この収納室１５内に、上記電気回路を共通
の基板１７上に集合状態に組付けてなる印刷配線
板１６が格納され、該印刷配線板１６の格納状態
で収納室１５の上部にカバー１８が被着される。

上記電気回路は、ランプ等の表示器２０、抵抗
器２１、逆起電力防止器などの半導体装置２２等
の回路素子によつて構成され、印刷配線板１６の
下面一側には、上記各電気回路に共通の受電用電
気接続具２３が垂設されており、これに対して、
弁ボデイ３における収納室１５の底壁には、上記
接続具２３に対応する接続受具２４が設けられ、
印刷配線板１６を収納室１５に格納した状態でこ
れらの接続具２３と接続受具２４とが連結される
ようになつている。そして、上記接続受具２４の
下端は、弁ボデイ３をベース２上に載置したとき
に該ベース２上の接続受具２５に差込まれ、該接
続受具２５を介して受電線２６に導通されるよう
になつている。従つて、上記印刷配線板１６を弁
ボデイ３に格納すると共に、この弁ボデイ３をベ
ース２に取付けることにより、上記電気回路が受
電線２６に導通することになる。

また、上記印刷配線板１６のパイロツト弁１３
側の端部には、小幅の差込部１６ａが形成され、
該差込部１６ａに、上記各電気回路に通じる電気
導体２８が設けられ、一方、上記中間プレート１
１には、弁ボデイ３の開口部２９を通じて一端が
収納室１５内に突出する電気接続具３０が取付け
られ、この接続具３０の収納室１５側の端部に、
上記印刷配線板１６の差込部１６ａを挿脱自在と
し、且つ該差込部１６ａにおける各電気導体２８
と個別に導通する接続端子を備えた差込口３０ａ
が形成され、接続具３０のパイロツト弁１３側の
端部に、該パイロツト弁１３のプラグ端子３１，
３１が挿脱自在のプラグ穴３０ｂが設けられてお
り、この接続具３０を介して各電気回路とパイロ
ツト弁１３とが電気的に連結されるようになつて
いる。

さらに、上記、カバー１８には、表示器２０を
外部から目視し得るようにするための透光性ある
表示窓３２が形成されている。

前述のように構成された電磁弁の組立てを行う
には、まず印刷配線板１６を弁ボデイ３の収納室
１５内に格納し、接続具２３を接続受具２４に連
結する。このときに、印刷配線板１６をボルト等
の手段で収納室１５内に固定させてもよいが、接
続受具２４に対する接続具２３の挿入連結により
印刷配線板１６が位置決めされるから、必ずしも
それを固定させなくてもよい。

次に、中間プレート１１を弁ボデイ３に連結し
て、弁ボデイ３の開口部２９を介して収納室１５
内に突出する接続具３０の差込口３０ａに印刷配
線板１６の差込部１６ａを挿入し、さらに、パイ
ロツト弁１３のプラグ端子３１を上記接続具３０
のプラグ穴３０ｂに挿入させることによつてパイ
ロツト弁１３を中間プレート１１に取付ける。こ
れにより、中間プレート１１の接続具３０を介し
て印刷配線板１６上の電気回路と各パイロツト弁
１３とが電気的に接続されることになる。

そして、上記弁ボデイ３にエンドプレート９を
取付け、カバー１８により収納室１５を施蓋して
これらの各部品をボルト等により相互に締着した
あと、弁ボデイ３をベース２に固定する。この固
定と同時に弁ボデイ３上の接続受具２４がベース
２上の接続受具２５に挿入連結され、受電線２６
と上記各電気回路とが接続される。

このように、収納室１５を共通化することによ
り、それを各パイロツト弁毎に独立に設ける場合
に比べて仕切壁が不要になる分その容積を拡大す
ることができ、従つて弁ボデイ３の小形化を図る
ことが可能になる。

また、複数のパイロツト弁１３の制御用電気回
路を単一の印刷配線板１６に集合状態で組付けた
ことにより、電気的な接続関係が単純化されて印
刷配線板の製造が容易になるだけでなく、各電気
回路における正極、負極及び接地極のうちの少な
くとも１個を共用させることができるから、接続
部の数が少なくなつて電磁弁への組付け性が良好
となり、しかも、装置における故障の発生を少な
くして安定した作動を図るのに有利である。

なお、前述の実施例ではスプール弁体８をパイ
ロツト弁１３における電磁力と復帰ばね１０とを
対向させて切換えるようにしたものを示している
が、電磁力同士を対向させてスプール弁体８を切
換えるようにしてもよく、この場合には、弁ボデ
イ３の両側に中間プレート１１及びパイロツト弁
１３が対称状に取付けられる関係上、第２図に鎖
線で示すように、弁ボデイ３の他側にも開口部２
９が設けられ、印刷配線板１６には、各パイロツ
ト弁１３に対応する数の電気回路が組付けられる
と共に、その両端に電気導体２８を備えた差込部
１６ａが形成されることになる。

また、電磁弁１は、図示のピストン１２を介し
てスプール弁体８を駆動する間接作動形だけでな
く、電磁力により直接スプール弁体を駆動する直
接作動形としてもよく、この場合には上記中間プ
レート１１が省略されるため、印刷配線板１６と
各パイロツト弁１３とは第３図または第４図に示
すような手段で接続するのが望ましい。

即ち、第３図においては、多心平行コード４１
の両端に接続具４２，４３を備えたコネクタ４０
を使用し、両接続具４２，４３を印刷配線板１６
とパイロツト弁１３のプラグ端子３１（第２図）
とに接続するようにしており、また、第４図の場
合には、コネクタ５０のパイロツト弁１３（第２
図）へ接続される側の接続具５２，５２を、各パ
イロツト弁１３毎に分割している。

上記第３図及び第４図に示す接続構造は、第２
図に示す間接作動形の電磁弁にも適用することが
できる。即ち、中間プレート１１における接続具
３０と印刷配線板１６とを上記コネクタ４０，５
０の接続具４２，４３及び５２，５３に接続可能
に構成するとか、あるいは、接続具３０に代えて
コネクタ４０，５０の一方の接続具４２，５２を
中間プレート１１に取付け、印刷配線板１６の差
込部１６ａに代えて他方の接続具４３，５３に接
続可能な接続具を設ければよい。

なお、上記受電線２６は、ベース２に設けた電
気結線箱３６から取出しても、あるいは、カバー
１８から取出してもよい。

［考案の効果］ 本考案よれば、電磁弁を複数の弁体及び電磁操
作部を有するものとして構成すると共に、各電磁
操作部用電気回路の収納室の共通化と単一の印刷
配線板への電気回路の集合化とを図ることによ
り、電磁弁の小形化及び配配線作業時間の短縮化
を実現することができ、また、、回路の集合化に
よつて正極、負極あるいは接地極等を共用させる
ことができるため、接続端子の数も少なくてす
み、故障が少なく装置の信頼性も向上する。しか
も、同一弁ボデイ内における複数の弁を相互に関
連した状態で制御するような回路構成を採用し得
るから、弁機能の多用化を図ることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部断面図、
第２図はその分解斜視図、第３図及び第４図はそ
れぞれ電気回路と電磁操作部間の電気的接続方法
の変形例を示す部分斜視図である。 １……電磁弁、３……弁ボデイ、８……スプー
ル弁体、１３……パイロツト弁、１５……収納
室、１６……印刷配線板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一個の弁ボデイに、独立に機能する複数の弁体
   と各弁体に対応する電磁操作部とを設けると共
   に、電磁操作部制御用の電気回路を収納するため
   の各電磁操作部に共通の収納室を設け、該収納室
   内に、上記各電磁操作部に対応する電気回路を共
   通の基板に組付けてなる印刷配線板を格納したこ
   とを特徴とする電磁弁。