JPH0236650Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ドリル先端の研削等に当り、被研削
ドリル等のワークの取付位置を案内し、かつ咬持
して回転を伝える工具研削盤等のコレツト装置の
改良に関するものである。

従来の技術 例えば、ドリルの先端を研削するには、従来
は、第５図に示されるように、コレツトケーシン
グＡに、ドリルの取付位置を規正して研削精度を
維持するための案内用の固定ブツシユＢがストツ
パボルトＣで固定され、固定ブツシユＢと同心に
ドリルの咬持と回転とを行なうコレツトＤが配置
され、位置決め兼抜け止めとしてサークリツプＥ
が設けられており、ウオームホイルＦに伝えられ
た駆動力により、コレツトＤで咬持されているド
リルＧが回転され、先端Ｈの研削が行なわれる構
造のコレツト装置が使用されている。

考案が解決しようとする問題点 上述の従来装置では被研削物たるドリルの径が
変更されると、ドリル径ごとに、固定ブツシユＢ
とコレツトＤと、サークリツプＥとの３者を個別
に着脱、交換しなければならず、交換時間が長く
なり、交換回数が多ければ多い程、多くの工数を
要する欠点があつた。

このため本考案では、上述の固定ブツシユとコ
レツトとを、それぞれ別個の機能を保持させた
まゝ一体の結合体とし、交換時間の短縮を図るこ
とを目的としている。

問題点を解決するための手段 本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載され
るように被研削ドリル等のワークの案内用の固定
ブツシユとワーク咬持用のコレツトとが、軸方向
には一体化させるものの相対回転は許容する結合
部によつて連結されて、コレツトケーシング内の
ガイド筒の内孔と、咬持と回転駆動とを行なうピ
ストンの内孔とに挿脱自在に嵌装されているとい
う構成とすることにより、研削精度を維持する固
定ブツシユと、被研削ドリル等のワークの咬持と
回転伝動とを行なうコレツトとを一体として同時
に交換できるようにし、工具研削盤等におけるワ
ーク取付時の準備作業時間の短縮を図つたもので
ある。

作 用 本考案における固定ブツシユとコレツトとは、
軸方向には一体化させるものの相対回転は許容す
る結合部で連結されているので、交換等の際は一
体として取り扱うことができ、交換工数を減少さ
せうるし、固定ブツシユは、コレツトケーシング
内のガイド筒との協働により、正しい位置に被研
削ドリル等のワークを案内し、研削加工負荷を坦
持し研削精度を維持する機能を発揮し、コレツト
は、咬持、回転駆動用のピストンとの協働によ
り、ワークを咬持し、回転伝動する機能を発揮
し、前述のように一体に連結されていながら全く
異なる機能を確実に実現する。

実施例 第１図乃至第４図は実施の１例を示しており、
被研削ドリル等のワークの案内用の固定ブツシユ
１は、被研削ドリル等のワークの外径に対し僅か
な間隙を存して外嵌され、相対回転を許容しうる
内孔２を有し、先端３の外周面には切欠き４が形
成されている。

また後端５には、内孔２が拡径された拡径部６
が形成されており、この拡径部６には、肉部と孔
部とにまたがつて軸心と直交する方向の対称位置
にピン孔７，８が貫設されている。

被研削ドリル等のワーク９の咬持と回転伝動用
のコレツト１０は、直径線上対称位置の肉部に、
外周面から内孔１１に向う切欠溝１２，１３が軸
方向の全長に亘つて形成され、一方の切欠溝１３
の溝底は小幅のスリツト１４で内孔１１にまで達
しており、コレツト１０が外周方向から半径方向
内方へ向う外力を受けたとき弾性変形して縮径し
うるように構成されている。

前述の内孔１１は、ワーク９に外嵌しうる内径
とされている。

コレツト１０の先端は、固定ブツシユ１の内孔
２の拡径部６内に回転自在に嵌入しうる小径部１
５とされ、固定ブツシユ２側のピン孔７，８に相
対する位置には、環状溝１６が形成され、後端１
７には、内孔１１から外周面に達する貫設孔１８
が設けられている。

前述の固定ブツシユ１とコレツト１０とは、第
１図に示されるように、拡径部６に小径部１５が
嵌入され、ピン孔７，８にピン１９，２０が打ち
込まれることにより一体に結合されている。

上述の拡径部６は、小径部１５、ピン孔７，
８、およびピン１９，２０は、固定ブツシユ１と
コレツト１０との結合部２１を構成し、固定ブツ
シユ１とコレツト１０とを、軸方向には固定する
ものの相対回転は許容する結合で一体化してい
る。

第１図に示されるように一体に結合された固定
ブツシユ１とコレツト１０とは、第４図に示され
るように、コレツトケーシング２２内に配置され
る。

即ち、コレツトケーシング２２内にはガイド筒
２３が固定配置され、またガイド筒２３と同心
に、コレツト１０の咬縮用のピストン２４が回転
自在に配置されており、ピストン２４はテーパ面
２５を油圧で前後進させられる押圧リング２６の
テーパ面２７で押圧されることによりコレツト１
０を咬縮し、押圧を解かれることによりコレツト
１０を解放する公知構造のものである。

前述のガイド筒２３の外周域には、図示を省略
したウオームと噛合するウオームホイール２８が
配置されて前記ピストン２４と一体に結合されコ
レツト１０を介してワーク９を回転させうるよう
に構成されている。

またガイド筒２３にはストツパボルト２９が螺
締され、そのフランジ３０が固定ブツシユ１の切
欠き４に係合することにより、ワーク９の回転時
の固定ブツシユ１の連れ回りを防止し、また軸方
向への移動を防止している。

上述のコレツト装置は次のように使用される。

第４図の状態においてピストン２４に対する押
圧リング２６の押圧を解き、ワーク９を引き抜い
たのち、貫設孔１８を利用してコレツト１０を引
き出すと結合部２１で結合されている固定ブツシ
ユ１も一体となつて同時に引き出される。

次いで次回の被研削ドリル等のワーク９の外径
に合致する内径の固定ブツシユ１とコレツト１０
との組みを選定して手作業でピストン２４とガイ
ド筒２３とに嵌装し、切欠き４をストツパボルト
２９のフランジ３０に係合させることにより位置
決めする。

その後ワーク９を挿入し、ピストン２４を作動
させて咬持し、ウオームホイール２８を介してワ
ーク９を回転させ研削を行なうものである。

考案の効果 本考案は、以上説明した構成、作用のものであ
つて、固定ブツシユとコレツトとは、結合部で連
結されているが、その結合は軸方向には一体化さ
せるものの相対回転は許容する結合であるため、
交換等の際は一体として取り扱うことができ、交
換作業工数を減少させうる効果を奏する。

しかも固定ブツシユは、コレツトケーシング内
のガイド筒との協働により、被研削ドリル等のワ
ークを正しい位置に案内し、研削加工負荷を担持
し、研削精度を維持するという機能を十分に発揮
し、コレツトは、コレツトケーシング内の咬持、
回転駆動とを行なうピストンとの協働により、ワ
ークを咬持し、回転伝動する機能を発揮させうる
効果を有している。

また固定ブツシユとコレツトとが一体に結合さ
れているので部品管理も容易となり紛失等の恐れ
も著しく減少する。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施の１例の縦断面図、第２図は第１
図に示すものの右側面図、第３図は第１図に示す
ものの左側面図、第４図は第１図に示すものの使
用状態を示す縦断面図、第５図は従来装置を示す
縦断面図である。 １…固定ブツシユ、９…ワーク、１０…コレツ
ト、２１…結合部、２２…コレツトケーシング、
２３…ガイド筒、２４…ピストン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被研削ドリル等のワークの案内用の固定ブツシ
   ユとワーク咬持用のコレツトとが、軸方向には一
   体化させるものの相対回転は許容する結合部によ
   つて連結され、コレツトケーシング内のガイド筒
   の内孔と咬持と回転駆動とを行なうピストンの内
   孔とに挿脱自在に嵌装されている工具研削盤等の
   コレツト装置。