JPH0232471B2

JPH0232471B2 -

Info

Publication number: JPH0232471B2
Application number: JP57089615A
Authority: JP
Inventors: Masahiko Fujii
Original assignee: NEC Home Electronics Ltd
Current assignee: NEC Home Electronics Ltd
Priority date: 1982-05-28
Filing date: 1982-05-28
Publication date: 1990-07-20
Also published as: JPS58217768A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、エンジンの点火制御に関し、特に急
加速時に於ける失火を防止したエンジン点火制御
方法に関するものである。

近年、電子技術の急速な発達に伴つて、エンジ
ンの点火制御もデイジタル制御技術が利用されて
いる。例えば電子制御によるエンジン点火制御回
路に於いては、クランク軸の単位角回転毎に発生
される角度パルスと、クランク軸の基準位置を示
す基準位置パルスを取り込み、この基準位置パル
スの発生時点を基準として角度パルスを計数して
いる。そして、この計数値がクランク軸の１回転
前に於ける回転速度を基準として算出された値に
達した時点に於いて、点火コイルに対する通電時
間および点火タイミングの制御を行つている。

しかしながら、上述した従来のエンジン点火制
御方法は、１回転前の回転速度を基準として点火
コイルに対する通電時間を制御するものであるた
めに、急加速時には通電時間が不足したり、ある
いは極端な場合には通電時間が無くなるために失
火が生じて出力が低下する問題を有している。

従つて、本発明による目的は、急加速時に於け
る失火を防止したエンジン点火制御方法を提供す
ることである。

このような目的を達成するための本発明は、基
準位置パルスの発生時点から角度パルスを計数
し、その計数値が次の基準位置パルスの発生時点
よりも２個以上手前の予め定められた値ｎに達し
た時点に於いて、各種条件を基にして算出された
通電時間と残時間とを比較し、通電時間に対して
残時間が少ない場合には以後に発生される角度パ
ルスを用いて点火コイルに対する通電を強制的に
開始し、次の基準位置パルスに関連して発生され
る点火制御パルスにより点火コイルに対する通電
を遮断させることにより、逆起電力によつて点火
コイルに高電圧を発生させ、この高電圧を点火プ
ラグに供給して点火させるものである。つまり、
次の基準位置パルスの発生直前に於いて、点火コ
イルへの通電時間が確保出来るか否かの判別を行
い、通電時間が不足する場合には強制的に給電を
開始させるものであるために、急加速時に於いて
も点火期間内における実時間処理によつて点火制
御を行うものである。

以下、図面を用いて、本発明によるエンジン点
火制御方法を詳細に説明する。

第１図は本発明によるエンジン点火制御方法の
一実施例を示す回路図である。同図に於いて１は
カウンタであつて、クランク軸の単位角回転毎に
発生される角度パルスＡをクランク軸の基準位置
を示す基準位置パルスＢによつてリセツトされな
がらカウントすることによりカウント値ｎを発生
する。２は回転数検出回路であつて、基準位置パ
ルスＢの発生間に於けるクロツクパルスφ₁を計
数することにより回転数Ｎを求めている。３は図
示しない負圧、水温および気圧センサから供給さ
れるアナログ値の負圧信号Ｃ、水温信号Ｄおよび
気圧信号Ｅをデイジタル値の信号C′，D′，E′に変
換して出力するアナログ・デイジタル変換回路、
４はカウント値ｎ、回転数Ｎ、負圧信号C′、水温
信号Ｄおよび負圧信号E′を入力して各種演算を行
うマイクロコンピユータ、５は第１ダウンカウン
タであつて、データバスDBを介してマイクロコ
ンピユータ４から供給されるデータをマイクロコ
ンピユータ４から供給されるセツト信号P₁によ
つてプリセツトする。６は角度パルスＡと基準位
置パルスＢを入力してカウントスタート信号Ｆを
発生するカウントスタート信号発生回路、７は第
１ダウンカウンタ５の出力によつてセツトされ、
かつカウントスタート信号発生回路６から供給さ
れるカウントスタート信号Ｆによつてリセツトさ
れる第１フリツプフロツプ回路、８は第１フリツ
プフロツプ回路７のリセツト出力とクロツクパ
ルスφ₂の一致を求め、その出力を前記第１ダウ
ンカウンタ５にクロツク信号として供給するアン
ドゲート、９は第２ダウンカウンタであつて、デ
ータバスDBを介して供給されるデータをマイク
ロコンピユータ４から供給されるセツト信号P₂
によつてプリセツトする。１０は第２ダウンカウ
ンタ９の出力とマイクロコンピユータ４から供給
される強制給電開始信号Ｑとを入力するオアゲー
ト、１１はオアゲート１０の出力によつてセツト
され、かつ第１フリツプフロツプ回路７のセツト
信号Ｑによつてリセツトされる第２フリツプフロ
ツプ回路であつて、そのセツト出力Ｑが点火制御
信号Ｘとして図示しない点火コイル駆動用のパワ
ートランジスタに供給される。１２は第２フリツ
プフロツプ回路１１のリセツト出力とクロツク
φ₂に対して十分に周期の短い例えばφ₂／２＝φ₃
のクロツクパルスとの一致を求め、その出力を第
二ダウンカウンタ９にクロツク信号として供給す
る。なお、マイクロコンピユーター４は、第１、
第２フリツプフロツプ回路７，１１のセツト出力
Ｑおよび第２ダウンカウンタ９のカウント値ｇを
入力として監視している。以下、上記構成による
回路の動作を第２図ａ〜ｇに示す各部動作波形図
および第３図に示すフローチヤートを用いて説明
する。

このように構成された回路に於いて、基準位置
パルスＢは第２図ａに示すように発生され、これ
に対して角度パルスＡは第２図ｂに示すように、
角度パルスＡに同期し、かつ例えば６倍の周波数
を有する信号として発生されている。そして、カ
ウンタ１は基準位置パルスＢによつてリセツトさ
れながら角度パルスＡの立ち下がりを順次カウン
トして＃１〜＃６のカウント値ｎをマイクロコン
ピユータ４に供給する。また、回転数検出回路２
は基準位置パルスＢの各周期間に於けるクロツク
パルスφ₁を計数することにより、単位時間当た
りの回転数N₁，N₂，N₃……を順次算出してい
る。更に、アナログ・デイジタル変換回路３は、
各センサから供給されるアナログ値の負圧信号
Ｃ、水温信号Ｄおよび気圧信Ｅをそれぞれデイジ
タル値C′，D′，E′に変換してマイクロコンピユー
ター４に供給している。

ここで、カウントスタート信号発生回路６は、
基準位置パルスＢの発生時点から角度パルスＡを
５カウントすると、つまり次の基準位置パルスＢ
の発生時点に対して、所定回転角度手前としての
角度パルスＡの例えば２個手前の時点に達したこ
とを検出すると、角度パルスＡの１周期間にわた
つて“Ｈ”レベルのカウントスタート信号Ｆを第
２図ｃに示すように発生する。

一方、マイクロコンピユター４は、第３図にス
テツプS₁で示すカウンタ１のカウント値ｎを監視
し、基準位置パルスＢの発生から第１番目の角度
パルス＃１が発生したことを検出すると、ステツ
プS₂に移行して回転数検出回路２から発生される
回転数N₁を取り込む。そして、ステツプS₃に於
いては、回転数N₁、負圧信号C′、水温信号D′お
よび負圧信号E′を基にして演算することにより、
第２図ｃに示すカウントスタート信号Ｆの発生時
点から第２図ｄに示す点火制御信号Ｘがオフとな
つて、図示しない点火コイルから高電圧の点火エ
ネルギーが発生され点火時点までの時間a₁が求め
られる。次にステツプS₄に於いては、回転数Ｎか
ら算出した基準位置パルスＢの１周期T₁を基と
して、第２図ｄに示す点火制御信号Ｘがオンとな
る点火時点からこの点火制御信号Ｘがオフとなる
次の通電開始時点までの時間b₁をb₁＝T₁−αと
して求める。ここで、αは点火コイルへの通電時
間であつて、通常は５mmＳ程度の一定値に設定さ
れている。つまり、点火時点から次の通電開始時
点までの時間b₁は、この通電時間αを得るため通
電開始時点を求めていることになる。

次に、マイクロコンピユター４はステツプS₅に
於いて第１フリツプフロツプ回路７のセツト信号
Ｑが“Ｈ”であることを確認することにより、第
１ダウンカウンタ５の動作が終了していることを
判別すると、第６ステツプS₆に於いて第２図ｃに
示すカウントスタート信号Ｆの発生時点から点火
時点までの時間a₁のデータがデータバスDBを介
して出力するとともに、セツト信号P₁を発生し
てこの時間a₁のデータを第１ダウンカウンタ５に
プリセツトする。

次に、マイクロコンピユター４はステツプS₇に
於いて、第２フリツプフロツプ回路１１のセツト
出力Ｑが“Ｈ”であることを確認することによ
り、第２ダウンカウンタ９の動作が終了している
ことを判別すると、ステツプS₈於いて前回の基準
位置パルスＢの周期T₁から点火コイルへの通電
時間αを引いた時間b₁のデータをデータバスDB
を介して出力するとともに、セツト信号P₂を発
生してこの時間b₁のデータを第２ダウンカウンタ
９にプリセツトする。ここで、カウントスタート
信号発生回路６から供給されるカウントスタート
信号Ｆが第２図ｃに示すように立ち上がると、第
１フリツプフロツプ回路７がリセツトされてその
セツト出力が“Ｌ”に反転する。ここで、第１フ
リツプフロツプ回路７がリセツトされると、その
リセツト出力が“Ｈ”に反転するために、アンド
ゲート８からクロツクパルスφ₂が発生されて第
１ダウンカウンタ５に供給される。この結果、第
１ダウンカウンタ５はプリセツトされた時間a₁の
データをクロツクパルスφ₂の周期で順次減算す
ることになり、その値が零となつて出力端OUT
から出力されるまでの期間が時間a₁となる。そし
て、第１ダウンカウンタ５から出力が発生される
と、第１フリツプフロツプ回路７がセツトされる
ためにアンドゲート８が閉となつて第１ダウンカ
ウンタ５の動作も停止する。ここで、第１フリツ
プフロツプ回路７が再びセツトされてそのセツト
出力が“Ｈ”に反転すると、第２フリツプフロツ
プ回路１１がリセツトされてセツト出力が“Ｌ”
に反転する。従つて、点火制御信号Ｘはこの時点
に於いて“Ｈ”から“Ｌ”に反転されるために、
図示しないパワートランジスタを介して行われて
いた点火コイルへの給電が断たれるために、点火
コイルから高電圧が発生されて点火プラグに供給
されることにより点火が行われる。また、第２フ
リツプフロツプ回路１１がリセツトされた事によ
り、アンドゲート１２が閉となつてクロツクパル
スφ₃が第２ダウンカウンタ９に供給される。第
２ダウンカウンタ９はクロツクパルスφ₃によつ
てプリセツト値b₁を順次減ずることにより計時を
行い、その計数値が零となつて出力端OUTから
出力が発生され、この期間が時間b₁となる。そし
て、第２ダウンカウンタ９から出力が発生される
と、オアゲート１０の出力によつて第２フリツプ
フロツプ回路１１がセトされ、これに伴つて第２
ダウンカウンタ９へのクロツクパルスの供給が断
たれてその動作が停止する。また、第２フリツプ
フロツプ回路１１がセツトされた事により出力Ｑ
が“Ｈ”となるため、第２図ｄに示す点火制御信
号Ｘも“Ｈ”となつて図示しないパワートランジ
スタがオンされて点火コイルに給電される。従つ
て、この第２フリツプフロツプ回路１１がセツト
状態となつている期間が点火コイルへの通電時間
となり、マイクロコンピユター４は時間b₁のデー
タを可変することにより点火コイルへの通電時間
αが常に一定となるように制御している。

また、マイクロコンピユター４は第３図にステ
ツプS₉に於いて示すように、カウンタ１の計数値
ｎを監視することによつて第４番目の角度パルス
＃４の発生を検出すると、つまり次の基準位置パ
ルスＢの発生から手前側に３番目の角度パルスＡ
の発生を検出すると、ステツプS₁₀に於いて第２
フリツプフロツプ回路１１のセツト出力がすでに
“Ｈ”となつて給電が開始されていることを監視
する。この場合、第４番目の角度パルス＃４の発
生時点は、通常時に於ける給電開始時点となるよ
うな角度パルスＡが選定されている。

次に、急加速が行われると、上記回路は１サイ
クル前の回転数N₁を用いて基準位置パルスＢの
周期T₁を算出したものを用いているために、前
の通りの時間a₁，b₁を用いて点火制御を行うと、
角度パルス＃４の発生時点に於いても第２フリツ
プフロツプ回路１１はセツトされなくなり、これ
に伴つて点火コイルへの通電時間、つまりドエル
角が不足または極端な場合には無くなつて失火と
なる。このために、角度パルス＃４の発生時点に
於ける第２フリツプフロツプ回路１１のセツト出
力Ｑが“Ｌ”の場合には、ステツプS₁₁に於いて
第２ダウンカウンタ９のカウント値ｇをマイクロ
コンピユター４に取り込む。そして、マイクロコ
ンピユター４はステツプS₁₂に於いて、カウント
値ｇと給電時間との和が時間ａと角度パルスＡの
１周期時間ｋの和に対して大なることを判別する
演算を行い、次にステツプS₁₃に於いて点火コイ
ルへの通電時間αと時間a₁を比較する。ここで、
給電時間α時間a₁よりも大なる場合には、ステツ
プS₁₄に於いて強制給電開始信号Ｑをそく発生し
て第２フリツプフロツプ回路１１をセツトするこ
とにより給電を開始させる。また、給電時間αが
時間a₁よりも小なる場合には、ステツプS₁₅に移
行し、第５番目の角度＃５の発生と同時にステツ
プS₁₄に移行して強制給電を実行する。従つて、
このように構成された回路に於いては、基準位置
パルスＢの発生直前に於いて点火コイルへの給電
を確認し、まだ通電が開始されていない場合には
強制的に通電を開始させるものである。よつて、
急加速した場合に於いても失火を防止することが
出来る。つまり、このように構成された点火制御
方法においては、次の基準位置パルスに発生直前
に於いて、点火コイルへの通電時間が確保出来る
か否かの判別を行い、通電時間が不足する場合に
は強制的に給電を開始させるものであるために、
急加速時に於いても点火期間内における実時間処
理によつて確実な点火が行える。

なお、上記実施例に於いては、第４番目の角度
センサ＃４の発生時点に於いて、点火コイルへの
通電開始をチエツクしたが、通常時に於ける通電
時間範囲の前半に含まれるものであればいかなる
タイミングであつても良い。

以上説明したように、本発明によるエンジン点
火制御方式は、次の基準位置パルスの発生直前に
於いて、点火コイルへの通電時間が確保出来るか
否かの判別を行い、通電時間が不足する場合には
強制的に給電を開始させるものであるために、急
加速時に於いても点火期間内における実時間処理
によつて確実な点火が行える優れた効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるエンジン点火制御方法の
一実施例を説明するための回路図、第２図ａ〜ｄ
は第１図に示す回路の各部動作波形図、第３図は
第１図に示す回路の動作を示すフローチヤートで
ある。１……カウンタ、２……回転数検出回路、３…
…アナログ・デイジタル変換回路、４……マイク
ロコンピユター、５，９……第１、第２ダウンカ
ウンタ、６……カウントスタート信号発生回路、
７，１１……第１、第２フリツプフロツプ回路、
８，１２……アンドゲート、１０……オアゲー
ト。

Claims

【特許請求の範囲】１クランク軸の基準位置示す基準位置パルス、
クランク軸の単位角回転毎に発生される角度パル
スおよび負圧、水温、気圧等のアナログ情報を入
力としてマイクロコンピユータ制御により最適点
火時期および点火コイルへの通電時間を制御する
エンジン点火制御方法に於いて、通常時に於ける
通電開始範囲の前半に於いて点火コイルへの通電
状態を監視することにより、急加速に伴なつて給
電が開始されていない場合には、前記マイクロコ
ンピユータが強制的に点火コイルへの通電開始制
御を実行することを特徴とするエンジン点火制御
方法。２点火コイルへ通電開始制御は、基準位置パル
スの発生時点から角度パルスを計数し、その計数
値が次の基準位置パルスの発生時点よりも２個以
上手前の予め定められた値に達した時点において
各種条件を基にして算出された通電時間と残時間
とを比較し、通電時間に対して残時間が少ない場
合には以後に発生される角度パルスを用いて点火
コイルに対する通電を強制的に開始し、次の基準
位置パルスに関連して発生される点火制御パネル
により点火コイルに対する通電を遮断制御するこ
とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のエン
ジン点火制御方法。