JPH02290944A

JPH02290944A - 耐摩耗鋳鉄

Info

Publication number: JPH02290944A
Application number: JP11091789A
Authority: JP
Inventors: Akira Tamura; 田村　朗; Shunsuke Matsuo; 松尾　俊介; Masayoshi Iwanari; 岩成　正義
Original assignee: Kawasaki Heavy Industries Ltd
Current assignee: Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date: 1989-04-28
Filing date: 1989-04-28
Publication date: 1990-11-30

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、破砕機等を構成する構造用部品に適用され、
特に耐摩耗性が要求される部品に用いる耐摩耗鋳鉄に関
する。

［従来の技術］破砕機等を構成する構造用部品、例えば破砕要素などは
苛酷な破砕作用のもとて衝撃荷重やアブレージョン作用
を受け、摩耗の進展をもたらすので耐摩耗鋳鉄などが用
いられている。

従来、耐摩耗鋳鉄としては高硬度の高クロム鋳鉄をはじ
め、前記高クロム鋳鉄にＶ，Ｍｏ，Ｎｉなどを添加した
ものなどが知られている。

また、高クロム鋳鉄の耐アブレージョン摩耗性を改善す
るためにＦｅに対する添加元素としてＢなどを用いるこ
とが提案され、硬度ならびにじん性の向上をはかってい
る（・例えば、特開昭５２−２６３１２号公報など）。

［発明が解決しようとする課題］しかしながら、上記従来の耐摩耗鋳鉄ではＢの添加量を
増加させることにより、硬度、じん性や耐アブレージョ
ン摩耗性などの特性を改善しつるものの、添加量が過大
となると晶出物が多くなり、結晶粒が粗大となり、じん
性を低下させて脆化により表面からの剥離現象をもたら
し、耐摩耗鋳鉄として適さなくなると言う問題があった
。

本発明はこのような従来の問題を解決するものであり、
高クロム鋳鉄にＢを添加しても剥離現象などをもたらす
ことなく、高硬度にして、かつ、充分なしん性を備え、
耐摩耗性にすぐれた耐摩耗鋳鉄を提供することを目的と
するものである．［課題を解決するための手段］本発明は上記目的を達成するために、重量％で、Ｃ　：
　２．９０　〜３．４０％、Ｓ　ｉ　：　１．２０％以
下、Ｍｎ：　０．４０　Ｎ１．１０％、Ｃ　ｒ　：　２
１１．０　〜３３．０％、Ｂ：０．１〜２．０％、残部
Ｆｅおよび不純物からなるようにし、また、重量％で、
Ｃ　：　２．９０〜３．４０％、Ｓ　ｉ　：　１．２０
％以下、Ｍ　ｎ　：　０．４　〜１．１０％、Ｃｒ：２
８．０〜３３．０％、Ｂ　：　０．１〜２．０％、およ
び、Ｍｏ：　１．００％以下、Ｖ　：　０．４０　〜０
．８０％、Ｗ：０．２０〜０．６０％、Ｎ　ｂ　：　０
．２０〜０，６０％、のうちの１ｆ！または２種以上、
残部Ｆｅおよび不純物からなるようにしたものである。

［作　用］本発明による耐摩耗鋳鉄の成分範囲の限定理由について
説明する。

Ｃ　：　２．９０〜３．４０％Ｃはセメンタイトを多く晶出させて硬度を増大させるも
ので、耐摩耗性を得るために必要であり、このために２
．９０％以上添加する。Ｃ％が多すぎると脆くなり、引
張り強さ、衝撃値を低下させるので、３．４０％以下と
した。

Ｓ　ｉ　：　１．２０％以下Ｓｔはマトリックスを固溶体強化し、Ｃの偏析を防ぎマ
トリックスの組織変化に対する抵抗性を増大させる。

Ｓｔ％が高くなると引張り強さを低下させるので、１．
２０％以下とした。

Ｍ　ｎ　：　０．４　〜１．１０％Ｍｎは素材の焼入性を増大させる効果があるため０．４
％以上添加する。しかし、多すぎると焼入れひずみを助
長するので１，１０％以下とした。

Ｃ　ｒ　：　２８．０〜３３．（１％Ｃｒは炭化物を晶出させ、硬度を高くさせる元素であり
、耐摩耗性と強度を与えることができる。とくに添加量
を増大させて耐摩耗性と強度とが得られるようにするた
め、２８，０％以上添加する。しかし、多すぎると脆性
をもたらすので３３．０％以下とした。

Ｍ　ｏ　：　１．０％以下Ｍｏは素材の焼入性を増大させる上に、炭化物を形成す
るため耐摩耗性をも改善する元素である．しかし、１．
０％以上になると製造時の焼割れなどが多く生じるため
１．０％以下とした．Ｂ　　：　　０．１　　〜２．０
　　％Ｂは炭化物（８４Ｃ）、ホウ化物（Ｆｅ２　Ｂ）
を晶出させて硬度を増大させるもので、耐摩耗性を得る
ために必要であり、このために、０．１％以上添加する
。Ｂ％が増大すると晶出物がマトリックスに比べて多く
なり、結晶粒を粗大にさせて耐摩耗性を低下させるのみ
ならず、詭化により剥離現象をもたらすので、２．０％
以下とした。

Ｖ，Ｗ，Ｎｂから選ばれる１　ｆｉｌまたは２ｆ！以上
の０．２０　ＮＯ．６０％前記の元素から選ばれる１　ｆｉまたは２種以上を０．
２０％以上添加することにより衝７値の低下を阻止する
こととした。しかし、添加量が多すぎるとじん性に悪影
響を及ぼすので０．６０％以下とした。

かくして、高クロム鋳鉄にＢを添加して剥離現象などを
もたらすことなく、高硬度にして、かつ、充分なしん性
を備え、耐摩耗性にすぐれた耐摩耗鋳鉄を得ることがで
きる。

［実施例］以下、本発明を実施例に基いて説明する。

供試材は、５０κｇの高周波誘導炉を用いて溶製し、銑
鉄、フェロクロム、フエ口モリブデン、フェロボロンな
どにより調整後、１４８０℃にて出鋼し，　１４３０℃
にてＪＩＳ　５１０１に規定されているテストピース型
に鋳込んだ。各供試材はそれぞれ所定の温度で焼準処理
を行った後、ミクロ組織、衝撃試験および摩耗試験用の
試験片を切断、採取して、前記の試験に用いられた。

摩耗試験は衝撃破砕機の構造を有する摩耗試験機を用い
て行われ、摩耗試験片を打撃子とし、周速３　０　ｍ／
ｓ　，破砕間隙１５［１１１１１のもとで、粒度２０−
０５の硬砂岩を基準材料として、３００Ｋｇを破砕処理
するものであり、処理前後における摩耗試験片の重量差
を用いて摩耗原単位（ｇ／ｔｏｎ）　としている。表示
数値が少い程、耐摩耗性が高くなることを示している。

第１表は前記供試材の化学成分および硬度、じん性、耐
摩耗性について示すものである。

第１表において本発明（１）の試料Ａを基本成分とし、
試料Ｂと試料Ｃおよび比較例の試料Ｄと試料ＥまでＢ添
加の効果を検討し、さらに、本発明（２）においてはＭ
ｏ，Ｖ，Ｗ，Ｎｂ添加の効果を検討した。

また、比較例として、試料ＫにおいてはＢを含有しない
高クロム鋳鉄との差異を検討した。

そして、本発明における各実施例による耐摩耗鋳鉄はそ
れぞれ高硬度、高じん性および耐摩耗性を備えたものを
得ることができた。耐摩耗性として試料Ｃでは比較例の
試料Ｋに対して１．３倍の耐摩耗性を有していることが
判明した。

第１図は本発明による耐摩耗鋳鉄の金属組織写真をしめ
し、比較例として試料Ｅおよび試料Ｋについても併せて
しめした。第１図（ａ）から第１図（Ｃ）にいたるにし
たがいＢの添加による晶出物が増加し、第１図（Ｃ）に
おいては晶出物がマトリックスに比べて多くなっている
。

［発明の効果］本発明は上記実施例より明らかなように、高硬度にして
、かつ、充分なしん性を備え、耐摩耗に優れているので
、破砕機等を構成する耐摩耗性が要求される部品に適合
する・ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）〜（ａ　　）は本発明による耐摩耗鋳鉄の
金属組織写真を比較例とともにしめしたものである。出願人　川７１４重工業株式会社

Claims

【特許請求の範囲】

（１）重量％で、Ｃ：２．９０〜３．４０％、Ｓｉ：１
．２０％以下、Ｍｎ：０．４０〜１．１０％、Ｃｒ：２
８．０〜３３．０％、Ｂ：０．１０〜２．０％、残部Ｆ
ｅおよび不純物からなることを特徴とする耐摩耗鋳鉄。
（２）重量％で、Ｃ：２．９０〜３．４０％、Ｓｉ：１
．２０％以下、Ｍｎ：０．４〜１．１０％、Ｃｒ：２８
．０〜３３．０％、Ｂ：０．１０〜２．０％、およびＭ
ｏ：１．００％以下、Ｖ：０．４０〜０．６０％、Ｗ：
０．２０〜０．６０％、Ｎｂ：０．２０〜０．６０％、
のうちの１種または２種以上、残部Ｆｅおよび不純物か
らなることを特徴とする耐摩耗鋳鉄。