JPH0228541B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPH0228541B2 JPH0228541B2 JP57083176A JP8317682A JPH0228541B2 JP H0228541 B2 JPH0228541 B2 JP H0228541B2 JP 57083176 A JP57083176 A JP 57083176A JP 8317682 A JP8317682 A JP 8317682A JP H0228541 B2 JPH0228541 B2 JP H0228541B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- panel
- panels
- raw materials
- specific gravity
- formwork
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Panels For Use In Building Construction (AREA)
- Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
- Manufacturing Of Tubular Articles Or Embedded Moulded Articles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、一体成型された大型パネルに関し、
特に補強筋回りにほとんど空隙の存しない大型パ
ネルに関する。
特に補強筋回りにほとんど空隙の存しない大型パ
ネルに関する。
従来のALC大型パネルは、600mm巾のALCパネ
ルを複数枚集成してなるもので、パネルとしての
一体性に欠け、特に意匠性の点で好まれなかつ
た。
ルを複数枚集成してなるもので、パネルとしての
一体性に欠け、特に意匠性の点で好まれなかつ
た。
本発明はかゝる問題点を解決したものである。
従来知られているALCパネルの製法としては、
大別して2つの方法があり、型枠内でパネルを竪
型に複数枚同時に成型する竪打式と、型枠内でパ
ネルを水平に成型する平打式とに大別される。
大別して2つの方法があり、型枠内でパネルを竪
型に複数枚同時に成型する竪打式と、型枠内でパ
ネルを水平に成型する平打式とに大別される。
竪打式は、通常珪酸質原料として硅石等を、又
石灰質原料として普通ポルトランドセメント及び
生石灰を主成分とし、アルミニウム粉末で発泡さ
せ硬化脱型後、ピアノ線で切断する方式であり、
一方平打方式は、硅石、普通ポルトランドセメン
ト、及び急結セメントを主成分として用い、起泡
剤によつて気泡を形成させ、硬化脱型させる方式
である。
石灰質原料として普通ポルトランドセメント及び
生石灰を主成分とし、アルミニウム粉末で発泡さ
せ硬化脱型後、ピアノ線で切断する方式であり、
一方平打方式は、硅石、普通ポルトランドセメン
ト、及び急結セメントを主成分として用い、起泡
剤によつて気泡を形成させ、硬化脱型させる方式
である。
両方式とも脱型後のパネルは、オートクレーブ
養生される。
養生される。
竪打式の場合には、モルタルスラリーが型枠上
部から投入されるため、落下時の衝撃による気泡
の連絡、空気の巻き込み等により、空隙、空洞、
粗大気泡等の欠点を生じ易い。又、発泡によるモ
ルタルの移動距離が大となるため、低粘性のモル
タル2000CP程度)を必要とし、これは原料の分
離沈降をひきおこし易く、モルタル硬化体の底部
と上部では4%以上の比重差を生じ品質の均一性
に欠けるため、竪方向の高さは通常600mmを限度
とし、それ以上の大型巾のパネルを製作すること
は困難である。
部から投入されるため、落下時の衝撃による気泡
の連絡、空気の巻き込み等により、空隙、空洞、
粗大気泡等の欠点を生じ易い。又、発泡によるモ
ルタルの移動距離が大となるため、低粘性のモル
タル2000CP程度)を必要とし、これは原料の分
離沈降をひきおこし易く、モルタル硬化体の底部
と上部では4%以上の比重差を生じ品質の均一性
に欠けるため、竪方向の高さは通常600mmを限度
とし、それ以上の大型巾のパネルを製作すること
は困難である。
又、あらかじめ補強鉄筋にパネル取付用の埋込
金具を固着、埋設する場合には、この金具がモル
タルの発泡を著しく阻害することになり、前記の
粗大気泡、空隙、空洞等の発生を更に助長するこ
とになり、上下の比重差と相互に影響して、埋込
金具の引抜強度は同一パネル内において大きくば
らつく結果、パネルの取付安全性を向上させるた
めには、埋込金具の周辺に補強鉄筋を密に配置す
るなどの極めて不経済な設計を強いられていた。
金具を固着、埋設する場合には、この金具がモル
タルの発泡を著しく阻害することになり、前記の
粗大気泡、空隙、空洞等の発生を更に助長するこ
とになり、上下の比重差と相互に影響して、埋込
金具の引抜強度は同一パネル内において大きくば
らつく結果、パネルの取付安全性を向上させるた
めには、埋込金具の周辺に補強鉄筋を密に配置す
るなどの極めて不経済な設計を強いられていた。
また成型中、アルミ粉末の発泡によるモルタル
スラリーの膨張が補強鉄筋を押上げるために、鉄
筋に固着した取付用埋込金具の位置精度が非常に
悪く、施工現場ではパネルを所定位置に設置する
ために大変な手間がかかり、工期の延長と施工コ
ストの上昇をもたらすばかりでなく、埋込金具の
位置誤差吸収する機能を備えた高価なパネル取付
装置を必要としていた。
スラリーの膨張が補強鉄筋を押上げるために、鉄
筋に固着した取付用埋込金具の位置精度が非常に
悪く、施工現場ではパネルを所定位置に設置する
ために大変な手間がかかり、工期の延長と施工コ
ストの上昇をもたらすばかりでなく、埋込金具の
位置誤差吸収する機能を備えた高価なパネル取付
装置を必要としていた。
一方、平打式の場合には、オートクレーブ養生
前に、ナイフ等により均整されたパネル上面は、
ち密な平滑面となり、仕上剤の付着性が悪いとい
う欠点を有する。また、急結性セメントを使用す
るため母材内部にハイドロガーネツトの結晶を生
じ、強度低下の因となるばかりか、コスト的にも
大巾な上昇となつている。
前に、ナイフ等により均整されたパネル上面は、
ち密な平滑面となり、仕上剤の付着性が悪いとい
う欠点を有する。また、急結性セメントを使用す
るため母材内部にハイドロガーネツトの結晶を生
じ、強度低下の因となるばかりか、コスト的にも
大巾な上昇となつている。
本発明は、上記従来の欠点を解消したものであ
り、気泡が均一で、パネル内の比重差が少く、巾
広パネルの製作が可能となると同時に開口部作成
が容易な高強度ALC大型パネルである。
り、気泡が均一で、パネル内の比重差が少く、巾
広パネルの製作が可能となると同時に開口部作成
が容易な高強度ALC大型パネルである。
本発明パネルは、例えば平打方式により、急結
性セメント等ハイドロガーネツトを生成する原料
を用いずに製造され、要すれば、オートクレーブ
養生後にパネルの表面およびまたは裏面を全面に
亘つて切削加工することができる。切削加工によ
り、本発明パネルの表面およびまたは裏面は、一
見平滑な切削面となるが切削により気泡の細かい
凹部が全面にほぼ均一に露出し、ほどよい粗面が
形成され、仕上剤付着に極めて好適な面が形成さ
れる。仕上剤付着性の点からは、気泡形成は起泡
剤によるよりもアルミ粉による方が望ましい。オ
ートクレーブ前にピアノ線カツトした面も仕上剤
の付着は極めて良好である。
性セメント等ハイドロガーネツトを生成する原料
を用いずに製造され、要すれば、オートクレーブ
養生後にパネルの表面およびまたは裏面を全面に
亘つて切削加工することができる。切削加工によ
り、本発明パネルの表面およびまたは裏面は、一
見平滑な切削面となるが切削により気泡の細かい
凹部が全面にほぼ均一に露出し、ほどよい粗面が
形成され、仕上剤付着に極めて好適な面が形成さ
れる。仕上剤付着性の点からは、気泡形成は起泡
剤によるよりもアルミ粉による方が望ましい。オ
ートクレーブ前にピアノ線カツトした面も仕上剤
の付着は極めて良好である。
また、本発明パネルは、パネル内任意の2部分
の絶乾かさ比重をρ1,ρ2(ρ2ρ1)とした場合
ρ2−ρ1/ρ1が0.02以下、好ましくは0.01以下となり
、 パネル内比重差すなわち強度差のほとんどないパ
ネルである。従来の竪打式のALCパネルで広巾
のものが得られなかつた原因の一つは、パネル内
巾方向の比重差すなわち剛性の差、強度差が大き
くなるため、パネルのたわみが不均一となり局部
的な破壊をおこし易くなるためである。
の絶乾かさ比重をρ1,ρ2(ρ2ρ1)とした場合
ρ2−ρ1/ρ1が0.02以下、好ましくは0.01以下となり
、 パネル内比重差すなわち強度差のほとんどないパ
ネルである。従来の竪打式のALCパネルで広巾
のものが得られなかつた原因の一つは、パネル内
巾方向の比重差すなわち剛性の差、強度差が大き
くなるため、パネルのたわみが不均一となり局部
的な破壊をおこし易くなるためである。
開口パネルの場合は特にこの点が問題となる。
パネル内比重差の測定はサンプルとしてパネルの
厚み方向にパネルに直角に切抜いた10cm角の立方
体を用い、その他測定条件はJISA5416に準じて
行う。
パネル内比重差の測定はサンプルとしてパネルの
厚み方向にパネルに直角に切抜いた10cm角の立方
体を用い、その他測定条件はJISA5416に準じて
行う。
本発明パネルの寸法は、パネル巾900mm以上好
ましくは1500mm以上、パネル長2400mm以上、好ま
しくは3000mm以上、パネル厚100mm以上好ましく
は121mm以上である。
ましくは1500mm以上、パネル長2400mm以上、好ま
しくは3000mm以上、パネル厚100mm以上好ましく
は121mm以上である。
本発明パネルの原料としては、通常のALCに
用いられる原料が使用できるが、オートクレーブ
養生によつてハイドロガーネツトの生成するもの
は好ましくない。原料のC/Sは0.8以下が好ま
しい。オートクレーブによる蒸気養生は、ゲージ
圧8〜12Kg/cm2の飽和蒸気による一般的な条件が
用いられる。製品のマトリツクス部分(鉄筋等を
除いた部分)のかさ比重は、0.40〜1.00が好まし
く、特に0.40〜0.60が好ましい。
用いられる原料が使用できるが、オートクレーブ
養生によつてハイドロガーネツトの生成するもの
は好ましくない。原料のC/Sは0.8以下が好ま
しい。オートクレーブによる蒸気養生は、ゲージ
圧8〜12Kg/cm2の飽和蒸気による一般的な条件が
用いられる。製品のマトリツクス部分(鉄筋等を
除いた部分)のかさ比重は、0.40〜1.00が好まし
く、特に0.40〜0.60が好ましい。
本発明パネルは、オートクレーブ養生後、パネ
ルの表面に切削加工を施すことができ、離型剤含
浸面およびまたはピアノ線等による均整面を切除
することができる。切削加工によりパネル表面は
気泡の露出した平滑な面となりパネル内比重差が
小さいため気泡孔は全面均一となるので塗料の浸
透が一様となり外装塗料の塗りムラが減少し、付
着性も向上し、又塗布量が減少するという利点が
ある。
ルの表面に切削加工を施すことができ、離型剤含
浸面およびまたはピアノ線等による均整面を切除
することができる。切削加工によりパネル表面は
気泡の露出した平滑な面となりパネル内比重差が
小さいため気泡孔は全面均一となるので塗料の浸
透が一様となり外装塗料の塗りムラが減少し、付
着性も向上し、又塗布量が減少するという利点が
ある。
また、本発明パネルは鉄筋まわりに存在する空
隙の最大巾が高々鉄筋径の1/2であるから、補強
鉄筋とALCマトリツクスとの付着強度も大きく、
パネルとして性能のすぐれたものである。特に大
型パネルとして、補強鉄筋とALCマトリツクス
との一体化は重要であり、パネルとしての一体
性、均質性、パネルとしての強度に寄与する度合
は大きい。
隙の最大巾が高々鉄筋径の1/2であるから、補強
鉄筋とALCマトリツクスとの付着強度も大きく、
パネルとして性能のすぐれたものである。特に大
型パネルとして、補強鉄筋とALCマトリツクス
との一体化は重要であり、パネルとしての一体
性、均質性、パネルとしての強度に寄与する度合
は大きい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。第1図及び第2図に示すように、型枠底板1
にALCパネルの寸法に合せて側枠部材2を平行
方向に移動した後、自在に固定する。型枠底板1
および側枠部材2には、あらかじめ離型剤を塗布
しておく。型枠底板1の大きさは、巾1800mm〜
2600mm、長さ4000mm〜8000mm、側枠部材2は高さ
100mm〜250mmのものが用いられ、従つて製品寸法
としては巾600mm〜2400mm、長さ最大8000mm、厚
さ75mm〜250mm程度のものの生産が可能である。
る。第1図及び第2図に示すように、型枠底板1
にALCパネルの寸法に合せて側枠部材2を平行
方向に移動した後、自在に固定する。型枠底板1
および側枠部材2には、あらかじめ離型剤を塗布
しておく。型枠底板1の大きさは、巾1800mm〜
2600mm、長さ4000mm〜8000mm、側枠部材2は高さ
100mm〜250mmのものが用いられ、従つて製品寸法
としては巾600mm〜2400mm、長さ最大8000mm、厚
さ75mm〜250mm程度のものの生産が可能である。
なお、前記型枠の寸法内で、巾方向及び長さ方
向を分割して、複数のパネルを生産することも可
能である。第2図に示す型枠底板は、平型のパネ
ル生産用のものであるが、異型断面の底板を用い
れば、異型断面のパネルの生産も可能である。次
にあらかじめ構成した補強鉄筋3を型枠内に設置
し、鉄筋に固着した埋込み金具4を利用して鉄筋
固定用治具5により正確な位置に固定する。同様
に、開口部形成のためのスペーサー6も正確な位
置に固定し、開口部へのモルタルスラリーの浸入
を防止しておく。スペーサーは開口部の大きさに
応じて巾300mmから2100mmまで数種の寸法のもの
が準備される。スペーサーの材質としては、鉄、
ステンレススチール、プラスチツク、ゴム、アル
ミニウムなどが用いられる。このように準備した
型枠に、平打方式によつてモルタルスラリーを注
入する。モルタルスラリーの配合は、硅石粉50重
量部、普通ポルトランドセメント40重量部、生石
灰10重量部、水60重量部、アルミニウム粉末0.07
重量部である。注入されたモルタルスラリーは、
従来の竪打方式に比べて型枠内での落下距離が短
いため、落下衝撃による気泡の集積や、空気の巻
き込みによる粗大気泡、空隙、空洞等の発生がわ
ずかである。また発泡高さが低いため、高粘性の
モルタルスラリーの注入が可能であり、成型水量
を低減することができる結果、硬化時間の短縮が
可能である。脱型までの所要時間は従来の竪打方
式と比較して、約2分の1から3分の1とするこ
とができる。この高粘性のモルタルスラリー
(2500CP以上)は、原料の分離沈降が少ないため
型枠内での比重のばらつきを少なくすることがで
き強度的に均質な大型のパネルの作成が可能であ
る。従来の竪打方式では、モルタルスラリーの上
部と下部との比重差は4%以上となり、パネル一
枚の巾方向にこの比重差が存在することになる
が、本発明の方式では、モルタルスラリーの発泡
高さを低く押えているため、モルタルスラリーの
上部と下部との比重差は0.4%程度であり、パネ
ル一枚の巾方向にはほとんど比重差が存在しない
ことになる。ここでいう比重とは、JISA5416「オ
ートクレーブ養生した軽量気泡コンクリート製
品」に規定する試験方法に準じて計測した値であ
る。さらに、発泡時のモルタルスラリーによる補
強鉄筋の押し上げもほとんど無く、鉄筋の位置精
度および金物の位置精度の極めて良好なパネルの
生産が可能である。また鉄筋上側に発生するモル
タルスラリー中の水分および気泡の集着もごくわ
ずかであり、オートクレーブ養生後大きな空隙と
なつて残存することは極めて稀である。このよう
に注入モルタルスラリーは、予備生後所定の強度
に達した段階で、側枠をはずし、開口部用のスペ
ーサーを取り除き、ピアノ線等で切断して所定の
パネル厚にそろえて脱型後、オートクレーブ養生
を行う。前記鉄筋固定用治具5は埋込金具4を利
用して型枠底面に対して垂直に支持したために、
モルタルが半可塑性に硬化した時点で鉄筋固定用
治具を鉛直に引抜くことにより、パネル表面より
埋込金具に連続する位置精度の良い開孔を容易に
作成することが可能である。オートクレーブ養生
後の組成分のX線回析では、本発明で用いられる
珪酸質原料、すなわち普通ポルトランドセメント
と生石灰を使用した場合には、トバモライト結晶
と石英とが存在する。
向を分割して、複数のパネルを生産することも可
能である。第2図に示す型枠底板は、平型のパネ
ル生産用のものであるが、異型断面の底板を用い
れば、異型断面のパネルの生産も可能である。次
にあらかじめ構成した補強鉄筋3を型枠内に設置
し、鉄筋に固着した埋込み金具4を利用して鉄筋
固定用治具5により正確な位置に固定する。同様
に、開口部形成のためのスペーサー6も正確な位
置に固定し、開口部へのモルタルスラリーの浸入
を防止しておく。スペーサーは開口部の大きさに
応じて巾300mmから2100mmまで数種の寸法のもの
が準備される。スペーサーの材質としては、鉄、
ステンレススチール、プラスチツク、ゴム、アル
ミニウムなどが用いられる。このように準備した
型枠に、平打方式によつてモルタルスラリーを注
入する。モルタルスラリーの配合は、硅石粉50重
量部、普通ポルトランドセメント40重量部、生石
灰10重量部、水60重量部、アルミニウム粉末0.07
重量部である。注入されたモルタルスラリーは、
従来の竪打方式に比べて型枠内での落下距離が短
いため、落下衝撃による気泡の集積や、空気の巻
き込みによる粗大気泡、空隙、空洞等の発生がわ
ずかである。また発泡高さが低いため、高粘性の
モルタルスラリーの注入が可能であり、成型水量
を低減することができる結果、硬化時間の短縮が
可能である。脱型までの所要時間は従来の竪打方
式と比較して、約2分の1から3分の1とするこ
とができる。この高粘性のモルタルスラリー
(2500CP以上)は、原料の分離沈降が少ないため
型枠内での比重のばらつきを少なくすることがで
き強度的に均質な大型のパネルの作成が可能であ
る。従来の竪打方式では、モルタルスラリーの上
部と下部との比重差は4%以上となり、パネル一
枚の巾方向にこの比重差が存在することになる
が、本発明の方式では、モルタルスラリーの発泡
高さを低く押えているため、モルタルスラリーの
上部と下部との比重差は0.4%程度であり、パネ
ル一枚の巾方向にはほとんど比重差が存在しない
ことになる。ここでいう比重とは、JISA5416「オ
ートクレーブ養生した軽量気泡コンクリート製
品」に規定する試験方法に準じて計測した値であ
る。さらに、発泡時のモルタルスラリーによる補
強鉄筋の押し上げもほとんど無く、鉄筋の位置精
度および金物の位置精度の極めて良好なパネルの
生産が可能である。また鉄筋上側に発生するモル
タルスラリー中の水分および気泡の集着もごくわ
ずかであり、オートクレーブ養生後大きな空隙と
なつて残存することは極めて稀である。このよう
に注入モルタルスラリーは、予備生後所定の強度
に達した段階で、側枠をはずし、開口部用のスペ
ーサーを取り除き、ピアノ線等で切断して所定の
パネル厚にそろえて脱型後、オートクレーブ養生
を行う。前記鉄筋固定用治具5は埋込金具4を利
用して型枠底面に対して垂直に支持したために、
モルタルが半可塑性に硬化した時点で鉄筋固定用
治具を鉛直に引抜くことにより、パネル表面より
埋込金具に連続する位置精度の良い開孔を容易に
作成することが可能である。オートクレーブ養生
後の組成分のX線回析では、本発明で用いられる
珪酸質原料、すなわち普通ポルトランドセメント
と生石灰を使用した場合には、トバモライト結晶
と石英とが存在する。
一方、従来の平打方式において、急結性セメン
トとしてアルミナセメントを使用した場合には、
トバモライト、石英のほかにX線的にハイドロガ
ーネツト結晶の生成が認められる。このハイドロ
ガーネツト結晶の強度発現性は極めて低く、石英
と共存する場合、パネル強度は大幅に低減し、ア
ルミナセメントを用いないパネルと同一の強度を
得るためには、パネル比重を高める必要が生じ、
使用原料の増加、パネル重量の増加等の弊害を招
く結果となる。次にオートクレーブ養生を終了し
たパネルは、型枠底面と接する面に切削加工を施
し、離型剤の含浸部分を切除するとともにパネル
表面を平滑にして仕上げられる。この切削加工
は、機械加工によつて行うために非常に平面精度
が優れている。その上離型剤の含浸部分が切除さ
れているのでパネル表面に色むらは全く見られな
い。
トとしてアルミナセメントを使用した場合には、
トバモライト、石英のほかにX線的にハイドロガ
ーネツト結晶の生成が認められる。このハイドロ
ガーネツト結晶の強度発現性は極めて低く、石英
と共存する場合、パネル強度は大幅に低減し、ア
ルミナセメントを用いないパネルと同一の強度を
得るためには、パネル比重を高める必要が生じ、
使用原料の増加、パネル重量の増加等の弊害を招
く結果となる。次にオートクレーブ養生を終了し
たパネルは、型枠底面と接する面に切削加工を施
し、離型剤の含浸部分を切除するとともにパネル
表面を平滑にして仕上げられる。この切削加工
は、機械加工によつて行うために非常に平面精度
が優れている。その上離型剤の含浸部分が切除さ
れているのでパネル表面に色むらは全く見られな
い。
また、パネルの表面状態は第3図に示す如く気
泡断面8の露出した面となるため、仕上塗料の付
着性が良く、付着強度のばらつきもわずかであ
る。オートクレーブ養生前にピアノ線カツトした
面も仕上材の付着は極めて良好である。
泡断面8の露出した面となるため、仕上塗料の付
着性が良く、付着強度のばらつきもわずかであ
る。オートクレーブ養生前にピアノ線カツトした
面も仕上材の付着は極めて良好である。
以上で説明した方法により、巾1800mm、長さ
3700mm、厚さ125mmのALC大型パネルを製造し得
られたパネルの巾方向両端部のかさ比重(ALC
マトリツクス部)を測定したところρ2−ρ1/ρ1は、 いずれも0.02以内に納まることが確認できた。
3700mm、厚さ125mmのALC大型パネルを製造し得
られたパネルの巾方向両端部のかさ比重(ALC
マトリツクス部)を測定したところρ2−ρ1/ρ1は、 いずれも0.02以内に納まることが確認できた。
寸法精度も長さ、巾が1.0mm以内、厚さが0.5mm
以内であつた。しかも、鉄筋回りに存在する空隙
部の最大巾はいずれも鉄筋径の2分の1以下であ
つた。
以内であつた。しかも、鉄筋回りに存在する空隙
部の最大巾はいずれも鉄筋径の2分の1以下であ
つた。
以上の通り、本発明は従来の竪打による複数成
型方式、平打方式の問題点を解決したものであ
り、比重および強度のばらつきが少ない、原料価
格が低廉である、大開口部を設けることができる
などの多くの特長を有する大型のALCパネルで
ある。
型方式、平打方式の問題点を解決したものであ
り、比重および強度のばらつきが少ない、原料価
格が低廉である、大開口部を設けることができる
などの多くの特長を有する大型のALCパネルで
ある。
第1図は本発明の実施例に用いる型枠の斜面
図、第2図はその断面図、第3図は本発明による
ALCパネルの切削加工断面拡大図である。 1…型枠底板、2…側板、3…補強鉄筋、4…
埋込み金具、5…鉄筋固定用治具、6…開口部用
スペーサー、7…ALCパネル、8…気泡断面。
図、第2図はその断面図、第3図は本発明による
ALCパネルの切削加工断面拡大図である。 1…型枠底板、2…側板、3…補強鉄筋、4…
埋込み金具、5…鉄筋固定用治具、6…開口部用
スペーサー、7…ALCパネル、8…気泡断面。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 粉末状の珪酸質原料と石灰質原料を主原料と
しアルミ粉末を発泡剤とする高温高圧蒸気養生軽
量気泡コンクリート(以下ALCという)パネル
であつて、パネル内任意の2部分の絶乾かさ比量
をρ1,ρ2(ρ2ρ1)とした場合ρ2−ρ1/ρ1が常
に0.02 以下で、かつ、鉄筋回りに存在する空隙部の最大
巾が鉄筋径の2分の1以下であることを特徴とす
る大型パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57083176A JPS5841753A (ja) | 1982-05-19 | 1982-05-19 | 大型パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57083176A JPS5841753A (ja) | 1982-05-19 | 1982-05-19 | 大型パネル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5841753A JPS5841753A (ja) | 1983-03-11 |
JPH0228541B2 true JPH0228541B2 (ja) | 1990-06-25 |
Family
ID=13794974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57083176A Granted JPS5841753A (ja) | 1982-05-19 | 1982-05-19 | 大型パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5841753A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9419189B1 (en) | 2013-11-04 | 2016-08-16 | Soraa, Inc. | Small LED source with high brightness and high efficiency |
-
1982
- 1982-05-19 JP JP57083176A patent/JPS5841753A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9419189B1 (en) | 2013-11-04 | 2016-08-16 | Soraa, Inc. | Small LED source with high brightness and high efficiency |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5841753A (ja) | 1983-03-11 |
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