JPH02243622A - 血中コレステロール低下用油脂組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、血中コレステロール低下を目的とする油脂組
成物に関する。

（従来の技術） α−リノレン酸に血中コレステロール低下作用があるこ
とはすでに公知の事実である（鄭承鳩、日本栄養・食１
学会誌　旦、２７９〜２８６　（１９８Ｂ））。

しかしながら、この低下作用は、リノール酸や魚油のエ
イコサペンタエン酸とそれほど大きな差は認められない
、すなわち、リノール酸以上の高度不飽和脂肪酸であれ
ば、それほど差はないということである。

また一方、茶葉中に存在するカテキン類には種々の生理
活性があることが最近報告され、注目されている。中で
も茶葉カテキンの血中コレステロール低下作用は、我が
国で茶を常用しているだけに注目を集めている（福與真
弓ら、日本栄養・食糧学会誌　皿、４９５〜５００　（
１９８６））　、　Ｌかしながら、茶カテキンのコレス
テロール低下作用は、動物実験で、食餌中に０．５％前
後も含有しないと効果がないことが明らかにされており
、この点で大きな問題がある。

さらにリノール酸のコレステロール低下作用は、茶菓カ
テキンを加えても、あまり変わらないことが報告されて
いる（福與眞弓ら、前記）、すなわち、リノール酸の多
いコーン油５％を含む食餌と、これに０．５％の茶葉カ
テキンを加えた食餌では、血清コレステロールに差がな
い。

（発明が解決しようとする課題） 最近の食生活の欧米化により、油脂の摂取量が増加し、
それにともない血中コレステロールの増大が健康上問題
となっている。

リノール酸（ω−６系脂肪酸）の多い食餌を摂取すれば
、確実に血中コレステロールは減少する。

しかしながら、最近リノール酸を過剰に摂取することに
より、ω−６系とω−３系脂肪酸のバランスがくずれ、
種々の弊害のある事が判って来た。

リノール酸の過剰摂取は大腸癌、乳癌の増加と密接な関
係がある（大腸癌：　Ｉｌ、　Ｓ、　Ｒｅｄｄｙ、　Ｃ
ａｎｃｅｒＲｅｓ、、　４６．３３６７　（１９８６）
　、乳癌：Ｌ、八、　Ｃｏｈｅｎ、　Ｊ。

Ｎａｔｌ、　Ｃａｎｃｅｒ　Ｉｎｓ、、、　７７、３３
　（１９８６））。

また、癌だけでなく、リノール酸過剰摂取は体内でのア
ラキドン酸代謝を刺激し、第２系列のプロスタグランジ
ンの過剰産生をまねき、種々の疾患（各種アレルギー性
疾患、肺炎などの炎症性疾患、免疫機能の低下）の増加
という大きな問題を引き起こす。

本発明は、上記リノール酸の有する欠点を解消した血中
コレステロール低下用油脂組成物を提供することを目的
とする。

（課題を解決するための手段） 本発明は、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ド
コサヘキサエン酸の少なくとも１種を構成脂肪酸として
含む油脂に、茶葉より抽出した粗カテキン（茶葉抽出物
）を配合してなる血中コレステロール低下用油脂組成物
である。

即ち、本発明者らは、α−リノレン酸、エイコサペンタ
エン酸、ドコサヘキサエン酸を含む油脂を主成分とし、
この作用をさらに強化する茶の溶剤抽出物を加えること
により、両者の相乗効果により血中コレステロール低下
作用の優れた油脂組成物を得た。

本発明に用いる油脂は、α−リノレン酸、エイコサペン
タエン酸、ドコサヘキサエン酸のいずれもω−３系脂肪
酸であり、その量に特に制限はないが、総脂肪酸の２０
重量％以上含むものが効果の点で好ましい。またω−６
系脂肪酸であるリノール酸の量はできるだけ少ないほう
が好ましい。

本発明に用いるα−リノレン酸を含む油脂としてシソ油
、エゴマ油やアマニ油等が挙げられる。

シソ油はシソ科植物の種子から、エゴマ油はエゴマの種
子から、アマニ油は亜麻の種子から圧搾法あるいは有機
溶媒抽出法等の公知の方法により得られる植物油である
。本発明にかかる油脂組成物の原料としては、シソ油、
エゴマ油またはアマニ油が用いられる。または、これら
のシソ油、エゴマ油またはアマニ油と他の食用油好まし
くは植物油との混合油であってもよい。

また、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸を含
む油脂としては、イワシ、サバ、カツオマグロ等から得
られる魚油があり、これらから、尿素付加、カラム分画
、分子蒸留等、公知の分離精製法によってエイコサペン
タエン酸、ドコサヘキサエン酸の濃縮品が得られる。こ
れらの油脂は他の食用油脂との混合物であってもよい。

また、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサ
ヘキサエン酸等の不飽和酸を多量に含む油脂は、どうし
ても酸化安定性が悪い。ところが、茶抽出物はこれらの
高度不飽和脂肪酸含有油脂の抗酸化剤としても非常に有
効であり、茶抽出物を加えることは、この面でも好都合
である。

α−リノレン酸やエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサ
エン酸を構成脂肪酸として含む油脂に配合する茶抽出物
の量は、本発明では０．０１％から２％、好ましくは、
０．０５％から１％程度が最も実用的である。

また、本発明に用いる茶抽出物は茶葉、茶茎、緑茶、紅
茶、ウーロン茶等から溶剤で抽出したものであり、溶剤
としては、水、アルコール、アセトン、ヘキサン等、い
ずれも効果があるが、特にアルコールおよびアセトン抽
出物がよい。

本発明の血中コレステロール低下用油脂組成物はカプセ
ル、錠剤、乳液として経口、注射で投与してもよく、ま
たサラダ油やマーガリン等に混ぜて食品の形態で投与し
ても良い。その投与量は大人１日当たり約０．５〜３０
ｇである。

（発明の効果） 本発明の油脂組成物は、α−リノレン酸、エイコサペン
タエン酸、ドコサヘキサエン酸を含む油脂に茶抽出物を
配合しているのでその相乗効果により著しく優れた血中
コレステロール低下効率を有している。

さらに本発明の利点は、これを投与した場合、総コレス
テロール値は下げるが、）ＩＤＬ−コレステロール値は
殆ど下げないことである。すなわち、総コレステロール
に占めるＩＩＤＬ−コレステロールの割合が高くなるこ
とであり、このことは心筋梗塞など環状動脈疾患の予防
に非常に大きな意義がある。

また本発明の利点は、通常の合成医薬と違い、通常の食
品が原料であるため、常用しても全く副作用がなく、長
期にわたって連用が可能なことであり、ω−３系の脂肪
酸を多く含むので、ω−６／ω−３系脂肪酸のバランス
の正常化にも有効である。

（実施例） 以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。

実施例１ 〔動物実験の方法〕 ５週令のマウスを、１群１０尾とし、第１表のような組
成で配合飼料をつくり、油脂の種類をかえて、６力月間
飼育した。

ミルクカゼイン　　　　　　２５ アルファー澱粉　　　　　　１０ セルロースパウダー　　　　　８ 油脂　　　　　　　　　　　　６ ミネラル類　　　　　　　　　３．５ グラニユール糖　　　　　　　５ ビタミン類　　　　　　　　　１ 計　　　　　　　　　　１００％ 試料は１　ｋｇずつ調製し、脱酸素剤入りアルミバック
に入れ、−２０℃の冷凍庫に保管した。

前記動物実験の方法を用い、油脂としては第２表に示し
た試料を本発明■、■および比較例■、■、■の５群に
分け、前記配合試料に加えた。

使用した油脂の脂肪酸組成を第３表に示す。

６力月間、第２表に示した各実験量で飼育した後に採血
し、血中の総コレステロール、ＨＤＬ−コレステロール
、血清トリグリセリドを測定した。その結果を第４表に
示す。

この結果、総コレステロールは、第Ｖ群、すなわちエゴ
マ油に５００ＰＰＭの粗カテキンを加えた群が最もコレ
ステロール低下効果が大きいことが判った。

なお、この実験で使用した粗カテキンは次のようにして
得た。

〔茶葉からの粗カテキンの抽出法〕

粉茶（乾燥緑茶を１〜２ｆｌ長に粉砕したもの）５００
ｇにアセトン２Ｎ（水を１０％含む）を加えて、時々撹
拌しながら３時間放置した後、濾過し濾液をロータリー
エバポレータ、−に移し、溶剤を除去した。最後に残っ
た水分はエタノールを加え共沸除去した。

実施例２ 実施例１と全く同じ方法で、油脂だけを次のＡ、Ｂ、Ｃ
，Ｄの４群にかえて分け５力月間飼育した。

Ａ群　エゴマ油（６％） ８群　エゴマ油り％十粗カテキン５００ＰＰＭＣ群　エ
ゴマ油り％十粗カテキン１０１０００ＰＰ群　エゴマ油
り％十粗カテキン２０００ＰＰＭ実施例１と同じく、総
コレステロール、ＨＤＬ−コレステロール、血中トリグ
リセリドを測定した結果を第５表に示す。

この結果、エゴマ油に粗カテキンを５００ＰＰＭ以上加
えると、血中総コレステロールの低下に相乗効果を発揮
し、エゴマ油単独や粗カテキン単独よりも明らかに効果
が強いことも判った。またＩＩＤＬ−コレステロールは
粗カテキンを加えても加えなくても有意差はないが、Ｈ
ＤＬ−コレステロールの含有比は総体的に高くなり、冠
状動脈疾患の予防に有効であることは明らかである。

また粗カテキンの添加量は量を増すことにより効果も大
となる傾向はあるが、実用的には５００ＰＰＭでも十分
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサ
   エン酸の少なくとも１種を構成脂肪酸として含む油脂に
   、茶葉より抽出した粗カテキンを配合してなる血中コレ
   ステロール低下用組成物。