JPH0222085B2 - - Google Patents

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JPH0222085B2
JPH0222085B2 JP61106401A JP10640186A JPH0222085B2 JP H0222085 B2 JPH0222085 B2 JP H0222085B2 JP 61106401 A JP61106401 A JP 61106401A JP 10640186 A JP10640186 A JP 10640186A JP H0222085 B2 JPH0222085 B2 JP H0222085B2
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pva
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mol
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acetalization
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Shoichi Aoki
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Kao Corp
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、冷水可溶性ポリビニルアルコール誘
導体に関する。更に詳しくは、耐酸性、耐アルカ
リ性を有し、長期にわたりその溶解性を保持しう
る冷水可溶性ポリビニルアルコール誘導体に関す
る。 〔従来の技術〕 従来、ポリビニルアルコール(以下、PVAと
称す)は、水溶性高分子であることから、水溶性
フイルム及びその他の分野に幅広く利用されてき
た。速やかに水溶性を有するPVAは、ケン化度
80〜95mol%の領域にあるものであるが、ケン化
度98mol%以上のPVAは完全ケン化PVAといわ
れ、長期間水中に放置されたり、熱湯中に投入さ
れれば、水に溶解する。しかし、冷水に対して速
やかに溶解する性質は有していない。 また、ケン化度80〜95mol%のPVAは、中性
付近で安定であるが、アルカリ性物質と接触する
と残存エステル基のケン化反応が進行し、ケン化
度が、上記ケン化度の領域から外れて上昇するた
め、冷水に対する速やかな溶解性は失われる。 完全ケン化PVAが、冷水に対する速やかな溶
解性を有していないといわれている理由は、それ
が結晶性であることによる。即ち、PVA分子の
水酸基が分子内及び分子間に於いて、極めて強固
な水素結合を発生するため、結晶化が生じ、水分
子の侵入を妨げていることによるものと考えられ
ている。この件については、桜田らが、“高分子
化学”〔Vol.12,No.128,510〜513(1955)〕に報告
している。 また、完全ケン化PVAの結晶化度は、加熱に
より上昇することが、桜田らの報告〔高分子化
学,Vol.12,No.128,517〜521(1955)〕に示され
ており、この報告には結晶化度の上昇が溶解度の
低下に大きく関与していることが述べられてい
る。 また、同じく桜田らの報告〔高分子化学,
Vol.12,No.128,510〜513(1955)〕によれば、結
晶領域は、PVAの膨潤に関与しないという結果
が示されている。 従つて、“溶解”が、PVA分子がバラバラにな
る無限膨潤に相当すると考えれば、冷水可溶性の
完全ケン化PVAを得るためには、完全非晶性に
近いものを製造する必要がある。即ち、規則性を
乱すことにより、結晶化を防止する必要がある。 この様なことから、結晶性を低下させることを
目的としたアタクチクPVAの合成法が“高分子
論文集”〔今井ら、Vol.35,No.12,811〜813,
(1978)〕、特公昭36−3999等に提案されているが、
この方法は、非常に限られた反応条件においての
み製造が可能であるため、工業的に製造する場
合、かなりの困難が伴う。 〔発明が解決しようとする問題点〕 この様なPVAの性質を改良するため、PVAの
アルコキシブチラール化物が特公昭38−20720号
公報に提示されている。しかし、この技術は、ア
セタール化反応に用いられるアルデヒドの鎖長が
長いため、水溶性を付与しうる領域にアセタール
化度をコントロールすると、アセタール化度が低
く抑えられ、このため、構造規則性の乱れを長期
間にわたつて保持できず、結晶化度が上昇し、水
溶性は失われる。 また、水溶性PVA誘導体として、アセトアセ
タール化PVAを用いた技術が、特公昭39−16910
号公報の実施例に開示されている。この技術は、
アセトアセタール化PVAに非イオン界面活性剤
を添加したものであるが、アセトアセタール化
PVAの平均重合度が550であることから、市販の
PVA(シンジオタクチク主体)を用いる限りにお
いては、前述の技術と同様に時間の経過による結
晶化度の上昇は避けられず、結果として水溶性は
失われる。PVAの平均重合度の関係については、
桜田らが報告〔高分子化学,Vol.12,No.128,506
〜510,(1955)〕しているが、この報告によると、
平均重合度の上昇により、結晶化度は上昇傾向に
ある。このことは、平均重合度の上昇が水溶性の
低下の方向に進むことを示している。 更、PVAの部分アルドールアセタール化物を
用いる技術が、特公昭42−20845号公報に開示さ
れている。このPVAの部分アルドールアセター
ル化物は、アルドールとPVAのアセタール化反
応により製造されるものであるが、アルドールの
分子中には水酸基とアルデヒド基が存在するた
め、アルドール同士が反応することもあり、反応
のコントロールに問題がある。このことは、水溶
性を長期にわたつて保持しうるアセタール化度を
有するアセタール化物を工業的にコンスタントに
製造することが極めて困難であることを示してい
る。 このように、冷水に速やかに溶解し、長期安定
性に優れ、結晶化度の変化もなく、耐酸性、耐ア
ルカリ性に優れている冷水可溶性PVA誘導体は
従来存在しなかつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者は、かかる事情に鑑み、種々の検討を
重ねた結果、従来の技術では不可能とされてい
た、冷水に対し速やかに溶解し、しかも、安定な
非結晶性を有するため、長期安定性に優れ、耐酸
性、耐アルカリ性を有する、冷水可溶性PVA誘
導体を見出した。 即ち、ビニルアルコール単位とビニルアセテー
ト単位とアセタール化されたビニルアルコール単
位とからなる基本構造を有するPVA誘導体にお
いて、ビニルモノマー単位を基準とする粘度平均
重合度が200〜500であり、ビニルアルコール単位
が70〜90mol%、ビニルアセテート単位が0〜
2mol%であり、且つアセタール化度が10〜
30mol%であり、次式で示されるアセタール化さ
れたビニルアルコール単位 (R:アルキル基) のRの平均アルキル鎖長が、炭素数0.34〜1.70で
あるPVA誘導体が、冷水可溶性であり、安定な
非結晶性を有するため、結晶化度の上昇がなく、
長期安定性に優れ、しかも、耐酸性、耐アルカリ
性を有することを見出し本発明を完成するに至つ
たものである。 次に、本発明の冷水可溶性PVA誘導体におい
て、水溶性が付与される機構、及び安定な非結晶
性を有する理由について説明する。 完全ケン化PVAが、冷水に対して速やかな溶
解性を有しない理由は前述した。これに対して、
ケン化度80〜95mol%の部分ケン化PVAに水溶
性があるということは、分子内に存在する酢酸基
によるものである。この酢酸基自体は、疎水性で
あるが、これが分子中に5〜20mol%存在するこ
とにより、分子間の鎖の配列を乱す立体障害とし
て働き、PVAの分子間における結晶化が抑制さ
れる。このことから、前述の部分ケン化PVAに
水溶性が与えられる。しかし、上述の如く、部分
ケン化PVAは、エステル結合を有するため、ア
ルカリに接触するとケン化反応が進行し、水溶性
領域から外れてしまい、耐アルカリ性は期待でき
ない。 本発明では、ビニルモノマー単位を基準とする
粘度平均重合度(以下粘度平均重合度と称す)が
200〜500の完全ケン化PVAに、Rの平均アルキ
ル鎖長が、炭素数0.34〜1.70の範囲になる様にア
ルデヒド(R′−CHO)の混合物をアセタール化
反応により付加させており、アセタール化度は10
〜30mol%である。このアセタール化部分が、
PVA分子間の規則性を乱し、結晶化を抑制する
立体障害として働いている。このため、本発明の
冷水可溶性PVA誘導体は、非結晶性であり、分
子間の結合力が弱く、水のなかに投入されると組
織内に容易に水が入り込み、結果として水溶性を
示すものと考えられる。 また、本発明の冷水可溶性PVA誘導体は、そ
の基本構造が、 で示され、分子中にエーテル結合を有している。 この結合形態は、アルカリに対して安定であ
り、従つてアルカリの存在により水溶性が失われ
ることはない。 本発明において、使用されるPVAの平均重合
度、使用されるアルデヒドのアルキル鎖長、及び
アセタール化度が上記の如く限定される理由は、
次の通りである。 本発明の部分アセタール化PVAは、市販の
PVAを原料として得られるが、これらは、構造
的にはジンジオクタチシテイーが主体であり、結
晶性の高いものである。 本発明において、PVAの粘度平均重合度が200
〜500の範囲に限定される理由は、重合度と結晶
化度の関係によるものである。この関係について
の研究は、桜田らの報告〔高分子化学、Vol.12,
No.128,506〜510,(1955)〕があるが、重合度の
上昇が結晶化度に大きく作用することを示してい
る。 本発明では、種々の実験検討を行つた結果、粘
度平均重合度が200〜500のPVAを使用すること
が必要であることを見出した。500より大なる平
均重合度のPVAは、時間の経過に伴つて、冷水
に対する溶解性は低下するので好ましくない。 また、付加されるアルデヒドのアルキル鎖長が
限定される理由は、立体障害の効果によるもので
ある。即ち、アルキル鎖長Rが、炭素数0.32以下
ではアルキル鎖長が小さすぎて、立体障害として
の効果が期待できない。他方、アルキル鎖長R
が、炭素数1.72以上では、本発明に使用されるア
ルデヒドに較べてアルキル鎖長が長いため、より
親油性になり、本発明のアセタール化度の領域10
〜30mol%までアセタール化すると、水に対して
不溶性になる。このため、水溶性領域に保持する
ためには、必然的にこれらアルデヒドの付加モル
数を低下させることになる。この結果、立体障害
の効果が低下し、製造後は水溶性であるが、長期
間の放置により結晶化度が増加し冷水に対する溶
解性が低下することになる。 更に、本発明に於いて、アセタール化度が限定
される理由は、冷水可溶性を長期間にわたつて保
持するために、製造後、結晶化度の変化のない性
質が要求されるためである。即ち、アセタール化
度が30mol%を超えると、水に対して不溶性とな
り、10mol%より小さいと一時的に冷水可溶性を
有するが、長期的には、結晶化度の変化が認めら
れ、冷水可溶性が低下する。 以上のように、本発明者は、原料となるPVA
の平均重合度、付加されるアルデヒドのアルキル
鎖長、及びアセタール化度の範囲を選定すること
により、はじめて目的とする安定性の優れた冷水
可溶性PVA誘導体を得ることができた。なお、
本発明の冷水可溶性PVA誘導体に、使用される
アルデヒドは、単品でも2種以上の混合物でも適
用可能である。 本発明の冷水可溶性PVA誘導体は、市販の
PVAを原料として公知のアセタール化法で容易
に製造することができ、PVAの合成に特殊な手
段を用いる必要が無いため、工業的に優れてい
る。また、成形にあたつては、フイルム成形を例
にとれば、溶融押出法、流延法の何れの方法も使
用可能であり、また、用途に応じて公知のPVA
に適する可塑剤及び添加剤等を併用することもで
きる。また、公知の二次加工も適用可能である。 叙上の如く、本発明の冷水可溶性PVA誘導体
は、冷水に対して速やかに溶解し、安定な非結晶
性を有するものであるため、長期安定性に優れ、
耐酸性、耐アルカリ性を有している。また、本発
明のPVA誘導体は、融点が低いため、溶融押出、
インジエクシヨン成形にも応用でき、繊維状に加
工することも可能であり、その用途は極めて広い
ものである。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例につき説明するが、本発
明は、これらの実施例にのみ限定されるものでは
ない。 実施例 1 PVA(ケン化度98.6mol%、粘度平均重合度
200)の2重量%固形分水溶液1Kgを調整し、濃
塩酸0.7gを加え、アセトアルデヒドを3g添加
し、60℃で5時間、撹拌しながら反応を行い、
NaOHで中和後、アセトンを加えて反応物を沈
澱、分離し、アセトンで洗浄後、乾燥を行い部分
アセトアセタール化PVAを得た。この反応物の
アセトアセタール化度は、高分子分析ハンドブツ
ク(朝倉書店P.770)に記載されているホルマー
ル化度測定法を、分子量の関係からアセトアセタ
ール化度測定用に補正して測定した結果、
22.2mol%であつた。次に、この水溶液を調整
し、ガラス板上に流延し、95℃にて加熱乾燥し、
厚み20ミクロンのフイルムを得た。 実施例 2 PVA(ケン化度98.4mol%、粘度平均重合度
400)の2重量%固形分水溶液1Kgを調整し、濃
塩酸0.7gを加え、アセトアルデヒドを2.5g添加
し、実施例1と同じ手法により部分アセトアセタ
ール化PVAを得た。この反応物のアセトアセタ
ール化度は、17.0mol%(実施例1の測定法)で
あつた。次に、実施例1と同じ手法により、厚み
20ミクロンのフイルムを得た。 実施例 3 PVA(ケン化度98.6mol%、粘度平均重合度
500)の2重量%固形分水溶液1Kgを調整し、濃
塩酸0.7gを加え、アセトアルデヒドを3.6g添加
し、実施例1と同じ手法により部分アセトアセタ
ール化PVAを得た。この反応物のアセトアセタ
ール化度は、30.0mol%(実施例1の測定法)で
あつた。次に、実施例1と同じ手法により、厚み
20ミクロンのフイルムを得た。 実施例 4 実施例3と同じPVA水溶液1Kgに、濃塩酸0.7
gを加え、パラアルデヒド2.4gを添加し、実施
例1と同じ手法により部分アセトアセタール化
PVAを得た。この反応物のアセトアセタール化
度は22.2mol%(実施例1の測定法)であつた。
次に、実施例1と同じ手法により、厚み20ミクロ
ンのフイルムを得た。 実施例 5 実施例3と同じPVA水溶液1Kgに、濃塩酸0.7
gを加え、アセトアルデヒドを1.4g添加し、実
施例1と同じ手法により部分アセトアセタール
PVAを得た。この反応物のアセトアセタール化
度は、10.3mo%(実施例1の測定法)であつた。
次に、実施例1と同じ手法により、厚み20ミクロ
ンのフイルムを得た。 実施例 6 実施例3と同じPVA水溶液1Kgに、濃塩酸0.7
gを加え、アルデヒドの混合物(ホルムアルデヒ
ド/アセトアルデヒド モル比65/35)を3.0g
添加し、実施例1と同じ手法により混合アセター
ル化PVAを得た。この反応物のアセタール化部
分の平均アルキル鎖長は、ガスクロ法により分析
した結果、0.34であり、アセタール化度は、平均
アルキル鎖長の結果より分子量を補正して、実施
例1の測定法により求めたところ17.4mol%であ
つた。次に、実施例1と同じ手法により、厚み20
ミクロンのフイルムを得た。 実施例 7 実施例3と同じPVA水溶液1Kgに、濃塩酸0.7
gを加え、アルデヒドの混合物(アセトアルデヒ
ド/n−ブチルアルデヒド モル比65/35)を
2.5g添加し、実施例1と同じ手法により混合ア
セタール化PVAを得た。この反応物のアセター
ル化部分の平均アルキル鎖長は、ガスクロ法によ
り分析した結果、1.70であり、アセタール化度
は、平均アルキル鎖長の結果より分子量を補正し
て、実施例1の測定法により求めたところ
13.6mol%であつた。次に、実施例1と同じ手法
により、厚み20ミクロンのフイルムを得た。 実施例 8 実施例3と同じPVA水溶液1Kgに、濃塩酸0.7
gを加え、パラホルムアルデヒド1.2gを添加し、
1時間反応し、次に、パラアルデヒド1.8gを添
加し、実施例1と同じ手法により混合アセタール
化PVAを得た。この反応物のアセタール化部分
の平均アルキル鎖長は、ガスクロ法により分析し
た結果、0.53であり、アセタール化度は、平均ア
ルキル鎖長の結果より分子量を補正して、実施例
1の測定法により求めたところ15.3mol%であつ
た。次に、実施例1と同じ手法により、厚み20ミ
クロンのフイルムを得た。 実施例 9 実施例3と同じPVA水溶液1Kgに、濃塩酸0.7
gを加え、アルデヒドの混合物(アセトアルデヒ
ド/n−ブチルアルデヒド モル比90/10)を
2.5g添加し、実施例1と同じ手法により混合ア
セタール化PVAを得た。この反応物のアセター
ル化部分の平均アルキル鎖長は、ガスクロ法によ
り分析した結果、1.27であり、アセタール化度
は、平均アルキル鎖長の結果より分子量を補正し
て、実施例1の測定法により求めたところ
16.8mol%であつた。次に、実施例1と同じ手法
により、厚み20ミクロンのフイルムを得た。 比較例 1 PVA(ケン化度98.4mol%、粘度平均重合度
500)の水溶液を作成し、PVAに対する割合が10
重量%になるようにグリセリンを加え、実施例1
の手法により、厚み20ミクロンのフイルムを得
た。 比較例 2 実施例3と同じPVA水溶液1Kgに、濃塩酸0.7
gを加え、ホルムアルデヒド(37%水溶液)5.0
gを添加し、実施例1と同じ手法により部分ホル
マール化物を得た。この反応物のホルマール化度
は、14.1mol%(高分子ハンドブツク,P.770のホ
ルマール化度測定法)であつた。次に、実施例1
と同じ手法により、厚み20ミクロンのフイルムを
得た。 比較例 3 実施例3と同じPVA水溶液1Kgに、濃塩酸0.7
gを加え、n−ブチルアルデヒドを1.3g添加し、
実施例1と同じ手法により部分ブチラール化物を
得た。この反応物のブチラール化度は、8.4mol
%(前記分析法を分子量の関係からブチラール化
度測定用に補正して測定)であつた。次に、実施
例1と同じ手法により、厚み20ミクロンのフイル
ムを得た。 比較例 4 実施例3と同じPVA水溶液1Kgに、濃塩酸0.7
gを加え、アセトアルデヒドを1.0g添加し、実
施例1と同じ手法により部分アセトアセタール化
物を得た。この反応物のアセタール化度は、
8.7mol%(実施例1の測定法)であつた。次に、
実施例1と同じ手法により、厚み20ミクロンのフ
イルムを得た。 比較例 5 実施例3と同じPVA水溶液1Kgに、濃塩酸0.7
gを加え、アセトアルデヒドを4.0g添加し、実
施例1と同じ手法により部分アセトアセタール化
物を得た。この反応物のアセタール化度は、
34.0mol%(実施例1の測定法)であつた。この
反応生成物は、反応終了時には、かなりの不溶物
を生じていた。次に、実施例1と同じ手法によ
り、厚み20ミクロンのフイルムを得た。 比較例 6 PVA(ケン化度98.0mol%、粘度平均重合度
550)の2重量%固形分水溶液1Kgを調整し、濃
塩酸0.7gを加え、アセトアルデヒドを2.0g添加
し、実施例1と同じ手法により部分アセトアセタ
ール化物を得た。この反応物のアセタール化度
は、14.6mol%(実施例1の測定法)であつた。
次に、実施例1と同じ手法により、厚み20ミクロ
ンのフイルムを得た。 比較例 7 PVA(ケン化度98.3mol%、粘度平均重合度
970)の2重量%固形分水溶液1Kgを調整し、濃
塩酸0.7gを加え、アセトアルデヒドを2.6g添加
し、実施例1と同じ手法により部分アセトアセタ
ール化物を得た。この反応物のアセタール化度
は、17.6mol%(実施例1の測定法)であつた。
次に、実施例1と同じ手法により、厚み20ミクロ
ンのフイルムを得た。 比較例 8 PVA(ケン化度98.7mol、粘度平均重合度1760)
の2重量%固形分水溶液1Kgを調整し、濃塩酸
0.7gを加え、アセトアルデヒドを2.6g添加し、
実施例1と同じ手法により部分アセトアセタール
化物を得た。この反応物のアセタール化度は、
18.0mol%(実施例1の測定法)であつた。次
に、実施例1と同じ手法により、厚み20ミクロン
のフイルムを得た。 比較例 9 実施例3と同じPVA水溶液1Kgに、濃塩酸0.7
gを加え、アルデヒドの混合物(ホルムアルデヒ
ド/アセトアルデヒド モル比70/30)を3.0g
添加し、実施例1と同じ手法により混合アセター
ル化PVAを得た。この反応物のアセタール化部
分の平均アルキル鎖長は、ガスクロ法により分析
した結果、0.32であり、アセタール化度は、平均
アルキル鎖長の結果より分子量を補正して、実施
例1の測定法により求めたところ16.2mol%であ
つた。次に、実施例1と同じ手法により、厚み20
ミクロンのフイルムを得た。 比較例 10 実施例3と同じPVA水溶液1Kgに、濃塩酸0.7
gを加え、アルデヒドの混合物(アセトアルデヒ
ド/n−ブチルアルデヒド モル比64/36)を
1.5g添加し、実施例1と同じ手法により混合ア
セタール化PVAを得た。しかし、この反応物は、
反応終了時には多くの不溶物が認められた。この
反応物のアセタール化部分の平均アルキル鎖長
は、ガスクロ法により分析した結果、1.72であ
り、アセタール化度は、平均アルキル鎖長の結果
より分子量を補正して、実施例1の測定法により
求めたところ10.2mol%であつた。次に、実施例
1と同じ手法により、厚み20ミクロンのフイルム
を得た。 実施例1〜9及び比較例1〜10で製造したサン
プルについて、分析結果を第1表に示した。な
お、原料として用いたPVAの平均重合度は、JIS
K−6726−1977の測定法に則つて測定したもの
で、その値は、粘度平均重合度である。 サンプルの評価項目は、水溶性、長期安定性、
耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性、ヒートシール
性、比重、熱的性質、40%含水ジメチルスルホキ
シド溶液の濁り時間である。 試験法を以下に、評価結果を第2表〜第5表に
示す。 〔試験方法〕 1 水溶性 フイルムを2×2cm2に切り、10℃の水に落下
させ、静置状態に於ける溶解時間を測定した。 2 長期安定性 フイルムを2×2cm2に切り、50℃及び40℃、
相対湿度80%の条件下に30日間放置し、上記の手
法により溶解時間を測定した。 3 耐熱性 フイルムを2×2cm2に切り、140℃のエアーオ
ーブン中で1時間加熱し、冷却後、上記の手法に
より溶解時間を測定した。 4 耐酸性 粉体パルプ30gに、PH=2の希塩酸溶液を70g
加え、均一なフレーク状物を作成した。この中
に、2×2cm2に切つたフイルムを投入し、両面
を完全にこのフレーク状物に接触させ、40℃、相
対湿度80%の条件下に20日間放置した。そして、
フイルムを回収後、上記の手法により溶解時間を
測定した。 また、上記希塩酸溶液に各サンプルを5%濃度
で溶解させ、40℃の条件下に20日間放置後、水酸
化ナトリウム水溶液で中和し、アセトンにより分
離、洗浄し、乾燥後、前記の手法によりアセター
ル化度を測定した。 5 耐アルカリ性 無水炭酸ナトリウム80gに水20gを加え、均一
なパウダーを作成し、この中に、2×2cm2に切
つたフイルムを投入し、両面を完全にこのパウダ
ーに接触させ、40℃、相対湿度80%の条件下に20
日間放置した。そして、フイルムを回収後、上記
の手法により溶解時間を測定した。 また、N/10水酸化ナトリウム水溶液300mlに
サンプル3gを投入溶解し、40℃に10日間放置
し、アセトンによりアセタール化物を分離し、ア
セトンで洗浄後、乾燥し、前記の手法によりアセ
タール化度を測定した。 6 比重の変化 長期安定性、耐熱性の試験法と同様の放置条件
下に置いたサンプルの比重の変化を測定した。こ
の実験は、結晶化度の増加と比重の上昇は相関性
があるという桜田らの報告〔高分子化学,
Vol.12,No.128,506〜510(1955)〕によるもので
ある。放置に於いて、比重の上昇のあるものは、
水溶性の低下を示す傾向にある。 実験に於いて、フイルムの寸法は1×1cm2
し、25℃、相対湿度40%の条件下に24時間放置
後、測定を行つた。溶媒は、四塩化炭素−ベンゼ
ン混合系を用いフイルム投入後10分間放置し、フ
イルムの移動のない溶媒の比重をそのフイルムの
比重とした。 7 熱的性質 次の実験装置により、融点及び分解開始温度を
測定した。 1 融点;柳本製作所,融点測定器 MP−S3型
により測定 2 分解開始温度;島津製作所,熱天秤 DT−
30型により測定 8 ヒートシール性 ヒートシーラーにより、140℃で1秒間接着さ
せ、接着状態を確認した。 9 40%含水ジメチルスルホキシド溶液の安定性 サンプル3gをイオン交換水40gに溶解させ、
冷却後、ジメチルスルホキシド60gを加え、透明
なことを確認後、No.1の濾紙で濾過し、30℃の条
件下に放置した。分光光度計(日立製100−40型)
で、定期的に透過率Tを測定する。波長は、430
mμを用いた。次に、吸光度D=log(1/T)を
求め、放置時間に対してプロツトし、Dが平衡値
Deの1/2に達するに要する時間t1/2を求める。こ
れを“濁り時間”と呼ぶ。 この実験は、PVAの規則性の確認のためにお
こなつたものである。濁り、ゲル化が生じなけれ
ば、立体規則性の乱れを示す一つの基準になる。 この実験は、今井らの報告〔高分子化学,
Vol.12,No.172,499〜504)〕を参考にして行つ
た。
【表】
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ビニルアルコール単位とビニルアセテート単
    位とアセタール化されたビニルアルコール単位と
    からなる基本構造を有するポリビニルアルコール
    誘導体において、ビニルモノマー単位を基準とす
    る粘度平均重合度が200〜500であり、ビニルアル
    コール単位が70〜90mol%、ビニルアセテート単
    位が0〜2mol%であり、且つアセタール化度が
    10〜30mol%であり、次式で示されるアセタール
    化されたビニルアルコール単位 (R:アルキル基)のRの平均アルキル鎖長が、
    炭素数0.34〜1.70であることを特徴とする冷水可
    溶性ポリビニルアルコール誘導体。
JP61106401A 1985-09-27 1986-05-09 冷水可溶性ポリビニルアルコ−ル誘導体 Granted JPS62156112A (ja)

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EP86306997A EP0221651A1 (en) 1985-09-27 1986-09-10 Water soluble polyvinyl alcohol derivative
ES8602221A ES2002002A6 (es) 1985-09-27 1986-09-26 Un procedimiento para la preparacion de un derivado de alcohol polivinilico.
US07/172,466 US4844828A (en) 1985-09-27 1988-03-24 Detergent dispenser pouch made of cold water-soluble PVA containing acetalized units

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JP60-214079 1985-09-27
JP21407985 1985-09-27

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