JPH022025B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は混合弁、特に、台所、洗面所、シヤワ
ー、シヤワーと浴槽の組合わせなどで通常用いう
る混合弁に関する。本発明は弁制御部材が水の温
度は調節するが、その容量は制御しない弁に関す
る。

本発明の主目的は、回転自在の弁部材が圧力平
衡装置を有する、一般にはサイクル弁と呼ばれて
いる混合弁を提供することにある。

給排水工事業界ではサイクル弁は混合弁として
知られており、この混合弁は回転させたときにオ
フ位置から水位置を通して湯を与える混合位置ま
で開く。容易制御装置はあつたりなかつたりであ
るが、容量を制御する装置を設けた場合には、温
度制御装置とは別に独立したノブによつて行なう
ことができる。サイクル弁は、従来ほとんど容量
の調節を行なわず、所望温度の湯を得ることに使
用者の関心のある住宅の給排水工事及びシヤワー
及び／または浴槽などに特に用途があることがわ
かつている。

本発明ではサイクル弁の実施例を示す。基本的
には、このサイクル弁は、すべて、回転自在の弁
部材の使用によつて作動するが、この弁部材は中
空スリーブあるいは弁ハウジング、たとえば、ほ
ぼ球形の室内に配置されることになる。入口には
シールがあり、このシールは本体部材あるいはス
リーブ上に装着してもよいし、回転自在の弁部材
そのもので担持するようにしてもよい。もし設け
るときには、容量制御部材は温度制御部材あるい
は弁部材とほぼ同心に配置され、通常は弁部材内
に設置される。

第１−４図に示す実施例では、弁ハウジング１
０は、公知のように、適当な金属の鋳造体であ
り、入口導管、出口導管を有する。出口が１２で
示してあり、水入口流路が１４で示してあり、湯
入口流路が１６で示してある。ハウジングは中に
弁を装置するためのほぼ円筒形の部分１８を有す
る。後述するように弁部材には公知の操作ノブ２
０が取付けてあり、また、装飾ハウジング２２が
設けてあり、これは給排水工事のとき通常目で見
えるハウジング１０の部分を覆つている。

弁自体は特に第３，４図に示すほぼ円筒形の外
側スリーブ２４を有し、このスリーブは水入口２
６と湯入口２８とを有する。このスリーブは湯出
口３０と水出口３２を有し、両出口はスリーブ２
４の外面とハウジング１０の内面の間にある周方
向の空間と連通している。この空間は出口流路１
２と連通している。

水入口２６、湯入口２８はそれぞれシールを有
し、これらのシールは同じものであり、３４で示
してある。これらのシールの詳細は米国特許第
3840048号明細書に記載されている。各シール３
４は外方に突出するリム３６によつてスリーブ２
４の外面に設けてある。これらのシールはハウジ
ング１０の一部と密封接触するようにスリーブ２
４の外面に取付けてあり、水入口２６と湯入口２
８をそれぞれ貫通して延びている入口部分３８を
有し、その結果、シールのこの入口部分が内部の
弁部材と密封接触することになる。このようにし
て、シールは弁閉鎖時に弁閉鎖シールとなり、ス
リーブとハウジング間のシールとなる。

スリーブ２４内には弁部材４０が設置してあ
り、この弁部材はほぼ中空の弁ピストン４２とス
テム４４とを有する。ピストンはステムに４６の
ところでかしめられるか、別の方法で取付けられ
ている。ステム４４は、公知のように、第１図に
４８で示すステムの平坦部に取付けたノブ２０を
有する。シールリング５０がステムの外面とスリ
ーブの内面の間をシールしており、同様に、シー
ルリング５２がスリーブの外面とハウジング１０
の内面の間をシールしている。ピストン４２にス
リーブ２４の内面と接触するシール４３を保持す
る溝を形成してある。

先に説明したように、ピストン４２は中空であ
り、水入口５４，５５と湯入口５６，５７とを有
する。この中空ピストン４２内には可動圧力平衡
スプール５８が設置してあり、この平衡スプール
はほぼ軸線方向のロツド６６などによつて２つの
端スプール６２，６４に連結した中央部６０を有
する。端スプール６２，６４にはそれぞれ通気路
６２ａ，６４ａを形成してもよい。スプールによ
つて水室６８と湯室７０の２つの室ができる。中
空ピストンの水入口及び水出口は水室６８に開い
ており、中空ピストンの湯入口及び湯出口は湯室
７０に開いている。ピストンは水出口７２と湯出
口７４の２つの出口を有する。水出口７２はスリ
ーブの水出口３２と一致するように動かすことが
でき、ピストンの湯出口７４はスリーブの湯出口
３０と一致する様に動かすことができる。又、中
空ピストンは湯入口５６，５７とスリーブの湯入
口２８と一致するように動かすことができ、中空
ピストンの水入口５４，５５をスリーブの水入口
２６と一致するように動かすことができる。通気
路６２ａと６４ａによつて圧力平衡スプール５８
の両端に形成された各領域が水室６８及び湯室７
０とそれぞれ連通している。したがつて、スプー
ル５８の一方の領域に水の圧力が、他方の領域に
湯の圧力が加えられるので、水室と湯室に入る水
と湯の圧力差によつて平衡スプールを移動させ、
水室と湯室内の圧力がほぼ等しくなると圧力平衡
スプールの移動が停止する。

重要なのは、平衡スプール５８が水入口、湯入
口での圧力差に応じて移動できるようにしたこと
である。中央スプール６０の両側面は両入口と連
通しているので、両入口に圧力差があれば、端ス
プール６２，６４が水入口、湯入口に対して占め
る位置が変わることになる。したがつて、各出口
での水圧力、湯圧力を等しく保つことができる。
圧力平衡スプール５８と端スプール６２，６４と
ロツド６６とにより圧力平衡装置を構成する。こ
の装置は熱湯側か冷水側のいずれかの圧力の急降
下を調節する働きをする。

入口、出口の向きは重要である。閉位置をとつ
た場合、スリーブの水入口２６は０度に位置し、
スリーブの湯入口２８は180度に位置し、スリー
ブの水出口３２は180度に位置し、スリーブの湯
出口３０は０度に位置すると仮定する。弁が閉じ
ると、水入口５４は約150−300度にわたつて位置
し、水入口５５は75−105度にわたつて位置する。
湯入口５６は240−30度にわたつて位置し、湯入
口５７は75−105度にわたつて位置する。したが
つて、弁を開位置に動かせばいつでも、水、湯が
それぞれ水室、湯室に流入することになる。同じ
弁閉鎖位置で、水出口７２は330−120度にわたつ
て位置し、湯出口７４は60−210度にわたつて位
置する。したがつて、弁を開いて水、湯を水室湯
室にそれぞれ流入させたときには常に各出口で温
度調節が行なわれ、スリーブの水出口、湯出口に
対するピストンの水出口、湯出口の位置が弁から
出る湯の温度を決定することになる。弁を閉位置
から動かしたとき、まず水入口５４がスリーブの
水入口２６と一致するように動かされ、湯入口５
７がスリーブの湯入口２８と一致するように動か
されることになる。弁部材の入口、スリーブの入
口が連通すると同時に、ピストンの水出口７２と
スリーブの水出口３２との間のみが連通すること
になる。これらの特定の入口、出口は、入口が開
くと出口との連通が生じるような関係で互に対し
て配置してある。反時計方向（普通は湯の温度を
高くすべく単一ハンドルの混合蛇口を動かす方
向）に連続的に回転させると、スリーブの湯出口
３０と弁部材の湯出口７４とが一致することにな
る。このとき、水出口の間はまだ連通している。
弁部材を反時計方向へ引き続いて回転させると、
出口流路１２のところで混合温度の湯を与え、こ
の混合湯は約60度弁回転することによつて放出さ
れることになる。反時計方向の回転を続けると、
最終的には、水出口が閉ざされ、湯出口が開いた
ままとなり、まつたく熱い湯が出ることになる。
なお、本実施例では、弁を開位置に動かしたと
き、弁に水と湯の両方が常に入つてくるようにす
るために、ピストン４２に２つの水入口５４，５
５と２つの湯入口５６，５７を設けてある。弁の
任意の開位置で水と湯の両方が弁を流れるように
するためには、中空ピストン４２に水入口５５と
湯入口５７とを設ける必要がある。水入口５４を
水入口５５を含むように、又湯入口５６を湯入口
５７を含むようにそれぞれ１つの入口に形成でき
そうであるが、非常に大きい弓形状の入口になる
ので弁の操作上の安全性がそこなわれる。

弁部材４０はスリーブ２４内で回転できるが、
往復動はできないように固定されている。特に、
スリーブ２４の右端には肩部７６が設けてあり、
弁部材にはそれと協働する円筒形部分７８が設け
てあつて弁部材が右に移動するのを阻止してい
る。ピストン４２の最内方端がハウジング１０の
肩部に達すると、左への移動が阻止される。この
ようにして、弁は回転できても往復動はできな
い。先に述べたように、回転運動により、弁はそ
れぞれ水出口３２と湯出口３０から出口１２に送
られる湯の温度を制御することができる。この弁
は、スプール５８の水圧力、湯圧力を受ける表面
が寸法等しく対向して配置してあるということに
より開位置において完全に釣合わされている。以
上の如く混合弁は水の温度をコントロールする中
空ステム付き回転自在の弁部材とこの中空ステム
内を移動自在の圧力平衡スプールとから成る。圧
力平衡スプールは圧力の変動に応じて水の温度を
常に所望値に維持する。平衡スプールから離隔し
たスリーブ上にシールが設けてあるから平衡スプ
ール上にはシールがない。したがつて動きを禁ず
るためのシールが設けられていない圧力平衡スプ
ールは圧力の変動に対する感度が大きい。例え
ば、シヤワー室とトイレとが隣接してある場合
に、トイレの流水洗浄によつて水の圧力が急げき
に降下したときには隣りでシヤワーをあびている
人にやけどをさせることになろう。熱湯か冷水の
いずれかの側に圧力の変動が発生した場合には混
合弁を流れる熱湯と冷水の間のバランスを保つよ
うに圧力平衡スプールが移動するのでこの平衡ス
プールは前述のやけど事故を防止する働きをす
る。

以上の如き本発明によれば、回動可能な弁部材
は水温をコントロールするための中空ピストンと
このピストンの内部を可動の圧力平衡スプールと
を有する。この圧力平衡スプールは、圧力の変動
に応じて所望の温度を維持する。シール３４はス
リーブの面上に設けられかつスリーブの入口部分
３８を介して延びシールが中空ピストンの外面に
接触する部分をもつているため、平衡スプールに
はシールを設けていない。この圧力平衡スプール
の運動をじやまするシールがないので、このスプ
ールは圧力変動にきわめて敏感であり、万一湯側
と水側のいずれかの側に圧力の突然の減少があつ
た場合、通常は、シヤワー室とトイレとが隣接し
てある場合にはトイレの流水洗浄によつて水側の
圧力が急げきに降下する場合、湯側と水側の圧力
の平衡を保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係わる弁の軸線方向断面図、
第２図は弁部材ピストンの側面図、第３図は弁部
材スリーブの側面図、第４図は第３図のスリーブ
の右側端面図。 〔主要部分の符号の説明〕、１０……弁ハウジ
ング、１２……出口、１４……水入口流路、１６
……湯入口流路、２０……操作ノブ、２４……ス
リーブ、２６……水入口、２８……湯入口、３
０，３２……出口、３４……シール、４０……弁
部材、４２……ピストン、４４……ステム、５０
……シールリング、５４，５５……水入口、５
６，５７……湯入口、５８……スプール、６８…
…水室、７０……湯室、７２……水出口、７４…
…湯出口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 湯と水を混合するための混合弁において、 軸線方向に隔たりかつ半径方向に整列していな
   い水入口、湯入口をそして前記水入口と湯入口の
   中間にある水出口と湯出口とを側面に設けたスリ
   ーブと、該スリーブ内に設置してあつて往復動不
   能で回転自在の、該スリーブの水出口と湯出口で
   の水と湯の混合状態を制御する弁部材とを有し；
   該弁部材は、その内部に水、湯用入口と水、湯用
   出口を設けた中空ピストンと該中空ピストン内に
   設けたシールなしで往復動可能な圧力平衡スプー
   ルとを有し；該中空ピストンは、該中空ピストン
   の湯入口を前記スリーブの湯入口と一致するよう
   に、該中空ピストンの水入口をスリーブの水入口
   と一致するように、また前記中空ピストンの湯出
   口はスリーブの湯出口と一致するように、該中空
   ピストンの水出口はスリーブの水出口と一致する
   ように回転でき；前記平衡スプールと前記中空ピ
   ストンとで隔離した水室と湯室を形成し、該中空
   ピストンの水入口と水出口は前記水室に開口し、
   該中空ピストンの湯入口と湯出口は前記湯室に開
   口し；前記平衡スプールの両端にある端スプール
   それぞれに通気路を形成して前記中空ピストンと
   各端スプールとで形成の各領域と前記平衡スプー
   ルの水室と湯室を連通し；前記スリーブの湯入口
   と水入口を囲つて前記中空ピストンと密封接触す
   る弁閉鎖シールを該スリーブに設けたことを特徴
   とする混合弁。