JPH0219626Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ドラムブレーキのブレーキシユー保
持装置に関する。

（従来の技術） 従来のブレーキシユー保持装置を第４，５図に
基づいて説明する。

１はバツキングプレート、２は、ブレーキシユ
ーであり、シユーウエブ２ａ、シユーリム２ｂ及
びライニング２ｃからなつており、シユーリム２
ｂにはニブ２b′を形成してある。３′はバツキン
グプレート１に穿設された丸孔であり、４はシユ
ーウエブ２ａに穿設され、制動時にブレーキシユ
ー２が移動する方向に形成した長孔であり、丸孔
３′と重なり合つている。５は、基部５ａ、軸部
５ｂ及び頭部５ｃとよりなるシユーホールドピン
であり、基部５ａの球面を丸孔３′の周縁に係止
させ、軸部５ｂを長孔４に挿通させている。そし
てシユーウエブ２ａに着座するワツシヤ６ａとシ
ユーホールドピンの頭部５ｃに係止するワツシヤ
６ｂとの間にコイルスプリング７を介装して、制
動時にブレーキシユー２が、バツキングプレート
１から浮き上るのを弾性的に防止している。

上記のようなブレーキシユー保持装置をシユー
ウエブ２ａの中央部に設けたブレーキシユー２
は、シユーウエブ２ａの一端部を図外のホイール
シリンダに内蔵されたピストンに係止し、他端部
をホイールシリンダ本体、アンカー装置等に係止
し、ニブ２b′をバツキングプレート１の図外に設
けたレツジ面に支承されて、バツキングプレート
１上に組付けられている。

（考案が解決しようとする問題点） 制動時に、シユーウエブ２ａは、第５図に示す
矢印方向へ移動し、シユーホールドピンの基部５
ａがバツキングプレートの丸孔３′の周縁に係止
しているために、シユーホールドピン５が倒れ、
スプリング７のシユーホールド荷重に偏りを生
じ、倒れが大きくなると、シユーリムに形成した
ニブ２b′とバツキングプレート１に形成されたレ
ツジ面との摺動抵抗を増大し、ブレーキ性能にも
影響していた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、シユーホールドピンの倒れを抑制し
たブレーキシユー保持装置を提供するものであ
り、その構成は次の通りである。

ドラムブレーキのブレーキシユーのシユーウエ
ブの中央部に対応するバツキングプレートに、ブ
レーキシユーの移動方向に長軸を有する係止孔を
設け、シユーホールドピンが、該係止孔を覆う弾
性板を固着した基部を該係止孔の両側長縁に係止
し、軸部をシユーウエブの通孔に挿通すると共
に、頭部に係止するワツシヤとシユーウエブとの
間にコイルスプリングを圧縮して介在させたブレ
ーキシユー保持装置である。

（作用） 従つて、制動時に、ブレーキシユーが移動する
と、係止するワツシヤとシユーウエブとの間に介
在するコイルスプリングで付勢されたシユーホー
ルドピンの頭部側がシユーウエブと共に移動し、
つれて、バツキングプレートに設けられ、ブレー
キシユーの移動方向に長軸を有する係止孔の両側
長縁に係止する基部が無理なく摺動してシユーホ
ールドピンの倒れは、抑制される。又弾性板で係
止孔を覆つているので、雨水、塵埃のブレーキド
ラム内への侵入は阻止される。

（実施例） 本考案に係るブレーキシユー保持装置の実施例
を第１〜３図に基づいて説明する。

１はバツキングプレート、２はブレーキシユ
ー、２ａはシユーウエブ、２ｂはシユーリム、２
ｃはライニング、２b′はニブ、４は長孔、５はシ
ユーホールドピン、５ａ，５ｂ，５ｃはそれぞれ
シユーホールドピン５の基部、軸部及び頭部、６
ａ，６ｂはワツシヤ、７はコイルスプリングであ
り、以上の構成は、従来例と実質的に異ならな
い。３は、バツキングプレート１に穿設され、ブ
レーキシユーの移動方向に長軸を有する係止孔で
あり、その両側長縁にシユーホールドピンの基部
５ａが係止する。

そして、シユーホールドピン５は、第２図に示
すように、外周にゴム又はエラストマからなる弾
性板８を固着した基部５ａを、バツキングプレー
トに設けた係止孔３の両側長縁に係止し、該弾性
板８は、係止孔３の外側縁に弾性的に当接し、係
止孔３を常に覆つて防塵作用を有し、該ピンの基
部５ａに摺動摩擦抵抗を増大させないように固着
されている。

上記のようなブレーキシユー保持装置をシユー
ウエブ２ａの中央部に設けたブレーキシユー２
が、従来例と同様にバツキングプレート１上に組
付けられている。

次に作用について説明する。

制動時に、ブレーキシユー２と共にシユーホー
ルドピンの頭部５ｃ側も移動する。するとシユー
ホールドピンの基部５ａは、係止孔３の両側縁
に、理論上の点接触に近い金属接触しているの
で、容易に弾性板８を伴つて移動して倒れが抑制
される。又ブレーキシユーのライニング２ｃが摩
耗して、ブレーキシユー２の移動量が大きくな
り、終に、シユーホールドピンの基部５ａが係止
孔３の端部に至り、シユーホールドピンが倒れる
ようになつても、その倒れは、従来よりも著しく
小さくて済む。

上記実施例に於ては、シユーウエブ２ａには、
係止孔３と同形の長孔４を設けたが、該長孔４
は、ライニング２ｃの新品時に、係止孔３の内端
部上方に位置して、シユーホールドピン５を挿通
し得る円形の通孔でもよい。

（考案の効果） 以上の説明によつて理解されるように、制動時
に、シユーホールドピンの倒れが抑制されるの
で、従来のようにブレーキシユーのニブがバツキ
ングプレートのレツジ面に強く当接して摺動抵抗
を増大することなく、ブレーキシユーは円滑に往
復動できるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るブレーキシユー保持装
置の実施例のバツキングプレートの係止孔とシユ
ーウエブの通孔との関係を示す図、第２図は、第
１図の−線断面で示すブレーキシユー保持装
置の実施例の断面図、第３図は、第１図の−
線断面で示すブレーキシユー保持装置の実施例の
断面図、第４図は、従来のブレーキシユー保持装
置のバツキングプレートの係止孔とシユーウエブ
の通孔との関係を示す図、第５図は、従来のブレ
ーキシユー保持装置の断面図である。 １：バツキングプレート、２：ブレーキシユ
ー、２ａ：シユーウエブ、２b′：ニブ、３：係止
孔、４：長孔（通孔）、５：シユーホールドピン、
５ａ：基部、５ｂ：軸部、５ｃ：頭部、６ａ，６
ｂ：ワツシヤ、７：コイルスプリング、８：弾性
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドラムブレーキのブレーキシユーのシユーウエ
   ブの中央部に対応するバツキングプレートに、ブ
   レーキシユーの移動方向に長軸を有する係止孔を
   設け、シユーホールドピンが、該係止孔を覆う弾
   性板を固着した基部を該係止孔の両側長縁に係止
   し、軸部をシユーウエブの通孔に挿通すると共
   に、頭部に係止するワツシヤとシユーウエブとの
   間にコイルスプリングを圧縮して介在させたこと
   を特徴とするブレーキシユー保持装置。