JPH0215778Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は運搬用箱に関するものである。

「従来の技術」 本考案は段プラボツクスと称される運搬用箱に
関するものであり、該箱は箱の素材として第７図
に示した板を用いるものである。該板は従来の段
ボールにおけるライナーａ，ｂ及び中心ｃをポリ
プロピレンによつて形成したものである。

斯かる板をもつて製作される従来の運搬用箱
は、第５図に示す如く、品名、納入社名等を記入
した名札Ａを収容する名札差Ｂを箱の前壁Ｃの外
面に取着していた。しかし、斯かる段プラボツク
スと称される運搬用箱にあつては、前壁Ｃが垂直
で且つ扁平であるため、名札差Ｂは外側に出つ張
つた状態となつている。

このため物品を収容して運搬するときや、いく
つも箱を積み重ねるとき等に名札差Ｂが他の箱等
に接触しやすく、最近特に接触による名札差の毀
損事故が多発し、この点の改善が強く望まれてい
る。

「考案が解決しようとする問題点」 本考案は上記の点に鑑みなされたものであつ
て、箱本体の前壁及び／又は後壁の所要部を名札
差より稍大径に切欠すると共に、側壁に折線を介
して連設した重合貼着板をもつて前記切欠部を前
壁及び／又は後壁の裏側から覆うようになし、箱
本体を組み立てたとき、該切欠部から露出する重
合貼着板の外面に名札差を取着するようになし
て、名札差の出つ張りを少なくした運搬用箱を提
供せんとするものである。

「問題点を解決するための手段」 以下、本考案を図示した実施例に即して更に詳
細に説明する。

第１図は組立てを完了した状態おける斜視図、
第２図は箱本体の展開平面図、第３図は組み立て
途中における斜視図、第４図は名札差を重合貼着
板の外面に取着した状態の縦断面図である。

本考案は、従来の段ボールにおけるライナー及
び中心をポリプロピレンによつて形成した一枚の
板を裁断して組み立てる箱本体と、該箱本体と別
体に形成する名札差とからなるものである。尚、
名札差はポリプロピレンによつて形成されるもの
である。

然して、箱本体は第２図に示した如く裁断する
ものであり、底壁１を中心とし、該底壁１の左右
両側に折線２，３を介して前壁４、後壁５を連設
すると共に該底壁１の上側と下側に折線６，７を
介して側壁８，９を連設し、更に該側壁８，９の
左右両側に折線１０，１１，１２，１３を介して
前壁４、後壁５の内面に添わせて貼着する重合貼
着板１４，１５，１６，１７を連設してなるもの
である。また、前記側壁４と後壁５には把手穴１
８，１９が穿設されている。そして、本考案にあ
つては、前記前壁４及び／又は後壁５（図示した
実施例においては前壁４と後壁５の両方）の所要
部（図示した実施例においては中央部）に後記名
札差の大きさよりも稍大径の切欠部２０，２１を
設けると共、前記重合貼着板１４，１５，１６，
１７の広さを、該重合貼着板１４，１５，１６，
１７をもつて該切欠部２０，２１を前壁４、後壁
５の裏側から覆うことができる広さに構成したこ
とを特徴とするものである。

尚、本実施例においては、各重合貼着板１４，
１５，１６，１７の幅W₁は前壁４又は後壁５の
幅W₂の１／２としている。

そして、箱本体を組み立てる場合には、先ず折
線６，７に沿つて側壁８，９を夫々起立させると
共に折線１０，１１，１２，１３に沿つて各重合
貼着板１４，１５，１６，１７を夫々内側に向け
て折り曲げる。次に折線２，３に沿つて前壁４，
５を夫々起立させると共に、前壁４の内面に重合
貼着板１４，１６を、また後壁５の内面に重合貼
着板１５，１７を夫々添わせて接着することによ
つて完了する。

このようにして箱本体の組み立てを完了した
後、前壁４、後壁５の切欠部２０，２１に箱本体
とは別体に形成した名札差２２を嵌め入れ、接
着、ビス止め等の手段によつて切欠部２０，２１
から露出する各重合貼着板１４，１６，１５，１
７の外面に取着するものである。

「考案の効果」 本考案は上記の如く、箱本体の前壁及び／又は
後壁の所要部を名札差より稍大径に切欠すると共
に、側壁に折線を介して連設した重合貼着板をも
つて前記切欠部を前壁及び／又は後壁の裏側から
覆うようになし、該切欠部から露出する重合貼着
板の外面に名札差を取着するようになしたもので
あるから、名札差は前壁又後壁の厚味の分だけ箱
内部に引つ込んだ状態で取着されることになる。

したがつて、従来の如く名札差が箱本体より大
きく出つ張らないから、運搬時や箱を積み重ねる
とき等でも名札差が他の箱等に接触して毀損する
といつた事故は階無となり、名札差のつけ替えに
要する無駄な手間と費用を節約することができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は組み立てを完了した状態における斜視
図、第２図は箱本体の展開平面図、第３図は組み
立て途中における斜視図、第４図は名札差を重合
貼着板の外面に取着した状態の縦断面図、第５図
は従来の箱の斜視図、第６図は従来の箱における
名札差の取着部分の縦断面図、第７図は箱素材の
説明図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 段ボールにおけるライナー及び中心をポリプロ
   ピレンによつて形成した一枚の板を裁断し、底壁
   １を中心とし、該底壁１の左右両側に折線２，３
   を介して前壁４、後壁５を連設すると共に該底壁
   １の上側と下側に折線６，７を介して側壁８，９
   を連設し、更に該側壁８，９の左右両側に折線１
   ０，１１，１２，１３を介して前壁４、後壁５の
   内面に添わせて貼着する重合貼着板１４，１５，
   １６，１７を連設した運搬用箱本体において、前
   記前壁４及び／又は後壁５の所要部に各札差の大
   きさよりも稍大径の切欠部２０，２１を設けると
   共に、前記重合貼着板１４，１５，１６，１７の
   広さを、該重合貼着板１４，１５，１６，１７を
   もつて前記切欠部２０，２１を前壁４、後壁５の
   裏側から覆うことができる広さに構成し、以つて
   前記折線に沿つて側壁８，９、前壁４、後壁５の
   夫々を起立させ、重合貼着板１４，１６を前壁４
   の、重合貼着板１５，１７を後壁５の内面に夫々
   貼着して箱本体を組み立てたとき、前壁４、後壁
   ５の切欠部２０，２１内に箱本体とは別体に形成
   される名札差２２を嵌め入れ、切欠部２０，２１
   から露出する各重合貼着板１４，１６，１５，１
   ７の外面に該名札差２２を取着することができる
   ようになしたことを特徴とする運搬用箱。