JPH02141306A - 空気入りタイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 空気入リタイヤのトレッド強化に関してこの発明は、タ
イヤのボディ補強に与るトロイダルカーカスのクラウン
補強のための、ベルトの側端に生じるせん断歪に起因す
るセパレーションの有効な回避を図り、耐久性に富む空
気入りタイヤを提供しようとするものである。

（従来の技術） 空気入りタイヤの補強部材としては、通常有機繊維ヤー
ンや、金属とくにスチールワイヤを撚り合わせて成るコ
ードを互いに平行配列にて引揃えゴム被覆を施したゴム
引きコード布が一般に用いられ、なかでもかかるコード
布を用いて少なくとも一対のビードコアに係留したトロ
イド状のカーカスをそなえる空気入りタイヤでは、カー
カスのクラウンを、上記と同様なゴム引きコード布を斜
めに裁断し、コードが互いに交差する向きに重ね合わせ
た複数層よりなる斜文部材のブレーカ又はベルトによっ
て補強するを例としている。

このような斜交部材は、コードと被覆ゴムの弾性率の違
いに加えてコードの端末はど動き易いことからコードの
端末が揃って位置するベルトの側縁付近に応力集中がお
こり、耐久性の面で好ましくない。

また斜交部材によるたが締め効果はベルトの幅の中心付
近では大きいのに反しベルトの側縁付近では、あまり大
きい張力は負担し得ないので必要な円周張力を確保する
にはより広い幅が必要になるが、それに伴われてコード
長が増すほどコード端末の動き量は増加し、ますます耐
久性の面で好ましくない。

このような欠点については、斜文部材のコード端末付近
で折り返すいわゆるフォールド構造や、張力が働く向き
にコードを配列した付加層などが用いられてはいるが、
コスト面の不利が余儀なくされる。

加えてこのうち斜文部材のフォールド構造は、コード端
への応力集中に起因する諸問題の一応の解決にはなるに
しても、コードの折り返し部分でのコードの疲労や、コ
ードとゴムの剛性差に起因する耐久性の問題があり、ま
た、張力が働く方向にコードを配列する付加層はコード
に垂直な向きの剛性が低いために、タイヤのようにあら
ゆる方向から力が働く場合には、総合的に要求される性
能を得るのは困難となる。

（発明が解決しようとする課題） 従来の技術について上述した問題点を抜本的に解決して
ベルトの耐久性の著しい増強を、空気入りタイヤに要求
される諸性能とくにコーナリング特性の確保にあわせ実
現し得る空気入りタイヤを提供することがこの発明の目
的である。

（課題を解決するための手段） 上記の目的は、次に要約する構成によって実現される。

トロイド状のカーカスをボディ補強とし、このカーカス
のクラウンのまわりで波形又はジグザグ形に揃って並ぶ
配向になる多数本のコード又はフィラメントを補強素子
として、これに比し弾性率のより低い高分子材料の被覆
を施したストリップをトレッド補強としてそなえている
空気入りタイヤにして、ストリップの幅方向における両
側縁のうちの少なくとも片側縁にて折返した重層構造に
なり、各層の波形又はジグザグ形をなす補強素子が、互
いにほぼ半ピッチずれをもって交差する配列をなす、フ
ォールド構造ベルトを備えることを特徴とする、空気入
りタイヤ（第１発明）、トロイド状のカーカスをボディ
補強とし、このカーカスのクラウンのまわりで波形又は
ジグザグ形に揃って並ぶ配向になる多数本のコード又は
フィラメントを補強素子として、これに比し弾性率のよ
り低い高分子材料の被覆を施したストリップをトレッド
補強としてそなえている空気入りタイヤにして、ストリ
ップの幅方向における両側縁のうちの少なくとも片側縁
にて折返した重層構造になり、各層の波形又はジグザグ
形をなす補強素子が、互いにほぼ半ピッチずれをもって
交差する配列をなす、フォールド構造ベルトを、互いに
平行な配向になる多数本のストレイトなコード又はフィ
ラメントがやはりこれに比し弾性率のより低い高分子材
料で被覆されたいわゆるコード斜布の少なくとも１枚よ
りなる端縁切離しベルトと付備することを特徴とする、
空気入りタイヤ（第２発明）。

ここにストリップの折返しは、カーカスのクラウンの片
側に偏り、他側では揃って重なる折返し自由端を位置さ
せる単純な二つ折りのほかカーカスのクラウンセンタで
向い合い、また互いにクラウンセンタを挟み隔って向い
合うような、さらにはクラウンの左右で互いに逆の折返
しとするような場合が含まれる。

またこのフォールド構造ベルトに対して、さきに従来の
技術にあげた斜文部材つまりコード斜布のような、端縁
切離しベルトを、直上または直下ないしは内部に添える
併用の場合についても同様である。

さて第１図（ａ）　、　（ｂ）にこの発明に従う空気入
りタイヤのラジアル断面とそのトレッド部に埋設したフ
ォールド構造ベルトの展開について図解した。

図中１はタイヤ、２はそのボディ補強を司るトロイダル
カーカス、３はトレッド、４はトレッド３のゴム内部に
て、トロイダルカーカス２のクラウンを取囲みトレシド
３の補強に役立つフォールト構造ベルト、なお５はトレ
・ノド溝である。

この例でフォールド構造ベルト４はクラウンセンタを挟
んで互いに隔たる折返し６を両側に有する三つ折の例を
図解したが、あとで述べる種々な変則折返しの場合も含
めて、トロイダルカーカス２のクラウンのまわりで波形
又はジグザグ形に揃って並ぶ配向になる多数のコード又
はフィラメンを補強素子７とし、これに比し弾性率のよ
り低い高分子材料たとえばゴムの被覆（図示は省略）を
施したストリップよりなり、上記の折返し６による重層
の各層における波形又はジグザグ形をなす補強素子７は
互いにほぼ半ピッチのずれをもって交差する配列をなす
。

第２図（ａ）〜（ｈ）に折返し６の各刑期様も含めたこ
の発明に従うフォールド構造ベルトの配置例を線図で示
し、同図（ａ）は片折返し、（ｂ）は突き合わせ両折返
し、（ｃ）は２枚のコード斜布よりなる端縁切離しベル
ト８を包み込んだ両折返しの事例を、また同図（ｄ）　
、　（ｅ）はフォールド構造ヘルド４の上層、下層にそ
れぞれ１枚のコード斜布を用いた端縁切離しベルト８を
添えた事例を、さらに同図（ｆ）、（ｇ）は、同図（ｅ
）におけるフォールド構造ベルト４、端縁切離しベルト
８についてそれぞれ２層積層に変更した事例であり、そ
して同図（ｈ）は、折返し６がクラウンの左右で逆配置
をなす場合の変形を示す。

（作　用） この発明によるフォールド構造ベルト４は、トロイダル
カーカス２のクラウンのまわりで波形又はジグザグ形に
揃って並ぶ配向とした多数本のコード又はフィラメント
を補強素子７としているので、従来の端縁切離しベルト
におけるような補強素子の切断端が存在しないだけでな
く、カーカスのクラウン上における斜行長℃（第３図（
ａ）　、　（ｂ）を比較参照のこと）がはるかに短いこ
ともあって、ベルトの側端でのセパレーションを元来起
し難い上に、折返し６による重層構造の各層内で補強素
子がほぼ半ピッチのずれをもって交差する領域が折返し
６の全域に分散し、この領域のおのおのは従来の端縁切
離しの交差ベルトにおけると同様のメカニズムでベルト
のまわり及び幅に沿って、充分に高いせん断剛性を発揮
し、これによってベルト耐久性の増強が、タイヤ性能の
確保にあわせ実現され得る。

なお上記交差領域における補強素子７の斜行長ｌが短い
ため、ベルトの幅方向のせん断剛性の不足が懸念される
ような、とくに高いコーナリングパワーを必要とするよ
うな使途に供される場合には、第２図（ｃ）〜（ｇ）に
示すように、端縁切離しベルト８を付備するのが有用で
ある。蓋し、このベルト８による幅方向せん断剛性の増
強の下でベルト端セパレーションは、フォールド構造ベ
ルト４につきすでに詳しく述べた著しい軽減作用が奏効
するからである。

ここに端縁切離しベルト６に用いる補強素子の傾斜角度
は、タイヤの赤道面に対して３５〜６０’の範囲が有効
であり、それというのは、第４図に示したこの傾斜角度
がベルト幅方向のせん断剛性に及ぼす影響の調査結果は
、フォールド構造ベルト４との併用の場合において３５
°〜６０゛の範囲で良好な結果が得られているからであ
る。

（実施例） この発明に基く、実施例１として乗用車用ラジアルタイ
ヤ（サイズ１７５／７０　ＳＲ１３）を第２図（ｂ）に
従う構成にて、また実施例２として、同サイズで、第２
図（ｅ）に従い、とくに両端切離しベルト８に用いた補
強素子の傾斜角度を４５°としてそれぞれ試作した。

さらに実施例３として重荷重用ラジアルタイヤ（サイズ
１０．０ＯＲ２０）につき、第２図（ｇ）に基づきこの
ときベルト８はやはり４５°傾斜とした交差層よりなる
タイヤを試作した。

一方比較タイヤとしては、タイヤの赤道面に対し、２２
°の角度で赤道をはさんで交差するようなコード配列に
なる従来どおりの斜文部材のみを用いたサイズ１７５／
７０　ＳＲ１３の比較例１と、タイヤの赤道面に対し２
０°の角度にて赤道を挾んで互いに交差するようなコー
ド配列になる従来どおりの３層の斜文部材と同じくタイ
ヤの赤道面に対し、４５゜の角度のコード配列になるも
う１枚の都合４枚構成の傾斜ベルトをクラウン補強体と
して持つサイズ１０．０ＯＲ２０の重荷重用ラジアルタ
イヤを比較例２として上記試作タイヤと比較試験を行っ
た。

比較試験はそれぞれ正規内圧にて正規荷重の２倍の荷重
を負荷して、８０　Ｋｍ／ｈ速度でドラム上を走行させ
た耐久テストと、スリップアングル３゜をかけた時のコ
ーナリングパワーテスト、及び実際の車両に装着して、
操縦安定性のフィーリングの評価を行った。結果は次表
のとおりである。

なお表中１７５／７０ＳＲ１３の比較例１並びに１０．
０ＯＲ２０の比較例２それぞれの成績を指数１００とし
てサイズ毎に比較した評価である。

（発明の効果） この発明は、乗用車ないしはトラックバス用などのよう
な使途に用いられる空気入りタイヤのベルト構成に加え
た上述した配慮によって、これまでにしばしば問題とな
っていたベルト端縁でのセバレージョン発生による耐久
性に関連した課題を有利に解決することができ、とくに
タイヤに要求される性能とくにコーナリング特性に悪影
響をもたらすこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図はタイヤの断面図とベルトの展開図、第２図は種
々なタイヤ断面のスケルトン図であり、 第３図はベルトの斜行長ｌの比較図、 第４図は付加的に用いるコード斜布の傾斜角度と幅方向
せん新開性の関係図である。 ｌ・・・タイヤ　　　　　　　２・・・カーカス３・・
・トレッド ４・・・フォールド構造ベルト ６・・・折返し　　　　　　７・・・補強素子８・・・
コード斜布 第２図 （ａ） ＜ｂ） （Ｃ） （ｄ　） （ｅ） （ｆ＞ （ｇ） （ｈ） 第１図 （ａ） （ｂ）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、トロイド状のカーカスをボディ補強とし、このカー
   カスのクラウンのまわりで波形又はジグザグ形に揃って
   並ぶ配向になる多数本のコード又はフィラメントを補強
   素子として、これに比し弾性率のより低い高分子材料の
   被覆を施したストリップをトレッド補強としてそなえて
   いる空気入りタイヤにして、 ストリップの幅方向における両側縁のうち の少なくとも片側縁にて折返した重層構造になり、各層
   の波形又はジグザグ形をなす補強素子が、互いにほぼ半
   ピッチずれをもって交差する配列をなす、フォールド構
   造ベルトを備えることを特徴とする、空気入りタイヤ。 ２、トロイド状のカーカスをボディ補強とし、このカー
   カスのクラウンのまわりで波形又はジグザグ形に揃って
   並ぶ配向になる多数本のコード又はフィラメントを補強
   素子として、これに比し弾性率のより低い高分子材料の
   被覆を施したストリップをトレッド補強としてそなえて
   いる空気入りタイヤにして、ストリップの幅方向におけ
   る両側縁のうちの少なくとも片側縁にて折返した重層構
   造になり、各層の波形又はジグザグ形をなす補強素子が
   、互いにほぼ半ピッチずれをもって交差する配列をなす
   、フォールド構造ベルトを、互いに平行な配向になる多
   数本のストレイトなコード又はフィラメントがやはりこ
   れに比し弾性率のより低い高分子材料で被覆されたいわ
   ゆるコード斜布の少なくとも１枚よりなる端縁切離しベ
   ルトと併備することを特徴とする、空気入りタイヤ。 ３、ストリップの折返しが、カーカスのクラウンの片側
   に位置し、他側では、揃って重なる折返し自由端が位置
   する、フォールド構造ベルトを有する、請求項１又は２
   に記載したタイヤ。 ４、ストリップの折返しがカーカスのクラウンセンタで
   向い合い位置するフォールド構造ベルトを有する、請求
   項１又は２に記載したタイヤ。 ５、ストリップの折返しがカーカスのクラウンセンタを
   挟み互いに隔たって向い合い位置するフォールド構造ベ
   ルトを有する請求項１又は２に記載したタイヤ。 ６、端縁切離しベルトが、フォールド構造ベルト上に位
   置する請求項２、４又は５に記載したタイヤ。 ７、端縁切離しベルトがフォールド構造ベルト下に位置
   する請求項２、４又は５に記載したタイヤ。 ８、端縁切離しベルトがフォールド構造ベルト内に位置
   する請求項２、４又は５に記載したタイヤ。 ９、ストリップの折返しがカーカスのクラウンの左右で
   互いに逆に位置する請求項１、２、６及び７に記載した
   タイヤ。