JPH0214032B2 - - Google Patents

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JPH0214032B2
JPH0214032B2 JP60200121A JP20012185A JPH0214032B2 JP H0214032 B2 JPH0214032 B2 JP H0214032B2 JP 60200121 A JP60200121 A JP 60200121A JP 20012185 A JP20012185 A JP 20012185A JP H0214032 B2 JPH0214032 B2 JP H0214032B2
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JP
Japan
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malt
beer
diastase
wort
fermentation
Prior art date
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Expired - Lifetime
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JP60200121A
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English (en)
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JPS6258983A (ja
Inventor
Sotaro Kishi
Fuminori Ujiie
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Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
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Publication date
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
発明の背景 技術分野 本発明は、発酵度の高いビールの製造法に関す
るものである。 さらに具体的には、本発明は、特定のジアスタ
ーゼの酵素作用によつて発酵度を高めるビールの
醸造法に関する。 先行技術 伝統的なビールの製造法は、麦芽由来の糖化酵
素によつて麦芽及びでんぷん原料由来のデンプン
を糖化して得た糖水溶液からなる麦汁に、その糖
を資化してエタノールを産生する酵母を添加して
発酵を行なわせることからなるものである。 この方法による場合は、麦汁製造工程の温度、
時間条件の制約から麦芽由来の糖化酵素を完全に
作用させることは困難であつて、麦汁中にはある
量の非発酵性デキストリンが残存することがふつ
うである。その結果、製品ビールの発酵度は一定
のレベルにとどまる。 ビールのような伝統的な嗜好品にあつては残存
非発酵性デキストリンの寄与も含めたものからな
る風味が愛好されてきたといえるが、一方嗜好の
多様化に伴なつて高発酵度タイプのビールに対す
る需要も高まりつつある。高発酵度ビールはそれ
自身に需要があるばかりでなく、発酵度を高めた
のちアルコールを抜くことによつて低カロリービ
ールを製造するいう観点からも有用なものであ
る。 非発酵性デキストリンを糖化させてビールの発
酵度を高めるためには糖化酵素を使用すればよい
であろうが、適当な糖化酵素の選択は必ずしも容
易ではない。発酵製品は伝統的なビールの範疇に
入るものであるところから糖化酵素の使用による
風味の著るしい変化例えば非発酵性デキストリン
の過剰分解等を避けなければならないからであ
る。また、糖化酵素標品が不純物としてプロテア
ーゼ活性をも持つものである場合には、麦汁中の
タンパク質の分解が生じ、アミノ酸組成が従来の
ビールのそれと異なつて風味への影響があるばか
りでなく、ビールの最大の特徴である泡の性状を
損なう可能性がある。ビールの泡の性状はビール
中のタンパク質の種類ないし量に依存するからで
ある。 微生物起源のアミラーゼを発酵工程に加えてビ
ールの発酵度を高める方法は既に外国で実用化さ
れている。しかし、本発明者らの追試した限りで
は、このようなアミラーゼを使用した高発酵度ビ
ールは上記の点で満足すべきものではない。 発明の概要 要 旨 本発明の上記の点に解決を与えることを目的と
し、糖化酵素として特定のもの、すなわち麦芽ジ
アスターゼ、を使用することによつてこの目的を
達成しようとするものである。 従つて、本発明による高発酵度ビールの製造法
は、酵母の作用下にある麦芽汁に麦芽ジアスター
ゼを存在するに到らせてその酵素活性を作用させ
ること、を特徴とするものである。 効 果 麦芽ジアスターゼを糖化酵素として酵母添加麦
汁に添加して発酵を行わせると、非発酵性デキス
トリンの一部が分解されて主として麦芽糖とな
り、その他グルコース、マルトトリオース等の低
級デキストリンとなつて、酵母による発酵度が向
上する。また、麦芽ジアスターゼはプロテアーゼ
活性を持つていないので、製品ビールの泡持ちに
悪影響を与えることがない。 麦芽由来のジアスターゼによる上記のような効
果は麦芽抽出液の添加によつても実現できよう。
しかし、麦芽ジアスターゼは麦芽抽出液よりもす
ぐれている。すなわち、麦芽抽出液中には麦芽由
来の微生物が有意量存在するのでその添加は微生
物管理上問題であるが、本発明による麦芽ジアス
ターゼの場合は標品自体の微生物レベルが麦芽抽
出液よりも低いばかりでなく添加量が少ないので
微生物汚染の危険性は抽出液添加の場合よりはる
かに少ないからである。 発明の具体的説明 麦芽ジアスターゼ 麦芽ジアスターゼは、デンプン分子のα−1,
4結合を任意の位置で切断するα−アミラーゼ
(α−アミロ−1,4−デキストリナーゼ)とデ
ンプン分子の非還元性末端からマルトース単位で
順次分解するβ−アミラーゼ(β−アミロ−1,
4−マルトシターゼ)を主成分とするものであ
る。 本発明で使用することが好ましい麦芽ジアスタ
ーゼ標品は、下記のようにして製造したものであ
る。 粉砕麦芽を40℃の温水に加え20分間酵素を撹拌
抽出、遠心分離により固液分離したのち、分離液
を濃縮、圧搾過、更に除菌過して得られた
液にエタノールを加え酵素蛋白を沈殿分離する。
沈殿を集め、圧搾過、真空乾燥、粉砕、篩別
し、デキストリン添加により力価を調製したも
の。 麦芽ジアスターゼの添加量は麦芽汁1リツトル
当り5〜50mg程度、好ましくは5〜10mg程度、で
ある。 麦芽ジアスターゼの使用 本発明では、酵母の作用下にある麦芽汁に麦芽
ジアスターゼを存在するに到らせてその酵素活性
を作用させる。 ここで「酵母の作用下にある麦芽汁」とは、如
何に少量とはいえ未だ酵母の基質としての発酵性
糖が存在していて酵母がそれに作用している状態
にある麦芽汁を意味する。従つて、その麦芽汁は
所謂発酵工程でのそれの外に、所謂若ビールと呼
んで貯蔵工程にあるもの、をも包含するものとす
る。 また、「麦芽ジアスターゼを存在するに到らせ
る」ということは、麦芽ジアスターゼを上記のよ
うな状態の麦芽汁そのものに添加する場合の外
に、上記のような麦芽汁の前駆状態たとえば酵母
添加前の麦芽汁のときに麦芽ジアスターゼを添加
して、その後に添加した酵母がその作用を示すと
きに麦芽ジアスターゼが存在しているようにする
場合をも包含するものとする。麦芽ジアスターゼ
の作用を最大限に利用するためには、その作用期
間ができるだけ長くなるように、たとえば酵母添
加前の麦芽汁に添加するのが好ましい。麦芽ジア
スターゼ添加は一回に限られることはなく、必要
に応じて複数回添加することもできる。 麦芽ジアスターゼを上記のようにして麦芽汁に
添加する点を除けば、本発明でのビールの製造法
は、酵母の酵素活性停止のための処理を加熱の外
に過による方法をも含めて伝統的なビールの製
造法と本質的には変らない。従つて、その具体的
内容については、文献を引用して説明することが
許容されるであろう。適当な文献としては、たと
えば、(1)ルートビツヒ・ナルチス著「アプリス・
デル・ビアブラウエライ」〔(Ludwig Narziss
「Abriss der Bierbrauerei」フエルデイナント・
エンケ社Ferdinand Enke Verlag Stuttgart。)〕
(2)「プラクチカル・ブルーイング(「Practical
Brewing」)を挙げることができる。 実験例 実施例 1 酵母添加直後の麦汁500mlづつ3個の三角フラ
スコに採り、1個は対照としてジアスターゼ無添
加、残る2個には5mg/リツトルと10mg/リツト
ルの2水準の濃度で麦芽ジアスターゼを添加し
て、8℃の恒温室で満7日間の主発酵を行ない、
発酵液の一部を用いて外観発酵度を測定した。残
りの発酵液を25℃の恒温室に満3日間保ち、その
後外観最終発酵度を測定した。 結果は、下表に示す通りであつた。
【表】 表に示すように、5〜10mg/リツトルのジアス
ターゼ添加で明らかに無添加のものより発酵度が
上昇する。麦芽抽出液を添加して製造したビール
の外観最終発酵度は、平均で88.5%であるので、
ジアスターゼ5mg/リツトルの添加で同等の効果
が得られることが確認できた。 実施例 2 微生物起源のアミラーゼと麦芽起源のアミラー
ゼの効果の相違は下記の通りであつた。 1 実験方法 (1) 供試酵素例 A麦芽起源アミラーゼ:ジアスターゼ原末5.5
倍希釈品 B微生物起源アミラーゼ:アスペルギルス・オ
リゼー(Aspergillus Oryzae)起源のα
−アミラーゼ製剤 C微生物起源アミラーゼ:アスペルギルス・ニ
ガー(Aspergillus niger)起源のグルコ
アミラーゼ製剤 (2) 酵素液の調製方法 2%可溶性殿粉溶液100mlに5mlのビール
素液を加え、PH4.3/20℃/30分の条件で作
用させて、0.5gの還元糖を生成するように
各酵素液の濃度を調製した。 2 麦汁への作用 各酵素液1mlを11%麦汁200mlに添加して50
℃で3日間反応させ、反応液の低分子糖組成、
アミノ酸、外観最終発酵度を測定した。尚、酵
素液の代りに蒸留水1mlを加えて、盲検とし
た。結果を表1に示す。
【表】 可溶性殿粉を分解する力価を揃えて添加
しても、麦汁中の基質デキストリンへの親
和力及び作用機作の違いにより、生じる低
分子糖の量と組成が酵素剤により異なる。 ジアスターゼででは、盲検に較べ、マル
トースを主体に0.17g/100mlの低分子糖
が増加するにすぎる、β−アミラーゼが主
成分なので、リミツトデキストリンを分解
できないためと考えられる。従つて、外観
最終発酵度は、88%に留まる。アミノ酸濃
度は、盲検の値と同等でプロテアーゼ活性
は認められない。 アスベルギルス・オリゼー起源のα−ア
ミラーゼ(B)は、グルコース、マルトースを
主体に0.91g/100mlの低分子糖が増加し、
リミツトデキストリンがα−アミラーゼに
より分解される。外観最終発酵度は、94%
迄たかまる。アミノ酸含量が、明らかに盲
検より増加し、プロテアーゼ活性が認めら
れる。 アスペルギルス・ニガー起源のグルコア
ミラーゼ(C)は、exo型なので専らグルコー
スが生成され、盲検より1.88g/100mlの
低分子糖が増加する。このため外観最終発
酵度は、107%まで上昇する。プロテアー
ゼ活性は、微弱である。 3 高発酵度ビールの試作 酵母添加麦汁200mlに酵素液各1mlを加え、
8℃に7日間静置して主発酵を行なわせた後、
外観発酵度、低分子糖組成、アミノ酸を測定し
た。更に25℃に3日間静置し発酵度を限界迄高
め、外観最終発酵度、低分子糖組成アミノ酸を
測定した。盲検は、酵素液の代りに蒸留水を1
ml添加した。結果を第2表に示す。
【表】
【表】 酵母添加麦汁に各酵素剤を加えて発酵さ
せると、最終的には、前述の麦汁で得られ
た外観最終発酵度と一致した。 11%麦汁からのアルコール生成濃度は、
アスペルギルス・ニガー起源グルコアミラ
ーゼ(C)で4.9w/w%(6.2v/v%)、アス
ペルギルス・オリゼー起源α−アミラーゼ
(B)で4.3w/w%(5.4v/v%)、ジアスタ
ーゼで4.1w/w(5.2v/v%)、酵素を添加
しないと3.9w/w%(4.9v/v%)とな
る。 酵素剤により、ビールのこくみに関与す
るといわれるデキストリンの残存量が異な
るので高発酵度ビールの香味も相互に異な
るものと考えられる。 微生物起源アミラーゼは、プロテアーゼ
活性を有するので、ビールの泡持ちに悪影
響を及ぼす可能性があり、又安定性につい
ても詳細な調査が必要である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 酵母の作用下にある麦芽汁に麦芽ジアスター
    ゼを存在するに到らせてその酵素活性を作用させ
    ることを特徴とする、高発酵度ビールの製造法。
JP60200121A 1985-09-10 1985-09-10 高発酵度ビ−ルの製造法 Granted JPS6258983A (ja)

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JP60200121A JPS6258983A (ja) 1985-09-10 1985-09-10 高発酵度ビ−ルの製造法

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JPS6258983A JPS6258983A (ja) 1987-03-14
JPH0214032B2 true JPH0214032B2 (ja) 1990-04-05

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