JPH0213498Y2

JPH0213498Y2 -

Info

Publication number: JPH0213498Y2
Application number: JP1983178700U
Authority: JP
Priority date: 1983-11-21
Filing date: 1983-11-21
Publication date: 1990-04-13
Also published as: JPS6086577U

Description

【考案の詳細な説明】考案の技術分野本考案は、ワーパーの張力制御装置に関し、特
に糸張力をキツクバツク可能なゴムロールにより
調整する手段に係る。

考案の背景一般に、ワーパーの張力制御は、制御対象の糸
とそれに接するガイドロールの表面との摩擦力に
頼つている。そのため摩擦力の増加は、ガイドロ
ールをゴムロールのような摩擦係数の大きな材料
で構成するか、またはガイドロールの配置や本数
を増やし、糸の巻掛け角度を大きく取るような手
段によつて行われている。

一方、ワーパーの１つの機能は、クリールから
引き出された糸に含まれている毛羽や糸屑を除去
することである。このため、毛羽や糸屑が発見さ
れた時点で、ワーパーは、ただちに急停止し、糸
屑や毛羽がワーパースビームに巻き込まれること
を防止しなければならない。そこで張力制御を容
易にするために糸とガイドロールとの表面摩擦力
を増大させると、ワーパー急停止時に糸がガイド
ロールの表面を滑りにくくなり、巻取張力が異常
に増加して糸に対し悪影響を与える。

従来技術ところで、従来の一般的な張力制御装置は、糸
を巻き取る巻取部分（ワーパースビーム）から離
れて配置されるため、動力伝達用のシヤフトなど
で巻取部分と連結されておらず、急停止のための
ブレーキも、巻取部分と別の構成となつている。
しかも巻取部分において、ワーパースビームに糸
を巻き取るにつれてワーパースビームの慣性モー
メントが増加するため、急停止のときに巻取部分
と張力制御装置とでブレーキの効きはじめのタイ
ミングや停止までの時間を完全に同期させること
は非常に困難である。そのため、巻取部分と、張
力制御装置との間で、制動時に糸がゆるんで互い
に絡まつたり、ガイドロールに巻き付いたりする
ことを防ぐために、張力制御装置のブレーキ力を
少し強くし、早く制動力を作用させるように調整
することが行われている。このとき、糸が制動時
のごく短い時間であるが、ガイドロールの表面を
滑つて巻取張力が異常に高くなるのを防いでい
る。

しかし、張力制御の能力を高め、ガイドロール
の表面の摩擦係数を高めるために、ガイドロール
自体がゴムロールであつたり、糸とガイドロール
との巻き付け量を大きく取ると、既に述べたよう
に、急停止のときに糸がガイドロールの表面を滑
りにくく、巻取張力が異常に高くなり、糸に悪影
響が現れ、さらには糸切れが起きたりすることも
ある。

このため、糸とガイドロール表面との摩擦力を
小さくして、低い張力制御能力で妥協するか、ま
たは張力制御の能力を高める代わりに急停止を行
わず、ゆつくり減速し、巻取部分と張力制御の制
動力との同期をとりやすくし、糸に悪影響がでな
いような手段を採らざるを得なかつた。

ところが、ゆつくり減速させると、発見した毛
羽や糸屑は、ワーパースビームに巻き込まれてし
まい、それらを除去するために、停止後に再びワ
ーパースビームを逆方向に回転させ、巻き取つた
糸を引き出さなければならず、ワーパー作業の能
率を著しくそこねている。

考案の目的したがつて本考案の目的は、高い張力制御の能
力を有するとともに、急停止時に巻取張力が異常
に高くならないワーパーの張力制御装置を提供す
ることである。

考案の概要そこで本考案は、巻取時ゴムロールをガイドロ
ールに圧接することにより、張力制御能力を高め
るとともに、ワーパーの停止時にゴムロールをガ
イドロールから離れさせること、すなわちキツク
バツク運動を与えることにより、糸がガイドロー
ルの表面において滑ることを許容して、減速時の
糸張力の異常の高まりを防止している。

実施例の構成および機能以下、図示の実施例に基づいて、その構成およ
び機能を詳述する。

クリールから引き出された糸Ｙは、本考案の張
力制御装置１を通つて１シートとなり、巻取部分
に行き、そこで図示しないワーパースビームに巻
き取られていく。多数の糸Ｙは、おさ２によつて
ほぼワーパースビームの幅に均等のピツチで並べ
られ、最初のガイドロール３の上側から入り、１
シートとなつて次のガイドロール４の下側を通
り、巻取部分に送り込まれていく。

上記ガイドロール４の下方には、充分な剛性を
持つたゴムロール５が配置されている。このゴム
ロール５は、両側を左右一対のアーム６によつて
回転自在に支持されている。このアーム６は、そ
れぞれ支軸７によりフレーム８に対し、駆動手段
例えばシリンダー１１によつて揺動自在に支持さ
れている。このためゴムロール５は、支軸７を支
点として上下方向に揺動自在に支持されている。
またゴムロール５の両端の軸に制動用のドラム９
が取付けられおり、このドラム９は、フレーム８
に取付けられた固定的なブレーキライニング１０
と対応している。

上記ガイドロール３は、その軸の端部に取付け
られたギヤ１３によりガイドロール４の軸のギヤ
１４と連結されている。このガイドロール４は反
対側の軸の端部で停止用のブレーキデイスク１５
およびＶプーリ１７を支持している。このＶプー
リ１７は、Ｖベルト１８によりトルク制御用の回
転駆動源としてのモータ１９の出力軸に取付けら
れたＶプーリ２０に巻掛けられている。このた
め、ガイドロール３，４は、停止のための制動力
および張力制御のためのモータ１９からのトルク
を同時に受け得る状態にある。なお、ブレーキ１
６は、ブレーキデイスク１５の側面にあつて、フ
レーム８の側面に取付けられている。

さて、巻取作業中に張力制御が行われる。ゴム
ロール５は、シリンダー１１により押し上げら
れ、ガイドロール４の下面に押し付けられてい
る。このようにしてガイドロール４およびゴムロ
ール５は、シート状の糸Ｙを上下から充分な保持
力で挟み込んでいる。

一方、停止のときには、シリンダー１１のロツ
ド１２が後退するため、ゴムロール５が直ちに後
退し、ガイドロール４およびゴムロール５は、瞬
時に糸Ｙの保持を停止する。このゴムロール５の
下降運動すなわちキツクバツク運動があるため
に、この時点で糸Ｙは、ガイドロール４とゴムロ
ール５との間で自由な状態に解放される。なお、
ゴムロール５が下降すると、ドラム９がブレーキ
ライニング１０に接するため、ゴムロール５は、
直ちにその慣性による回転をやめる。

また、ガイドロール３，４は、ガイドロール４
の端部に取付けられたブレーキデイスク１５およ
びブレーキ１６の作用により停止するが、ワーパ
ーの性格上急停止させるため、巻取部との完全な
同期をとることは困難であり、巻取部分と張力制
御装置１との間で糸Ｙがゆるまないように、やや
張力制御側を早く止まるように調整する。しかし
糸Ｙは、ゴムロール５による保持力がなくなつた
ため、異常に張ることもなく、ガイドロール３，
４の表面上を適当な張力を保ちながら滑つてい
く。そして完全に機械が停止すると、ゴムロール
５は、再びガイドロール４に自動的に押し当てら
れ、再び巻取作業が再開される。この再加圧のタ
イミングは、タイマーなどの時間遅れ手段により
設定されている。

考案の変形例なお、上記実施例は、ゴムロール５を再運転時
に自動的に復帰するようにしているが、このよう
な復帰操作は、手動により行つてもよい。さらに
ガイドロール３をガイドロール４の軸線を中心と
し、円弧にそつて上下に位置調整可能とする等に
より、ガイドロール３とガイドロール４との関係
位置を可変にし、糸種に応じた適当な糸の巻付角
になるように配設し、急停止時の糸とガイドロー
ル表面との滑りを調整させてやつても良い。

考案の効果本考案では下記の特有の効果が得られる。

まず、ワーパーの運転時に、ゴムロールがガイ
ドロールに圧接し、ゴムの大きな摩擦の下に両ロ
ール間で糸を挟み込んでいるため、ガイドロール
と糸との間で充分な摩擦力が確保でき、その結
果、モータによる張力制御能力が高められる。

次に、ワーパーの急停止時に、ゴムロールがガ
イドロールから一瞬にして離れるので、巻取り側
の慣性回転によつて、糸が過渡的に走行したとし
ても、糸が適当な張力を保ちながらガイドロール
の表面を滑るため、糸に過大な張力が加わらず、
糸切れなどの不具合がなくなる。これによつて、
停止時に、張力制御装置側と巻取り装置側との停
止時点にずれが生じたとしても、そのずれによる
糸の張力の変動が吸収できる。

さらに、ワーパーの運転再開時に、ゴムロール
がガイドロールに押し当てられると、糸が停止前
と同様な張力状態に保持できるため、その後の巻
取り作業が停止前の張力状態と同様の状態で継続
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のワーパーの張力制御装置の斜
視図、第２図は同装置のロールの位置関係を示す
側面図である。１……張力制御装置、２……おさ、３，４……
ガイドロール、５……ゴムロール、６……アー
ム、７……支軸、８……フレーム、９……ドラ
ム、１０……ブレーキライニング、１１……シリ
ンダー、１２……ロツド、１３，１４……ギヤ、
１５……ブレーキデイスク、１６……ブレーキ、
１７……Ｖプーリ、１８……Ｖベルト、１９……
モータ、２０……Ｖプーリ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

クリールと巻取装置との間に設けられたワーパ
ーの張力制御装置１において、シート状の多数の
糸Ｙに接し、定位置で回転自在に支持されたガイ
ドロール４と、ワーパーの運転中にガイドロール
４を糸送り方向に回転させるトルク制御可能なモ
ータ１９と、ガイドロール４の糸側に対して接離
自在に支持され摩擦係数の大きな張力制御用のゴ
ムロール５と、ワーパーの運転時にゴムロール５
を上記ガイドロール４に圧接した状態で保持し、
ワーパーの急停止時に上記ガイドロール４から離
す駆動手段１１とからなることを特徴とするワー
パーの張力制御装置１。