JPH0211768Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、活字静止インパクトプリンタ等に
使用する印字ハンマ具備のプランジヤ形ソレノイ
ドに関するものである。

活字静止インパクトプリンタとして、活字群を
花弁状に配列した所謂デイジーホイール型プリン
タがある。

この種のプリンタでは、印字選択信号によりデ
イジーホイールが高速回転して所望の活字が印字
定位置に臨んだとき、活字のアーム端をプランジ
ヤ形ソレノイドのハンマが叩打し、その活字をイ
ンクリボンを介してプラテン上の紙面に打付けて
印書するものである。

ところで、近年、前記プリンタ類は一層小型化
が進み、さらに印字速度も超高速化の一途ををた
どつているため、プランジヤ形ソレノイドも、小
型軽量である上に、低騒音で動作が安定して、超
高速印字に対応でき、かつ、製作が容易で安価に
得られるものであることが要求されるようになつ
てきた。

ここで、第１図に縦断面図で示した従来のプラ
ンジヤ形ソレノイドＡを見ると、ボビン１に導線
２を巻装してなる電磁石３を内蔵した円筒状ヨー
ク４の先端面には、軸受状の案内片５を先端内周
面に嵌着固定したハンマ案内用ボス６の基端面が
固着してある。

前記ヨーク４の基端内周面には、軸受状の第２
の案内片７が嵌着固定してあり、また、前記ヨー
ク４の基端面には、遮音板８を介して、有底短軸
円筒状のストツパ９の先端面が、複数本のねじ１
０により固着してあり、前記ストツパ９の底壁内
面には、緩衝用ダンパ１１が固着してある。

前記ストツパ９、第２の案内片７、ヨーク４、
ボビン１の各内周面に亘つて軸線方向にスライド
可能にプランジヤ１２が嵌装してあり、該プラン
ジヤ１２は、復帰用圧縮コイルばね１３により、
前記ストツパ９方向に付勢されている。

前記プランジヤ１２の先端、即ち前記ストツパ
９と反対側端には、印字用のハンマ１４の基端が
同心固着してあり、該ハンマ１４の先端側は、前
記ハンマ案内用ボス６内を介して、該ボス６の先
端の第１の案内片５内に摺動勧能に嵌装してあ
る。

そして、電磁石３の励磁により、ばね１３の付
勢力に抗してプランジヤ１２と共に、ハンマ１４
がストツパ９と反対方向にスライドし、該ハンマ
１４が活字のアームを叩打し、その後の電磁石３
の消磁により、前記叩打時の反撥力とばね１３の
付勢力により、ハンマ１４がプランジヤ１２と共
にストツパ９方向にスライドし、該ストツパ９に
ダンパ１１を介してプランジヤ１２の基端面が衝
突することにより、プランジヤ１２の復帰位置が
規制され、ダンパ１１により衝突時の衝撃が緩和
されるようになつている。

しかし、上記構成の従来のプランジヤ形ソレノ
イドＡにおいては、ダンパ１１が、ヨーク４に固
着されたストツパ９の底壁内面に固着されている
関係上、プランジヤ１２の衝突時に発生する衝突
音を低くするためには、ダンパ１１を厚くしなけ
ればならず、一方、ダンパ１１を厚くすると、高
温雰囲気での使用時や常温でも連続印字の場合、
プランジヤ１２がダンパ１１に衝突する時のリバ
ウンドがより大きくなるという問題が発生する。

斯かる問題発生のため、ダンパ１１を厚くする
ことができず、従つて、衝突音を低減することが
因難であつた。

また、上述したように、ダンパ１１はヨーク４
に固着されたストツパ９に固着されているため、
プランジヤ１２がダンパ１１に衝突する時のリバ
ウンドが大きく、衝突後、次第に減衰しながら振
動を繰り返して、やがて停止するが、その減衰時
間が長いため、超高速印字への対応は因難であつ
た。

更に、リバウンドが大きいと、デイジーホイー
ルの活字背面のＶロケータとハンマ１４の先端と
が互いに干渉して、デイジーホイールの寿命を著
しく短縮するという欠点もあつた。

この考案は上述の観点に基き、前記問題の解消
を可能にしたプランジヤ形ソレノイドを提供する
もので、ストツパをヨークに板ばねを介して軸線
方向に移動可能に取り付けることによつて、衝突
音の低減と、リバウンドを極小に抑えて、ハンマ
を安定動作させ、超高速印字に対応できるように
した点に特徴がある。

ついで、この考案のプランジヤ形ソレノイドを
実施例により図面を参照しながら説明する。尚、
説明の便宜上、第１図に示す従来と同一構成部分
については、図面の同一部分に同一符号を付して
その詳細説明を省略する。第２図にはこの考案の
プランジヤ形ソレノイドＢの実施例を縦断面図で
示してある。図面を示したように、ヨーク４の基
端面にストツパ９ａが、板ばね１５を介して軸線
方向に移動可能に取り付けてある。

前記ストツパ９ａは、第３図に示すように、中
央部に有底孔１６を有するデイスク状をなし、該
有底孔１６の周囲に位置してリベツト嵌合孔１７
と、ねじ頭部遊嵌孔１８が、各一対宛穿設してあ
る。

これらリベツト嵌合孔１７とねじ頭部遊嵌孔１
８とは互いに90度偏位し、また両リベツト嵌合孔
１７同志、及び両ねじ頭部遊嵌孔１８同志は互い
に180度偏位している。

前記板ばね１５は、第３図に示すように、環状
をなしており、前記ストツパ９ａのリベツト嵌合
孔１７及びねじ頭部遊嵌孔１８に対応合致する４
個の貫通孔１９が穿設されている。

前記板ばね１５は、リベツト２０により前記ス
トツパ９ａに、また、ビス等のねじ２１により前
記ヨーク４にそれぞれ取り付けられている。

前記リベツト２０の板ばね１５側頭部２０ａ
は、遮音板８ａを介してヨーク４の基端面に接触
している。

前記ねじ２１の頭部２１ａは、前記ストツパ９
ａのねじ頭部遊嵌孔１８内に遊嵌されている。

前記リベツト２０の板ばね１５側頭部２０ａに
よりヨーク４の基端面とストツパ９ａの先端面と
の間に、間隔が確保されている。

前記ストツパ９ａの有底孔１６の底面には、緩
衝用ダンパ１１ａが固着されており、該ダンパ１
１ａの厚さは従来のダンパ１１より略1/4程度に
設定されている。

以上の構成からなるこの考案のプランジヤ形ソ
レノイドＢは、電磁石３の励磁により、ばね１３
の付勢力に抗してストツパ１２と共に、ハンマ１
４がストツパ９ａと反対方向にスライドし、該ハ
ンマ１４が活字のアームを叩打し、その後の電磁
石３の消磁により、ばね１３の付勢力により、ハ
ンマ１４がプランジヤ１２と共にストツパ９ａ方
向にスライドし、該ストツパ９ａにダンパ１１ａ
を介してプランジヤ１２の基端面が衝突すること
により、プランジヤ１２の復帰位置が規制され、
衝突時にストツパ９ａが板ばね１５の付勢力に抗
して若干、軸線方向に移動するため、ダンパ１１
ａの緩衝作用と相俟て、衝突時の衝撃が緩和され
ると共に、衝突音も低減される。

なお、上記実施例においては、プランジヤ１２
とハンマ１４を別々に形成した後、両者を結合し
た構成としたが、これに限られるものではなく、
プランジヤ１２とハンマ１４を、一体形成したも
のであつても良い。

また、ストツパ９ａに対する板ばね１５の取り
付けについても、リベツト２０に限らず、ねじ止
めにしても良いものであり、その他の構成につい
ても、この考案の要旨を逸脱しない範囲で種々変
更し得ることは勿論である。

以上の説明から明らかなように、この考案のプ
ランジヤ形ソレノイドは、ストツパをヨークに板
ばねを介して軸線方向に移動可能に取り付けたか
ら、ダンパを厚くすることなく衝突音の低減を図
ることができ、しかも、リバウンドが極めて小さ
くなつて、ハンマの動作が安定し、超高速印字に
対応できる等、優れた利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のプランジヤ形ソレノイドの一例
を示す縦断面図、第２図はこの考案のプランジヤ
形ソレノイドの実施例を示す縦断面図、第３図は
第２図の要部分解斜視図である。 ３……電磁石、４……ヨーク、９ａ……ストツ
パ、１１ａ……ダンパ、１２……プランジヤ、１
３……ばね、１４……ハンマ、１５……板ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電磁石を内蔵した筒状ヨークと、該ヨークに軸
   線方向にスライド可能に嵌装されたプランジヤ
   と、前記電磁石の励磁によりスライドする前記プ
   ランジヤの一端に設けられたハンマと、該ハンマ
   と前記プランジヤの復帰用ばねと、前記ヨークに
   取り付けられた前記プランジヤの復帰位置規制用
   ストツパとを具備してなるプランジヤ形ソレノイ
   ドにおいて、前記ストツパを前記ヨークに板ばね
   を介して軸線方向に移動可能に取り付けたことを
   特徴とするプランジヤ形ソレノイド。