JPH02115332A - 耐疲労亀裂性アストロロイ型ニッケル基超合金およびそれから作製される製品 - Google Patents

耐疲労亀裂性アストロロイ型ニッケル基超合金およびそれから作製される製品

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JPH02115332A
JPH02115332A JP1248261A JP24826189A JPH02115332A JP H02115332 A JPH02115332 A JP H02115332A JP 1248261 A JP1248261 A JP 1248261A JP 24826189 A JP24826189 A JP 24826189A JP H02115332 A JPH02115332 A JP H02115332A
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alloy
fatigue
crack
alloys
rate
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JP1248261A
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English (en)
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Michael F Henry
マイケル・フランシス・ヘンリー
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General Electric Co
Original Assignee
General Electric Co
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Publication date
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C19/00Alloys based on nickel or cobalt
    • C22C19/03Alloys based on nickel or cobalt based on nickel
    • C22C19/05Alloys based on nickel or cobalt based on nickel with chromium
    • C22C19/051Alloys based on nickel or cobalt based on nickel with chromium and Mo or W
    • C22C19/056Alloys based on nickel or cobalt based on nickel with chromium and Mo or W with the maximum Cr content being at least 10% but less than 20%

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 ニッケル基超合金が高性能を必要とする環境で広く使わ
れていることはよく知られている。そのような合金は、
1000@F以上の高温で高強度その他の望ましい物性
を保持しなければならないジェットエンジン、陸上ガス
タービン、その他の機関に広く使用されて来ている。
これらの合金の多くはいろいろな体積百分率でγ′析出
物を含んでいる。このγ′析出物はこのような合金の高
い使用温度における高性能特性を担っている。
γ′の相化学の特性は、ホール(E、L、 Hall)
、クー(Y、M、 Kouh)およびチャン(K、M、
 Chang)によって、「析出強化型超合金における
相化学(PbaSe Chemistries in 
prec+pttation−strengthent
ng 5uperalloy) J  [1983年8
月のアメリカ電子顕微鏡検査学会節41回年令会報(P
roceedings of’ 41st Annua
l Meeting of’ Electron Mi
croscopy 5ociety of’ Amcr
lca)第248頁〕中でさらに詳しく述べられている
米国特許筒2.570,193号、第2,621.12
2号、第3,046,108号、第3゜061.426
号、第3.151,981号、第3.166.412号
、第3.322.534号、第3,343,950号、
第3,575,734号、第3,576.861号、第
4. 207. 098号および第4.336,312
号にはさまざまなニッケル基合金組成物が開示されてい
る。これらの特許は今日までに報告されたたくさんの合
金化の開発の代表的なものであり、いろいろな物理的・
機械的特性をもった合金系をもたらす相が形成されるよ
うに、同じ元素をさまざまに組合せてそれらの元素間の
明らかに異なる機能的関連をつかんでいる。しかしなが
ら、ニッケル基合金に関して利用可能なデータは豊富に
あるにもかかわらず、公知の元素をある濃度で組合せて
使用して形成されるそのような合金が示すと思われる物
理的・機械的性質をある程度の正確さをもって予想する
ことは、たとえそのような組合せが業界で一般化されて
いる広い教示範囲内に入るものであるにしても、特にそ
れらの合金を従来使用されていた熱処理とは異なる熱処
理を用いて加工したときには、当業者といえどもいまだ
に不可能である。
このような多くのニッケル基超合金でますます重要視さ
れ認識されて来ている問題は、製造時または使用時のい
ずれかにおいて亀裂(クラック)が形成されたりあるい
は亀裂の原因が生じたりしやすく、しかもガスタービン
やジェットエンジンなどのような構造体においてその合
金の使用中にその亀裂が応力下で現実に広がったりまた
は大きくなったりし得るということである。亀裂の伝播
や拡大により部品の破壊その他の故障が起こり得る。亀
裂の発生と伝播による可動機械部品の故障の結果はよく
分かっている。ジェットエンジンの場合は特に危険を招
き得る。
[耐疲労性ニッケル基超合金およびその製法(Fati
gue−Resistant N1ckel−Base
 5uperalloy andMethod) Jと
厘する米国特許筒4,685.977号は本出願と同じ
譲受人に譲渡されている。この特許には、合金化学、γ
′析出物含量および結晶粒子構造に基づいて疲労亀裂伝
播に対して優れた抵抗性を有する合金が開示されており
、そのような合金の製造方法も教示されている。
しかし、最近の研究がなされるまであまり良く理解され
ていなかったことは、超合金で形成されている構造体に
おける亀裂の発生と伝播が単純な現象ではないというこ
と、すなわち、すべての亀裂が同じ機構、同じ速度で、
しかも同じ基準に従って発生し、伝播するわけではない
ということである。逆に、亀裂の生成と伝播そして一般
的な亀裂現象は複雑であることが認識されて来ており、
近年はそのような伝播と応力のかかり方との間の相互の
関連に関して多大な新しい情報が集められて来ている。
亀裂を発生させたり伝播したりするように部材に応力が
かかる期間、かけられる応力の強さ、その部材に応力を
かけたり除いたりする際の速度、およびこの応力をかけ
る予定・計画がもたらす影響が合金によっているいろに
変化することは、(米)国家航空宇宙側(Nation
al Aeronautlcs and 5pace 
Admlnistration)との契約に基づいであ
る研究がなされるまで良く理解されていなかった。この
研究は技術レポートNASA  CR−165123に
報告されている。このレポートは、1980年8月に(
米)国家航空宇宙側(National Aerona
utics and 5pace Adminlstr
atlon)から発行されたカウルズ(B、A、 Co
ν1es) 、ワレン(J、R,Warren)および
ホーク(P、に、 )Iauke)による「航空機ター
ビンディスク合金の反復挙動の評価(Evaluati
on of’ the Cycllc Behavio
r orAircrart Turbine Disk
 A11ays) J第■部、最終報告とされているも
のである。なお、この報告は(米)国家航空宇宙側(N
ational Aeronautlcs and 5
pace AdIIlinistration) 、N
A S Aルイス研究センター(NASA Lewis
 Re5earch Cente?)、契約NAS3−
21379のためになされたものである。
このNASAの後援による研究の主要な発見は、疲労現
象に基づく伝播速度、すなわち疲労亀裂伝播(FCP)
の速度が、かけられる応力すべてに対して均一ではなく
、しかも応力のかかり方に対しても必ずしも均一ではな
いということであった。
さらに重要なことは、亀裂を拡大するような応力がかけ
られる部材に対してその応力をかける頻度と共に疲労亀
裂伝播が現実に変化するという発見である。さらに驚く
べきことに、NASAの後援による研究の重大な発見は
、過去の研究で使用されていた高めの頻度より低い頻度
で応力をかけると実際に亀裂伝播の速度が増大するとい
うことである。いいかえると、このNASAの研究によ
って、疲労亀裂伝播に時間依存性があることが確かめら
れたのである。さらに、この疲労亀裂伝播の時間依存性
は、頻度のみに依存するのではなく、その部材が応力下
に保持されている時間、すなわちいわゆる保持時間に依
存することが判明した。
この低い応力頻度の方が疲労亀裂伝播が異常な程に増大
するということが実証された後、産業界では、この新た
に発見された現象によって、ニッケル基超合金をタービ
ンおよび航空機エンジンの応力がかかる部品に使用でき
る可能性が究極的に限定され、この問題を迂回して設計
するためにあらゆる設計努力をしなければならないと信
じられていた。
しかし、大幅に低下した亀裂伝播速度と良好な高温強度
をもち、タービンおよび航空機エンジン中高応力で使用
されるニッケル基超合金の部品を構築できることが発見
された。
超合金に一番要求される性質の組がジェットエンジンの
構築に関して必要とされるものであることは知られてい
る。必要とされる性質の組のうち、エンジンのいろいろ
な要素によって必要とされる性質の組はさまざまではあ
るが、普通、エンジンの可動部分に対して必要とされる
ものは固定部分に対して必要とされるものより大きくて
多い。
鋳造合金材料ではある種の性質が得られないので、部品
を製造するのに粉末冶金技術を使用しなければならない
ことがある。しかし、ジェットエンジン用の可動部品の
製造の際に粉末冶金技術を使用することに伴うひとつの
制限は、粉末の純度の問題である。もし粉末が小粒のセ
ラミックまたは酸化物などのような不純物を含有してい
ると、可動部品中でその小粒がある所は亀裂の発生が始
まる潜在的に弱い点になる。そのような弱い点は本質的
に潜在的な亀裂である。そのような潜在的な亀裂が存在
する可能性のために、亀裂伝播速度を低下・抑制すると
いう問題がいっそう重要になる。本発明者は、合金組成
の調整とそのような金属合金の製造方法との両方によっ
て亀裂伝播を抑えることが可能なことを発見した。
本発明によって、粉末冶金技術で製造することができる
超合金が提供される。また、この超合金を加工処理して
、最先端技術のエンジンディスク用途に使用される優れ
た性質の組または組合せをもった材料を製造する方法も
提供される。ディスク用途に使用される材料に対して従
来から必要とされている性質には高い引張強さと高い応
力破壊強度が包含される。さらに、本発明の合金は時間
依存性の亀裂成長伝播に抵抗するという望ましい性質を
示す。このような亀裂の成長に対する抵抗性は部品の低
サイクル疲れ(L CF)寿命にとって本質的に重要で
ある。
タービンとジェットエンジンに使用する合金製品が開発
されるにつれて、エンジンやタービンのいろいろな部分
に使用される部品に対してさまざまな性質の組合せが必
要とされることが明らかになって来た。ジェットエンジ
ンの場合、航空機エンジンの性能要求が増大するにつれ
て、より進んだ航空機エンジンの材料要件はさらに厳し
くなり続けている。これらの種々の要件は、たとえば、
多くのブレード合金が鋳造形態で非常に良好な高温特性
を示すという事実に現われている。しかし、ブレード合
金は中間的な温度で不十分な強度を示すので、鋳造ブレ
ード合金からディスク合金へ直接変換することは極めて
ありそうもないことである。さらに、ブレード合金は鍛
造するのが極めて困難であることが判明しており、しか
もディスク合金からディスクを製造するのには鍛造が望
ましいことが分かっている。また、ディスク合金の亀裂
成長抵抗性は評価されていない。したがって、増大した
エンジン効率とより大きな性能を引出すために、航空機
エンジンに使用される合金の特殊な一群としてのディス
ク合金の強度と温度性能を改良することが常に望まれて
いる。
したがって、本発明に至った研究を遂行する上で望まれ
ていたことは、疲労亀裂伝播の時間依存性が小さいかま
たは最小であり、さらに疲労亀裂に対する耐性が高いデ
ィスク合金の開発であった。
またやはり望まれていたことは、特性、特に引張特性、
クリープ特性および疲労特性のバランスであった。さら
に、亀裂成長現象の抑制に関して確立されていた合金系
の強化が望まれていたのである。
本発明の超合金組成物およびその加工処理方法の開発で
は、疲労特性に注目し、特に亀裂成長の時間依存性を扱
っている。
高強度合金物体における亀裂成長、すなわち亀裂伝播速
度は、かかっている応力(σ)と亀裂の長さ(a)に依
存することが知られている。これらのふたつのファクタ
ーは破壊力学によって結び付けられて単一の亀裂成長駆
動力、すなわち応力度因子(stress 1nten
sity f’actor ) Kになる0この因子に
はσJaに比例する。疲労条件下で、疲労サイクルにお
けるこの応力度はふたつの成分、すなわち反復成分と静
止成分から成り得る。前者は、反復応力度の最大の変化
(ΔK)、すなわちK  とに、 との差を表わす。普
通の温度の場ff1ax     ll1ln 合、静止破壊靭性に1oに至るまで亀裂成長は主として
反復応力度(ΔK)によって決定される。亀裂成長速度
は数学的にはd a / d Nα(ΔK)nと表わさ
れる。Nはサイクルの数を示し、nは材料によって決ま
る。反復頻度とその波形は亀裂成長速度を決定する重要
なパラメーターである。ある所与の反復応力度では、反
復頻度が遅い方が、亀裂成長速度はそれだけ速くなり得
る。疲労亀裂伝播のこの望ましくない時間依存性の挙動
は、現存するほとんどの高強度超合金で見ることができ
る。この時間依存性の現象の複雑さに加えて、この亀裂
は、温度がある点より高くなると、反復成分がまったく
かからなくとも(すなわちΔに−0)、ある強度にの静
止応力下で成長し得る。設計の目標は、できるだけ小さ
く、シかもできるだけ時間依存性をもたないd a /
 d Nの値を見出すことである。応力度の成分はある
温度範囲ではお互いに相互作用することができ、その結
果、亀裂成長は反復応力度と静止応力度、すなわちΔに
とKの両者の関数となるようになる。
発明の詳細な説明 したがって、本発明のひとつの目的は、亀裂発生に対す
る抵抗性が高くなったニッケル基超合金製品を提供する
ことである。
もうひとつ別の目的は、確立されている公知のニッケル
基超合金の亀裂が発生し易い傾向を低下せしめる方法を
提供することである。
また、別の目的は、反復する高応力下で使用される、疲
労亀裂伝播に対する抵抗が高くなった物品を提供するこ
とである。
さらに、別の目的は、ある範囲の頻度数に亘って反復し
て加えられる応力下で亀裂に対する抵抗性をニッケル基
超合金に付与することができる組成と方法を提供するこ
とである。
その他の目的の一部は以下の説明から明らかであろうし
、一部は以下で指摘する。
その広い局面のひとつにおいて、本発明の目的は、次の
概略組成を存する組成物を提供することによって達成す
ることができる。
成  分  組成物中の濃度(重量%)(下限量)〜(
上限量) Ni     残部 Co     5〜15 Cr    13〜16.5 Mo     2〜6 AI    3.0〜5 Ti    2.0〜5,0 Ta1.5〜4.O Nb    0.5〜2.0 Zr          0. 0〜0. 10■  
        0.0〜2.0COl 0〜0.20 B           O,O〜0.10W    
       O,O〜1.0゜本発明の目的は、また
、その広い局面の他のひとつにおいて、次の概略組成を
存する組成物を提供することによって達成することがで
きる。
成  分  組成物中の濃度(重量%)(下限量)〜(
上限量) Ni     残部 Co     5〜15 Cr13〜16.5 Mo     2〜6 AI    3.0〜5 Ti    2.0〜5.0 Ta1.5〜4.O Nb    O,5〜2,0 ReO,0〜3.O Hf    0.0−0.75 Zr          O60〜0.10V    
        O,O〜2. 0COl 0〜0.2
0 B           Ol 0〜0.10W   
       Oo θ〜1. 0Y        
 Ol 0〜0.10゜以下の詳細説明は、添付の図面
を参照するとより分かり易くなるであろう。
発明の詳細な説明 本発明者は、高温で高強度を必要とする構造体に使用さ
れる現在市販の合金を研究することによって、従来の合
金があるパターンをもっていることを発見した。このパ
ターンは、前記の最終レポートNASA  CR−16
5123号にあるデータを本発明者が考案した方法でグ
ラフにプロットしたことに基づくものである。本発明者
は、1980年のこのNASAレポートのデータを、第
1図に示したパラメーターを用いてプロットした。
第1図を見ると明らかなように、データはほぼ対角線上
に並んでいる。
第1図では、亀裂成長速度(インチ/サイクル)が極限
引張強さ(ksi)に対してプロットされている。個々
の合金はこのグラフ上にプラス(+)の;ご号で示しで
あるが、この記号は、それぞれの合金の特徴である極限
引張強さ(ksi)の値におけるその合金の対応する特
性である各々の亀裂成長速度(インチ/サイクル)を示
している。見て分かるように、滞留時間900秒と表示
した直線は、これら従来周知の合金の亀裂成長速度と極
限引張強さとの間の特徴的な関係を示している。
このグラフの底部には、上方に表示した十の記号の点に
対応する類似の点が、0.33ヘルツ(Hz)、すなわ
ちいいかえると、より高い頻度で行なった亀裂伝播速度
試験に関して示されている。
このグラフの上部に示したそれぞれの合金に対して菱形
で示されたデータは0.33Hzと表示した直線に沿っ
た領域にある。
第1図から明らかなように、長い滞留時間に対してこの
グラフの右下隅の座標をもつ合金組成物はないというこ
とである。実際、この長い滞留時間の亀裂成長試験に対
するデータ点はすべてこのグラフの対角線に沿って並ん
でいるので、形成される合金組成物はいずれもこのグラ
フの対角線に沿ったどこかに位置することになるように
思われた。いいかえると、第1図にプロットしたパラメ
ーターによって長い滞留時間で高い極限引張強さと低い
亀裂成長速度とを両方とも有する合金組成物を見出すこ
とはできないように見えた。
しかし、本発明者は、高い極限強度と低い亀裂成長速度
とのユニークな組合せを達成することが可能な組成を有
する合金を製造することが可能であることを発見した。
第1図にプロットしたデータに関して本発明者が仮説的
に到達した結論のひとつは、クロム濃度が各種合金の亀
裂成長速度に対しである影響を及ぼし得るということで
あった。このため、本発明者は1980年のNASAレ
ポートのデータを使用して亀裂成長速度に対してクロム
含量(重量%)をプロットした。このプロットの結果を
第2図に示す。この図で、クロム含量は約9%から約1
9%まで変化していることが分かり、対応する亀裂成長
速度の測定値は、クロム含量が次第に増大すると共に亀
裂成長速度が低下することを示している。このグラフに
よると、クロム含量が低くて、しかも同時に長い滞留時
間で低い亀裂成長速度をもつ合金組成物を考案すること
は極めて困難であるかまたは不可能であるかもしれない
ように思われた。
しかしながら、本発明者は、ある超合金組成物の成分を
組合せて適切に合金化すると、低いクロム含量と長い滞
留時間での低い亀裂成長速度とを有する組成物を形成す
ることが可能であることを見出した。
試験片に応力をかける際の保持時間と亀裂成長が変化す
る速度との関係の一例を第3図に示す。
この図では、亀裂成長速度の対数を縦軸に、滞留時間ま
たは保持時間(秒)を横軸にプロットしである。5X1
0’という亀裂成長速度は、反復応力度因子が25ks
i/inの場合理想的な速度であると見られるかもしれ
ない。もし理想的な合金が形成されれば、その合金は亀
裂または試片に応力をかけている保持時間の間ずっとこ
の速度を示すであろう。そのような現象は第3図の直線
(a)で表わされている。この直線は、亀裂成長速度が
、試片に応力をかけている間保持時間または滞留時間と
本質的に無関係であることを示している。
これとは対照的に、現実の亀裂生成現象により近い現実
に即した非理想的な亀裂成長速度を、第3図に曲線(b
)として示す。数秒以内の非常に短い保持時間の間、理
想的な線(a)と実際的な曲線(b)はあまり大きくは
離れないことが分かる。このように高い頻度すなわち低
い保持時間で試料に応力をかける場合には、亀裂成長速
度は比較的低い。
しかし、試料に応力をかける保持時間が長くなると、従
来の合金に対する実験で得られる結果は曲線(b)に従
う。したがって、応力負荷の頻度が低くなり応力負荷に
要する保持時間が長くなると、直線的な速度からのずれ
が大きくなることが分かる。約500秒という保持時間
を任意に選択してみると、亀裂成長速度は標準的な速度
の5×10°−5から5X10−3へと100倍も増大
し得ることが第3図から明らかである。
ここでもまた、亀裂成長速度が時間に依存しなければ望
ましいことであろうし、これは保持時間が長くなり応力
をかける頻度が少なくなるとき曲線(a)をたどること
で理想的に表現されるであろう。
驚くべきことに、本発明者は、超合金の成分を少しだけ
変えることによって、その合金の長い滞留時間の亀裂成
長伝播に対する抵抗性を大きく改良することが可能であ
ることを見出した。換言すると、合金化の修正により亀
裂成長の速度を低下させることが可能であることが判明
したのである。
さらに、合金の処理によって強度の増大も可能である。
そのような処理は主として熱処理である。
実施例 HK−97と呼ぶ合金を製造した。この合金の組成は本
質的に以下の通りであった。
成  分     濃度(重量%) Ni     残部 Cr     15 Mo      4 AI      3,7 Ti      3゜5 Ta      2.5 Nb      1.25 Re      Q、 Q Hf      Q、Q Zr      O,06 O CO,05 B      0.03 YOlo。
この合金を各種の試験に供し、その試験結果を第4〜8
図にプロットした。ここで、「スーパーソルバス」処理
した材料に対してデータを採取した合金はr−SSJの
文字をつけて表わしである。
すなわち、この材料に対して行なった高温の固体状態熱
処理は、強化性のγ′析出物が溶解する温度よりは高く
て初期融点よりは低い温度で行なった。この結果、通常
はその材料中の結晶粒度が粗くなる。強化性のγ′相は
その後の冷却および時効化の際にふたたび析出する。
ここで第4図を参照すると、亀裂伝播速度(インチ/サ
イクル)が冷却速度(0F/分)に対してプロットされ
ている。ルネ(Rene’) 95− S SとHK−
97−SSのサンプルは、最大応力度因子で保持時間を
1000秒として1200@Fの空気中で試験した。明
らかに、サンプルを冷却するのに試したあらゆる冷却速
度に対して、HK−97−SSはルネ(Rene’) 
95− S Sより低い亀裂成長速度を有しており、H
K−97−SSの亀裂の成長速度は20〜30倍も遅い
。このような超合金から製造された部品の冷却速度の範
囲は100°F/分から600”F/分の範囲であると
予想されていることに注意すべきである。
以上のことから明らかなように、本発明は、成分の種類
とその相対濃度の両方に関してユニークな組合せの成分
を有する合金を提供する。また、本発明によって提案さ
れる合金は亀裂伝播抑制に関して新規で独特な能力を有
していることも明らかである。第4図から明らかなHK
−97−3S合金の低い亀裂伝播速度da/dNは本発
明だけの新規で素晴らしい結果である。
これは、本発明の合金の構成成分がアストロロイ(AS
TROLOY)合金にみられる構成成分と少し相違する
だけであるにもかかわらず、その構成成分の少しの違い
が長いサイクル疲労試験で亀裂伝播速度を増大させるこ
となく強度に劇的な相違、特に改善をもたらすのにこの
うえな(重大であるのであるから、極めて驚くべきこと
である。この成分およびその割合の小さな違いによって
、予想外の顕著に低い疲労伝播速度と共に強度・その他
の性質の極めて望ましい組合せがもたらされるのである
。このような性質もまた、本出願に添付した図面のグラ
フから明らかである。
本発明の合金のその他の性質に関して、第5.6.7お
よび8図を参照して以下に説明する。
本発明の合金はいくつかの点でアストロロイ(ASTR
OLOY)合金と類似しているが、本発明の合金をアス
トロロイ(ASTROLOY)よりずっと強度の高い合
金と比較する基礎とするために本発明の合金と95−5
Sのサンプルの比較試験を実施した。
750”Fで得られた試験結果を第5図と第6図に、ま
た1400@Fで得られた試験結果については第7図と
第8図にプロットした。
まず、第5図にプロットした試験データに言及する。第
5図には、750°Fで引張試験を行なった2種の合金
サンプルHK−97−SSとルネ(Rene’) 95
− S Sについて、降伏応力(ksi)と冷却速度じ
F/分)との間の関係がプロットされている。このプロ
ットで、HK−97−SS合金の750°Fにおける降
伏強さは、高強度合金であるためによく知られているR
ene’  95−8Sより2〜7%低いだけであるこ
とが明らがである。
HK−97−3Sとルネ(Rene’) 95− S 
Sのサンプルはどちらも粉末冶金技術によって製造した
ものであり、したがって比較には極めて適切であった。
第6図は、上記の実施例に従って製造した合金HK−9
7−SSのサンプルについて、また比較としてのルネ(
Rene’) 95− S Sのサンプルについて、極
限引張強さ(ksi)を冷却速度(F7分)に対してプ
ロットしたものである。試験したサンプルは750”F
で測定した。ルネ(Rene ’ )95が市販されて
いる公知の超合金の中では最も強いもののひとつである
ことはよく知られている。
第6図から明らかなように、HK−97−SS合金とル
ネ(Rene’) 95− S S合金のそれぞれのサ
ンプルに対して行なった極限引張強さの測定の結果は、
HK−97−8S合金の極限引張強さが実際にルネ(R
ene’) 95− S S材料より2〜5%低いだけ
であることを立証した。
ここで第7図と第8図を参照すると、ルネ(Rene’
)95−SSとHK−97−8Sの2種の合金について
、1400@Fにおける降伏強さと極限引張強さがそれ
ぞれ冷却速度(°F/分)に対してプロットされている
。これら2種のサンプルはいずれも1400°Fで試験
した。HK−97−8S・のデータは最大でもルネ(R
ene’) 95− S Sのデータより6%低いだけ
である。
第5.6.7および8図にプロットされているデータは
、さらに、本発明の合金がルネ(Rene’)95と比
較してルネ(Rene’) 95の引張特性とまさしく
等しい程度の1組の引張強さ特性をもっていることも示
している。
また、360°F/分で冷却した材料に関して1200
’ F (649℃)で測定した極限引張強さ(219
ksi)は、第1図の粉末冶金アストロロイ(ASTR
OLOY)  (図中のASTROLOY−HIP)に
比べて顕著な改善を示している。
さらに、疲労亀裂伝播の抑制に関して、本発明の合金は
、ルネ(Rene’) 95、特に本発明の合金の工業
生産で使用される速度の100°F/分から600”F
/分の冷却速度で製造されたルネ(Rene’) 95
合金よりずっと秀れている。
本発明の達成による顕著な効果は、アストロロイ(AS
TROLOY)合金の成分と比較してHK−977合金
成分を少し変えただけで、疲労亀裂伝播耐性が大きく改
良されていることである。
合金組成の小さい変化を例示するめだにアストロロイ(
ASTROLOY)とHK−97の両者の成分を以下に
挙げる。
表   I 成分  HK−97ASTROLOY Ni 57.81 60.55 Co 10  17 Cr 15  15 Mo45.25 Al  4  4 Ti  3.5 3.5 Ta  2.5 Nb  1.25 Zr  O,06 CO,850,06 B       O,030,01 上の表1から明らかなように、合金HK−97の組成と
比べてアストロロイ(ASTROLOY)合金の組成で
意味のある違いは、本発明の合金がコバルトを7.0重
量%とモリブデンを1.25重量%省き、タンタルを2
.5重量%とニオブを1.25重量%添加している点で
ある。
第1図に教示されていることに鑑みると、このような組
成の変化によって、本発明合金の基本的な強度特性をル
ネ(Rene’) 95の強度特性とほとんど匹敵する
までに増大または改良しながら、同時にこの合金の長い
滞留時間のときの疲労亀裂抑制を達成できるということ
はむしろ驚くべきことであるように思われる。しかし、
これは、添付の図面に挙げ、上で詳細に述べたデータに
よって明らかにされているように、まさに組成の変化の
結果なのである。
上記のような特性の顕著な変化に関係しない成分のその
他の変更、特にいくつかの成分の多少の変更をしてもよ
い。たとえば、HK−97合金で見出された特性の独特
かつ有益な組合せを変えることなく、特にそのような特
性を損うことのない程度にレニウムを少量添加してもよ
い。
本発明の合金を特に亀裂伝播の抑制に関して独特に有利
な側合を与える成分および成分の比率の点から記載して
来たが、その他の成分、たとえばイツトリウム、ハフニ
ウムなどを新規な亀裂伝播抑制に影響することのない比
率で本発明の組成物中に含ませることができることが分
かるであろう。
たとえば、θ〜0. 1%程度の少量のイツトリウムを
、本発明の合金の性質の独特で価値の高い組合せを損う
ことなく本発明の合金中に含ませることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、650℃での疲労亀裂伝播(30ksiにお
けるΔK)について、極限引張強さ(ksi)に対して
疲労亀裂成長(インチ/サイクル)を対数目盛りでプロ
ットしたグラフである。 第2図は、第1図と同様な試験結果をプロットしたグラ
フであるが、横軸目盛りはクロム含量(重量%)である
。 第3図は、試験片に反復して応力をかけた場合の、保持
時間(秒)に対して亀裂成長速度の対数をプロットした
グラフである。 第4図は、亀裂伝播速度da/dN(インチ/サイクル
)を冷却速度じF/分)に対してプロットしたグラフで
ある。試験条件:1200°F。 空気中、R−0,05、保持時間1000秒、Δに一2
5ksiJin0 第5図は、750”Fでの引張試験について、降伏応力
(ksi)を対数目盛りの冷却速度(@F/分)に対し
てプロットしたグラフである。 第6図は、750@Fでの引張試験について、極限引張
強さ(ksi)を対数目盛りの冷却速度じF/分)に対
してプロットしたグラフである。 第7図は、1400@Fでの引張試験について、降伏応
力(ksi)を冷却速度(°F/分)に対してプロット
したグラフである。 第8図は、1400°Fでの引張試験について、極限引
張強さ(ksi)を冷却速度(°F/分)に対してプロ
ットしたグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)以下の成分を以下の割合で含有する合金組成物: ▲数式、化学式、表等があります▼
  2. (2)約600°F/分以下の速度で冷却されたもので
    ある請求項1記載の組成物。
  3. (3)50〜600°F/分の速度で冷却されたもので
    ある請求項1記載の組成物。
  4. (4)以下の成分を以下の割合で含有する合金組成物: ▲数式、化学式、表等があります▼
  5. (5)約600°F/分以下の速度で冷却されたもので
    ある請求項4記載の組成物。
  6. (6)50〜600°F/分の速度で冷却されたもので
    ある請求項4記載の組成物。
JP1248261A 1988-09-26 1989-09-26 耐疲労亀裂性アストロロイ型ニッケル基超合金およびそれから作製される製品 Pending JPH02115332A (ja)

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US07/248,754 US5124123A (en) 1988-09-26 1988-09-26 Fatigue crack resistant astroloy type nickel base superalloys and product formed

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